子鹿のゾンビ(2025)
- ラーチャえだまめ
- 6 時間前
- 読了時間: 7分

【原題】Bambi: The Reckoning
【監督】 ダン・アレン
【出演】ロクサーヌ・マッキー トム・マルヘロン ニコラ・ライトほか
【あらすじ】
子鹿のバンビは森の中で幸せに暮らしていたが、ある日、猟師に母親を撃ち殺されてしまう。時が経ち成長したバンビは、今度は人間による森林開発でつがいの相手をトラックで轢き殺され、幼い子も行方不明となってしまう。自らも川に廃棄された化学薬品を知らずに飲み、ゾンビ化したバンビは、すべてを奪った人間たちに復讐するため、そして最愛の我が子を捜し出すため、人間狩りを開始。鋭利なツノと恐ろしい牙を武器に、悪い人間たちを血祭りにあげていく。(映画.COMより)
【感想(ネタバレなし)】

『悲報:「プーニバース」ついに“真面目”に映画を撮り始める』
先日新宿の映画館で席につくなり妙に臭いな〜臭いな〜、と恐る恐る隣を見たら素足のオヤジの放つ足の臭いだったんですねーどーも稲川ラーチャえだまめです。よい子のみんなはサンダルで劇場カチ込む時は足の裏と相談してくれよなッ!!…というわけで本日はそんな足の裏よりコロコロだから臭わないんじゃない?あ、でもそれはせんべいばっか食ってればの話

子鹿のゾーーーーーーーーーーンビ
出ました「悪あがきは大概にしろ」(オタマでパコーン)シリーズ最新作、2023年とある児童文学で有名な「くまのプーさん」の著作権を独占していたネズミーの著作権が切れてこの世で最も使い勝手のよいコトバ「パブリックドメイン化」された瞬間を狙い光の速さで爆誕した「プー あくまのくまさん」(2023)という完全な出オチ感アリストテレスなZ級映画が全米で賛否両論ながら予想外のスマッシュヒットを飛ばし完全に“ネズミーキャラクターを何の因果関係もなくただひたすらに血みどろのグロホラー化する”ことにプーより甘い蜜を知ってしまった制作スタジオ“itn”がすぐさま1年後に続編「プー2 あくまのくまさんとじゃあくななかまたち」(2024)の公開と続々と著作権が切れるディズニーキャラクターたちを闇落ちさせ単独作公開した後1本の映画でアッセンブルさせちゃおうじゃないかというルッソ兄弟も度肝を抜く「プーニバース」なる壮大な計画まで発表され舞浜のお茶の間に戦慄が走ったとかいないとか

そんなわけで本日は“著作権切れて飛びついたシリーズ第3弾”に選ばれてしまった、既に「プーニバース」のコンセプトアートで“バンビにまたがるプー”という衝撃的なシーンがお披露目された我らがかわいい「バンビ」が見るも無惨な巨大殺人クリーチャー化してしまったらしい…??シカ大国のニッポン人としてこれは見なくてはという使命感と“原作破壊”なんてもはや関係ないただシカ型のクリーチャーが劇場で拝めればそれで良きのクリーチャー愛が炸裂してしまい劇場に足を運ばせて頂いた次第。プロデューサーは「プー あくまのくまさん」や「シン・デレラ」ほかディズニーに親でも◯されたんかってくらい目の敵にして魔改造に勤しむ諸悪の根源スチュアート・オルソン、監督は「プー2」で編集を務めたダン・アレン。いやー正直今回も期待はしていませんでした。どーせただのB級クリーチャー映画だろうと。撮影期間わずか16日というタイトさからもわかる通り本作も確かに誰もが(?)私物化したがる名作タイトルゆえに我先にと他の追従を許さない最中、一刻も早く公開にこぎつけるという意味での突貫工事で作られたドB級映画だと思ったら

無駄に「“ド真面目”に作ってるのがちょっとムカつくくらい面白い」って何?
ウマシカかよ!?確かにバンビのCGは令和7年にしてはお世辞にもレベルは高いとは言えないしツノでドつかれてなぜか胴体真っ二つになる怪現象、バンビと意思疎通?できる認知症最強お婆さんに子役は間接的に人◯してるし、そもそも化学薬品ぶちまけた諸悪の根源の野郎じゃなくて襲われるのは親子とその親戚と関係ないウーバーのオヤジって狙う人間が間違っt(ニンゲン、ミンナワルイ!◯ス!!)脚本メチャクチャなんだけど「親子の絆」という冨田製麺のつけ麺よりぶっとい一本柱で支えられているから妙な安定感があって、自然界代表バンビ選手と対照的な人間のクソさが遺憾無く発揮されていたりと、もうちょっと馬鹿馬鹿しさフルスロットルかと思ったら「何普通に映画撮ってんだよ。」と冷静なツッコミを入れざるを得ない!?映画だったんですねー。

ある意味一番大事な悪魔の毒毒バンビ爆誕ストーリーを冒頭の絵本でサラッと終わらす手抜き、否「お前らそんなことより早く“あの”バンビが暴れる姿を拝みたいだろう?」……わかってらっしゃる!!(泣)とイワンコフばかりにその後は間髪入れずに早速バンビ登場。しかも相手はよそ見運転しまくりのタクシー……正面衝突したら普通ならば残酷にも轢かれてしまうシカ……がしかしこちとらかつてウォルトディズニーという最強のスポンサーを背負いし名作劇場出身という強み……いやこの場合単純にカラダがステロイド製のムキムキ肥大化した“物理的に強い”とでも言おうか?軽々とこれまた巨大なツノでタクシーを背負い投げ〜!からの屋敷に場所を移せばこれまた間髪入れずに自宅を壁ごとぶち壊して早々に乗り込んでくる豪快さと“ひづめで起用に扉を開ける”繊細さの合せ技で「え待って、可愛くない?(ない)」バンとのチェイスシーンではパカラッパカラッと音が聞こえるレベルの大追跡&バン内部の窓から追い越されるのが見える臨場感はお世辞にも「ジュラシック・パーク」を彷彿とさせる!?
低予算でも迫力あるバンビを見せるためのフルCGバンビの「使い所」がうまいな〜と思いました。舞台はずっと漆黒の森の中なのに何故かスポットライトに当たって現れるサービス精神もあって序盤からしっかりとそのフォルムを拝むことができる、クリーチャー愛好家のツボも完全に押さえたファンサ精神。しかも「色んなフェイタリティを持っている」特にお気に入りは蹴鞠ならぬ首で血が騒ぐようです……

日本ではPG12指定ですがゴア描写もけっこう頑張っていると感じましたね。ちなみにバンビのデザインはネトフリが誇る村ホラーならぬ「村クリーチャー」映画の傑作「ザ・リチュアル」のシシガミ様(と勝手に呼んでいる)をモデルにしてるという、うんうん首がもげるほど縦に振りたい(同じシカ映画の「アントラーズ」を真似なくてよかった…汗)さらに魔改造されたのはバンビだけではございませんうさぎ丼?原作に登場するバンビの森のフレンドたちもついでにクリーチャー化。このうざきがまた地味に人気出そうなくらい可愛い。
先述したお馬鹿な人間サイドですが“動物虐待するヤツ”や“森の中で立ちションするヤツ”は総じて◯ぬホラー映画の因果応報的な展開で実に清々しく、ただ基本身勝手な生態ながらココにも“親子”というテーマが存在し、バンビと母親を重ね合わせるか如く対峙させ……互いに労って行こうぜ?そして涙なしには(?)見られないクライマックス。子鹿の「ファオーン」という鳴き声。アナタは“シカの遠吠え”を見たことがありますか……?

泣かされてパンフレット買っちゃったよ馬鹿…(大嘘)
しかし今回も邦題が酷い。正直「子鹿」でもないし「ゾンビ」でもないし。そのまま原題の「バンビ」じゃダメだったのか……1923年にオーストリアの作家フェーリクス・ザルテンの児童文学「バンビ 森の暮らし」を下敷きに1942年に公開された「バンビ」は、ある意味ディズニーに毒されていたと言っても過言ではない?原作はアニメよりも残酷らしい?自然界で力強く生きるバンビの姿と人間の愚かさなどを描いた代物で、ゆえに本作はアニメ版より“原作により忠実”にという意味では?今挙げた要素をきちんと現代風にして描いている点で“成功”……と言えるのかもしれない??
エンドロールの「バンビは帰ってくる」…じゃないよ!!もうケヴィン・ファイギにも訴えられろ!!しかもこのあともすぐ後ろに「ピノキオ」と「ピーターパン」が順番待ちしているという……そのうちまーるい耳の“アイツ”とのコラボも時間も問題かもしれませんね!!
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