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キャドー湖の失踪(2024)

【原題】Caddo Lake

【監督】セリーヌ・ヘルド ローガン・ジョージ

【出演】ディラン・オブライエン エリザ・スカンレン ローレン・アンブローズほか

【あらすじ】

ある日、8歳の少女がキャドー湖で謎の失踪を遂げる。母の死の真相を探っていたパリスと、失踪した少女を探すエリーは、それぞれ引き寄せられるように湖の奥へと進んで行く。この地に隠された秘密と、事件の真実とはいったい何なのか…。





【感想(ネタバレなし)】

『こんな車窓は嫌だ:路線がない』





どーもどーも5月病ならぬ6月病で体調がすこぶる悪いラーチャえだまめです。。。そりゃ急に真夏日になって体調崩すはわかるんだけど今月入ってからコロナになるわ食中毒になるわホントにトホホ……おかげで見たい映画も全然見に行けてなー……やっちまったなぁあああああ!!!……病人は黙ってサブスクッ!!、というわけで今日はサブスクで見つけたコチラの映画



【キャドー湖の失踪】!!??サブスク四天王の一つユーアーNEXT略してU‐NEXTで発見したコチラ、ふ〜ん“U‐NEXT独占配信”とな?しかも製作は娘に監督させたり自身の映画で主演させたり“どんでん返しの鬼才”からいつの間にかただの“親バカ”のイメージしかないMナイト・シャマラン!?いやーこんな映画あったとはシランガナ。製作ですから監督は別の人らしいのですが……。



タイトルの“キャドー湖”とはアメリカはテキサス州とルイジアナ州の境にある最大の湖のことでジェシー・アイゼンバー……“ビッグフットの聖地”としても有名なあの湖ですよ綾瀬さんッ!?そんなUMA目撃情報の多いキャドー湖を何の因果か“バミューダトライアングル”化してしまったらしい!?いやー前半のクライムドラマ感アリストテレスなドゥニ・ヴィルヌーヴの「プリズナーズ」風のミステリアスな失踪事件、、、、から一転して後半はソンゲバソナなまたしても時を駆けまくる「タイムリープもの」という!?ゴリゴリのSFパラドックスがまたしても起きてしまう、総じて何コレめちゃくちゃ面白いヤツじゃん……








まず結論から言って“よく出来ている”画的にはひたすら地味ーヘンドリックスが続きますが画面いっぱいに広がるキャドー湖のもつ不思議な魔のちカラか、あるいは前半〜中盤のサスペンスから後半の“大どんでん返し”に全く最後まで飽きることなく完全に打ちのめされてしまいましたねー!!U‐NEXT独占配信なのが非常に勿体ない(配信元のHBO Max Originalが日本だとU‐NEXTとしか契約していないからしょうがないっちゃしょうがない……あーでも米のホラーサブスクShudder作品が日本で劇場公開されたりしてるし日本の配給会社が変えば劇場公開できるんじゃ…)もっとサブスク界全体で騒ぎ立ててもいいレベルに知名度ないのが非常に勿体ない!?そしてこの時点で「ちょっとつまんでみようかな」なんて思った方、出来れば本作もぜひとも“予備知識ゼロ”で鑑賞して頂きたい、そんな映画でもあるんですよねぇー。



主演は迷路で迷わせたらNo1「メイズ・ランナー」シリーズのディラン・オブライエン。冒頭彼が演じる青年パリスとその母親が乗った車が橋から転落、パリスだけが助かります。母親を失ったことで心に深い傷を負い同時に滅多に起きない母親の「謎の発作」が事故の引き金になっていたことがどうしても引っ掛かり、あの時運転中の母親の身に何が起きたのか、父親そっちのけで事故の真相をたった一人追い求めている。てあれ物語は「失踪事件」なんじゃ……



場面は変わり今度は義妹のアンナとモーターボートで湖に繰り出すティーンのエリーにスポットが当たる。エリーは母親とアンナの実父で再婚相手の男とあまり打ち解けておらぬ様子で実家にも帰らない日々が続いていた。そんなある時アンナが湖で行方不明に。家族や街の住人総出でアンナの行方を探す事態にエリーもアンナが行きそうな場所を当たって湖を捜索するのだが……



「母親の事故」「少女の失踪」。2つの異なるミステリアスな物語が交互に進展していく。そして2人とも次第にその真相がキャドー湖“そのもの”にあるのでは…??と考えるように。



その本作の裏主人公、“顔”は物語の全てを司るキャドー湖でありまして、本当に一人や二人くらい余裕で行方不明になっててもおかしくないくらいガジュマルみたいな立派な木々も生えまくってるしピッコロ(?)とモリゾーもビックリの湖、と言ってもそれはまるで巨大な“森”、、、、とても神秘的かつ魔力的な恐ろしさも秘めていそうな??キャドー湖全面協力(?)で本編のほぼ半分以上のシーンを湖で撮影。木々の間からオレンジ色の日差しが差し込む美しい昼間の世界と、一転して光一つない漆黒の闇が広がる夜の不気味な世界、2つの顔を持つ湖の魅力を映し出す。その中で主演2人がモーターボートを実際に運転しながら湖の奥地を進んで、ぬかるんだ浅瀬を歩いたりして2人ともほぼずっと“泥だらけ”の状態で湖の中で演技。泥臭さまで伝わってくる主演2人の体を張った演技の賜物ですね!!



でなかなか鉢合わせない2人がどこで交わるのかな〜なんて思いながら見ていたらですよ、今まで見てきた「前半の全てのシーン、セリフが伏線だった」ことに気付かされる衝撃。うわーこれ全部繋がってたんかーい!!シャマランよ制作でもこんなトンデモタイムリープを生み出してたのか…!?前回ご紹介した同じくタイムリープものの「リライト」もカルボナーラばりに複雑に絡みに絡んだ物語でしたが本作もまた脚本の妙といいますかよーくこんな物語考えるなー。前半でバラバラだったピースを後半で一気に組み立てて「一本の物語」が完成するかのような爽快感。複雑さはあれど前半からちゃんと見ていればわかるヒントがバンバンありますのでそこまで身構える必要はありません。



最近原作ものにも手を伸ばしたかと思えば完全オリジナル脚本の「トラップ」はちょっとコメディに走っちゃって“あの頃”のシャマランはもう拝めないものとばかり思っていた矢先!?“ミステリーサークル”でさえ笑いなしの(異星人相手にフルスイングは立派なギャg…)「クソ真面目なミステリー」に仕立て上げた2000年期のシャマラン風が舞い戻ってきたかのような!?(監督は違いますが)あるいは本作の監督はシャマラン以上にシャマラン風を理解していたのか!?とにかく最近シャマラン離れを致してしまった元ファンにも、これはちょっと“刺さる”可能性すらある!?ちょっと地味な「インターステラー」や「テネット」みたいな映画と言えば伝わるでしょうか!?(そしてこれ以上は言えないッテネ…!!)



またシャマランと言えば信仰心と「家族愛」を盛り込んできますが本作のテーマもズバリ家族の「すれ違い」「繋がり」を描いている実はとってもハートフルな映画でもあります。まあエリーに対する両親(特にアンナが失踪したあとの母親)の態度にはちょっとイラッとしますが。パリスもエリーもキャドー湖の秘密を解き明かそうとする動機は“家族”だし。ただ辛い!結構悲しい物語でもあるんだよなーコレが。そう都合よくタイムリープなんてできっこないんですよトホホ……(泣)その辺のリアリティ感がまた残酷だけれど本作は大正解だと思いました。



それにしても斜めにスパッと切れたワニは作り物にしてはやけにリアル(作中の動物には一切危害は加えられておりませんですよね??)何気に“ビックフットの謎”もひとつの仮説レベルで説明できちゃうという!?ちょっと夢がある話になってまいりました!?

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