IMMACULATE 聖なる胎動(2024)
- ラーチャえだまめ

- 7月25日
- 読了時間: 4分

【原題】Immaculate
【監督】マイケル・モーハン
【出演】シドニー・スウィーニー アルバロ・モルテ ベネデッタ・ポルカロリほか
【あらすじ】
タリアの美しい田園地帯。修道院で暮らしはじめた敬虔な修道女セシリアは、処女であるにも関わらず妊娠していることが判明する。ショックを受けるセシリアだったが、周囲の人々は彼女を次の聖母マリアとして崇め、妊娠を祝福する。やがて、赤いフードをかぶった謎の集団が現れるようになり、セシリアの周囲で修道女の自殺や拷問など奇妙な出来事が続発。身の危険を感じた彼女は、外出を禁じる神父たちの目を盗んで修道院から抜け出そうとするが……。(映画.COMよりより)
【感想(ネタバレなし)】

『神父さんあの……寝てないですよね?』
どーもどーもラーチャえだまめです。早速ですが本日はコチラの映画を拝見させていただきました
【IMMACULATE 聖なる胎動】!?男性経験のない“汚れのない”若い見習い修道女がある日突然ハレルヤ“神の奇跡”で「神の子」を宿してしまうという!?前回ご紹介した「VHS94」とその日半ば抱き合わせな形で拝見。主演はドゥニ・ヴィルヌーヴ版「007」のボンドガール最有力候補で本作では主演のほか自ら制作会社「Fifty-Fifty Films」を立ち上げプロデューサーとしても名を連ねる今売れに売れている女優シドニー・スウィーニー。本作はスウィーニーが数年前から長年温めていた企画らしく並々ならぬ気合が入っているのが伺える?クライマックスに顔面血だらけで絶叫するシーンがあるんだけど、しばらずっと絶叫し続けるから見てるこっちの疲労感も半端なくてですね……(汗)
とまぁなかなか責めた映画なんでありますが、いかんせん「B級」と「ノーブラ」ヤッホーが邪魔をする……ん?
物語はアメリカから来た若いシスター“セシリア”が由緒あるイタぁ〜リアぁの修道院に配属されるも、来て早々バージンなのにお腹に新しい命を宿していたことが判明し修道院はセシリアを勝手に「聖母マリア」の再来だと祭り上げるようになり……

あらすじだけでもパッと直近でやったダミアンくん爆誕エピソードゼロ「オーメンザファースト」に内容が似ているな〜、本国でも公開タイミングが同じだったこともあり徹底比較されたらしい。確かに「処女の新米修道女が謎の子を産む」舞台はほぼ修道院、「ルームメイトの修道女が不良」設定までなんで同じなの?ってくらい一緒なんだけど、コチラはサタン的ホラーというよりスピリチュアルな要素もありつつ意外と現実的で「屋敷女」的な?妊婦さんにはちょっとオヌヌメしずらいのですが(汗)痛々しく人間のグロテクスな描写を濃くしたマタニティホラー、といった感じでしたねー。
「生き埋め」の冒頭からいや〜な気配はしていたんですが、舌を斬られたり爪が剥がれたり足裏に十字架の印を押されたり……ホラー映画でも直視はしないライトな表現も多いですが本作はいや〜なシーンはカットせず直視!これで日本では「全年齢対象」って絶対ウ・ソだろ……!?セシリアを助けてくれそうなヘルパーも早々に退場して味方ゼロの中、たった一人の妊婦が修道院と全面戦争するのはあまりに無理ゲーすぎるって(汗)これまで散々“悪者”扱いされていい加減修道院の風評被害額がホラーじゃないかと心配になるがこれ1本だけ見ると「信仰心=狂気」みたいな単純思考に陥りやすいというか、修道院にいる人がみんなヤバい人(実際ヤバい人なんだけど)にしか見えなくてちょっと大味気味。

タイトルの“IMMACULATE”とは「汚れない・欠点のない・罪のない」という意味。これが非常に皮肉めいている。「教皇選挙」でも描かれましたが聖職者だって所詮は人の子、神を信じる者=汚れのない者とはならない。劇中セシリアが神父たちからセクハラな質問攻めにあうシーンはとても侮辱的で、宗教世界では女性は常に弱い立場に抑え込まれているという強い非難もしている。たとえ神の子だろうと「子供は誰の子?」まずは腹を痛めて産んだ“マザー”にその権利が与えられなきゃおかしいではないか?「女性の強さと権利」を主張していて、衝撃的なラストは子供は神様からの贈り物……なわけねーだろがああああああいいい!!というキリストもビックリな未だ時代遅れの古風な思考が根付く宗教タブーへの強烈なカウンターパンチのように目に映りました。
修道院の面々を完膚なきまでにカルト教団にして思いっきり“汚した”という意味では非常に挑戦的で話題性はあると思うのですが___ホラー描写が非常に単調でジャンプスケアやキャラクター設定で「B級臭」を拭いきれずそこが勿体無いんですよねー。ちょいちょい映る“透け”シーンも今それいる??この映画にエロは全く求めてない単純に集中力の阻害にしかならないのもよくわからない演出でしたが……宗教的な女性の支配や抑圧にメスを入れた“今風”のゴシックホラー……と言ったところでしょうか??




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