アマチュア(2025)
- ラーチャえだまめ
- 4月18日
- 読了時間: 6分

【原題】The Amateur
【監督】ジェームズ・ホーズ
【出演】ラミ・マレック ローレンス・フィッシュバーン レイチェル・ブロズナハンほか
【あらすじ】
内気な性格で愛妻家のチャーリー・ヘラーは、CIA本部でサイバー捜査官として働いているが、暗殺の経験もないデスクワーカーだ。最愛の妻とともに平穏な日々を過ごしていたが、ある日、無差別テロ事件で妻を失ったことで、彼の人生は様変わりする。テロリストへの復讐を決意したチャーリーは、特殊任務の訓練を受けるが、教官であるヘンダーソンに「お前に人は殺せない」と諭されてしまう。組織の協力も得られない中、チャーリーは彼ならではの方法でテロリストたちを追い詰めていくが、事件の裏には驚くべき陰謀が潜んでいた。(映画.COMより)
【感想(ネタバレなし)】

『“殺し”はアマチュア、“仕事”はプロフェッショナル?』
どーもどーも文章能力がアマチュアのラーチャえだまめです。早速ですが本日はコチラの映画を拝見させていただきました
【アマチュア】あぁぁぁッ!!!「アマチュア」「ベテラン」「プロフェッショナル」……4月11日は難易度選択の日ですか!?同じ日に似たようなタイトルが“偶然”にも公開されてしまうという(こうなりゃ「セミプロ」も出そう!)今回は一番下の「アマチュア」……一体何がアマちゃんなんですか?愛する妻をテロリストに殺されたCIAの男が自らの手で復讐する毎度お馴染みリベンジアクション……

もう耳にタコができるほど聞き慣れたあらすじかとは思いますがCIAと言っても「その男、デスクワーカーにつき」凄腕の会計士も過去にはおりますが今回はモノホンのガンシュー経験ナシ格闘経験ナシ文字通りの「戦闘経験ナシ」の超雑魚デスクワーカーだったぁ!?
いやーこれは大変興味深い。なんちゃってアクションすら出来ない貧弱な男がどうやってテロリスト達相手に、それも「たった一人で」ファイティンするというのか……いや誰か頼めそうな人材は

なんか同僚がしきりに「俺がやってやるよ」と言ってくるn…
でもねC・I・A(Central Intelligence Agency中央情報局)のデスクワークーですよ!?アメリカのみならず世界各国の「情報」を監視・操作することが出来るどえらい局勤務、というだけで既に激レアさん案件ですがそこの「パスワードを作った」IQ170のチャーリー・ヘラーという「殺しはアマチュア、仕事はプロフェッショナル」な男だったとしたら…!?これはまたしても新しいリベンジ映画が爆誕してしまったかもしれません。
確かに腕っぷしではお話にならない。しかし彼の持つスペシャルな「デジタルスキル」、どんな場所に隠れていようが居場所を特定できる「ハッキング」力、敵の目を欺く「データ偽造」能力、さらにワクワクさんもビックリな「即席爆弾」の作成能力などなど……これらを駆使して肉体派な主人公を支える裏方サポーター的ポジションの理系男子が思いっきり日の下で活躍する姿はこれまでにない新鮮さ。へぇ〜そんなヤり方があるのか、少々回りくどくても「小細工な罠」を仕掛けていく面白さ。この小細工さにいやらしさがないのは演じたのがアカデミー俳優ラミ・マレックだったからかもしれない!?チャーリーの瞳の奥に映る亡き妻への純粋な愛。そして失った喪失感。非常に「人間味」溢れるキャラクターを見事に演じているんですね。ちなみに肉体的には「一般人」を演じるにあたり敢えて体を鍛えたり銃の撃ち方指導も受けなかったという(そりゃそうか)しかしその分、キャラクターにしっかりと命を吹き込む時間が得られたのかもしれない!?

チャーリーが取り憑かれるのは復讐心だけではない。妻の亡き後ずっと「死」というものに取り憑かれる、この設定も良かったですねー。普通特別な訓練を受けたCIAスパイなら「死」は乗り越えなくてはならない障壁であり、凄腕の「プロ」ならば既にクリア済みも多い。少なくとも敵の一人二人殺めたところでむしろ倒した後のかっこいいポージングを気にするくらいか?
しかしチャーリーはそんな精神的な訓練も受けていない他人だろうが死に対して全く免疫がないのです。妻の死神に絶えず取り憑かれその妻を襲ったテロリストの死すらトラウマになって彼の精神を蝕んでいく。そしてチャーリーはテロリスト達に死のトラップをかける際「ギリギリ逃げれるタイム」を敢えて与えることにより「自分の手では殺していない」逃げ遅れたテロリストによる事故死だと自分に言い聞かせている、そんな卑怯な、しかし心の「弱さ」を持つところが非常に人間臭くて私はハマりましたね!!話が進むほど、噛めば噛むほどジワジワと生み出される彼のキャラクター性。仕舞いにはチャーリーの「復讐」の定義そのものにも徐々に変化が生まれ……で最終的にバットマン爆誕、、、という!?「処刑人」よりむしろ「ダークナイト」のほうかよ!?
でもそもそも何故チャーリーは自らの手で悪を裁くに至ったのか。当然脳筋じゃない常識人である彼が初めから爆走スランプするわけではない。CIA勤務ですから職権乱用フルスロットルでまずは上司に相談だ〜とばかりにテロリストの身柄を拘束するよう上層部に訴えかけます。しかしこの上層部がこれまた真っ黒に染まりきった連中でまるで信用出来やしない!?だからチャーリーは自ら動き出したのです。CIA内部の「裏切り」。そこから誰が味方で誰が敵?の緊張感が絶えず発生する面白さも。中には完全なる「騙し」まで用意されていて!?先の読めない展開でしっかりスパイものとして楽しませてくれる。またアメリカにはじまりイギリス、フランス、イスタンブール……チャーリーが逃亡しながら世界各地を駆け巡るのも見ていて楽しい。監督の意向で「敢えて観光地は選ばなかった」という舞台も現地の空気感だけではなく、んな潜伏するならそもそも観光地なんて避けるわな!?物語にもリアリティを与える。

チャーリーの願いで肉体戦術の特訓をレクチャーするもネオのようにはいかなかった教官モーフィアスことローレンス・フィッシュバーンの存在もシロなのかクロなのかわからない役どころ、格闘シーンも演じております!!またチャーリーの愛する妻ヘラーを演じるレイチェル・ブロズナハンは新生「スーパーマン」で“ロイス・レイン”を演じる今年大注目株のお方ですしジョン・バーンサル!!この手の話で“最も適任すぎる”「パニッシャー」男児が!?何故かチャーリーと顔なじみの職員……怪しすぎんだろ!!!
【感想(ネタバレ)】

“「エグゼクティブ・ディシジョン」のセガール”と書いて“出オチ”と読む。
ジョン・バーンサルを完全に「出オチ」ネタ要員にする太っ腹よ。だってパニッシャーだよ?普通絶対絡むじゃない?劇中「手貸そうか?」とか言っちゃってるし……しかしその手に乗らないチャーリーの賢さよ(多分ついて行ったら行ったで赤い悪魔とか呼ばれてたかも…)ネタバレなしの方でチャーリーは「死」に取り憑かれていると言ったけど、劇中明確な「死」を描いたのは実は一人目のターゲットのみ。妻の死さえ「本当に殺されたのか?」実は別人とすり替えられて……なんてオチまで考えられてしまう「いらぬ含み」が、チャーリーの死への葛藤の若干の妨げになっていると思いました。復讐ものならそこははっきりと妻は死んだ、がわかるシーンを入れた方が見てるコッチもメラメラ度が増すというもの…
ひたすら地味な映画かと思いきやコンスタントにアクションがあったり飽きさせない工夫も感じられ、2時間たっぷりと楽しめましたねぇー。たぶん続編はやらなさそうですがジョン・バーンサルがPart2の伏線であって欲しい…!!(願望)
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