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サンダーボルツ*(2025)


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【原題】Thunderbolts*

【監督】ジェイク・シュライアー

【出演】フローレンス・ピュー セバスチャン・スタン ワイアット・ラッセルほか

【あらすじ】

姉を失ったことで空虚な日々を送っていた暗殺者のエレーナは、謎多きCIA長官ヴァレンティーナからの指令を受けて、ある施設へ向かう。そこで同じくヴァレンティーナによって集められたジョン・ウォーカー、ゴースト、タスクマスターが一堂に会し、記憶を失ったボブという謎の男も現れる。思わぬ危機が訪れたことで一同は協力して窮地を乗り切り、エレーナを助けに来た父のアレクセイ、ヴァレンティーナの真の目的を探るバッキー・バーンズも合流し、「サンダーボルツ*」という即席のチームを組むことになる。(映画.COMより)



【感想(ネタバレなし)】
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『振り向けば“仲間”がいる。』





どーもどーもはっはっはっ、、、、はっっっksキューカンバァあああああー!!!!ラーチャえだまめです。早速ですが本日はコチラの映画を拝見させて頂きました。



【サンダーボルツ*】!!!アメコミ界のヴィランたちがチームアップして“ヒーロー活動をする”という前代未聞の元犯罪者で結成されたヒーローチーム。完全に後出に回った“MCU版「スースク」”ついに日本上陸。原作コミックの初登場は97年と意外とまだ歴史も浅く、メンバーもバロン・ジモを筆頭に「XMEN」のソングバードやパニッシャー、レッドハルクにデッドプールも一時期メンツに入っていた。しかしMCU版で初お披露目されたメンバーはそんなMCUでも実写済みのメンバーではなく、“2代目ブラック・ウィドウ”のエレーナ・ベロワを中心に“露版キャップ”ことアレクセイ、“二代目キャップ”のUSエージェント、「アントマン&ワスプ」のゴースト、「ブラック・ウィドウ」のタスクマスター、そしてウィンター・ソルジャー……と完全映画オリジナルメンバーで構成。


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近年のMCUの人気低迷をなんとしても止めたいマーベルスタジオですが、2月に公開された「ブレイブ・ニュー・ワールド」も新たなキャプテンアメリカの活躍に名優ハリソン・フォードの起用、などの話題性もあったものの全世界興行成績は公開2周目以降の急激な集客ダウンもあり期待を下回る結果。そこで本作。“もう後が無い”くらい追い詰められたか?今流行りの“A24風”にした洒落乙な予告動画まで作り日本でも公開前からTVCMや日本オリジナルタイアップ曲の起用などなど積極的に行っておりました。そしてGWど真ん中の2日に公開された直後よりSNSやYouTubeで続々と軒並み「大絶賛」の嵐、中には「エンドゲーム以来の名作」「MCU完全復活」などと雄叫びを上げるレビュアーも。その最中で拝見したのですが……



いや、まあ個人的に「ブレイブ〜」も言うほど悪くなかったんじゃないかと思っていて、満足度的には同程度、、、私はそんな熱狂的なMCUファンではないので少し冷静に俯瞰で見て、逆にもう少し面白く出来たんじゃないかな〜と。色々モヤモヤが残ってしまったんですよねー。



まず良かった点で言うと「サンダーボルツ」のメンバーそれぞれがちゃんとキャラ付けされていて、しかも元は「ヒーロー」じゃないところ。アベンジャーズ 初期メンバーも初顔合わせで互いを敵視してドンパチしてましたが今回はそれ以上に、初顔合わせで互いに「本気の殺し合い」はじめちゃう程「仲が悪い」。そんなこれまで個人プレー主導で自分の利権しか考えていないような混ぜるなキケンな連中が、何の因果か手を組まざるを得ない状況になり渋々手を組む。そこから気がつけば「アレ、こいつらワシらと境遇似てね?」と自分との共通点がわかってきて次第に憎めなくなっていく。その感情や行動の移り変わりを一連の流れの中で自然に見しているなと思いました。


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ちなみに今作で初見なのは“謎の男ボブ”くらいであとは皆再登場組。過去作を予習する必要は?は毎度必ず出てくる課題ですが本作に関しては「知らなくてもそこまで問題じゃない」と感じましたね。はじめはね、別に一人一人丁寧に描く必要もなく、とは言いつつ今作で全員「主役」に昇格したわけだし物語をエレーナ主軸ではなくゴーストとかウォーカーとか、別に空気ではなくて活躍もするんだけどもう少しヒストリーを描いて欲しかった感が見た当初はありました。ただ逆に「あえて描かない」という選択をした、という見方もできるのかなと。何故から彼らは「使い捨て要員」以上の何者でもないから。彼らが「使い捨て」であるのは本作のテーマに自ずと絡んでくるし、本作での彼らの「扱い」を見ればわかる。そして彼ら自身もそれを薄々感じているんですよね。そんな世間からいらない子認定された集まりがサンダーボルツなのです。悲しいヤツらなんですよ。そこに胸を打たれた方、共感した方もいることでしょう。孤独エクスペリメント。味方だって誰もいない……いやいるだろオレたちが!仲間がいない?ここにいるメンツはみんな仲間だぁー!!ってそこからスクラム組んで立ち上がっていく姿に感動があるかもしれません。


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それに彼らは正確に言うと「そもそも根っからのヴィランではない」そこがスースクとは違って、だから案外すぐヒーローになれちゃうところが感情移入しやすい所以でもあります。だって「目の前の危機に自然に体が動いちゃう」人たちなんですもん。だから言ってしまえば、はじめからこちら側も彼らを「好きになる用意は出来ていた」という訳。そりゃ人気でるだろうよ。



監督はA24が制作したネトフリドラマ「BEEF/ビーフ」でエピソード監督を務め同作は75回エミー賞で作品賞ほか主要5部門を受賞し話題となったジェイク・シュライアー。あまり馴染のない監督でしたが、過去のフィルモグラフィを見てもSF、青春ドラマ、ミステリーと多岐にわたるジャンルで活躍していて、本作でもスーパーヒーロー映画でありながらもコメディ、シリアス、そして感動と1本に多彩なジャンルが組み込まれていて、マーベルスタジオからそこを買われたのかなー。毎度キャスティングだけでなく監督にも意外な人選を当ててくる面白さもありますよね。そのシュライヤー監督が以前本作を作る上で“「トイストーリー3」を参考にした”と語っていましたが、個人的には3は3でもサムライミ版「スパイダーマン3」要素も色濃く反映させていたんじゃないかと思いました。






【感想(ネタバレ)】



ここからは個人的にイマイチと感じた点。予告出演回数の少なさから途中退場が免れないだろうとの予想から実際はその予告出演シーンすら詐欺で実際はもっと出番がなかった「タスクマスターの扱いが酷い」はもう個人的には全然問題なかった。いや顔面撃たれて即死とか「マスクしてる意味ねー」とは思いましたよ?あの扱いの雑さ加減が、先述した彼らか「不用品」であることを端的に表しているし、ジェームズ・ガン版「スースク」ばりの残酷さ故に、MCUではあまりない「いつ突然お亡くなりになるかもわからないシリアス展開」を生み出していましたし。それより個人的に一番「違和感」があったのがラストの「タイトル変更」


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公開前から憶測飛んでいたタイトルの「*(アスタリスク)の謎」。これはアスタリスク=(仮)みたいな意味で使われ「サンダーボルツ(仮)」という意味だった。この案は、実は本編とは関係ない製作時に出たアイデアで、本当にタイトルがまだ正式段階じゃなかった時にわかりやすくする為に入れたらしい。それが本編のチーム名も最後に変更してみては?という逆輸入的な発想でストーリーが決まっていった。そしてラストに明かされる正式タイトルが「ニュー・アベンジャーズ 」



いやアナタたち「冗談抜きでアベンジャーズ 」を名乗るにはちょっと……単純に「弱すぎないか?」引っかかるのはココ。予告動画だからシルエット黒く加工してるんかと思ったらホントに真っ黒だったセントリー/ヴォイド戦は圧倒的火力の差を埋める為に「精神世界で戦わせる」という、ある意味作り手の裏ワザを使って勝利したわけで、彼らには「多少セコい手を使ってでも許せるくらいやりたい放題で泥臭く勝利を掴み取る」というこれまでのMCUにいなかった美味しいポジションに置かずにですよ、正式に「アベンジャーズ 」を名乗ってしまえば、今後はヴィラン相手に真っ向勝負を挑む正攻法ヒーローの役割をさせなければいけなくなる(まあポストクレジットから今後もそれは無さそうだが…)彼らが今後どうやって強敵に立ち向かっていくのか。それが悪い意味で想像がつかない(というか勝利ネタが思いつかない)それにしてもMCUは「ブレイブニューワールド」のレッドハルク戦といい「チカラではなく精神に訴える」戦い方を主流にしたいのだろうか?


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あとは今度やるルッソ兄弟の「アベンジャーズ 」の合流組が彼らと同じチームになった場合に「途端に空気になりそう」な気も。彼らは「表向き」じゃない、非公認くらいのチームの方がむしろ輝けるシーンが多いんじゃないか?あるいは彼らとまた別の「正アベンジャーズ 」でも結成させる?そんな「アベンジャーズ 」とつくチームが何個も出来るのもややこしくなるしな……これ逆だったら良かったんじゃないか?「ニュー・アベンジャーズ 」でやって、でも初代のようにはいかないよねウチらにはウチらなりのやり方がある=そう我らはアベンジャーズ ではないサンダーボルツだぁ!!…の方がしっくり来るんですよ。



あとちゃっかり新アベンジャーズ タワーにいる「ハルク」ポジションのボブはちょっと無理ありません??エレーナ達がヨシヨシしなかったら市民は消滅したままだったわけだし?同じようなことしたサノスはやられたのにねぇ…。まあ彼の再発防止策として「孤独」にさせないことが大事だから彼らと一緒にいるのが最適解かもしれないが……。なおポストクレジットシーンはなんと「アベンジャーズ 」新作のスタジオで撮影されルッソ兄弟によって全米公開のわずか「4週間前」に追加撮影されたものらしい。(14ヶ月経ってもウォーカーの盾がタコスなのはただの再利用?)



ヴァルのコロっと態度豹変するのもなんかな〜、最後までただの嫌な女ってイメージしか残らず(汗)彼女が今後もニュー・アベンジャーズ を率いるなら少なくとも上手く機能しないでしょ…??バッキーとヴァルの秘書の関係も中途半端で最後どうなったか知りたいし。てかあの秘書は“ソングバード”だというウワサが予てからありましたが……今後の動向が気になります。


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ヴァルがボブをセントリーという「広告塔」に仕立て上げようと模索する光景はアマプラの「某ヒーロー会社」を連想させMCUが露骨に“自虐ネタ”を入れてきたところも、これまでの作品とは明らかに毛色が違うんだぞとアピールしているかのようですね。まあMCUファンはこぞって歓喜してるようなので世間的にはこれで成功……なのかな汗

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