V/H/S ビヨンド(2024)
- ラーチャえだまめ
- 12 分前
- 読了時間: 8分

【原題】V/H/S/Beyond
【監督】ジェイ・チール ジョーダン・ダウニー ヴィラット・パルほか
【出演】ブライアン・ベイカー トム・ハラム ジェームズ・C・バーンズほか
【あらすじ】
インターネット上で発見された謎のVHSと、住人が消失するという呪われた物件。その2つが交わるとき、想像を絶する宇宙的恐怖が解き放たれる。エイリアン・ゾンビ、正体不明の魔女、凶暴な異星人、人知を超えたテクノロジーなど、「宇宙」をコンセプトにした6つの物語が描かれる。(映画.COMより)
【感想(ネタバレなし)】

『大乱闘!踊るマハラジャはみかん畑でワオーンと思い出と共に鳴くビデオ!?』
どーもどーもHUBでいつもPintを「ピント」を読んでしまうラーチャえだまめです。早速ですが本日はコチラの映画を拝見させていただきました
【V/H/S ビヨンド】!!全国のゲテモノビデオ屋さん大変おまんたせ致しました今年は貞子もビックリ「「V/H/S」シリーズ完・全・復・活(日本)」!!!正直もう日本では拝めないと思ってたよお〜!!(泣)事故物件より恐ろしい「事故ビデオ」を何の因果か発掘されてオムニバスにしちゃったどんとこい超常現象改め“ファウンドフッテージ”という“スタンス”でやらせてもろてますが〜、蓋を開ければどんな状況でも「絶対にカメラを止めるな」精神すぎて結果なんでもアリアリYO〜なソンゲバソなヒャッハー映画として!?VHS世代には懐かしさをDVD世代にはエモさをご提供してくれる大人気“低予算B級ホラーアンソロジー”。

これまで累計シリーズ7本、現在も絶賛「8本目」の制作が進められているVHS界の寅さんでも目指してんのかバッキャロぉ〜!?しかしここまで来るのに右葉曲折あったわけなんでありまして、記念すべき2012年「シンドローム」から2013年「ネクストレベル」2014年「ファイナルインパクト」……ここまでは1年周期で新作公開、日本でもレンタルやサブスクで視聴可能でした。しかし3本目の「ファイナルインパクト」が文字通り不発でファイナルインパクトとなり一旦シリーズ終了&そこから出資元の変更を経て7年ぶりに4本目「94」が爆誕。しかし出資元がホラーサブスク「Shudder」 に代わり「独占配信」の形を取った結果、日本に輸入されなくなってしまったんですねー。その後サブスクに転身してシリーズが再び活気を取り戻し続々と新作が作られている現状だけSNSで知らされるもジャポニカ人はただ指を咥えて何も出来ない状態が続いておりました……。
がしかし!2025年突如現時点でのシリーズ最新作「ビヨンド」の日本劇場公開が決定&これまで取りこぼしていた4作目以降のVHSテープもついでにまとめて全部劇場放出が決定!?という祟られ覚悟の暴挙に発展したのであります!すごいよねー、でもやっぱりそれだけ日本でもファンがいたという証拠でもありますよね!!
個人が撮影したビデオテープ……という体の元、映像は手持ちカメラやコンパクトカメラがメイン、そして「とにかくグロい。」チープな映像の乱雑さが特徴でもあるわけですがただのB級と侮るなかれ。本作は名だたるホラーフィルムメイカーたちの「登竜門」的な存在として!?今やハリウッドで怪獣ごっこに勤しむ売れっ子監督「ゴジラvsコング」のアダム・ウィンガードやミア・ゴスに顔芸させた「エックス」シリーズのタイ・ウェスト、「ザ・リチュアル」リヴート版「ヘルレイザー」のデヴィッド・ブルックナー、「アルカディア」「ロキ」シーズン2や「ムーンナイト」のエピソード監督を勤めたジャスティン・ベンソン&アーロン・ムーアヘッド……

さらに「ザ・ヴォイド」「サイコ・ゴアマン」のスティーヴン・コスタンスキ「海底47m」コケた「バイオハザード」のヨハネス・ロバーツ……新人だけでは飽き足らずゲスト枠で「ザ・レイド」のギャレス・エヴァンズ「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」のエドゥアルド・サンチェス「ドクター・ストレンジ」「ブラックフォン」のスコット・デリクソンんんんんんんんファンタスティックフォオオおおおおおおおー!!!!近年のホラー作品で1人くらい「この名前見たことある」となる明日のホラーを担う名手やベテラン怪談師たちの珠玉の短編をギュッとまとめて拝むことが出来る!!ホラー映画ファンにとっても非常に有益な映画なのです!!
毎回様々なテーマの恐怖を1本あたりだいたい20分くらいの短さで楽しませてくれる本シリーズですが、最新作の本作はズバリ「宇宙」がテーマで悪魔祓いや心霊系は含まず全てエイリアン、クリーチャー系(だいたいいつもそうか)という!?非常に偏ったテーマがしかし癖には刺さるグログロぶちゃえええ〜!!!な摩訶不思議なバケモノどもをスクリーンで思う存分全身に浴びることが可能という!?と言うワケで早速新宿はシネマートさんにお邪魔したのですが……。
初戦1本目から飛ばすぜ〜!!とばかりのゾンビ邸に所轄のポリ公改め自警団が殴り込みぃ!?特に尋問するでもなく現れる敵をどんどこミ・ナ・ゴ・ロ・シ!!最近街中で続出する幼児誘拐事件。力技でゴリ押しすればなんとかなる!!をモットーにこれと言った作戦もなしに突撃したら意外となんとかなる!?人のカタチをした「人でないナニカ」なゾンビたちをFPS視点で次々に撲滅していく「ハードコア」な映像に酔いしれるだけの回。特にこれと言った捻りもないのだがバンバン銃撃戦してタノチィ〜!!なゲーム的な興奮を味わえる。ラストの斜め上すぎるボスの登場に、ここで同じ日に見た「F1」の伏線が来るとは……

なかなか1本目から心を掴まれたえだですが、本作はすごいですよ〜ついに「V/H/S」シリーズ初の“インド映画”が爆誕しただと…!?インド映画自体そんなに見たことがないのですが、インド産のホラーでここまで血糊ぶしゃああああ!人体破壊ぶしゃああああ!!なゴリゴリゴア描写も珍しい??監督はインド出身で現在は米で活躍する方でゴア描写はアメリカンチック、でもインドを舞台にしてなんならインド映画の必須科目“歌とダンス”も披露!?しかも歌は本作オリジナルでエンドロールでも流れるから結果劇場を出たあと「あれインド映画見に来たんだっけ…?」と錯覚さえしてしまう、ある意味一番恐ろしいエピソードだったかもしれません。。。
ほかにも今まさに彼氏の誕生日をスカイダイビングで祝おうと上空で幸せそうなカップルが完膚なきまでに奈落に落ちていく清々しいまでに絶望&予告で真っ昼間からCGエイリアンが飛んでくるチャチさが際立つハズレ回かなと思ったら、これが意外と一番面白かったかもしれない!?終始ハラハラしまくりで宇宙人……というより恐竜みたいなすばしっこさに加え面白い特技まで披露してくれて最後の最後まで楽しませてくれるエピソードに、見るからに「ミザリー」な動物愛好家(自称)が自宅の壁に犬の剥製を飾っているだけで「コイツはクロだ!」と確信した環境保全団体(自称)がミザリー似の保護活動兼自宅を突撃取材して虐待された動物たちを救おうと計画するエピソードでは……演出自体はやや単調なものの面白いのが監督のジャスティン・ロング&クリスチャン・ロングの兄弟コンビ、の俳優のジャスティン・ロングって「Mr.タスク」でセイウチ人間に魔改造された人じゃん!?そんな人がモロに影響受けまくってんのがアリストテレスすぎるエピソードがまた面白い。改造人間も改造したい願望に駆られるのですね!!

間髪入れずに勢いよく飛び跳ねてくれる前3本からその4本目で突然「…宇宙的ホラーとは?」本作のテーマ関係なくなっちゃったッ!?続く5、6本目と順調に失速していくのがちょっと残念。特に5本目はアングルが激ワルで正直何をしてるのかわからない演出面のぎこちなさが目立っておりまして……ただストーリーも映像も「よくわからない」=その後の後日談すら想像する余白を敢えて残してくれている、と肯定的にも取れるというか?それはこれまでの全シリーズ全てに言えることだし、「よくわからない」残る謎を、我々視聴者が各々考察して深堀して各々なりの解釈をして楽しむ、これこそ「V/H/S」シリーズの醍醐味であり所詮は作り物だてわかっているモキュメンタリーホラーの面白さ、ウワサや都市伝説と言ったオカルト全体の持つ醍醐味のように思えますねー。実際恐怖の映像を収めたVHSが今見れている、ということは我々の手に映像が届くまでのストーリーも必ずあるわけで。ちなみにこのエピソードを監督したのは俳優のケイト・シーゲル。そして彼女の私生活のパートナーであり脚本を担当したのが「ジェラルドのゲーム」「ドクター・スリープ」とSキング原作実写化で成功をおさめたマイク・フラナガン……はいこれも好きぃーーー!!!
そしてそして!!シリーズファンならこれは声を大にして言いたい「劇場限定パンフレットは絶対買って下さい。」いやーすごい代物ですよコレ!本作の各エピソードの解説、監督インタビューは勿論、これまでのシリーズ評論にこれから上映される3本の全エピソード解説まで載っているまさにパーフェクト過ぎるシリーズパンフ!?これだけ内容込み込みでお値段たったの1500円!!シリーズ4本分のパンフレットがこの値段と思えば破格ですよ破格!?ネット通販はない劇場限定販売ですのでお早めの購入をオヌヌメします!!次回作「94」は早くも今週金曜日から公開、今度はパンフレットを持って劇場に足を運ぼうと思いますー。
Comments