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シミュラント 反乱者たち(2023)


【原題】Simulant

【監督】エイプリル・マレン

【出演】サム・ワーシントン シム・リウ ジョーダナ・ブリュースターほか

【あらすじ】

完全体アンドロイドの計画を巡って繰り広げられるAIと人類の攻防を描いたSFアクション。(映画.COMより)












 
【感想(ネタバレなし)】

未体験ポイントその① 人と上手くいかなかった「ブレードランナー」

 




どーもどーもラーチャえだまめです。2024年冬、今年もやっぱりこの時間がやってきてしまいました















未体験ゾーーーーーーーン!!!!!






さあさあ毎年恒例!冬の風物詩!!新年一発目の運試し!?他の劇場が恐れおののき手出し出来なかった「未体験」過ぎる“特級未公開映画”を渋谷に一堂に会し週替りで随時劇場公開してしまおうという“宮下事変”なるヒューマントラストシネマ渋谷にて毎年開催されるゲテモノ映画祭も今年で13回目に突入。いやー全国のゲテモノ映画ファンの皆さまには待ちに待った宴であります、基本的に公開される“ほとんどがう◯ち”10本観たらうち9本が目ク◯ゴ◯ク◯レベルの取り扱い注意品でありながらアナタにとって「1本だけ神作」レベルの「大当たり」が存在するかもしれない!?まさに己の“引き運”が試されると言っても過言ではない??個人的にも毎年の年間ベストにこの“未体験枠”が必ず入ってくる程、決して侮れない!だから辞められない止まらない!!それでは今年1発目の未体験ゾーンさん、いらっしゃ〜い



【シミュラント 反乱者たち】!!!いきなり今年の未体験で“有望株”だと勝手に期待しておりました、またしてもSFファン必見の「人類vsAI」のお時間がやってきてしまいましたぁー!?もう絶対反乱するじゃん!?Siriに人類が乗っ取られるのも、もはや時間の問題のような気もする、そんな「よくある」凡庸性の高い作品だと思ってはいないかい??主演は一度干されたものの最近パンドラの星で蘇ったサム・ワーシントンを筆頭に??「シャン・チー」でMCU初のアジア人ヒーローを演じたことが未だ記憶に新しいシム・リウ&「ワイスピ」シリーズで稼ぎに稼ぎまくったジョーダナ・ブリュースター、そしてネトフリ映画「ベビーシッター」「バイオハザード」とサイコパスとゾンビはお任せあれなロビー・アメル、4大スター共演!?む、無駄にキャストが豪華過ぎるぜ!?そんな4人が今回人類が朝まで生討論しても一生決まらない












人間とAI、線引き激ムズ問題(Part◯◯)






に挑むと言うのですから??これはちょっと無視するわけには行きませんよね!?

と言いますことで早速拝見させて頂いたのですが……B級映画という前提はあれど、未体験の中では












「めちゃくちゃ地味だけど割と真っ当なSF」





だったんですねー。






 




シュミテクトみたいな名前しやがって畜生ー!!!そのタイトルの「simulant」とは「模造品」という意味。まさに本作は人間の模造品ことアンドロイド“シュミラント”が人類のお助けロボットとしての“家電”として人に飼いならされる近未来、ロボット第7世代のシュミラントによる暴走がはじまり?サム・ワーシントン演じるブレードラン……捜査官のケスラーはシュミラント暴走の裏に元開発者で天才ハッカーのシム・リウ演じるケイシーと名乗る男の存在を知り行方を追っていた。一方その頃ジョーダナ・ブリュースター演じるフェイとその夫、ロビー・アメル演じるエバンは交通事故を起こし……



今この時点で少しでも興味が湧いて観てみよう、そうお考えならば出来れば予告動画さえ見ずに「何もかも事前情報入れずに」これくらいのあらすじだけ知った上でご鑑賞するのをオヌヌメします。さすれば10倍増で楽しめます。というのも今作の予告動画等である程度ネタバレしていて(私は事前に知っていたので)そうすると序盤が“わかりきった展開”でしかなく、せっかく丁寧に描いてくれているのに勿体ないなと思ったからです。そう本作は冒頭にもお伝えした通りSF映画としてはかなり“地味”。派手なアクションシーンなんてほぼ皆無で、人によっては退屈に感じる作品かもしれません。ただこの手の映画の最たる例の「ブレードランナー」がそうであるように、本作もかなり「ブレラン」を意識して作られていて、かつその線で言えば“意外と上質”なSF映画でいい意味で期待を裏切られました。いやキャストだけ豪華で中身ちちんぷいぷいな映画も沢山ありますが、本作は人類vsAIものとしては、しっかりと「サスペンス」しているのがまた高評価ポイント。



何度も言いますかなり地味です。寝不足の方はアクビ案件な作品かもしれません。ただちゃんと集中して観ると本作の質の高さ、「人間とAIの違いって何?」問題に全身全霊で向き合い、スピルバーグの「AI」だったり「臓器が機械の人間とデータチップ以外全て生のAIって同じじゃないんですか?」のひろゆきロビン・ウィリアムズの名作「アンドリューNDR114」のスピーチが記憶から蘇るものの、結局その違いを明確にすることはやはり難しい。「そこに愛はあるんか?」否か、がその最たる判断材料かもしれない。しかしそのシュミラントが宿した「愛」ですら、我々はそれが本物かどうか判断することなど出来ないではないか?人間の「愛」が本物かどうか判断出来ないように…。



ラストも皮肉が効いていてGOOD過ぎる。無責任な人類によって生み出されたAIに「自由」の権限は与えられるのか……?






 
【感想(ネタバレ)】





クライマックスの追いかけっこなんてまんまデッカードとロイじゃねえか!!死にかけのケスラーを後ろでじっと佇むエバンの姿も一緒に捉える印象的なシーン。



ケスラーの背景は生前まで描かれませんが、彼が死んだ後ニュースで過去にシュミラントの育児放棄で我が子を失っていたことが判明する。故に再び暴走しようとするシュミラントは当然憎き相手で人間とシュミラントの境界線がどうとか感情を持っているかどうかなんぞそんな小難しいことは全無視の「0か1でしかない」彼はそうやって思考を単純化してシュミラントに執念を燃やし続けていた。複雑な感情を持ち始めるシュミラントと単純化する人間、嗚呼なんと皮肉なことか。



今回は全くアクションしないシム・リウ演じるシュミラント解放を目論む男も嫌味がなく行動自体は理解出来る、シュミラント側からすればまさに救世主。共感する部分の方がむしろ多い。人間からすれば脅威でしかないが……。身勝手にも愛することを“放棄”した元恋人への恋が永遠に一方通行なら、一から愛を育てるシュミラントの恋人へシフトした方が確かに現実的ではあるわな。一組のカップルの愛が崩壊する一連の流れを観ているような気分になりましたね。愛してくれないから恋人を殺害するなんて……人間と変わらないじゃないか!



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