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怪物の木こり(2023)


【原題】怪物の木こり

【監督】三池 崇史

【出演】亀梨和也 菜々緒 吉岡里帆ほか

【あらすじ】

「怪物の木こり」という絵本に出てくる怪物の仮面を被った犯人が斧で相手の頭を割り、脳を奪い去るという連続猟奇殺人事件が発生。犯人は次のターゲットに弁護士の二宮彰を定めた。しかし二宮の本性は、犯人をも上回るほどの冷血非情なサイコパスだった。犯人はなぜ脳を奪い、なぜ二宮を標的にしたのか。事件の捜査が進められるなかで、警視庁の天才プロファイラー・戸城、二宮の婚約者の映美、二宮の協力者で自身もまたサイコパスの外科医・杉谷、そして過去の殺人事件の容疑者・剣持ら、さまざまな人物の思惑が複雑に絡み合い、事態は次第に混迷していく。(映画.COMより)

 
【感想(ネタバレなし)】

『キミの涙あからさまドクター…?』

 



どーもどーも風邪をひくとカイジの藤原竜也声になりますラーチャえだまめです。早速ですが本日はコチラの映画を拝見させて頂きました。



【怪物の木こり】!!!……10代の頃はね、なんかそのワードにワクワクして無性に使いたがっていた頃もありましたよ?ちょうど「デスノート」っていうジャンプ漫画も大流行していた時期でしたし。でもね、年取るとなんて言うんですかね、“気安く「サイコパス」って単語を使うことすら恥ずかしい”サイコパス=中二病というイメージしかないラーチャです。だから“サイコパス映画”だなんて、いかにもティーン向けの映画とか思うじゃないですか?しかも「サイコパスVS殺人鬼」……フレディVSのジェイソンと一体ナニが違うんだよお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛……!?と思っていたのですが



原作は「このミステリーがゴイゴイスぅー」大賞に選ばれた同名小説。そして監督はこれまでホラー、アクション、コメディ、そして任侠もの、漫画原作なんでもござれなオファーが“来る者拒まず”日本を代表する“オールラウンダー”三池崇史…!?個人的に三池さんベストは「ゼブラーマン」と「13人の刺客」……あと「スキヤキウエスタンジャンゴ」ッ!!!(サブちゃんッ!!)……そんな三池さんもかつて「オーディション」「殺し屋1」「悪の教典」……稲垣吾郎左衛門もそうか?“サイコパス”を描いてきた“実績”があるわけですよ。故に今回「サイコパスを主人公にしたサイコパス映画」を撮ると聞いて、こりゃあ“案件”というより“本来”の三池ワールド全開でやってくれているんじゃないか…!?と思い観たわけですが……







もしかしてだけどぉ〜♫(もしかしてだけどぉ〜)もしかしてだけどぉ〜♫(もしかしてだけどぉ〜)











イケメンサイコパスがヒャッハーする映画を期待してたんじゃないのぉ〜?






キミたちが観たかったのは













こういうことだろ?(…ジャンッ)





 




何の因果か人を血祭りにしたい衝動に駆られる弁護士の二宮彰は、ある夜突然オノを持った謎の“木こり”に命を狙われる。自分の命を狙われたことが気に食わない二宮は木こりに“復讐”するため暗躍する。一方その頃巷で頭蓋骨をオノで割られ“脳を抜き取られる”連続殺人事件が多発しており……



サイコパスを演じるはこれまで妖怪人間や亀人間を演じたりと“怪物”に何かと縁のある亀梨和也。あのキリッとした目にビシッとスーツを着こなしポケットに手突っ込みながらカツンカツン歩いてくる……あとちょっと歳いってる所がさ!?これまで何人もスマートにヤッてきた年輪が垣間見れる「インテリサイコパス」を演じたら最強クラスかもしれない??まさにサイコパスになるために生まれてきた(とんだ語弊)



そんな見た目はカンペキな彼がこれまでポリ公に怪しまれない程度のギリギリでいつもヤッていきたいからぁ〜ああ〜、その辺の“所業”がイマイチ感じ取れないというか?ターゲットを選ぶ基準は?これまで何人ヤッてきた?とか深掘りされない分「どうもサイコパスです。」って言われても“聞こえはいいがホントにサイコパス?”って、まず最初の段階からそうなっちゃっているんですよね。もしかして悪人だけヤッてんの?そこに善悪があるなら、それはもうサイコパスじゃなくて夜神月的な“偽善者”……



まま、その辺はちょっと目をつぶって頂いて“外見”だけサイコパス、という体で行きましょう!?木こりマスクのデザインはいいですね〜。タイトルにもなっているこの「怪物の木こり」モデルは同名の絵本に登場する怪物、という体なのですが、これがまたキッズに悪影響を与える嫌がらせかよってくらい悪趣味なデザイン。でもって物語はこの“絵本”に関係していく…?木こりの正体は誰なのか、二宮を襲う目的はなんなのか、この2つの謎を解明していくミステリー要素が強い反面、アクションはそこまで多くありませんでしたね。実際アクションシーンは撮影当日に即興で演じたらしいですし、今回そこまでチカラの入ったものでもなく。そして気になる“お前の血は何色か”流血シーンですが、こちらもサイコゴアマン規定に則った“PG12”という超えられないハードルが見事に邪魔していまして、序盤に水道管が破裂したみたいに赤い絵の具がぶっしゃああああああ!!して「お、これは期待出来るぞ?」と思ったヤツが最大の見せ場という……。



亀梨くんほか、美人殺人プロファイラー?でエリート刑事に菜々緒(こんな美人刑事おるけ…?)二宮を影でサポートする“サイコパス仲間”を染谷将太(猫好き注意)二宮の元婚約相手に吉岡里帆(「ガンニバル」に続き“巻き込まれ役”が多いなぁ…)あと中村獅童も……同時期に公開された北野武「首」にも出演しているし“ひっぱり首”じゃないですか。主題歌はこれまた「キャラクター」で映画初出演を果たしたサイコパスのボーカルがいるSEKAI NO OWARI……



では今作はオヌヌメし難い映画なのかと言うとそうではなくてですね、サイコパスと殺人鬼、そういえばこの両者ってなんとなく「同義語」だと思っていたんですが、本作を観てわかったのは「怪物」=サイコパスでもあり殺人鬼を指す言葉でも












サイコパス=殺人鬼ではない






サイコパスとは?殺人鬼とは?……似ているようで実は違う、二宮と木こりの対決で描かれるこの「対比」がなかなか面白かったですねー。そういえば今までそこまで両者の違いなんて考えたことなかったな、ほぉー言われてみれば確かに違うじゃないか……(まぁどっちがいいって話でもないのだが)






 
【感想(ネタバレ)】




終始に渡り「先が読めてしまうシナリオ」。特に怪物の正体も……てかなんで前半の最初の方でマスク脱がすかね?あの場面で早々に怪物の素顔を二宮は一瞬でも見てしまった以上、犯人は日常で二宮と「面識がない人間」だと答えを出しているようなもの。菜々緒を含む刑事たちや婚約相手の吉岡里帆、同じサイコパスの染谷もシロ、となればもう消去法で劇中二宮と面識がない中村獅童くらいが犯人だと予想出来てしまう。



その中村獅童は3年前に刑事に殴られ脳チップが破損しサイコパスから「元のニンゲン」に戻れたわけですが、二宮も同様に脳チップを破壊された……つまり二人ともサイコパスでも怪物でもないじゃん??というある意味衝撃的なオチ。結果ナチュラル100%の染谷だけが一番サイコパスだったって話…?どうやら原作ではオチが違うらしいですが、実写版はコレはコレで違和感はなかったですねー。思った以上に全体的に表現が“控えめ”だったのは残念でしたが、主演にギリギリ嫌悪感を抱かせずラストも亀梨くんの“後光がさす美しい最期”というファンサ(?)もちゃんと用意する、やっぱり“需要に答える”今回も従順な三池作品でありました……。


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