top of page

ジュラシック・ワールド 復活の大地(2025)

ree

【原題】Jurassic World: Rebirth

【監督】ギャレス・エドワーズ

【出演】スカーレット・ヨハンソン マハーシャラ・アリ ジョナサン・ベイリーほか

【あらすじ】

熟練の特殊工作員ゾーラ・ベネットは、信頼する傭兵のダンカン・キンケイド、古生物学者のヘンリー・ルーミス博士らとともに、初代「ジュラシック・パーク」の極秘研究施設が存在した禁断の島へ足を踏み入れる。そこはかつてパークの所有者が極秘の実験を行い、“最悪の種”と言われる20数種の恐竜が生き残った、地球上で最も危険な場所だった。ゾーラたちの任務は、心臓病に奇跡的な治療効果をもたらす新薬の開発に不可欠な、陸・海・空の3大恐竜のDNAを確保すること。(映画.COMより)


【感想(ネタバレなし)】
ree

『“復活”するのが早すぎたジュラ?』





どーもどーも後ろの座席のオヤジが上映中もずっと喋っていたので注意したら思いっきり座席を蹴られましたラーチャえだまめです。もう生きた化石かよ……言うわけで本日はコチラ



【ジュラシック・ワールド/復活の大地】!!!毎度新作が出るたびに劇場で拝見させて頂いております「ジュラシック・シリーズ」も気がつけばなな、7作目…!?そんな一度絶滅してからここまで御長寿シリーズになるとはダイナソーも思ってもいなかったナソー



……前作「新たなる支配者」で結局広げた風呂敷畳めず一番記憶に残ったのが恐竜じゃなく“イナゴフィーバー”って……う〜んもういいかなー、と思っていたら早くもそれから3年後に1作目と2作目の脚本家“デヴィッド・コープ”の電撃復帰やら“ワールド”と謳いつつ1作目当時では技術的に再現出来なかったマイケル・クライトンの原作小説版にある“恐怖の川下り”シーンを再現するという!?7作目にして原作回帰を臭わせるやら、まぁそれよりもですよ


ree

ギャレスですよギャレス!!「モンスターズ/地球外生命体」の超予算“怪獣”映画で長編デビュー、その功績を認められ続くハリウッド版“ジラ”を見事に立て直し「ハリウッドで怪獣を撮らせたら右に出る者はいない」監督と言っても過言ではないどころか怪獣以外にも“最も泣けるSW”と古参ファンもむせび泣かせた「ローグ・ワン」などヒット作を連発する今最も脂の乗った監督の一人、そのギャレス・エドワーズが怪獣並に人気の超巨大生物×「SW」並のSF映画の超名作シリーズ=「ジュラシック・パーク」……とこれまでのキャリアの到達点のような!?いやしかしまさかジュラシックの監督を引き受けるとは思っていませんでしたねー。以前「ローグ・ワン」でもうナンバリングの大作映画は懲りたとか言ってましたし「ザ・クリエイター」のような中規模のオリジナル映画をバンバン撮ると思っていたからです。「ローグ・ワン」で事務所に「イウォークアドベンチャー」のポスター貼って「コレより酷くなきゃだいじょうV」の精神で上手くいったから?今度は「1941」のポスターでも貼って精神安定剤にしたかはさておき、、、



先週金曜日から日本で公開され邦画を含む初週末の興収ランキングでは1位、今年公開の洋画では最速の10億円突破……夏休み効果も相まってまぁ普通に大ヒット、しているわけなんですが公開後チラホラ賛否両論渦巻いてる??中には“シリーズイチ酷い”なんて呟きも目に止まりました。うーんこれに関してはまず一言










ree

せめて“あと5年”は早かったか??




ちょっとねぇー、前作が22年でしょう?普通に“飽き”っていう意味もあるんじゃないかしら??そういえば最近“あのテーマ曲”聴いてないなぁ〜、くらい少しシリーズから遠ざかったくらいでやったら、また全然評価が違っていたと思いますね!!それくらい“やってることは毎度同じ”恐竜のいる島行く→トラブルでみんなチリヂリ→研究所でクライマックス→ラストは“原生生物”映してテレレ〜♪エンドロール……までが毎回セットですよね!?逆にこれまでのシリーズとの違いって言ったらゴリゴリの軍人系ヒロインがメインとか、、、、あとは言ってしまえば1作目の恐竜もDNA改良され爆誕した“オリジン”ではないハイブリッド種ではあったわけですが(故に実際の恐竜図鑑と色々違っても問題なし)今作ではそこからさらに「異種配合」して!?もはや我々の知る恐竜のフォルムではない全く見たことも聞いたこともない恐竜……てそれはもう“怪獣”なのでは…??「ギャレス・エドワーズのゴジラ1.0」を見ているかのような錯覚さえ覚えてしまいました……(汗)


ree

しかも今度の恐竜は「なかなか姿を現さない」。背ビレだけ。尻尾だけ。暗闇の中から写るシルエットだけ……もう完全に「ゴジラ」でやった演出をそのまま「ジュラシック」に投入したと言っても過言ではない、まあゴジラだって元“ザウルス”だったわけですし恐竜もさして同じでしょう!?と言わんばかりの共通点。だから









ree

今度の「ジュラ紀」はやたら「ホラー」強め??





これは1作目の“紙コップの水面の揺れ”に次いでホラーやってるんじゃないか!?「炎の王国」でもJ・A・バヨナ監督のスペイン流“屋敷ホラー”炸裂でしたが、今作はOPからもう完全にホラーに寄せていっていて、前半の海上シーンは完全に同じスピルバーグの名作「ジョーズ」オマージュだし??「見せない」という演出で恐怖を煽るのですが、ゆえにとある3作目で大活躍した恐竜が背びれだけで出番終了という勿体なさもしかり……しかしたとえ正体が恐竜だとわかっていたとしても、1作目が公開されるまではまだ馴染みがなかった恐竜の“なんだかよくわからない得体の知れない生き物感”をよく“復活”させてくれたといいますか、恐竜=恐ろしい、これを再定義してくれたんじゃないかと!!そして「見せない」でもハラハラドキドキのアクションシーンは“むしろ多め”に用意されているのでアトラクション的スリル度は120点満点だと思いました!!


ree

また「見せない」ことでもう一つ、「ロマン」という要素もまた復活させているんですよね。もう7作目となるとスクリーンで恐竜が出てきてもさほど驚かないし実際本作の世界でも同様のことが起きている。前作で人類の世界に解き放たれた恐竜は世界のあちこちでオカピより当然の如く目撃されコンクリートジャングルのNYに首長のアパトサウルスが出現しても「渋滞させてんじゃねえよ〜!」と迷惑な害獣扱いされるという、人類はもう“博物館へ恐竜の化石を見に来ない”そんな時代に突入しているのです。恐竜=ロマンというものが完全に失われた世界で、恐竜が人類の支配環境から逃れるために密集している赤道直下の熱帯地帯に足を踏み入れることで、再び宝探しのようなワクワク感、野生の恐竜の神秘性を呼び戻しているんですねー!!



で、ここでもギャレス監督の腕が抜群に発揮されていると感じたのが、恐竜がいかに「BIG」「CUTE」そして「TERRIBLE」か。我々視聴者を登場人物と「同じ視線」にする手法。人物が目線の高さまで生えた草原の中からぐわっと目線を上に上げると同時にカメラも上に向き、目の前の草原より遥かに高くそびえ立つ恐竜の姿を捉える。草原の高さや人の高さと“比較”させることで恐竜の大きさがダイレクトに伝わってくる。人物と同じ目線にすることで驚きと感動を共鳴させ、その場の空間を利用して恐竜の“凄み”を描く、この演出は神がかってましたねー。またそれがオスとメスで、2匹が戯れ合う光景は「モンスターズ/地球外生命体」を彷彿とさせ、彼らが「怪物じゃなくて“生き物”である」という生命の神秘を感じさせる。またシリーズの顔で全ての作品に登場するT・レックスの大きさとゴロンと寝っ転がるニャンコ的可愛さ、川下りからの突然の“捕食開始”の恐ろしさの3面をたった数シーンで見せる演出も上手かった。



反面「ローグ・ワン」が別格だっただけで長編デビュー作の「モンスターズ/地球外生命体」から「ゴジラ」「ザ・クリエイター」に至るまで、いつだって彼は人間「じゃない方」の味方で、描き方も人間「じゃない方」が上手かった。逆に言えば?人間はと言うと……って監督だったじゃないですか!?故に本作も「人間側に魅力がない」人間そのものは苦手?これはもうずっとずっと懸念点だったわけで。


ree

スカーレット・ヨハンソン演じる“ゾーラ”やマハーシャ・アリの“ダンカン”この野郎!唯一ジョナサン・ベイリー演じるグラント博士とミンティアが大好きな“ヘンリー”博士の少年っぽさくらいかな〜、人間で良かった所は。途中加わる“謎の家族”が個人的に“全く魅力がない”というか(汗)ただの被災要因でしかなくて4人中誰も魅力がなかった。特に長女のボーイフレンドのクズ感。“不良がちょっと良いことしたらめっちゃ好感度上がる理論”すぎて寒いし、いやいやお父さん騙されてますよと……



あと今作最大の“見玉”恐竜の“D・レックス”が、他の恐竜と比べて「特別恐ろしくて凶暴」なイメージは、、、、実はなかったという!?なんでも「エイリアン」のゼノモーフをモデルにしてるってんだからさ??コイツに関しては、人類の弊害が産んだ存在としてとことんキモくて怖い“バケモノ”にしてほしかったなー。歴代の凶悪恐竜の中で一番小物だったんじゃないか??と肩抜かしを喰らった場面も多からず少なからず、と言った感想ではありますが



でもね、私は本作を大いに評価したいのよ。「監督変わっただけでこんなにも雰囲気変わるんだ」ってわかったじゃないですか?今作は散々同じことしてきたシリーズ随一の“異色”作であるのは言うまでもなく(それが面白いかどうかは別の話よ?)既存のDNAを受け継ぎつつ、これまでとはテイストを変えようとした姿勢、そこは充分に評価に値すると思います。そして背後に映る恐竜のシルエットやボートの下を恐竜がくぐっただけで「なんかギャレスっぽい映画だな」それが見てわかるくらいには監督の「色」これもしっかり投影させていて、個人的には今作も非常に楽しめましたねー。

コメント


bottom of page