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ザ・クリエイター 創造者(2023)


【原題】The Creator

【監督】ギャレス・エドワーズ

【出演】ジョン・デヴィッド・ワシントン ジェンマ・チャン 渡辺謙ほか

【あらすじ】

2075年、人間を守るために開発されたはずのAIが、ロサンゼルスで核爆発を引き起こした。人類とAIの存亡をかけた戦争が激化する中、元特殊部隊のジョシュアは、人類を滅亡させる兵器を創り出した「クリエイター」の潜伏先を突き止め、暗殺に向かう。しかしそこにいたのは、超進化型AIの幼い少女アルフィーだった。ジョシュアはある理由から、暗殺対象であるはずのアルフィーを守り抜くことを決意するが……。(映画.COMより)





 
【感想(ネタバレなし)】

『「そんなに日本が好きになったのか、ギャレス・エドワーズ。」』

 



立ち食いそば屋のかき揚げは急いで喰うもんじゃない、ラーチャえだまめです。早速ですが本日はコチラの映画を拝見させて頂きました



【ザ・クリエイター/創造者】___!!!ヤバイよヤバイよ今年は次世代を担う2大“SFオタ”監督の映画が同じ劇場で観れてしまうなんてぇー!!??今年はニール・ブロムカンプのリッジレー……間違えた「グランツーリスモ」が大成功を納めた年、、、、だけでは終わらせません!?ハリウッドに再び“ゴッジーラブーム”を生み出した結果、原産国日本を嫉妬させやってやろうじゃないかとその後“トキオックス”松岡の「ファイナルウォーズ」以降ゴジラ映画が作られる引き金をもたらしめたトップ“クリエイター”ギャレス・エドワーズ!!!彼の最新作が?ついにココJAPANでもお披露目となってしまいました……



ギャレス監督と言えば“低予算でも面白い映画は撮れる”を有言実行した「モンスターズ」で長編デビュー、当時存命していたTS◯TA◯Aでも大々的に宣伝されていた頃が懐かしい、その後ハリウッド版「GODZILLA」を大ヒットに導き「ローグ・ワン」なる“泣けるSW”を生み出した……そんな彼の実は“7年ぶりの新作”だったとは思いませんでしたねー、次なる作品のテーマに選んだのが「AIvs人類」……いやいやそういうのもう見飽きたわ!!…ここへきて早くもネタ切れか?AIと人類のドッカンバッカン映画なんぞ古今東西当然今に始まった話ではない。そんな「どうせ“いつもの”SFでしょ?」となるか「久しぶりの“正統派ド直球SF”アザーっす!!」となるか。私はですよ、何回でもやって下さい、いいんですよ「そういうのが見たい」んだから…勢です。そんな私のようなSFファンの皆さま。おめでとうございます














今年度“No1SF映画”が決定しました






それだけではありません本作が“SF映画史を塗り替えた”かもしれない__!?トンデモクライシスな画期的な手法で撮られたある意味SF史の“新たなる希望”の1本になるかもしれない映画、だったのです……。




 


いやーびっくらポンですよギャレス・エドワーズさん……今作でアナタに一生お供するとマインドに誓わせていただきます。あのー、映画って必ずしも理屈じゃねえんだ















有無を言わせぬ「センス」が恐ろしい






世界観、ロケーション、そしてメカデザイン……どれをとっても素晴らしい。これはもう言葉で説明するのは難しい「そう!こういうSFが観たいのよ!!」ロケーションがどのシーンを切り取っても素晴らしい。遠くの方に見える巨大な近未来型要塞、自然の中に“自然と”そこに存在しているかのようなSF的な建物……引きの画が多いのでそれがより際立つと言うか、後述しますがかなりのVFXを多様して広大な近未来の世界観はそれだけでもスクリーンで見る価値アリストテレスだと思いました!!



昨今のスマート家電に始まるガチャガチャしてない曲線を帯びたシンプルな形に抑えよう押さえようとする近未来デザイン。私生活で使用するには大いに結構、だが我々SFファンが望む「デザイン」はそうじゃない。よおく見るとプラモの使わない「側」を何枚も重ね合わせたデススターやスターデストロイヤーでありドデかいバッテリー背負った頭デッカチなロボット、そうコレでしょう!?本作のポスターを見て下さいゼビウスに出てくる丸いドーム状の建物と夕日をバックに田園の中佇む一体の人型ロボット……「遠い遥か彼方の銀河系」のワンシーンを彷彿とさせる「昭和SF臭」が早くもクンカクンカのルービーしちゃってる最高にエモ過ぎる(自分平成っすけど)ことにお気づきになった方もいるかもしれないそう本作は“80年代〜90年代が考えたSF”でビッタビタに満たされた、愛くるしい程レトロSFが好き!?勢が作り上げたSFなのであります!!



いやーOPから本当にビックリした。物語は飛躍的に進歩したAIが人類に核ミサイルをぶっ放した結果、アメリカをはじめ世界各国でAIの廃止運動が始まるものの、アジア圏では未だAIが使われ人間と共存していた___本作の時代設定は我々が生きる時代の“未来”の世界線ではなく?我々の生きる時代のもう一つの「平行世界」の“未来”を描いている、という点!!iPhoneではなくソニーが世界を牛耳った世界線というべきか、だからこの映画に出るのは薄型ノートPCではなく“ブラウン管モニター”……この設定のおかげで?実現しなかった未来(今よりもスマートな形状ではない)を違和感なく構築できたどころか、オッサン世代だけではなく若者世代が“エモい”と連呼する、あの昭和レトロチックなデザインのもので満たされたSFを“今の映画”で作り出すことに成功しているんですねー!!繰り返しますがギャレス監督が我々に見せたかったのは現在の近未来映画ではない“昭和が描いたSFの世界”なのです!!



でもってその世界線に“じゃぱにーず”の存在は欠かせなかったよう。OPから“FLY ME TO THE MOON”をレコードで流して“エヴァっぽい柄の目覚まし時計”出てきた瞬間鼻水飛び出るかと思いましたよ!?













“Japaneseリスペクト”がエゲツナイ。





正直ここまで日本柄に染まった映画とは思いませんでした!?本作の副題“創造者”なんて日本が勝手にとってつけたものだと思ったでしょう?いえいえOPでタイトルの下にそのまま“創造者”と“漢字表記”で出てくるんですね!!あと本作は“章ごと”に区分されているのですが各章のタイトルの副題も全て日本語……だけでは飽き足らず!?エンドロールのキャスト・スタッフクレジットもカタカナ表記になっている、おま、どんだけアイラブジャパニーズなんだよぉー!?……「そんなに日本が好きになったのか、ギャレス・エドワーズ。」そして極めつけが横顔バームクーヘンの世界のケン・ワタナベさんですよ













だんだんセリフが「イングリッシュよりジャパニーズ」のが多なるって何?





当初はストレンジ大先生のサイドキックだウォンことベネディクト・ウォンがやる予定だった役を引き受けたらしい、ギャレス監督とは「GODZILLA」以来の再タッグで「GODZILLA」では正直そこまでセリフもなく彼の見せ場はむしろ続編の「キングオブ〜」にお預け感がありましたが、今回ギャレスは彼を英語は話せないからとかじゃなく“日本人として”起用してる感が伝わってきたと言うか…!!セリフより彼の渋い顔演技だけでもうキャラとして成立している所にギャレス監督は魅了されたんだとか。あと地味に渋谷でゲリラ撮影して“近未来Shibuya”を登場させたのも初なんじゃない?(一瞬ですが)そして劇中流れるサントラを神ハンス・ジマー……これもやはり「ラスト・サムライ」でサントラを手がけた彼だからこそ、という理由も一枚噛んでいるような、他にもAIの人類の未来の鍵を握る存在として赤毛ロン毛かない“アルフィー”なる子どもが特殊能力を使う時にお手手のシワとシワを合わせてなぁ〜むぅ〜スタイルな仏教リスペクトも?桃太郎もびっくりなイヌとサルのナイス過ぎるアシスト等、本作の下地に“日本色”が塗られているのは明白、なのであります!?



けど本作の舞台は“ニューアジア”と呼ばれる地域、、、、ニューアジア!?ココッ!!あそおぉーーーれッ!!!……中国・タイ・ベトナム・シンガポール、東南アジア感全てごちゃまぜになってレボリューションしてる、正直今までSF史で「ここまでがっつりアジア」が舞台の映画って、ありそうでなかったんじゃないか?そりゃハリウッドが映画を撮れば舞台は大概LAとかアメリカに寄ったものになるのは当然なんでしょうけど、本作が米国びいきせずここまでアジアを舞台に出来たのにはあるワケがあったのです。まずそもそも巨大規模のSF映画、とりわけ今どき使い古されたネタのオリジナル脚本の映画を撮る……なんて何の後ろ盾のない作品で多額の資産を貸してくる映画会社も少ないでしょう。ましてはアメリカ万歳映画じゃなければハリウッドも製作の段階でまず渋る。しかし本作はある画期的な方法で「低コスト化」を実現し、少ない予算で映画を撮ることが出来たからハリウッドに媚びずに“本当に作りたい映画を作る”ことに成功したと言ってもいい。はてその方法とは“映画を作る手順を逆にする”という大胆不敵な手法だったと言うのです__??




 



通常まずデザイナーとコンセプトを決め、まとまったら撮影地を決めたりセットを組んで……この方法だと撮影する内にセットを追加したり撮影が中断する等の予期せぬトラブルで予定より予算が膨れ上がることがある。しかしギャレス監督はこの工程をあえて逆に、つまり先に撮影を全て終わらせた後でデザイナーを呼びデザインする……ロケハン時に現地で何の手も加えられていないリアルな風景や人を撮影し、編集後にそこにVFXを付け足していく、という方法で徹底的なコストカットを実現。この方法はデビュー作「モンスターズ」から取り入れており、まさに“低予算SFを作り上げてきた彼だからこそ”出来たワザ。結果1億ドル以下という大規模SF映画としてはかなり“安上がり”な制作費だが、本作を観た方ならおわかりになると思います本作のどこを切り取っても“安っぽい”ものなど一つもない。これがギャレス監督の真骨頂。「モンスターズ」から引き継がれる“「安さ」と「面白さ」は比例しない”ことを本作でも証明してくれてしまったのだ___!!!



主演は只今お父さんは異国の地で9秒で悪人をキル中デンゼル・ワシントンの息子ジョン・デヴィッド・ワシントン。「テネット」で日本でも一躍有名になった彼ですが、今作では愛する妻と子をAI戦争で失った義足の元特殊部隊という心に傷を負ったジョシュアを熱演。その妻でAI側にいるマヤに「クレイジー・リッチ!」「エターナルズ」のジェンマ・チャン。他にもAI撲滅に動く人間サイドの「アイ,トーニャ」のアリソン・ジャネイ、特徴的な声ですぐわかるラルフ・アイネソンなどなど……



森の中から出てくる巨大戦車の見せ方は「GODZILLA」のそれだし、ラストは……これまたズルいよギャレスはん、と思わずあの「ローグ・ワン」で涙した粒がまたしても……まさにこれまで積み重ねてきた彼のフィルモグラフィーの現時点での「最高峰」と呼んでいいのではないでしょうか。


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