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プレデター バッドランド(2025)

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【原題】Predator: Badlands

【監督】ダン・トラクテンバーグ

【出演】エル・ファニング ディミトリウス・コロアマタンギほか

【あらすじ】

掟を破った若きプレデターのデクは、生存不可能とされる最悪の地「バッドランド」に追放される。さらなる強敵を求めて戦い続けるデクは、その旅路の中で、思いがけない協力者となる謎のアンドロイドの少女と出会う。自分たち以外は敵だらけという世界で、デクと少女は生き残りをかけた過酷なサバイバルを繰り広げることになる。(映画.COMより)






【感想(ネタバレなし)】
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『デクの“ヒーロー”アカデミア』





どーもどーもラーチャえだまめです。早速ですが本日はコチラの映画を拝見させていただきました



【プレデター バッドランド】!!!去年9月に日本で「エイリアン:ロムルス」が公開され、それからちょうど1年ちょっとで!?今度は我らが宇宙随一の“孤高の狩人”ことプレデター!!の新作までしかもスクリーンで拝めてしまうだなんて!?









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2台SFクリーチャー部門はフェデ・アルバレスとダン・トラクテンバーグで安泰ですね?




しかし“プレデター”というキャラクター自体はまだまだ抜群の人気がある(と信じたい)ものの!?彼だって結構右葉曲折あったわけです。映画作品としてはジャングルとコンクリートジャングルと「AVP」でエイリアンと一悶着やった後は「プレデターズ」「ザ・プレデター」と2度も方向転換を目指すも見事失敗!!以後なかなか新シリーズ化に繋がらなかった不遇の道を歩んでいたところへ、コロナ禍で配信を余儀なくされるも異例の視聴数でヒットとみなされた前作「ザ・プレイ」や続く「最凶頂上決戦」でようやく軌道に乗ってきたと言っても過言ではない!デビュー作「10 クローバーフィールド・レーン」(あれ結局なんだったの?)や「ザ・ボーイズ」などの人気ドラマも手掛けてきた次世代だからこそ?ダン・トラクテンバーグ監督による“地球落下第一号”編や“アニメ編”と新シリーズとして実験的かつ挑戦的な“新しいこと”にこだわってきたトラクテンバーグ監督が?シリーズ3作目でついに「なんて醜い顔」すぎるプレデターを!?「主人公」にしてしまうという!?禁断のカードを切ってしまったか!?いや一体どんな映画になるんだ!?しかもこれまで「人間を“狩る側”の最恐の宇宙ハンター」だったプレデターを?「“狩られる側”に立たされた最弱ハンター」というまるで真逆の設定に変えちゃって、これは流石に見たことがない!!故に相当な期待をして挑んでしまったのですが



もはや単純に面白いとか云々よりもさ。そもそも








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「人間ゼロ」のクリーチャー単体映画が、このご時世にハリウッドで1時間47分もの尺をフル活用して作られたことにもの凄く「価値」がある気がしないか?









いやー見てビックリこれは「プレデター」というシリーズを超えた、「クリーチャー」映画として、実はとんでもないことをやってくれたんじゃないかという!?墜ちた星はバットでも内容は最高にグット!!な映画だと感じましたねー。



この映画“生身の人間”が1匹も出ません!!出てくるのはプレデター、異世界生物、そしてアンドロイドのみ。これって地味にすごくないか?せいぜいペットになるまでが限界だったゼノモーフでは絶対にできない芸当だよ!?これまで人間と戦わされてきたプレデター、我々視聴者はどうしてもプレデターサイドではなく人間サイドに感情移入してしまっていた、だから今回“人間を出さない”というかなり挑戦的なことをしているんですねぇ。今作の主人公は先述した紛れもないプレデター、いや“ヤウージャ族”!?劇中彼らが“プレデター”と呼ばれることはありません。今回彼らを正式な“種族”として登場させているんですねー!これによりただの凶悪非道なエイリアンのイメージからちゃんとした文明を築けるだけの優れた知能、何世代にも渡って宇宙で狩りをしてきた“戦士”感が?より一層濃くなったというか。さらにこれまで明かされなかったプレデターの「家族」「兄弟」事情も描き、より文化的でリアリティのある生物として再構築。これまで何を言ってるのか理解不能だった“ヤウージャ語”なる言語まで登場しセリフに字幕までついちゃったもんだからもう何言ってんのかわかっちゃうわけですよ!!









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おま、めっちゃ喋るじゃん!!しかもめっちゃ可愛いやん!!




ストーリーはかなり単純で、青二才のプレデター“デク”がドン底から這い上がる「少年漫画」過ぎる展開もあまりにベタだがそれがいい。本作はまさにシンプルイズザベスト、「わかりやすさ」がここまでプレデターに感情移入させるなんて…!!



“規格外”なのはそれだけではありません。これまでスタントマンや俳優が全身被り物をして(1作目では無名のヴァン・ダムが演じていたが後に幻となった)演者の顔の表情は特殊メイクで完全に消されていたのが、今回は中の演者の“顔の表情”をそのままプレデターの表情に変換する技術を採用。それは今回のプレデターが劇中“ほとんどマスクをしない”恐ろしい顎に瞳孔の開いた黄色い目まではっきりと確認できる“素顔”で登場させ、これまでで最も“豊かな表情”をもっているからで、それは我々の感情移入を促進させる作戦なのだが全身フルCGで表現するのではなく実際に俳優にスーツを着せ顔だけスキャン、その表情を特殊効果のプレデターの顔にはめ込む「猿の惑星」スタイルをとっているんだとか。


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顔の細かな表情で感情表現させれるだけの俳優にスーツを着せた方が手っ取り早いと踏んだのか、しかしそうはいっても高身長で撮影中ずっとクソ熱くてクソ重くてクソ動きにくいスーツを着続けてしかも劇中本当の意味での素顔が1秒たりとも映らない、それでもOKしてくれるブラック企業案件な役を演じてくれる俳優はそういない。個人的にも今回一体誰がデクを演じているのかと思っていたんですよ











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今一瞬画面が乱れましたディミトリウス・シュスター=コロアマタンギというニュージーランド出身の超新星!!2001年生まれのううううう若い!から身体能力も高い!そして「The Panthers」という海外ドラマがトロント映画祭で高い評価を得たハイ演技力!!劇中のヤウージャ語もマスターしてセリフまで担当する器用さも相まって見事にデクに命を吹き込んで下さいました!!今後は俳優の顔をスキャンしてクリーチャー造形の幅が広がっていくかもしれませんねぇー!!



命を吹き込んだのは俳優だけではありません。デクや他のハンターたち、致死率100%の最凶惑星に生息するキミドロクリーチャーに命を吹き込んだのはピーター・ジャクソンの「指輪物語」でクリーチャーデザインを担当し一躍トップスタジオとなったウェタ・ワークショップ、そして1作目「プレデター」の生みの親スタン・ウィンストンスタジオに参加、「エイリアン3」からシリーズにも貢献、私が敬愛する「遊星からの物体X」で出来の悪いVFXに代えられブチギレた産物「X‐コンタクト」の監督でもある大御所クリエイター、アレック・ギリスという特撮ファンにはニヤリ顔が止まらない最高のスタジオ&スタッフによるクリーチャー造形もポイントの一つであります!!



また 「ザ・プレイ」で見せた北米の広大な大地感もある(実際はニュージーランドなんだろうけど)未知の惑星だけど、どこか地球の自然感アリストテレスな広大な大地を歩いたり背を向けるデクがまたバエまくる。デク以外のクリーチャーはよくあるCG感全開で残念な部分はあったものの、それでもなんちゃってアバターにいそうなイミフ進化を遂げた超生物ばかりでこちらも楽しませてくれる。


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右京さんも半身で紅茶を注ぎだす顔面凶器クリーチャーの相棒が顔面童顔美少女ってもうそれなんてバディ漫画!?デクが道端で偶然出くわす下半身が破損したアンドロイド“ティア”。演じるはSF大作のイメージが実はない子役出身“光”と書いて“エル・ファニング”と呼びます?シーンの半分以上を上半身だけでどうやって演じているのかと思ったら、デクの背中にいる時はL字になって座ったり脚だけワイヤーで吊って演じるコロアマタンギの負担を減らしたり、それ以外は地面に穴掘ってそこに下半身を入れていたという以外にも原始的なんだね……。天真爛漫でとにかくおしゃべりでとても「感受性が高い」アンドロイド…てそれもうただの可愛い下半身ないエル・ファニングじゃねえかよ!?こんな天使みたいなアンドロイドを作ったユタニ社にはじめて感謝だわ____



てもう最近きぬた歯科の看板ばりによく見る“ウェイランド・ユタニ”社が今回も出しゃばりまくる。え、てか普通に登場してまるで違和感が機能しないんだけど「エイリアン」と同じ世界戦すぎませんマザー??もう「AVP」絶対やってよ?約束だからねトラクテンバーグ!?



色々辛いことあった後にやってきた惑星で意気消沈気味の気味のデクを救ってくれるDr.スランプになってくれるかと思いきや?はじめは「ただの道具」としか見ていないデク。しかしそれはデク、いやヤウージャ族、いや全てのプレデターにとっても同じ。彼らにとって狙った獲物を狩るだけの戦士とはある意味「闘う道具」と同じ。闘えない弱い者、使えない道具はたとえ家族だろうと容赦なく消す。それがプレデター界の掟でそうやって強い個体を増やしてきたのかもしれない。デクもまたその「道具」としての存在に段々と疑問やいら立ちを覚えはじめる。しかしそこからティアとの関係性が「道具から対等」に変化していき、また自身も「道具から自立」する、みたいな成長ドラマに繋がっていくんですよねー。


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「強者とは一番多く狩るでも一番強いヤツを狩るでもない。仲間に一番多く狩らせ、一番強いヤツを狩らす。最強の部下達を従え守る者こそが真の強者なのだ!!」……めちゃくちゃいいこと言ってんだけどそれをプレデターが言い出したら今までずっと一匹狼で頑張ってきた先輩プレデター全否定にならないかい??という疑問はありますが……



まあ先ほどからずっとこれまで明かされなかった、いや明かさなかったとでも言おうか?むしろシークレットにしていたから良かった部分っての?「なんだかプレデターって意外と人間サマと変わらんね」……という印象を今回新たに持たれるかもしれない。でいいのか??「人サマには理解できない魅力」というのもあってこそがプレデターだろ生ぬるい!!と吠えるファンもいるかもしれない。それくらい今作のプレデターは愛らしく感情豊かである意味人間らしい。これもディズニー傘下になったから?



しかし哀しいかなそうしないと観客は感情移入できないしそもそも映画の主役にはなれんのだよプレデターはん……。個人的には今回こうして主役の座を射止めてくれたことに感謝してますから、まあその辺は大目に見ましょう。「人間らしい個体が一人くらいいたってよくないですか?」


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それよりデク&ティアコンビがどことなく「子連れ狼」っぽいイメージがあって、同じディズニー傘下の見ていてチラッチラッと「我らの道」が見え隠れす……ボバボバボォ〜ン♪のほうか?デクが若輩者ゆえにトレードマークのマスクや肩に乗ったプラズマキャノンのほか鉤爪ブレードや腕の時限爆弾といったお馴染みのアイテムも今回使わせてもらえないんですよね〜(だから余計に辛い!)でもだからこそマンダロリアンがベストアイテムのジェットパックを使った興奮のように?デクが念願の“光学迷彩”を手にするシーンでおおおお!!とひとしおの感動が!?クライマックスでワクワクさんも胸熱なこれまでの「脅威」を「武器」化して逆に利用してやんよ!!なモンハン的なハンターあるあるに「エイリアン2」に出た運搬用ロボットを彷彿とさせる巨大メカvsデクの「パシリム」の逆みたいな「エイリアン」シリーズファンや特撮ファンも虜にさせるファンサもあったりとなかなか楽しませてもらいました。帰りは成仏の念もこめて“うなぎ”でも買って帰ろう……。

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