top of page

プロジェクト・ヘイル・メアリー(2026)

  • 7 日前
  • 読了時間: 10分

【原題】Project Hail Mary

【監督】フィル・ロード&クリス・ミラー

【出演】ライアン・ゴズリング ザンドラ・ヒュラー ライオネル・ボイスほか

【あらすじ】

アカデミー賞7部門にノミネートされた「オデッセイ」の原作「火星の人」などで知られる作家アンディ・ウィアーのベストセラーSF小説を映画化。滅亡の危機に瀕した地球の運命を託された中学の科学教師が、宇宙の果てで同じ目的を持つ未知の生命体と出会い、ともに命を懸けて故郷を救うミッションに挑む姿を描く。(映画.COMより)






【感想(超ネタバレなし)】

『「友情」は「宇宙」を「超える」。』





どーもどーもオウッ!たま元素〜ラーチャえだまめです!!早速ですが本日はコチラの映画を拝見させて頂きましたよ



【プロジェクト・ヘイル・メアリー】いいいー!!!ようやく観ることが出来ました、今話題沸騰中のコチラ。劇場やTVでも割と早い段階からバンバン宣伝&そもそも原作が2021年に発行されベストセラーとなったアンディ・ウィアーの傑作SF小説、ということもありシネマファンのみならず読書家にも期待されていた1本かもしれない!?まだ見ぬ人類未踏の広大な宇宙を舞台に繰り広げられる“イチかバチか”の極限のミッション。いやー、「IMAX=無限に広がる宇宙」「ドルビーシネマ=無限に広がる暗黒」うーんどちらも迷う___!!両者にとって最もバエるのはやっぱり宇宙だよなー、はもう「インターステラー」で完全に脳内にインセプションされてしまった我々ですが、無論本作はこの“2つのフォーマットのどれかで観なければ意味がない”とも言える??現在世界中でヒットしている本作ですが洋画不人気の日本でも例外ではなく非フランチャイズ作品としてはIMAX版、ドルビー版共に異例の初動3日間で連日満員御礼&入場特典&パンフレットの即完のヒットをかっ飛ばしている異常事態。しかしそれはたとえ通常より“高値でも「体験したい」が先行している“それだけの価値が本作にはある、と皆さん確信を持っていただけているからなのか、映画館からは嬉しい悲鳴が聞こえてくる一方



ただここで一つ問題が発生しました。あまりの人気で日本でフルサイズだドンのIMAXシアターを持つグラシネ池袋では休日平日問わず予約先行組の段階でほぼ“即完”状態が多発。これじゃあいくらなんでも観れる気がしねえ……と吠える方々も大変多いのではないでしょうか??かくいう私はもう諦めました。チケット争奪戦は精神衛生上非常に良くない。SNSでは「出来ればフルIMAXで……」なんて簡単に言うなよって思いますよね?地方民は◯ねと?あんなのただのマウント取りだと思って下さい。



本作を観てわかったのは、映像だけが凄い映画ではないということでした。ですから今回は他が散々絶賛する映像面の話はもうしません。本作は「ストーリー」の運び方がめちゃくちゃ良かった。もう確実に確定演出で「それはズルいよ」の連続。そら興奮するだろ!!そら泣くよ!?そら面白いに決まってるじゃん!?完全に制作側の意図する方へ感情を揺さぶられてしまいました。フルサイズIMAXにこだわり続け先延ばしにした結果SNSでネタバレを食らう、もしくは気がついたらIMAX上映終わってた、、、なんていう悲劇に見舞われては絶対に“体験”出来ない感情。さらに言えば私は原作は読んでいないのですが、むしろ読んでいないからこそ無知からの衝撃を純粋に味わえたし、原作ファンが原作にあった箇所がごっそりカットされていた、と賛否両論が勃発しているなら尚も良し、と思わざるを得ない。というか本作は後述しますが「詳しくは原作読んでね!」という作りをしているのです。原作を知らない人向けに作っているんじゃないかとも思える。映画から原作に入っても全く問題ありません。つまりナニが言いたいか。「つべこべ言わずに“とりあえず早く観た方がいいよ”」ってこと____。



監督は「くもりときどきミートボール」「21ジャンプストリート」「LEGO ムービー」のフィル・ロード&クリス・ミラー。アニメーション映画からデビューして実写コメディ、その両者を“合体”させレゴという媒体を使って異常なエモさも含ませた2人の“現時点での「集大成」的映画”と言っても過言ではないかもしれない!?本作は想像以上に「コミカル」で軽い。お得意のスキあらばお遊び要素もてんこ盛りで緊迫感が全然ない。これがまず意外でした。ところがどっこい「インターステラー」並に危険なミッションを挑む時は急に「シリアス」ムードに突入、しっかりと重く手堅く作り込む。この緩急のつけ方が本当に上手かった。そしてこれまで二人三脚で作品を創り上げてきた2人にとって、苦楽を共にしてきた彼ら自身をまるで投影させたかのような、いかなる困難にも「友情のチカラ」で道を切り開いていく___そんな“超ポジティブ”映画、だったんですねー。







長髪無精髭にするとピーター・ストーメア感が増すことが判明した主演は宇宙はこれが初ではない(そして次回作でついに遠いはるか彼方の銀河系へさらに飛んでいく)「ファーストマン」ライアン・ゴズリング。今作は主演のほか製作としてもクレジットされている。もともと原作に惚れ込んだゴズリングがフィルとクリスに売り込んだのが爆誕のきっかけで「ドライブ」「ブレラン2049」などニヒルでクールな役から一転、最近は「フォールガイ」や「バービー」でちょっとおバカなきんにくんとお茶の間も賑わすおもしろダンディメンに様変わりしたわけですが、今回は頭脳明晰な科学者にして今は中学で物理を教えているティーチャー“グレース”という男を演じている。科学オタクでよく喋るメガネっ子でドジっ子のイケてる独身メンズ___女性ファンを全包囲網したメンズだって「虜にならない理由がない」愛し過ぎるキャラクター過ぎんだろぉ!?しかも本作では彼以外には地球シーンで登場するカニエ・ウェストにしか見えないグレースの護衛兼付き人と“ヘイル・メアリー計画”のチームリーダー、エヴァ・ストラット(ちなみに鉄仮面ストラットを演じるは「関心領域」のサンドラ・ヒュラー!)くらいしか出てこないので、150分間ほぼずっとゴズリングの顔面が画面に抽出されファンには堪らないであろう。



本作は“超物理系”用語がバンバン飛び出すSF映画。言うなればノーランの「インターステラー」を彷彿とさせる理系脳ミソをフル回転させないと理解が追いつかない宇宙理論、科学的根拠やたとえば惑星を死滅させる要因となる“アストロファージ”……とかなんたら聞き慣れぬ用語や造語がドシドシ到来する。しかし理解が追いつかなくても「なんとなくの雰囲気だけわかれば全く問題ない」作りにしている所が優しい。勿論原作小説にはその辺を「わかりやすく」説明しているらしい(最すぎるフィクションを“いかにも”な理屈でゴリ押し正当化するスタンスらしいが…)実はサイエンスな部分は“むしろ雑にササッと流して”詳しく知りたければ原作本を買ってね!とうまい具合に購買意欲に繋げようとしているのです。さすが製作の段階から直接関わってきたアンディ・ウィアーの原作者パワー。自身の宣伝も徹底している。……代わりに映画でしか味わえない映像美やSF映画ネタ、要所要所で挟まれるグレースの過去、そして“友情”という人間ドラマに重点を置いている。広大な宇宙の話なのに、最後に残るのはすごく人間的で、すごくシンプルな感情。だからこそ万人に刺さる映画でもあると思いました。



タイトルの“ヘイル・メアリー”とは“ラテン語のアヴェ・マリア”(宗教的な祈り)の英語読み。劇中でも“神頼み”と略される。アンディ・ウィアーの著書で同じくリドリー・スコットで映画化された「オデッセイ」しかり、絶体絶命の事態にもめげずに己の持った全知識をフル活用して解決していく姿勢、そして上手くいくかどうか、たとえ根拠が持てなかったとしても最後は「なんとかなるっしょ!」のまさに神頼み精神で挑む究極のポジティブ思考。このポジティブ思考こそ如何なる困難においても最も大事なことであると、本作でも一貫して描いておりました。また奇しくも先日見た「レンタル・ファミリー」でも感じた「繋がり」というのもテーマとしてあって。どれだけ未来に進み宇宙に行っても、そこは変わらないんだなーというのがよくわかりました。





【感想(ネタバレ)】










来年の「助演男優賞」は彼で決まりました。





過去「いとしぃ人ぉ〜」も獲ったんだからアリでしょ!?スピルバーグも嫉妬しそうな、なんて友好的な第三種接近遭遇なのだろう。いや出会った異星人が柳沢慎吾ばりにめっちゃうるさいタイプなんて聞いてない原作ファンからすればその存在すら事前に伏せて欲しかったとの声も多数あるのも頷ける、グレースが宇宙道中で出会うことになる「ロッキー」。既にSNSでは鑑賞した方々によるエイドリアあああああん!!ならぬロッキーいいいいい!!ブームが炸裂中。正直今年のマスコットはグローグーの一人勝ちだと思っていたのですが、いやーちょっとこれは“ぬい活”の方がアップをし始めるくらい公式で…作ったら絶対売れると思うのですが!?コイツのとんでもクライシスな「Kawaii」は全世界共通なんじゃなかろうか!?ちなみに「ラ・ラ・ランド」のポスターで自分の手の向きがおかしいのをロッキーにエマ・“ストーン”役で再演させて修正するくらいゴズリングもかなり気に入っているご様子。



複雑さを排した無機質的なデザインといい、ちょっと「インターステラー」のターに似てるよね。なんでのっぺらぼうなのにあんなに感情移入しちゃうのか。いや「表情がない」ことで、返って我々視聴者側が勝手に「最も親しみやすい表情」を作り上げているとも言える。ロッキーはパペットで撮影、ロッキーの電子ボイスを担当したジェームズ・オルティスが自らパペットを操作しながら声も吹き替えている。非常にアナログな、しかし“実在”するからこそ演者にリアルな演技を引き出し、反対に受け答えの動きにもリアルさを生み出していると思いましたね。結局リアルに一番近いのはデジタルじゃなくアナログなんですよ。



そのロッキーと互いに意思疎通するコミュニケーション技法がササッと完成しちゃうのは正直ソンゲバソナと思いましたがそこはもう御愛嬌(尺の都合によりカット?)というのも本作の核は「異星人と協力して互いの故郷を救うミッション」そのものよりも、「互いに理解し合うこと」そのものにあると思うんですよね。これが実はめちゃくちゃハードルが高い。地球侵略より難しいまである。相手を攻撃するよりも理解しようとする姿勢や思いやりの方がよっぽど高度で、知性が問われる行為だと思うんです。そんな中でロッキーは最初からグレースを攻撃せず理解しようとするスタンスを取る。この時点で「コイツ賢いぞ…」ってなるのですが、同時にグレースも同じ土俵に立ってくるのがいい。ロッキーの宇宙船に潜入するシーンでもビビりながらも探求心が勝っていく感じが最高に人間らしいし、ちゃんと友好的な意思を示そうとする。



こうして出会った2“体”が関係を築き、やがて母星を救うミッションへと繋がっていく流れが素晴らしい。この物語って、「友情」が「宇宙」を超えていく話なのです。そして終盤。死にかけのグレースを自分も瀕死になりながら助けるロッキー。ここで号泣した人素直にハーイ。さらに追い打ちをかけるのがその後の展開。地球に帰還できる道が開けた一方で、別れたロッキーが危機的状況にあると判明し、「地球かロッキーか」の選択を迫られる。このタイミングで、かつて信頼していた仲間たちからの“裏切り”の記憶を挟んでくるのがズルいんですよ。からのロッキーのカット。そりゃもう答えは決まってるじゃないですか。ここで描かれるのは、「故郷=帰る場所」ではなく、「誰といるかこそが居場所」という価値観。グレースの選択がそれを強く裏付けてくる。そしていざ助けに向かうぞというタイミングで流れるビートルズの“Two Of Us”。この選曲と使い方がまた憎い。物語のテーマをこれ以上ない形で補強してくる演出だと思いましたねー。

コメント


bottom of page