ザ・ブライド!(2026)
- 1 時間前
- 読了時間: 8分

【原題】The Bride!
【監督】マギー・ギレンホール
【出演】ジェシー・バックリー クリスチャン・ベール ピーター・サースガードほか
【あらすじ】
1930年代のシカゴ。自らを創造した博士の名前であるフランケンシュタインを名乗って生きる怪物は、人間たちから忌み嫌われ、誰とも心を通わせることなく過ごしてきた。孤独に耐えきれなくなった彼は、高名な研究者・ユーフォロニウス博士に伴侶を創って欲しいと依頼する。ユーフォロニウス博士は事故死した女性の遺体を墓から掘り起こし、フランケンシュタインの花嫁・ブライドとしてよみがえらせる。(映画.COMより)
【感想(ネタバレなし)】

『“挑発的”かつ“脳天直撃”映画』

どーもどーもラーチャえだまめです。はいと言うわけでやって来ました「大井町トラックス」!!!まさか近所が(蒲田以外)映画館だらけになるとは思わんだ(その蒲田にもかつて映画館があった)この日は平日の悪天候でしたがそれでも結構人がいて。週末とかしばらくはヤバそうですね〜。で今回の目的はそう言わずもがな「TOHOシネマズ大井町」であります!!都内TOHOとしては初の「ドルビーシネマ」の導入、ほか「プレミアムシアター」や「轟音シアター」などプラチナム&スペクタクルを追求した特別仕様含めた全8スクリーンを完備。3月28日グランドオープン日の初回上映では1000人以上のチケット予約待ちが発生したとか??ご近所シネコンファンのみならず映画ファン期待の新星シネコン、なんでありますが___

SNSでは早くもドルビーシネマの不評ツイート?が拡散されておりますが。今回私がお邪魔したのはそのドルビーではないので何の参考にもならないかもしれませんが、全8シアター中で小規模のシアター1に行って参りました。隣が轟音シアターで双方の入口の距離があまりに近すぎる壁1枚で正直音漏れが心配でしたが、上映中は特に気にならず(これは正直作品によるかも)私が買った座席はE列。正直その後ろで通路を挟んだF席でも良かったかなー。足も伸ばせるし。スクリーンの位置的にはE席で真正面、といった感じでした。
それより公式のイメージ写真ではゲート入口まで空間がある所を半分グッズ売り場が占領していて、入場までの待機列が片側半分を埋め尽くすくらい、結構入口が狭かったり、入口ゲートからスクリーンまでの「導線」が近すぎて助かる人にはかなり助かる一方、上映ギリギリでも間に合うので駆け込み入場が増えたり、何か急な要事で一旦スクリーンから出てまた戻る……という行為を誘発してしまわないか??という懸念も感じました。(実際この日も上映後に電話?しながら途中退場したカップルを発見)売店がモバイルオーダー式で並ぶ必要がなかったりトラックス内にチェーンのカフェが3店ほかベンチも多く鑑賞前後の休息に困らない&1Fの16時からやってる安い立ち飲み屋とかすぐ近くの飲み屋街で帰りに一杯引っ掛けるなんて(もはやソッチがメインだろ)そっちの導線はなかなか良いのですが……

と言うことで今日は劇場目当てで来たのでぶっちゃけ作品はなんでも……期待値ゼロで挑んでしまった【ザ・ブライド!】!!!映画雑誌や劇場では結構予告されてたのに北米の評価がイマイチだったからか??あるいはモンスター愛好家デル・トロが既に「フランケン」をやった後、からの話題性の薄さ&メイクはどことなくハーレイ・クイン似の「フランケンシュタインの花嫁」なんて今時流行らないという?日本ではあまり話題になっていないのか、この日も驚くほどスカスカの嵐。いやーマジで百聞は一見にしかずですね。これはIMAXでもよかったかもなー。

後ろからバットで思いっきりぶん殴られるような「脳天直撃」映画
作風としては既にSNSなどで「ボニー&クライド」「明日に向かって撃て」などと比喩されておりますが、なんとなくデミアン・チャゼルの「バビロン」にも似てると感じました!(あれも賛否両論あったけど…)賛否なんて気にしない、徹底的に「突き抜け」に特化した、忖度なしにとにかく物申す!「挑発的」な映画。ミュージカル要素もあるし。このスタンスは個人的に嫌いじゃない。いや、よくここまで攻めてくれたよと。で今作は「目に見えたフェミニズム映画」。男は暴力的なクズか女々しいヤツしかいない!?女性に権利を!!自由万歳!!1930年代のアメリカを舞台にしておりますが“現代”運動の一貫としてその流れに乗ったような、それでも主張したいことを主張しまくる清々しさ。監督は俳優のマギー・ギレンホール。長編監督デビュー作「ロスト・ドーター」がヴェネツィア国際映画祭で脚本賞を受賞。近年監督としても注目の大女優。ちなみに続く長編2作目の本作でも脚本を担当しているのですが

主演はジェシー・バックリー??前に見たことある俳優だっけ……なんて首を傾げていたらアレックス・ガーランドの「MEN」の主人公の人か!!あー全ッ然気が付かなかった、、、と言うことはすごい俳優ってことでOK?とりあえず「ジョーカー」のガガを優に超えておりました。いや

ハーレイ・クインかと思ったら鳥肌実だった
くらいクセ強な独特すぎるキャラクターといいますか二重人格?死ぬ前の人間の頃からもう既にイカれてる“共感性皆無”のイカれたキャラクター“アイーダ”を見事に演じておりました。この主人公に「共感出来ない」というのが賛否両論の種かとは思います。ただ個人的に必ずしも共感出来る否かが正しいとは思わなくて。たとえ共感出来なくとも、演者の「力強さ」。これにまず惹かれてしまった。

まず彼女の発するセリフが語呂合わせ?似たような意味の単語を韻を踏んで早口でスラスラと発する非常に独特な言い回し。この離れワザはもはやジョイマンのネタです。頭の中に怪物を宿したアイーダが、死してフランケンの花嫁として再び息を吹き返すのですが、生前からぶっ飛んでいたもんで復活後の対比がもはやなっていない。はじめ死に顔を見て「綺麗過ぎてオレには似合わない」なんて顕著すぎるピュアなフランケンが「えっ……」とちょっと思ってたのと違う!?ってなる反応がサイコーでした。そのフランケンの怪物に確かに低い声はフランケンみたいだなとは思ったけど「ダークナイト」のクリスチャン・ベイル。今回再び激低ボイスで喉潰れないか心配しながら観ていました、ホラこの人色々無理するタイプの俳優だから…。お馴染みのツギハギメイクでもベイル要素もちゃんと感じられる、コチラもデル・トロ版とはまた一味違った良さがありました。しかし「ダークナイト」でレイチェル役の代役で出演したマギーと共演して、それから今に至るのかと思うと感慨深いですねー。
またフランケンが映画オタクという設定が良いんですよね。「映画の中で映画を見る映画にダメな映画はない」理論に則り?フランケンの“孤独”の境遇を知った上で、劇中何度も劇場を訪れひとり涙を流したり、アイーダを連れ「こーゆーことがしたかったんだ」とイワンコフばかりにニコやかに観たり、ニューシネマパラダイス的なベタなシーンでもけっこうグッと来ちゃいましたね〜。映画愛に溢れていて。

そのフランケンがずっと憧れているスクリーン上のスターをジェイク・ギレンホールっておいおい……決して出番は多くはありませんが地味に彼の生歌が聴けるという!?インタビューで実姉マギーについて「最も近く早くから彼女の才能を見てきた」と語るジェイク。姉弟にしてビジネスパートナーでもある2人の仲が垣間見れるのもなんかステキやん?他にもアイーダたちを追う刑事に「グリーン・ランタン」でアタマがエライコッチャになるピーター・サースガード。この人もなんか懐かしい。「エスター」とか前はよく観る俳優だったんだけd……てマギーの旦那じゃん!?身内で固めてんじゃん!?「スーパーマン」の独裁大統領に「ワンダーマン」の名監督と、最近ハリウッド作品に出っぱなしのズラッコ・ブリッチは冷酷なマフィアのボスにして大の“タン好き”という?劇中名前をイジられるペネロペ・クルスは全例のない“女刑事”はいかにも!なフェミ度が……まあわかりやすいけど
後半はなんか色んな要素がゴチャゴチャして結局ナニが言いたいの?状態にはなるんですが、ラストの畳み方もキレイで個人的に好きでした。ビジュアルも結構面白い作りで、どちらかと言うとアメコミかグラフィックノベル?みたいなトーンと言ったらいいのか。アイーダが階段から落ちて「死」からはじまるタイトルロール、墓場で拾われ再生する瞬間の化学反応?シーンとか、バリバリCGだけどシカゴの古い町並みに夜のニューヨークのギラギラした劇場前の雰囲気とか世界観も好きですね〜。

はじめアイーダがフランケンの「愛されたい」の要求を叶えるためだけに生み出された存在、、、、だなんてまさにフェミニズム的じゃないですか?フランケン=男の支配からの花嫁の逃避行……を描いた話かと思いきや、これが実はそうではない。むしろフランケンはアイーダに対して「絶対的イエスマン」であり、彼女のフェミニズム的思想に「それこそがキミの美しさだ」とイワンコフばかりに!?目を輝かせる。本作を観て「全男子よ今すぐフランケンを見習え」ですね……。
フランケンは彼女が嫌がることは絶対にしないし、なんなら逃亡中、迫りくる警察の前で突然大声を出したり拳銃を撃ったり同じ逃亡の身としてあまりに自殺的かつ意味不明な行動に「お前アホなの?」と何度も脳内で訴えかけてしまったが、それでもフランケンは彼女を決して責めないし否定もしない。その結果自分の大事な宝物を失ったとしても。彼女を全肯定する姿勢、自由にさせてあげたいという一途な想い、そこには純粋に「愛されたい」という願望があるのだが、それを強制するのではなく彼女の方から寄り添ってくるのを待つスタンス。奥手と言えばそれまでだが、しかしフランケンの優男っぷりに心を打たれてしまいましたね。一見完全にジェシー・バックリーの勢いにクリスチャン・ベイルが負けているように見えますが、優しい目で“サポート”に徹するクリスチャンのフランケンの演技も素晴らしかった。そういう意味で2人のキャスティングのバランスも良かったのではないでしょうか??個人的にもっと評価されてもいいと感じた映画でしたねー。




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