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フォールガイ(2024)


【原題】The Fall Guy

【監督】デヴィッド・リーチ

【出演】ライアン・ゴズリング エミリー・ブラント アーロン・テイラー=ジョンソンほか

【あらすじ】

大怪我を負い一線から退いていたスタントマンのコルトは、復帰作となるハリウッド映画の撮影現場で、監督を務める元恋人ジョディと再会する。そんな中、長年にわたりコルトがスタントダブルを請け負ってきた因縁の主演俳優トム・ライダーが失踪。ジョディとの復縁と一流スタントマンとしてのキャリア復活を狙うコルトはトムの行方を追うが、思わぬ事件に巻き込まれてしまう。(映画.COMより)







【感想(ネタバレなし)】

『これが《アクション》“映画”だ__。』





どーもどーも劇場の入場ゲートでモタモタしてたら知らない外国人から「ヘイガーイ!」と声をかけられ何故だか入場特典のポストカードを貰いました、あの時のツルです。間違えたラーチャえだまめです。というわけで本日はコチラの映画を拝見させて頂きました



【フォールガイ】!!!「元“スタントマン”による“スタントマン”の為の究極の“スタントマン”映画」こんなの観に行くしかないじゃない!?いやーアクション映画の新たなる金字塔を打ち立てた「ジョン・ウィック」の生みの親にして、その後も勢い止まらずヒット作を連発中の暴走特急監督ことデヴィッド・リーチ監督最新作にして?彼のこれまでの「集大成」的映画と言っても過言ではない!?そんじゃそこらのアクション映画ではありません、アクションがあるところ











いつだって「彼ら(フォールガイ)」がいる。





ことを今回改めて痛感させられたと言うか?「彼らナシでは“映画は成り立たない”」今の映画があるのは、命知らずのフォールガイのおかげであると!?いやーもう感謝でしかないありがとうフォールガイ!!ありがとうスタントマン!!!そんな拍手喝采したくなる今年の「アクション映画No1」が確定してしまいました……













「フォールガイ」とは“身代わりになる人”

またはスタント用語で“高所から落下する人”





いやー改めて今年ベスト級に面白かった。私の偏見ですがアクション映画、とりわけ“アクションコメディ”なんてビジュアルはゴイスーだけど中身スッカスカのストーリーは二の次三の次くらいの付加価値くらいしか意味を成さない、そんなイメージでした。だからはじめに告白します。80年代にアメリカで放送された「俺たち賞金稼ぎ!!フォール・ガイ」を映画化した本作の筋書きもそう、言ってしまえばシンプル・イズ・ザ・ベスト“なんちゃって相思相愛ラブコメ”で、どうせ最後くっつくのが目に見えた痴話喧嘩を見ているような気分になるし三谷幸喜的喜劇っぽさも加えた“万人向けコメディ”と言ったところ。



しかも実は前半は思ったよりアクション自体は少なくて、いざアクションシーンがはじまってもカット割が多くてストレートにアクションを見せてくれない歯痒さがあったりする。前半が実は失速している珍しいパターン??



でもそれは本作を見せる前の下準備、とでも言っておこうか、ユニバーサルのアトラクション(アメリカのね?)だってまずはアトラクションにどのような技術が使われているのか説明から入るわけですよ!?そしてそれを知った上で、次に実際にアトラクションを体験させる(ツイスターね?バックドラフトでもいいけどさ)そうすることで何も知らないよりシステムを知った上で体験すると、よりその凄みを感じられるわけですよ!!



脱線しました。本作もそれと同じ。前半戦は迫り来る「怒涛のアクション」への「下地」作りの意味で、グレイトなアクションをただ見せるのではなく、その前に「業界用語」だったり(詳しくはパンフレットに記載あり)いかに映画作りが難しいものかを我々に知らしめるための「映画製作のハウトゥー」を!?そのまま見せたらつまんないから“笑いも交えて”教えてくれているとても大事なシーンなのです!!この失速感が低評価の原因となっているならまずはじめに伝えておかねばと。だから実はこれ万人向けコメディのフリした“オタク向け映画”だったりするんですねー。



それを踏まえた中盤〜クライマックスの「それでは皆さん実際にお見せしましょう感」たるやいなや……



それまで「007カジノロワイアル」で成し遂げた7回転の記録を塗り替える「8回転半」でギネス記録を更新したキャノン砲でスピンさせ横転させることから名がついた「キャノンロール」、どう見てもCGにしか見えない70mの「カージャンプ」そして45mの高さから人が落下する「ハイフォール」。VFXの進歩で近年下火状態になりつつあるスタント業界がハリウッドへの挑戦状とばかりに時代から時代へ継承されてきた伝統芸であるアクションの極意を全身に浴びる快感。当たり前ですが「今すぐ映画館にカチコミしろ。」いやーホントに凄いよ?開いた口がアングリラとはまさにこのことを言うんですねぇ……。そして「え、これもCGじゃないの!?」とケツの穴まで度肝を抜く“エンドクレジットを見させないギネス記録”まで更新されたんじゃねえかレベルの











左のメイキング映像に釘付けになり過ぎて右の流れるスタッフロールに全く目がいかない





「ドライブ」で既に寡黙なスタントマン役をやったライアン・ゴズリングが?今度はベラベラ自分語りまでする伝説のスタントマン“コルト・シーバース”を熱演。彼も実際にアクションを演じておりますが彼のスタントダブルもまた何人もいてスタントマンを演じる俳優のスタントマン、鶏が先かウズラが先か理論にブチ当たりそうな……相手役の“ジョディ”演じる40過ぎとは思えない可愛さが爆裂しまくってるエミリー・ブラントも、俳優で映画監督のジョン・クラシンスキーを夫にもつエミリーが監督役、というのがまたいいよね〜。あと「メメント」の記憶力しかないらしいアーロン・テイラー=ジョンソンの売れっ子スターになりすぎてただのバ◯になっちゃってる感も素晴らしい(次回作「クレイヴン・ザ・ハンター」でまたイケメンに戻ります)



スタントマンを「俺に代役は必要ねえ!俺だってアクション出来んだよ!」ってバカにしたり、彼らを「代えの効く捨て駒(フォールガイ)」みたいに呼ぶシーンとか、多分リーチ本人の実体験も反映されてるから業界あるあるっていうか「リアル」話なんだろうけど、だからこそクライマックスの仕返しとばかりの「ラストアクションヒーロー」っぷりがマジで興奮のギアフルMAXで最高なんですわ。あれは見た人みんなガッツポーズするんじゃなかろうか



「この監督じゃないと撮れない映画」にめっぽう弱いんですよ私。C・ノーランとかザック・スナイダーとか。面白いかはむしろ別としてこの人じゃないとこんな画撮れないよな〜、この演出は絶対この人だよな〜、わかるじゃんそういうの!?今作は言わずもがな、なんなら「デッドプール2」で培った小ネタや笑い要素もミックスされてますからねー。まさに本作は「デヴィッド・リーチ監督じゃないと絶対に撮れない映画」であり、彼のフィルモグラフィーの中での「現段階での至極ベスト」だよ!!



当然「アクション映画」として楽しめるけど、もう「ジャンル映画の枠を超えちゃってる」んだよね。業界全体でスタントアクションを盛り上げよう、スタントマンの底力を見せつけようっていう気合。それまでなかった「スタントデザイナー」のクレジットを新たに追加する偉業まですでに成し遂げてるからね?今アカデミー賞に“スタント賞”の追加が検討されているらしいですが、本作はそれに一役買っていると言っても決して過言じゃない。この映画で業界を変えよう、映画の「裏側」を支えている、全映画人達の熱い想いが込められている、すごい映画愛に溢れてたなー。



今年はあれですね、映画製作の裏側、裏事情を見せる年なんですか??ちょっと「デッドプール&ウルヴァリン」に似てる、てかある意味「同じ感動」じゃない??「デッドプール&ウルヴァリン」はアメコミ映画の枠を超えた「20世紀フォックス・リスペクト映画」であり、それはつまり「映画製作者へのリスペクト映画」でもあったじゃない?本作も「アクション映画」の枠を超えた「スタントマン・リスペクト映画」であり、同じく「映画製作者へのリスペクト映画」になっている。映画の小ネタやメタ要素も多く人を選ぶ映画ではあるが(知らなくても全然楽しめるが)今作も「デッドプール〜」同様、そのネタを知ってれば知ってるほど無条件で評価は上がることでしょう。



この夏、映画館で“本物のアクション”を見たくはないかい……?

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