V/H/S 94(2021)
- ラーチャえだまめ

- 7月21日
- 読了時間: 5分

【原題】V/H/S 94
【監督】ジェニファー・リーダー クロエ・オクノ サイモン・バレットほか
【出演】アンナ・ホプキンズ クリスチャン・ポテンザ コナー・スィーニーほか
【あらすじ】
『V/H/S 94』はファウンド・フッテージ・ホラーアンソロジー映画『V/H/S』シリーズが7年の時を経て再起動を果たした作品。
【感想(ネタバレなし)】

『下水道でお通夜は武器人間と愛国者でフェミ目玉の時代へ……!?』
どーもどーもラートゥマ万歳!!早速ですが今宵もコチラの映画を拝見させて頂きましたとさ!?
【V/H/S 94】!!!ハイ出ました先週からお送りしております「ヤバいビデオテープ全部視聴してみた」のコーナーです!?何の因果か今年の夏を“ファウンド・フッテージ・ホラーの夏休み”にしたい選挙よりドス黒い闇の陰謀が渦巻いているとかないとか前回13年ぶりに日本凱旋を果たした「V/H/S」シリーズの最新作「V/H/S ビヨンド」に次ぐ呪いのビデオ祭りと題しまして続く第二砲、2021年にホラーサブスク“SHUDDRE”より7年ぶりのシリーズ復活を遂げた「V/H/S 94」が先週金曜より公開されましたですねー。いやー早速前回購入したシリーズパンフレット片手に観に行かせて頂いたのですが
どうせ日本じゃ拝めないとネットに転がったネタバレ画像を見まくったせいで驚きが半減したけど私が新生「V/H/S」シリーズで一番観たかったのが本作、一番楽しみにしていた「ネズミパイセン」がゲゲゲ!?まさかトップバッター(フレームストーリーを入れたら2話目)とは!?やっと、、、やっと生きたオマエを拝めたさぁ〜!!泣

コイツすごいんですよ〜。もう「何をどうしたらそんな見た目になるん?」サブウェイのバンズ並に大きなお口が可愛らしい完璧なフォルム。下水道に生息する「ラットマン伝説」の謎を追うTVレポーターとキャメラマンがトレ高の為に渋々下水道の奥深くに足を踏み入れるのですが……
下水道の中って入ったことなけどめちゃくちゃ亜空間よな!?がわかる世界観からしてもうバッチグー。ビデオノイズまで入る映像の“不透明さ”が下水道の闇の恐怖を倍増させる。スマホがまだない時代だからカメラのライトが唯一の灯火となって、撮る気がなくても必然的にカメラを回さなければならないシチュエーションになるのも素晴らしい。もしもまだネズミパイセンのフォルムをご存知ないという方。アナタはラッキーだ。その悍ましい姿カタチをたっぷりと劇場で堪能して頂きたい!!(まあ大半は暗くてよく見えないんですけど…汗)クリーチャーファンの“推し活”エピソード「STORM DRAIN」含む本作の舞台は平成に入りちょっと半端な気もする1994年。何故「94年」なのか。

94年は「オカルト熱絶頂期」と「VHSの終焉」の年らしい??そういえば日本でも大ヒットしたオカルトドラマ「Xファイル」が放送されたのは93年だし、確かにこの頃は空前のオカルトブーム到来の年かもしれない。あとこの時代にはまだ「インターネット」のワードが一般浸透されておらず「インターネット=よくわからん」という意味で立派なオカルトとして存在していた年でもあるんですね。そんなアナログからデジタルへ移行する直前みたいな時代、忘れさせねえよとばかりにビデオテープの呪いが発動してしまった!?
そのほかのエピソードも「ゴジラVSコング」の脚本家サイモン・バレットの監督作で葬儀場にスタッフたったの一人「誰も来ないお通夜」という絶妙なシチュエーションで繰り広げる密室ホラー、インドネシア監督で「キラーズ」「シャドー・オブ・ナイト」のティモ・ジャヤントの「人間と機械の境界線は?」なんて哲学的な意味などない、ただただ人間を魔改造したかっただけのマッドサイエンティストから産まれた草薙素子の回、「シビルウォー」も真っ青な「愛国者万歳」な回……いや今作はどの回も特段ハズレ回ないんじゃないか?ってくらい個人的に楽しめました。4話目もこれまで以上に「風刺」が効きまくった内容で、別にそのまま「イカれた民兵集団」で行っても立派なホラーとして成立するのに、後半からガラッとテイストが変わり結局「オカルトかーい」なオチもサイコーでした。「バケモンは人間」という共通テーマや、フレームストーリーと1話目が女性監督ということで、今では珍しくありませんが2021年当時としては珍しかったホラー映画における“搾取される側”の女性を“搾取する側”に転換する、新しいホラーをやろうという野心作もありました。2話目はちょっとコメディっぽさもあって葬儀屋の女性スタッフが「キャー!」とか言いながらめっちゃ環境に「順応する」のがちょっと笑ってしまった。

強いて言うならこの前の「ビヨンド」の時もそうでしたが、終盤の「着地」だけちょっと弱いのはご愛嬌??はじめの勢いはすごいのよ、フレームストーリーの最後だけなんかインパクトが弱くて……まあそれが逆にシリーズの特徴なのか…?あと1話目で一瞬入る20秒くらいのTVCMの為だけに「マンボーグ」「サイコ・ゴアマン」のスティーブン・コスタンスキが監督してるっつう無駄使いも素晴らしい。まだまだ勢い止まらぬVHSワールド、次回作「99」と「85」も現在劇場が決まり次第順次公開していくとアナウンスされておりますので8月くらいかしら?続報に期待しましょう!!




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