ガメラ3 邪神覚醒(1999)
- 2 日前
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【原題】ガメラ3 邪神覚醒
【監督】金子修介
【出演】中山忍 前田愛 藤谷文子ほか
【あらすじ】
ガメラとギャオスの戦闘で両親を失ったことでガメラを憎んでいる少女・比良坂綾奈は、ある洞窟で謎の生物を発見し、「イリス」と名付けてかわいがっていた。一方、東京に2匹のギャオスが飛来し、ガメラがこれを撃退するものの甚大な被害が出たことから、政府はギャオス以上にガメラを危険視するようになる。やがて、綾奈のかわいがっていたイリスがギャオスの変異体であることが判明し……。(映画.COMより)
【感想(ネタバレなし)】

『怪獣映画史上“最高傑作”』
どーもどーもラーチャえだまめです。早速ですが本日はコチラの映画を拝見させて頂きましたー
【ガメラ3 邪神覚醒】ーー!!!ハイ出ました日本特撮映画の「神映画」日本映画史が残すべき「遺産」☆がいくつあっても足りない私の生涯ベスゥーーーーート!!!もう今日は興奮が止まりません93年からはじまった「平成ガメラ3部作」亡き爺さんの家にあった「大怪獣空中決戦」「レギオン来襲」のVHSを見て怪獣映画を叩き込まれたものの前2作はイマイチ子供心には響かずハマらなかった幼少期。その当時はまだまだ“ミレニアムゴジラ”も全盛期。そんな私は「vsメガギラス」を劇場で見て「なーんだウルトラマンティガの映画の方が面白いじゃん」なんてマセたガキでもあったのです。理由は簡単「子どもっぽい」から。非現実な怪獣が現実にいるから面白いのに謎の最終兵器やら戦闘機、機龍??なんでゴジラとフォルム一緒にする必要があるんだ??夢のないガキだったんですねぇー。平成ガメラ2本ともダメ(後に好きになりますが)平成ゴジラもダメ。ある夜金曜ロードショーでダビングした「ガメラ3」を見た。え

今までの“特撮”はなんだったんだ……!!??
革命的な特撮そしてグロ。映像面だけじゃないこんなに残酷でこんなに重くてこんなに人間ドラマが良くてそしてこんなに「泣ける。」「ゴジラマイナスワン」みたく人間に対してではありません“怪獣”に対して泣ける映画ってあります??「私はガメラを許さない」「殺して!!」特撮=お子様向けの概念を根底から覆す。コレだよコレ。私はこんな映画が見たかったんだぁー!!!それからもうずっとそのVHSを見続けました。周りの子どもたち(お前もだろ)はみんなゴジラ派。「ゴジラは知ってるけどガメラは知らん」とかいうヤツもいた。とても温度差を感じた。ねぇねぇみんなゴジラもいいけどガメラもいいよ!?学校で布教活動もした。私が特撮にハマったのが本作と雨宮慶太監督の「仮面ライダーZO」……ええ完全に親の趣味がギルティです。そんなわけで大変思い出深い本作が現在都内の一部ドルビーシネマで復活上映(2021年の「ガメラ55周年記念プロジェクト」で「4K HDR版」にデジタル復元され劇場公開されたものが今度は55周年を皮切りに再上映)されているということで、時間があったので観に行って参りました

“恐ろしい”くらい面白い。
いや〜もう泣いたよね!!(泣)27年前に作られた映画とは思えない臨場感。今観ても全く色褪せない特撮。バトルシーンのほぼ全てが暗がりの中ドルビーでクリアになった映像によりハッキリと肉眼で確認がとれるように。重低音も迫力が増し“怪獣映画”との相性の良さを痛感。しかしそれは“元”が良いからで……。
①“特撮”だけじゃない「人間ドラマ」もアツい

もうタイトルから「ガメラ3」じゃないんです「GAMERA3」え、え英語ぉー!?ポスターには要潤もびっくり「G3」ですよ……そのあと炎がブワ〜と渦巻いてから「GAMERA」のタイトルより副題の「邪神覚醒」がアップで出てくる……うわ〜!!邪神覚醒なんて小学生にはキツか〜!!(泣)そんなOPから“ドギツいオタク臭”がもうオカルト本能をくすぐられる正直「ガメラ2」も好きなんです。ハリウッド顔負けの宇宙生命体レギオンのデザイン、我が子を消防士にしたいなら「バックドラフト」警察官にしたいなら「踊る」、自衛官にブチ込みたいなら「ガメラ2」……ってくらいカッコよすぎる自衛隊の勇姿にビークルにウェポンはもはや子ども向けではないガッツリとミリタリーオタにぶっ刺さる仕様、そして「ガメラ2」だって(というか平成ガメラ3部作は)大人向けの色は確かにある。ただ1点ガッツリSFの「宇宙生命体」vs邪馬台国の時代より眠りし古の「日本の神」、もうこれは好みの問題です。レギオンの「エイリアン」も好きなんです、けどあのイリスの「神々しさ」に私は軍配が上がりました。もとより宇宙生命体だったガメラを北の「玄武」、対するイリスを南の「鳳凰」と日本の伝承・神話に落とし込む大胆解釈。これがもう最高に好き。超オカルト。妖怪大好き。神vs神。うん厨二が燻ぶらないわけがない。ちなみに金子監督が撮った「大怪獣総攻撃」も同じく平成ゴジラシリーズで一番好き。理由はこちらも超オカルトだから。

また1作目と2作目はガメラvs敵怪獣、その乱戦に巻き込まれた「日本」=「政府」みたいな構図で、登場人物も学者や軍人、政治家といったお固めな顔ぶれで渋いな〜という印象でした。各スペシャリストたちが怪獣にどう対処していくのかを怪獣映画としてこれまで以上にリアルに「シュミレーション」したような映画でした。後の「シン・ゴジラ」にも通じる所ですよね。逆に言うとこれまでは我々一般市民の「目線」というものが実は描かれてこなかった。映画冒頭、映像をモノクロにすることでテロップを出さずとも「これは“過去”の話」であるとまず視聴者に理解させ、マンションの一室で怯える猫と妻、窓の外に映るガメラに向けカメラのシャッターを押す夫の対比がカオスなんだけど、一瞬映る写真で夫が“戦場カメラマン”であることがこの瞬間で理解できる。そして夫婦のいたマンションが無惨にもガメラによって破壊される様子を車内でただ見ていることしか出来ない娘。このたった5分ほどしかないシーンで娘が絶対に「ガメラを許さない」理由、怒りがセリフを使わず映像だけで伝わってくる。上手いよな〜。3作目にして10代の中学生を軸にした物語が展開されこれまでのシリーズで一番共感しやすい物語というか個人的にもリアル世代だったこともあり一気に親近感が湧いたのです。
「思春期映画」としての人間ドラマ、10代の複雑な心境に恋愛要素、成長物語といったティーン特有の色味も強めたことで、怪獣映画というのを一瞬忘れてしまうくらい人間ドラマをしっかり描いている。かといって人間描写にこだわりダラダラと長ったらしくなることはせず、ちゃんとカットがかかってテンポよく進んでいく。人によっては本作が一番“怪獣プロレスのシーンが少ない”という理由で否定的な意見もあるようですが、個人的にこの怪獣と人間ドラマのバランスが完璧だと思いましたねー。これで本編108分と2時間以内に収めているのは本当に神編集と言わざるをえない。
本作のあらすじも後出しの「バットマンVSスーパーマン」問題じゃないけどこれまでギャオスやレギオンと戦ってきて“敵を倒す”ことに集中しすぎた結果、その周りの“甚大な被害”までは想定していなかったガメラ。レギオン戦でガメラが(やむを得ず)最終手段をとったことがギャオス大量発生の引き金となった経緯、それまでガメラは“人類の味方”だとずっと信じていたのに、実はガメラは人類ではなく“地球の味方”だった…??地球を守るために怪獣たちと戦っていただけで人類のことはもう気にしちゃいねえんじゃねえかと……人類にとってガメラとは、本当に味方なのかそれとも“敵”なのか____重い、ストーリーが重い!!シナリオは完全に大人向き____では「特撮」はどうだろう
②特撮監督“樋口 真嗣”の真髄を見よ

ノストラダムスも予測できない本作はミレニアム前の99年に公開された作品ですが、もうこの時点で日本の特撮技術のレベルは「MAX」に到達してしまったんじゃないかと。今のVFX主流の特撮において「アナログ」でこれを超える特撮映画はもう予算的にも後にも先にも現れない、いや作れない____。
1作目から特撮を担当したこの頃はまだ若手だった樋口真嗣特撮監督のハリウッドにも引けを取らない「リアルなアナログ特撮」“渋谷事変”もう泣いたよ。すんばらしいのなんの、渋谷の街に降り立った死にかけのギャオスとブレイキングダウンに出てもおかしくない厳ついガメラ……「ガメラ2」から顔がまた一段とイケメン化&恐ろしさがマシマシの初め見た時は「あれ、どうしちゃったんガメラさん?」子どもに見せる顔じゃねえ。その後ギャオスに当てるはずの火の玉ストレートで倒壊する109ビル、踏み潰される渋谷駅構内、炎に包まれたハチ公、そして吹き飛ばされる人のなんと残酷なことか(ここニヤニヤが止まらない)ちなみに後からメイキング映像を見てわかったのが手前の人はワイヤーで役者を一人一人釣り上げて合成しているんだけど遠目の人はスタッフが小さい人形をただ下から投げているだけ、えCGじゃないの?マジか(さらに上空を飛ぶギャオスも人形)途中カットインする通行人の二人組の女性の「ウギャアアア〜!!」の断末魔でいつも笑ってしまう。そしてギャオスの光線から守られた少年が母親に抱かれ泣きながら「ガメラが助けてくれたよ…」のあとに炎の海と化した崩壊した渋谷の街のアップ。いや本当に演出が上手い。最高に感動する(?)ワンシーンです。

また99年当時、怪獣映画の需要の低下と「学校の怪談」「リング」と言ったホラー映画の人気が上昇していた年でもあり本作はこれまで以上に「ホラー描写」にもチカラを入れている。冒頭の“ギャオスの死骸”、渋谷戦に登場する目玉の飛び出たひん死のギャオス、みんな大好き“干からびた仲間由紀恵”の衝撃。あんなの子どもにはトラウマ必須科目です……(汗)これまでもガメラの流血シーンはありましたが今作のは特に酷い。痛々しいというか容赦がない。最終的に片腕無くなるとか怪獣映画で聞いたことねえわ!!ただそれがあって前作の対レギオン戦の“最終兵器”で必殺技を出し尽くして制作スタッフは頭を抱えたそうだが(今作も同じ必殺技を使うという案もあった)結果的に明日のジョーも嘆くこれまた怪獣“らしからぬ”超必殺技に繋がるんですよねー。個人的にこの必殺技もよく思いついたな、とうか大胆なことするなーと。
一応「ギャオスの亜種」という設定だが全く見る影もない敵怪獣の“イリス”。顔は丸い玉?にロンギヌスの槍みたいな形状だし触手はめっちゃ生えてるし……なんでこんなにギャオスの原型を留めていないのか、様々な生命体を吸収して食すのと同時にDNAも反映させられるんじゃないか?人型タイプなのは人間のDNAを吸収したからで、背中に生えたガメラの甲羅っぽいのはガメラのDNAですよね?過去戦ったギャオスから進化したならガメラのDNAを持っていてもおかしくないし、ガメラの片腕を突き刺してチュウチュウしてる時に触手から炎の玉みたいなのが出るじゃん、それまで触手の攻撃はギャオスと同じ超音波メスでした。あれもガメラのDNAから火の玉ファイヤーを会得したんじゃないかと。そんなイリスのラスボス感が、京都の寺院の頭上から舞い降りる神々しさと相まって歴代怪獣で一番好きな怪獣なんですよねー。しかも娘のガメラの憎しみを“利用”する策士的な面にイルカのような鳴き声、可愛らしい幼体の姿などのギャップがさらに悪さを増幅させるというか。ちなみにVFXは当時押井守作品を手掛けたチームが精巧なアニメーションで製作し、あまりに出来が良かったため追加でガメラとの天空戦をフルCGで製作したらしい。
③賛否両論?“伝説”のラスト

怪獣映画としては異例の?一体何をどうしたらあんなに哀愁漂う怪獣の後ろ姿を映し出せるんですかい?激戦を終えた後ボロボロになりながら、それでも前の前から迫りくる無数の“脅威”に戦いを挑む姿……あれがもう一番の“擬人化”だと思うんですよね。もう戦うのはやめろよー!!という感情とでも戦ってくれにゃ人類滅ぶんで…という複雑な感情で胸が押しつぶされそうになる、怪獣映画でここまで心苦しくなるのも異常事態です。あのラストは本当に美しかったぁ……。中途半端なラストだと嘆く人もいるだろう、でもあのラストでいいんです。「4」は見たいけど少なくともあのラストの地続きにはしてほしくない。後日談的に少し触れるくらいでいい。いやその後日談をファンの間でいまだに勝手に語られてるんだから……リアル伝説になってるんだから……。
ノーランの「ダークナイト」じゃないけどあんなにカッコいいヒーローの背中見たのは「ダークナイト」でバイクにまたがって走り去るバットマンとこのガメラだけ___。
最後にエンディングに流れる主題歌もめっちゃいい。それまではサンプラザ中野くんとウルフルズって元気玉みたいな歌だったじゃん?ところかわってしっとりと女性歌手とオーケストラで歌詞もいいんだよな〜。でその歌詞書いたのが金子修介監督で作曲は本編の音楽も担当した大谷幸、だから普通に怪獣映画のEDなんて勿体ないくらい名曲だと思います。
いやーはっきり言って“まだ全然書き足りない”他にもキャストの話とかガメラのこととか補足したいことが山程あるのですがお時間になってしまいました。…とにかく“怪獣映画”だからと言って避けるには非常に勿体ない、日本を代表する国宝ばりの“有形文化財”として!?今なお語り継がれる伝説を、劇場で体感してみてはいかがでしょうか。
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