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プロスペクト(2018)

更新日:2019年8月15日


【原題】Prospect

【監督】ジーク・アール クリス・コードウェル 

【出演】ペドロ・パスカル ソフィー・タッチャー ジェイ・デュプラスほか

【あらすじ】

デイモンと娘シーは貧困から抜け出すため、希少な宝石が眠るという汚染された惑星へ向かう。有害な林の奥深くへと入り込んでいく父娘だったが、そこには彼ら以外にも何者かが潜んでいた。大金を生み出す危険な惑星で、欲と生き残りを賭けて奔走する父娘だったが……。








 
【感想(ネタバレなし)】

『大秘宝ワンピースを求めて来たら気色悪い山芋だった件』

 





どーもどーも、今日の気圧は何ヘクトペドロパスカル?ラーチャえだまめです。「カリコレッ!!」も中盤を迎えて参りました個人的に今年のカリコレで一番の目玉のおやじ候補に入れていたのが今宵ご紹介する映画【プロスペクト】!!!



……パトローナムムムムムムムム!!!ではございませんコチラの作品実はショートフィルムで知った作品でして、ジーク・アール&クリス・コードウェルという新人監督によって作られたショートフィルムを自ら長編映画化したものだったんですねー。



本作のタイトルになっている「PROSPECT」には、“石油やガスなどの資源が眠る可能性のある地域”という意味と“期待、見込み”という2つの意味があるのですが、まさに本作のそのタイトル通りといいますか、“両方の意味”で深いな〜、そう思えてしまう映画なのでございます!!それはつまり



















“PROSPECT”の為に父親の仇と手を組めるか?






西暦20XX年。賞金稼ぎの親子が危険な惑星で高値で取引されるエイリアン(?)の卵を土から掘り起こしていたら同じく賞金稼ぎと遭遇、争いの末に父親は殺され、残された娘と父親を殺した賞金稼ぎと“生き残る”という成功の“プロスペクト=見込み”の為に手を組む….…まさにゴールドラッシュに揺れるアメリカンな西部劇にありそうな話をそのまま宇宙まで吹っ飛ばしてやったような映画……ただ宇宙と行っても「カプリコン1」のパイロットもツッコミたくなるようなどう見ても“地球で撮影されたとしか思えない”景色の中ヘルメット姿で「ココは未知の惑星でぇす!!」感を演出。まま、結構低予算なんですよ。でもね





















宇宙服デザインがサイコー(笑)






滑らかな曲線のある“イマドキ”デザイナーが考えたようなヤツではなくアナログ的な箱型装置を何個もスーツにぶら下げた80年台SF映画に出てくるような“昭和SFチック”なレトロデザイン!!!しかもキャストに合わせてデザインがみんな違うのです!!!いやーレトロSFヲタは唸っちゃうよなぁ〜!!!この宇宙服見たさだけでもいいんじゃないの!?(笑)その他ポッドデザインなど「エイリアン」系のどこか懐かしいデザインで低予算ながら世界観はよく作られていると思いましたねッ!!



敵か味方か?すっかりスクリーンの“馴染み顔”となったペドロ・パスカル。悪役顔のウラに見え隠れする人間的な感情?信じる?信じない?イイですねー。カウボーイハット被ったら絶対信じませんが



しかも今回“自分の父親を目の前で殺した張本人”ですよ?なんて冷酷なヤツなんだ!!信用出来ねえに決まってる!!ドーンタッチミイイイイイイイイイイ!!そう思うのは当然の摂理。でも皆さん待って下さい



ココは何が起こるかわからない危険な惑星。ほかに頼れる仲間はいない。たとえ人がいてもそれは飢えに苦しんでいるか武装した賞金稼ぎの危険な奴らだ。脱出ポッドも故障して一人ではとても惑星から生還出来る自信がない。さあどうする?憎き男を許すつもりはない。でも父親だって盗人だよね?父親は殺される直前男から卵を盗もうとした。やっている事は男と変わらないじゃないか。あの時もし男の方が死んでいたら….…



そこに「10代」という幼さが乗っかることで“ヤング故のミスチョイス”までとは言えないにしろ彼女の選択が決して“理解不能”とはならない所がまたよく出来ているのです。














「危険な惑星」×「10代の幼さ」






この2つの要素が無ければ逆に言えば“絶対に選択しない”ハズなのです。これがもし安全な地球だったら?頼れる仲間がいたら?少女ではなく成人女性なら?父親の仇と手を組むなどあり得ないのです!!!“PROSPECT”の為に父親の仇と手を組めるか?互いの“利益”のため行動を共にする男女の奇妙な脱出劇……オヌヌメです。








 
【感想(ネタバレ)】






劇中何度も彼女が「選択」するシーンが出てきます。男を見殺しにすることだって出来た、腕が化膿?そのままほっとけば自然に死ぬ運命にある男。それでも彼女は利益の為に手を貸してきた。男の腕は切り落としたが(笑)男もまた心の奥底には「こんな小娘が…」なんてはじめは思っていただろう。とりあえず言うことを聞いてその後スキがあったら少女を捨てて自分だけ生還しよう、きっとそう思っていたに違いない。だってあの顔だもの(笑)



ただラストだけは違った。敵は全滅、そこにもう障害はない、“男を助けて得る利益”がない事は明らかだ、それなのに最後まで“男を見捨てない”いう選択をする少女。はじめは互いの利益という線だけで繋がっていた2人。「俺を置いて逃げろ」男の最後の“自分の利益の為ではない”発言に彼女のマインドも揺れ動いたのだろうか。長らく共にいた結果“生まれてしまった”関係。最後は彼女の笑顔で幕が降りる。無論シャトルに戻ってこれた喜びの笑顔でもあるが、その横にはかつて父親が座っていた座席に、今は父親を殺した男が座っている、、、、、なんとも複雑な気分ではあるww



少女を演じたのは本作が長編デビューのソフィー・タッチャー。どこかリリー・ジェームズっぽい雰囲気のある人ですねッ!



ちょっと最後は呆気ない終わり方のようにも見えましたが、これは少女の成長、というよりは結局の所“猫の手も借りたい”ではないけども、思念うんぬんだけでは生き残れなくて、父親の仇を殺し一人になるか、それとも協力するか…2つを天秤に掛けた時、“いかにして生き残るか”という極限の状態では協力するのもやむを得ない事になってしまう、そして被害者が犯罪者に“同情”して仲良くなっちゃうアメリカの事件とかありましたよね?そんな心理が働いちゃった……という事だと私は捉えています。確かに少女がお人好しすぎるという指摘は全くもって理解出来るし、父親が死んだ後のんきに音楽聴いたり壁にバター塗ったトースト投げつけたり(?)ちょっと少女の行動には理解しにくい所もありますよね。そもそも少女は父親と“上手くいっていた”親子だったのでしょうか?自分の出生の場所が違う事をサラッと打ち明けられたり、ポッドの故障も父親の読みが外れていたり、もしかしたらそんな父親をあまり信用していなかったのかもしれませんね。幼いころから父親に技術を教わった…と言うセリフからも、技術を学ぶ事は決して少女の「本心ではなかった」可能性も…父親の理想の娘として育てられた、そんな父親とはあまりいい関係ではなかったのかもしれません。








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