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ヘル・レイザー(1987)


【原題】Hellraiser

【監督】クライヴ・バーカー

【出演】アンドリュー・ロビンソン クレア・ヒギンズ アシュレイ・ローレンスほか

【あらすじ】

極限の快楽をもたらすという謎のパズルボックスを手に入れたフランクは、そのパズルを解いたことで異界から現れた魔道士たちに八つ裂きにされ、肉体を失った。それから数年後、空き家となっていたフランクの家に、弟のラリーが新妻のジュリアと娘のカースティとともに引っ越してくる。そして、ラリーが怪我をして流した血によってフランクの魂は覚醒し、おどろおどろしい姿となって現れる。実はフランクとジュリアはかつて愛人関係にあり、フランクはジュリアを使って家に男たちを誘いこみ、その血肉を食らって肉体の完全な復活をもくろむ。その企みを知ったカースティは、パズルボックスを奪って逃げるが……。(映画.COMより)

 
【感想(ネタバレなし)】

『「どうも、あの時命を助けてもらった腐りかけの茄子です。」』

 




どーもどーもラーチャえだまめです。いやー巷は楽しいXマスムード一色のはずが?今年の12月は例年より一味も二味も違う?何の因果かサンタもサタンと見間違う“ホラー映画量産月間”という!?2ヶ月遅いわぁぁ!?既に公開中「ファミリー・ディナー」の他、A24スタジオの今年“大本命ホラー”らしいYouTuber兄弟の異色のデビュー作がアッチで大ヒット「トーク・トゥ・ミー」(12/22)、“もうグロはやらない”って言ったか?…アレはウソだ。イーライ・ロスの新作「サンクスギビング」(12/29)美空「ビバリウム」のロルカン・フィネガン監督の新作スリラー「NOCEBO/ノセボ」……そして勢いに乗じて特異性癖者へ多大なる貢献をしたコイツらも何故か35年後に“4K”になって復活したらしい



【ヘル・レイザー4K】!!!出ました“顔面のツボ・押さえまくりマン”こと“ピンヘッド”御一行が「永遠の快楽」を与えに地獄からGOTOヘル出張する「デリバリー・ヘル(通称デリヘル)」映画の金字塔ぉぉ!?この人もまた強烈な顔面から顔が広い他メディア露出も多く映画を見たことがないという人にもそれなりの知名度があるらしい…??80年代後期に公開されジェイソン、フレディらとはこれまた“経路の異なる”キャラクターとして当時大ヒット。そんな「ヘル・レイザー」シリーズが只今都内某所の劇場にて4Kリマスターになってリバイバル上映、ちなみにシリーズ4作順次公開という暴挙まで計画中だ(ピンヘッドで年またぐ日が来ようとは…)



そして現在リバイバル上映に参加しなくても雰囲気を楽しめる地獄のポップアップショップがFREAK'S STORE渋谷にて展開中、と言うことで先日伺ったのですが公開記念の限定アイテムはほぼ完売(12/14時点)しておりました。みんな変態過ぎだろ!!ピンヘッドの顔が団子状に並んだトレーナーとかニコラスケイジTシャツを連想してしまったよ!?ちなみにショップに“ルマルシャンの箱”のレプリカがあってポスターと一緒に記念撮影ができます。そのルービックキューブと間違えて組み替えると池田エライ目に遭うルマルシャンの箱によって召喚され、箱を組み替えた=性感エステを超えた“究極のSM施術をご利用”と判断し、箱の使用者に「苦痛という名のエクスタシー」の過剰サービスを提供……世の中呼んでもないのに勝手に襲ってくる化け物がいる中、ハクション大魔王もビックリの













「呼ばないと来ない」ところがキュン





呼んでも来ないネコより愛嬌あるじゃねえか!?これまでシリーズ9作、「V/H/S」、ネトフリ映画「ザ・リチュアル」のデヴィッド・ブルックナー監督により去年リブートもされたことからも大人気ホラーシリーズと言って差し控えないわけでありますが、私はかなり前に一度拝見したっきりで、父親が全身鎖に繋がれてバラバラになるシーンだけ記憶にあったんだけど、あれ父親ってずっと善人じゃね…?記憶が曖昧になっておりました。ヤリチン兄貴のフランクが弟ラリーの妻ジュリアとも不倫しながら、それでも抑えきれない「快楽」を求め禁断のパズルボックスに手を染めてしまうのが全ての始まり。快楽の代償として肉体を粉砕されたフランクが眠る家が空き家になったことでラリーとジュリアが越してくるのですが、偶発的に流血したラリーの血を吸い肉体を再生し始めたフランクのおどろおどろしさと言ったら……



完成後に追加撮影されたという驚愕の特殊メイク・効果を担当した「スターウォーズ」「スペースバンパイア」のボブ・キーンとジョフ・ポーターズの凄腕クリエイターによって生み出された驚愕のシーンはまさに必見の一言。SMクラブから着想を得た魔導士(セノバイト)たちの大胆不敵なボンテージコスチュームは今や様々な媒体による「類似品」を多数輩出するまでに。ピンヘッドを筆頭にフィメール、チャタラー、バターボール……チャタラーってお前絶対クチャラーだr、




ピンヘッド役のダグ・ブラッドレイが共演者スタッフから素顔をあまり知られていなかったから公開後の打ち上げに参加しようとして不審者と間違われたって話が一番ツボりました、針……だけにねぇ!!



人間の血によって肉体を取り戻すことができるとジュリアに説明したフランクは、ジュリアに自らの肉体再生に協力するよう説得する。フランクはまさに「ソシオパス」そのもので、ジュリアを言葉巧みに操り、ジュリアもまたフランクの肉体が忘れられずラリーに内緒で“殺人”を犯すようになる。一方ジュリアの最近の異変に気づいたラリーの一人娘カースティは単身ジュリアに探りを入れるのだが……



本作の真の主人公は闇落ちしたフランクでも“スクリームヒロイン”のカースティでも

そしてピンヘッドでもない、ジュリアだ。ピチピチの10代のヒロインがキャーキャー言うホラー映画が量産されつくされた中で、この“そこそこ年齢の言った”彼女をメインヒロインにしたことで人生経験を積んだ人間でさえ“愛する人の為なら犯罪だって厭わない”程に落ちていってしまう愛の恐ろしさ、盲目さを素晴らしくよく描いていると思うんですよね。本作は列記とした「ラブストーリー」でもあるのです。演じるクレア・ヒギンズは大のホラー嫌いらしく殺人鬼の役もこれがはじめて。完成した本作を最後まで一度も観ていないというから意外だ。



二人を結びつけるもの、そして突き動かすもの、それすなわち「欲望」なり……。この「ヘル・レイザー」という作品が他のホラー映画と一味違う最大の点は「欲に溺れた人間の末路」をまじまじと見せつけられる「人間の貪欲さが一番恐ろしい」という普遍的かつ「ヒューマンホラー」がベースになっているという点でしょうか?この物語の生みの親は小説家であり脚本家のクライヴ・バーカー。当時彼の原作を映画化した2本(俺は「ロウヘッド・レックス」は好きだぜ!?)があまりにも「違いすぎた」ことに怒り新党して自ら監督に名乗り出て「ヘルバウンド・ハート」を実写化したのが全ての始まり。公開当時は「小説家の監督デビュー作」とあまり評価されなかったそうだが、のちにカルト的な人気作へと成長させた功績はあまりにも大きく、ホラーの王様スティーヴン・キングにも絶賛されたという……。



流石に今の時代に見ると若干チープさを感じたり何より展開の遅さに苛立ちを覚える現代人もいるかもしれませんが、何事にも「元祖」「ハシリ」はあるわけで本作もその一つ、という大きな付加価値+4Kで描かれる快楽の地獄、この2つだけでも劇場に足を運ぶに充分に値すると言っても過言ではなく??今回新たに掲載されたページを増量して販売された公式パンフレットは一読の価値はおろか、同じ映画でパンフが2枚存在するってある意味レアじゃね……??


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