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ベネデッタ(2021)


【原題】Benedetta

【監督】ポール・バーホーベン

【出演】ビルジニー・エフィラ シャーロット・ランプリング ランベール・ウィルソンほか

【あらすじ】

17世紀、ペシアの町。聖母マリアと対話し奇蹟を起こすとされる少女ベネデッタは、6歳で出家してテアティノ修道院に入る。純粋無垢なまま成人した彼女は、修道院に逃げ込んできた若い女性バルトロメアを助け、秘密の関係を深めていく。そんな中、ベネデッタは聖痕を受けてイエスの花嫁になったとみなされ、新たな修道院長に就任。民衆から聖女と崇められ強大な権力を手にするが……。(映画.COMより)




 
【感想(ネタバレなし)】

『「“性”を茶化さず“神”茶化す。」』

 




どーもどーもラーチャえだまめです。早速ですが本日はコチラの映画を拝見させて頂きましたー



……三苫も1ミリ滑り込み【ベネデッタ】。いやーずっと見よう見ようと先延ばしにしていた1本、監督は自らの性癖を爆発させてハリウッドから追放された男(ウソです)鬼才ポール・バーホーベン。「氷の微笑」や「エル」など女性を主軸にした作品を好む性癖……失礼しました御年84歳、まだまだ現役バリバリの反り上がるフィルムメイカー魂は衰えることを知らずな彼が今回その性癖の“原点”とも言えるかもしれない??「17世紀の修道院で“レズビアンカップル”が実在した!?」修道院といえばまさしくイエスキリストのアメェーン……しかし当時女性同士の恋愛など流石のキリストもYESとはいかんわけで、、、、秘密裏に愛し合った2人の修道女の「裁判記録」から着想を得たという、許されない禁断の恋の行方は如何に___を「18禁」で壮大にスクリーンでブッ掛けてくれt、






 

※本記事は18禁記事となります。






歴史ものでも小難しさはナッシング。一応キリストの“キセキ”の話とか当時大流行し多数の死者を出した黒死病(ペスト)の時代背景を知っているとより理解が深まる内容ではありますが、あくまで映画の中心は2人の女性の「愛」の物語なので、それらを知らなくても本作を観る上で障害になることはなく、その点は非常に見やすかったですね。この時代では厳罰の対象だった__厳格なカトリックの元に生きる女性同士が愛し合うなど言語道断!!当然“時代”は2人の恋の行方を見守るわけがありません。しかしこの女性たちがとにかく“強い”。時代にあらがい、キリストという“最強のスタンド”まで味方につけてしまうのだから、もう誰も“ぐうのね”も出ない。



彼女の名はベネデッタ。幼い頃にテアティノ修道院に預けらるのですが、もうそのころ“選ばれし者”の片鱗が見え隠れしちゃって。成人してからは夢の中でキリストが現れたりしてですね、もう彼女の中のキリストっていうのが完全に“少女漫画の王子様”なんですね。アナタの為ならなんでもしますアンバサ!!!(違うか)初恋の相手みたいな存在。しかしそこへ父親の暴力から修道院に逃げてきたバルトロメアという一人の女性と出会う。



もう1周回って「ただの癖映画」だよ!!?主演のビルジニー・エフィラとダフネ・パタキアが惜しげもなく美しいありのぉ〜、ままのぉ〜、姿見せまくりだよぉ〜♪



……「スターシップ・トゥルーパーズ」で演者が全裸になるのを拒んだから自らも全裸になって撮影したという“伝説”を残しているバーホーベン監督なので今回も大胆不敵なヌーデが拝めます。が案ずるな受験生!!まるで生まれたての赤子のような一糸まとわぬ姿の堂々たる姿……そこにエロさは存在せず。と私の股間が申しております



あと局部に変なモザイク入れて「下品」な作品に改悪する日本特有の“処置”がなかったのも良かったですね。おかげで“下品さ”がない……と言いたい所ですがテッテレテッテッテェ〜♪















どこでもハレルヤ棒〜





これにはマリア様もジーザス!?この時代にこのようなアダルトグッズが普及していたのかは熱海の秘宝館に問い合わせなければわかりませんがベネデッタの6畳ひとまのワンルームにバルトロメアの指は太すぎた!?そこで“営み活性化活動”の一環としてベネデッタが実家から持ってきた家宝のマリア様の置物をどうせ棚の引き出しにずっと眠ってんだからと先っぽを尖らせ玩具にリサイクル……この時代からSDGsに取り組んでいたとはクワバラクワバラ



そんな母親を愛液まみれにされ溜まったもんじゃないキリストと思いきや……お股がツルツル〜?まさかのキリストの“女子化”。これはベネデッタが作り出した「都合の良いキリスト」で、バルトロメアとの恋愛は御法度だとわかってはいるけど、欲情に身を委ねたい、ならば自分の作り出した「都合の良いキリスト」から「許し」を得ればいい??そしたら問題ナッシング!!!って勝手な自己解釈をした結果。これがですねぇーキリスト=神は我々にとって「都合の良い」存在という意味を暗に孕んでいると言うか。聖職者だって自分にとって一番「都合の良い」神を崇んで時に自分の身が危うくなれば神の名のもとに自分を正当化する。「祈る者だけが救われる」なんて都合良すぎっしょ?



そんな神に祈りを捧げる者に「お前らってホント都合良く解釈するよね!!」というバーホーベンばりのジョーク?茶化しているのかも。ベネデッタを筆頭に登場人物が皆「自分にとって最も都合の良いキリスト」を作り上げます。ベネデッタの聖痕を見て神父とフェリスタの意見が真っ向から対立するなんていい例です。ベネデッタを個人的に恨んでるからってなんでそこに「私情」挟んでるねんっていう。人間はそうやって好き勝手に神を形作ってきた、なんなら「キリストの復活」の再現までしています。それも「かなり安っぽく」。それはベネデッタの数々の“キセキ”もそう。え、カトリックってこんなに安っぽいん?なんて思っても口にしてはいけないような事まで思えてきてしまうのです。それに比べれば「聖母マリアのディルド」の方がよっぽど神聖なものに見えるのは私だけでしょうか?……私だけか



だから本来は“逆”なのです。18禁のレズビアン映画、と聞いて色眼鏡で茶化しに来る観客には「そんな映画じゃねえ!」と作品の正当性を訴えつつ、カトリックのエゴさを下品極まりなく露骨に見せつける……「“性”を茶化さず“神”茶化す。」これぞ“女性”を崇拝するバーホーベン流の未だ変わらぬ偏見に満ちた時代への挑発……!?







 
【感想(ネタバレ)】





同性愛がアウトな時代に産まれてしまったが故に、最後はキリストと同じくベネデッタも火炙りの刑に処されて「あ〜今の時代なら生きられたのに……」って嫌な気持ちになって、でもそういう時代だしな〜、やっぱそうなるよな〜なんて思いながら身構えてたら、死なずに助かったのが逆にちょっと意外。え、ラストも「生涯独房で70歳まで生きた」……史実でもハッピーエンドなん?徳川家康並みに長寿じゃないか。いやー勿論着色とかそもそも元ネタも創造入ってんだろうけど、もっと「容赦無い」映画かと思っていたら意外と「因果応報」「正義が最後に勝つ」ウソをついてベネデッタを訴えた者、不当に罰しようとした者だけが悲惨な最期を迎え、ベネデッタや彼女側についた者は救われる。こんなに都合良くていいのか??なんて思うくらい気持ちがいい。でも史実や歴史ってこんな綺麗にまとまらないよなー。つまりこれはバーホーベン流の「救い」で、歴史に刻まれしセクシャリティの冒涜を壮大に鼻で笑った映画なのか?どうだベネデッタはちゃんと最後まで時代から逃げ切ってみせたぞざまあ味噌漬けえええ〜!!これを反LGBT勢、熱烈なキリスタンが見たら発狂もんですよね。(現に他国では上映禁止になっている)「そんなことがあっていいものか……」の壁をバーホーベンは容赦無く砕く。強いな〜。84歳になった今でもトゲトゲしさは全く衰えることを知りませんね。生きてる内にそれを「SF」でもう一度だけでも拝んでみたいな〜。

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