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COME TRUE カム・トゥルー 戦慄の催眠実験(2021)


【原題】Come True

【監督】アンソニー・スコット・バーンズ

【出演】ジュリア・サラ・ストーン ランドン・リボアイアン カーリー・リスキィほか

【あらすじ】

高校生のサラは険悪な関係の母から離れるため友人の家を転々とし、時には野宿もする生活を送っていた。繰り返し見る悪夢に悩まされ不眠症を抱える彼女は、睡眠を研究する大学施設の臨床試験に参加することに。研究の目的は、睡眠中の人々の夢に共通して現れる暗い迷路と、その深奥に潜む人影について調べることだった。しかし被験者たちの身に次々と奇妙な現象が起こり、サラの悪夢への不安と恐怖はさらに増していく。(映画.COMより)




 

【感想(ネタバレなし)】

『未体験ポイントその⑥ 「未体験」=「恐怖心」=「好奇心」』

 




どーも徹夜明けでヒュートラに来たあの時の鶴です、嘘ですラーチャえだまめです。未体験ゾーン!!!いやだって今週は上映時間20時固定だから翌日仕事じゃ観に行けないんだも〜ん!!!…と言うことで今宵も元気よく拝聴して参りたい所なのですが、ご覧の通り只今徹夜明けにつき非常に眠い。そして今日ご紹介する未体験は、そんな「睡眠」にまつわる映画らしく……寝落ちしないかめっちゃ怖い。寝不足で寝落ちする男vs不眠症に悩まされる女!?が勃発するんじゃないかとイチモツの不安を持って挑んだところ美女の下着より眠気が吹き飛ぶ












ハイ大当たりキターーーー!!!!





冒頭5分で「完全に心を奪われた」。心の中で密かに「あ、これはアタリだわ。」を確信してガッツポーズ!?いやーまさにこれぞ「未体験」映画。そして











「未体験」=「恐怖心」=「好奇心」





この三位一体をギュッと詰め込んだかのような怪作であります。これは間違いない「面白い。」これだから未体験は止められないんですよ!!“ドリカム”のドリームが“悪夢”だったとしたら!?



毎夜見る「悪夢」で不眠症に悩まされる18歳のサラ。親との関係悪化から自宅で寝れない彼女は毎晩友人宅や公園へ寝床を転々と変えながら生活していた。ある日1日寝るだけで12ドル稼げる大学の睡眠臨床試験に参加する。モンブランみたいな不思議なヘッドギアつけて近未来的な衣装でベッドに横たわり、その様子を別室の巨大な電源装置のついた幾つもの“ブラウン管TV”で観察する研究員の後ろ姿……エモい、エモすぎるぞぉ!?カナダ映画ということで同出身のクローネンバーグ親子に「アルタード・ステーツ」いやいや「ブレインストーム」か!?80年代SFの不気味なデザインを踏襲した嗚呼、もう“香り”は間違いなく美味い。つまり個人的に黒船危機一髪より癖にブッ刺さり状態。コレ系好きのSFホラーオタにはドストライク映画ではないでしょうか??



まずOPから出る“夢の世界の映像”がめちゃくちゃ良かった。暗闇の中をひたすら先へ先へと進んでいくのだけれど、途中不気味な人影や扉が現れても、吸い込まれるように「進まないといけない」感じが、ライド型のお化け屋敷のようなアトラクション的な怖さのそれ。その夢の中に登場する人影は黒沢清の「回路」、デイビッド・ロバート・ミッチェルの「イット・フォローズ」を彷彿とさせる、特に何かをしてくるわけでもないのに、ただ目の前に突っ立ってるだけが実は一番不気味、という人間心理に基づいた?まさに「夢に見る光景」怖すぎるぜ!!また全体的にスローテンポなのにホントに“無駄のない編集”で後まで釘付けになれました。



監督はネトフリ映画「イン・ザ・トール・グラス」第二班監督を経て本作で長編監督デビューしたアンソニー・スコット・バーンズ。なんとこの方“pilotpriest”名義でアーティスト活動もする二足の草鞋選手で、本作の劇中曲は“エレクトリック・ユース”(過去ライアン・ゴズリングの「ドライブ」の主題歌「A Real Hero」を作曲した)と共同で作曲。この「Modern Fears」がまぁエモすぎるの何の!!“M83”とか“ダフトパンク”系が好きなら、サントラだけでも猛烈にオヌヌメしたい!!まぁとりあえず聴いてみてちょーだい!!



どの曲もメチャクチャよくて観賞後も耳に心地よく残ってしまいもうプレイリスト作成中よ!?これは劇場サラウンドで“聴く”価値すらあるかもしれません??まるで本編が音楽ありきのPV映像にも思えてくる、それだけ音楽も作品のメインどころとしてその存在感を放っておりました。



そんな期待の新人監督×新人俳優……サラを演じる新人のジュリア・サラ・ストーンもまたいい演技してるんですよね〜。ジュリア・ガーナーっぽい雰囲気もある童顔フェイス&華奢な体格でかなり当時22歳の実年齢より若く見える女優さんですが、どこか影のある雰囲気を醸し出すのが上手くてですねー、ラストのなんとも言えない表情を浮かべるシーンがとっても印象的でした。



そのラストはこれまた斜め上を行く「未体験過ぎるオチ」……そう来る!?人によってはそれまで張り詰めていた緊張感から急に安っぽくなり拍子抜けするかもしれません。私は好意的に受け取りました。いやー意外な伏線回収。どんな着地を見せてくれるのかと思っていましたが……それでも全然ワケワカメなのよ(汗)むしろより一層ナーゼナーゼ状態なのですが。これは考察がいがあるなー。確かに後半になるにつれ煩雑になるストーリーが少し気になりますが、本作はストーリーより先に言った映像や音楽になんか惹きつけられる「ビジュアルで引き付けられる」そんな映画かもしれません。いやーここまで楽しませてくれるとは嬉しい誤算でした。今年の未体験“暫定1位”___。





 
【感想(ネタバレ)】









お前ら新手のセールスマンかよ!!!!





つまりは何だ?芽が出るのが極端に遅い生まれつきの「吸血鬼」に手を焼いた同胞達が?夢の中で地道に「お前は吸血鬼なんやでぇ〜」って囁きもせずただぼぉーと突っ立って見せるだけでたまに金縛り状態で現実にも現れる……ここで言う吸血鬼=デビルの類と捉えれると、夢の中の「ヘルの世界」との調合性も一応は取れる……そしてここでタイトルの意味を考えてみよう。「come true」とは「夢・願望・理想が実現する」というどちらかと言えばハッピーな意味で使われることが多いワードだが、本作のラストは決してハッピーな終わり方ではない。そしてこの「come true」にはもう一つ、「予言が現実になる」という意味もあるではないか?つまりその予言とは、夢の中で見た映像のことを指していて、研究所のオタクくんの夢は完全に後の出来事の予知夢であったし、サラの夢から始まるOPの、あの映像もラストに再び出てくる辺り、タイトルの「come true」は、こっちの意味でつけられたのか??



あるいは親元から離れ公園の滑り台で寝袋に包みながら夜空を見上げて就寝。なんだか寝袋が吸血鬼の棺桶に見えなくもないか??あまり人と群れることが好きではないサラ的には、むしろ「人外」である存在になれた=ラストの表情的に満更でもないとか?牙を見て何かを悟ったような顔をして終わる、吸血鬼がサラにとって「一つの願望」だったとも見える??



それにしても後半からオタクくんと突然のラブロマンスがおっ始める展開は、まさにこの後「死ぬ前にいい思い出来たな〜」と先の展開まで読めてしまう、少女の思春期の心と身体の変化に適応できない恐怖を吸血鬼か人魚か狼人間だかに例えた「よくあるヘンゲ映画」のそれでアイデアに乏しい感は歪めません。他にも劇中サラが何故家族から離れて生活しているのかとか、どういう意味があるんだろうと思っていたら公式のあらすじに「邪険な関係の母」と普通に説明書きで済まされているのを見て「この映画、意外とそんな深い意味ないんじゃないか説」先にも述べましたがやはりビジュアルを楽しむ映画なのかなと……。


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