top of page

DOGMAN ドッグマン(2023)


【原題】Dogman

【監督】リュック・ベッソン

【出演】ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ ジョージョー・T・ギッブス クリストファー・デナムほか

【あらすじ】

ある夜、1台のトラックが警察に止められる。運転席には負傷した女装男性がおり、荷台には十数匹の犬が乗せられていた。「ドッグマン」と呼ばれるその男は、自らの半生について語り始める。犬小屋に入れられ、暴力を浴びて育った少年時代。犬たちの存在に救われながら成長していく中で恋を経験し、世間になじもうとするも、人に裏切られて深く傷ついていく。犬たちの愛に何度も助けられてきた彼は、生きていくために犬たちとともに犯罪に手を染めるが、「死刑執行人」と呼ばれるギャングに目をつけられてしまう。(映画.COMより)


 
【感想(ネタバレなし)】

『「忠誠心」を愛し、憎んだ男__。』

 





どーもどーも犬にはよくナメられますラーチャえだまめです。先日とある映画の試写会が当たり全国公開を前にひと足お先に拝見させて頂いた、本日ご紹介する映画はコチラ













ココすっごい大事





【DOGMAN ドッグマン】!!!いやー“海鮮系”をこよなく愛しているのは知ってましたが“イヌ”も好きだったんですねリュック・ベッソン!?リュック・ベッソンといえば仏映画の一時代を築いた巨匠にして「グラン・ブルー」「ニキータ」そして「レオン」……で彼は“永遠に好きなことが出来る監督”として殿堂入りを果たしその後は割と“好き勝手”自由奔放に映画作りした結果、ややウケレベルの映画を量産仕出したかと思えば?自身が代表を務める映画会社“ヨーロッパ・コープ”を高見沢俊彦もビックリな「ヴァレリアン」とかいう“トドメの一撃”で破産寸前まで追い込みプライベートも3度の離婚にDV疑惑云々で名実ともに「全盛期は凄かった」「過去の人」認定されかけている崖っぷち監督の仲間入りか!?



なんて思っていたらブラックウィドウが最後USBになるワケワカメな「ルーシー」より直近の「アナ」が、個人的にクール&ビューティー&サスペンス強めの「ニキータ」と言った具合で、徐々にかつての感覚を取り戻してきたんじゃないか?と次回作に少し期待しておりました。その新作「DOGMAN ドッグマン」ですがポスターからもうなんだか“色々と情報量が多い”それもそのはず“「車椅子」の「ドラァグクイーン」が「イヌ使い」で「ダークヒーロー」”……??













…じゃなかった






 




いやーてっきり主人公が親愛なる隣人の為に人肌脱いでホームセンターで無双する「必殺仕事人」系か、唯一無二の息子(イヌ)をチンピラに虐待され怒り心頭で復讐したらその相手が実はマフィアの息……「フー系」かと思ったらですよ、実はそんなに“ガッツリアクション”映画というわけでもない??むしろ主軸は主人公自ら語り部となり自らの生い立ちを赤裸々に語る「ザ・ノンフィクション」映画、だったんですねー。



まず冒頭にも書きました主人公“ドッグマン”の一度見たら忘れられない「強烈なインパクト」。演じるは「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」で口からソニックブーム!!!!して空を飛ぶミュータントを経た後、ブロックバスター映画というよりニッチな作品を中心にメキメキを頭角を現し「アンチヴァイラル」「二トラム」で主演も務めたケイレブ・ランドリー・ジョーンズ。いやーこれまたかなり“天才肌”タイプの俳優が来たなと、個性的なキャラクターを見事に“憑依”させているんですよ。マリリンモンローに扮した女装で、白塗りの顔でニコッと笑った姿は「ジョーカー」のホアキンかジャックニコルソンを彷彿とさせる異様な不気味さ。ガタイもゴツくて男っぽい体格なのに口調だったりちょっとした手の仕草は完全にウーマンそのもので、相当色々研究したのだろう、見事な演技力に脱帽であります。



そんな“彼”が序盤から待ってましたとばかりに口を開くわけですが、あのーその人自叙伝のライターじゃなくて精神科医よ…?色々身の上話をしてくれるのはありがたいが若干の“説明臭さ”が気になるかも。いやだって初対面でいきなり細かく説明してくれるんだもの??ただ今回は謎多き主人公のカッコよさを描いているのではなくて、早い段階で彼の生い立ちを紹介したのは正解だったかもしれません。何故イヌ好きになったのかとか「女装の理由」とかまぁそこには彼の「波乱万丈な半生」が関係しているから。でそんな彼に視聴者は次第に“共感”してしまうかもしれません。



でもってベッソンがそういうの得意とするのは「主人公が女性」の場合に限るじゃないですか?もしかしたら今作が「男性主人公の内面を描いた」初の映画なんじゃないか??本作は職歴何十年の大ベテランがココにきて“新境地”開拓!?しちゃったかもしれない「かなりイレギュラー」な作品に仕上がっていると思いましたね!!(あ、でも安心して下さい、今作も楽曲はエリック・セラですよッ!!!)



他にも本作には何十匹という「俳優犬」が登場してモフモフキュゥ〜♡なあざと可愛さ全開からドッグマンの“掛け声”一言で人間に牙を向く……「アニマルパニック」としての側面があるのも、これまでのベッソン映画ではまた観たことがない新要素。しかもみな犬種も違えば体の大きさも違うワンコ達がですよ?常識では考えられないアンビリバボーな「ありえねえ演技」を連発するんですよね!!いやーもうテレパシーか何かですか!?いやはやどうやって演技させてるのか。犬たちは皆ドッグマンの“手足”同然。その恐るべき「忠誠心」……本作はそんな“忠誠心”がテーマとなっております。



反対にベッソンと言えば「ヴァイオレンスアクション」が特徴の一つだと思うのですが、これまでのような激しいアクションは実はクライマックスくらいでそんなにないんですよね。せいぜい予告で映ってるのが全部だと思って頂ければ……。(その辺が評価の分かれ目かな?)しかしそれ以上にドッグマンの物語には、最後まで飽きずに骨の髄まで噛みつけるものがある。それだけ魅力が詰まったキャラクター像を今回見事に構築していると思ったのですが



これダーク「ヒーロー」か…?と言われると正直ビミョーなところ。なぜなら「誰のために戦っているのか」がいまいちピンと来ませんでした。富豪に対して恨みがあるようにも見えるが、金持ちに復讐するわけではないし?では愛する息子(犬)を虐める輩?……が実は出てこないんですよ。まあそんなクソ野郎いないだけマシなんですが……。思いっきり犯罪犯す身勝手さは全てドッグマン自身の為、のようにも見えるけど、市民を助ける場面もあるからそうでもないんだよな〜。なんだかシリーズ化も視野に入れてますと言われても違和感ない、もし次回作があればそこから本格的に裏稼業でも始めるのかしら……?

0件のコメント

関連記事

すべて表示
bottom of page