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エブリワン・ウィル・バーン(2021)


【原題】Everyone Will Burn

【監督】デビッド・ヘブレロ

【出演】マカレナ・ゴメス ロドルフォ・サンチョ アナ・ミランほか

【あらすじ】

スペインの小さな村。数年前に息子がいじめを苦に自殺したマリアは、息子の死を乗り越えられないまま自らの人生を終えようとしていた。そんな彼女の前に、奇妙な少女ルシアが現れる。(映画.COMより)










 
【感想(ネタバレなし)】

『未体験ポイントその⑧ ク◯ニンゲン観察バラエティ』

 





どーもどーもラーチャえだまめです。先日のアカデミー賞は大いに盛り上がりましたねー……そんな中で未体験ゾーーーーン!!!!華やかな賞レースとは無縁すぎる本日もニッチな裏側の混沌と迷宮の未体験へレッツラGOGO……と言いたいところですが「なんだかもう終わりそう」本日が最終回になってしまうかもしれません___と告げてしまいそうな??またしてもロシア人も喉を焼かれるジーザス「宗教度数」がべらぼうに高いとんでもクライシスなスペイン発のニンゲン観察バラエティ



【エブリワン・ウィル・バーン】……その名の通りバーン!!!と炎の少女バリモアもビックリ突然の“人体発火”と共に上からマリコならぬ上からタイトルが降りてくるあまりにも“特大インパクト”なOPで、早くも大多数の観客のマインドをグワシッと掴んだに違いない!?コチラの作品。不気味な見知らぬ少女が自殺しようとする女性の前にいきなり現れて「ママ。」とか言って近づいて来るわけですよ?めちゃくちゃホラーじゃあないですか!?…と思ったのですが



ホラーというより“サスペンス”?否“ブラックコメディ”??これまたジャンル不透明な摩訶不思議な映画だったのであります……






 






スペインの小さな田舎街に住む中年女性の“マリア”は、数年前にイジメにより愛する息子が自殺したことで生きる希望を失い、自身も息子と共にあの世へ行こうとした所に、全身泥だらけの身元不明の少女が現れ、見過ごすことの出来なかったマリアは少女を警察に届けようとするのですが、彼女の常識では考えられないアンビリバボーな体験をして何をトチ狂ったのかひとまず自宅に少女を匿うことに___。



出土も両親の名も名前すら名乗らぬ少女に困ったマリアは少女に“ルシア”と名付ける。このルシアがまぁブキミーなダミアンちゃんなわけですけども、子どもの役なのに“子役じゃなくて成人女性が演じている”点にまず違和感を覚えると思います。まぁそれにはちゃんといた理由がありまして(詳しくはネタバレで)ルシアがやってきてから不思議なことに小さな街で不可解な“不審死”が多発するわけです。しかもその事件の被害者たちに共通するのは“マリアとの過去”。なんとルシアはマリアに内緒で勝手にマリアとの因縁の相手を片っ端から始末しているのです??ランプの魔神の余計なお世話かよッ!?当然街の住人たちはマリアが事件に関与しているのでは?と疑うようになり、飛んだ濡れ衣を着せられたマリアの情緒も次第に“不安定”になっていく……。



マリアを演じるのはすこぶる前に観たのに“「エスター」を凌ぐ衝撃のラスト”はすっかりド忘れしたけどその強烈なイメージだけはずっと記憶に残っている「ネスト」のマカレナ・ゴメス。今作でも笑ったかと思えば鬼の形相で怒り狂う、これまた強烈な“ムキムキヒステリック絶叫演技”を披露していてこれが次第にちょっと面白くなってくる。どことなく小沢真珠に似ててスペイン版“牡丹と薔薇”やったら絶対スゴイことなりそうだ……(汗)他にも「ダゴン」っていうクトゥルフ神話をベースにしたモンスター映画に出てたり綺麗な女優さんなんですけどね……。



でもって街の住人たちはルシアのことを街に代々伝わる“古い言い伝え”に登場する悪魔だとか言い出すわけです。そういう時に中立の立場でいてくれて主人公に味方する協会の牧師……は今回登場しません。混乱した住人をなだめるどころかそれに加担して指揮までとるどーしようもねぇ牧師ならいますけど……。














アリ・アスターかな?





さらにマリアの元夫も頼んでないのにしばらくはマリアの肩を持ってくれますが……うーんマリアも含めた“登場人物が全員ク◯”なタイプですね〜。ダーレも共感できねえフスキーですよ!?もうニンゲンってなんて愚かな生き物なんでしょう、とでも言いたそうな映画です。令和の時代に“魔女狩り”が再び勃発するのも、ニンゲンってまるで成長しませんねぇ〜。そんな連中見ちゃうとつい見知らぬ少女を勝手に自宅に連れ込んで(連れ込まなくても来るんだろうが)名前つけて一緒に暮らすぶっ壊れ行動のマリアがまだマシに見えてしまう。人間模様の描き方にブラックユーモアというか、ルシアに翻弄されみんなおバカになっていく姿はまさにコメディ。まるでついこの間見た「ボーは恐れている」のアリ・アスター作品っぽいというかA24が買い付け逃したみたいな作品という例えはどうだろう……。



ただ誰にも共感できないから“何を見せられてるんだ”感も歪めず。思えばあの強烈なOPが“今作最大の見せ場”だったのでは__?これからきっと斜め上を行くとんでもない物語が始まるぞ!?…と期待させといて、後半にいくにつれ物語が徐々に尻窄みになっていくのは残念。少し見切り発車だったか?ラストもダラダラと着地地点が決まらぬまま流したようにも。



しかし125分という2時間超えの長尺にも関わらずテンポが良く工夫を凝らしたカメラワークで意外とあっという間だったのは評価に値する。冒頭に“宗教度数が高い”と少し脅してしまいましたが、信仰深さの闇を描いているのであって、宗教ネタは知らなくても問題ありませんよー。なんだかよくわからないけどなんだか嫌いになれない、そんな不思議な魅力のある映画ですね……。






 
【感想(ネタバレ)】




結局40年前の儀式って?その40年前の相関図もイマイチ掴みづらいし元夫の夢の中とクライマックスに登場する白いクリスチャンベイルみたいなハデス様?あれがルシアの言う「パパ」の正体?説明不足な面はもうかっ飛ばすしかないか……。そのルシア=自殺した息子ロロの分身であり、マリアのお腹に宿した命……ポストクレジットに登場する乳母車に乗った赤子、はまたルシア=ロロの「生まれ変わり」だと言うのでしょうか。はじめ何故子どもの役を子役ではなく成人女性が演じているのか、そこにはちゃんとした理由があるのだろうと思って観ていましたが、ロロご本人が登場してそれがなんとなく、要はロロは低身長症だった故にイジメの対象にされたのではないか?そういう身体的な差別をホントに露骨に表現した映画ですねー。


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