ファイナル・デッドブラッド(2025)
- ラーチャえだまめ

- 10月23日
- 読了時間: 6分

【原題】Final Destination: Bloodlines
【監督】アダム・スタイン ザック・リポフスキー
【出演】ケイトリン・サンタ・フアナ テオ・ブリオネスリチャード・ハーモンほか
【あらすじ】
大学生のステファニーは、自分と家族が悲惨な死を遂げる悪夢を繰り返し見て苦しんでいた。それがただの夢ではないと確信した彼女は、唯一の手がかりとなる人物を捜すため故郷へ向かう。やがて、50年以上語られてこなかった「死の連鎖」の原点にたどり着き、「運命には逆らえない」という不条理な法則がいまなお続いていることを知る。過去と未来が交錯する中、ステファニーはその血の因果と対峙することになる。(映画.COMより)
【感想(ネタバレなし)】

『いやそうはならんやろ』
どーもどーも何度やってもスマホの保護フィルムがうまく貼れないラーチャえだまめですあああああああ!!!!……そんな絶対に避けられないのが不器用ならまだマシかもしれない??本当なら今月10日から日本でも劇場で拝めるはずだった“クネクネダンス”だってバズったのに何でや!?「ミーガン2」の突然の“公開中止”を受けて!?(ちなアマプラで昨日配信)軽い脳震盪を起こした全国のホラーファンの皆様へ、その涙を拭ってくれたのはあろうことかブラムハウスではなくホラー界の古参スタジオ“ニュー・ライン・シネマ”!?その“代替案”として“配信スルー”されるはずだった大人気“不心身にもほどがある!”「絶対に避けられないデス」シリーズを10日のアナにあろうことかぶち込んできやがった

【ファイナル・デッドブラッド】!!!毎度“ファイナル”といいながら気づけばシリーズ6作目に突入した「ファイナルデッド・シリーズ」。2000年代初頭のレンタル世代にはコイツと「ソウ」シリーズがグロ映画の代表格として中高生の間で度胸試しの定番だった、それからなんと息の長いこと長いことそれでもシリーズ最新作が今年米で公開され、皆さんご存知の通り日本では当初は配信スルーの予定だったのが、米で“シリーズ最大級のヒット”を記録したのを聞きつけた全国の映画ファンの間で話題となり、SNSで「何故劇場公開しないのか」と嘆きツイートが量産された結果、配給元のワーナー(ニュー・ライン・シネマ)が急遽劇場公開に踏み切った死神ならぬ女神様が降臨したまさに「奇跡のR18映画」なんですねー。
とはいっても現在東京と神奈川でも上映館数たったの3館という激少な故に、先日川崎で拝見させて頂いたのですが公開初週の三連休で座席“完売”が相次ぐという!?(となりのトロンなんてスッカラカンやったぞ…)きっと全国から足を伸ばした死にたがりファンも多かったのではないか、いやワーナーさん絶対追加上映した方が儲かるって!!なんならコレめちゃくちゃ“4DXで蝿る”し!?なぜもっと上映しないのか首を傾げすぎてもげるレベルで楽しませて頂きました。

「世の中死んでもいい人間なんて一人もいない!」……なんて綺麗事なんぞクソ喰らえな本当はあの時“死ぬ予定”だった人間が?死神の誤算により“生き残っちゃった”ことで半ばヤラセに見えようと強引に死する予定の人間たちをあの手この手で殺めていく本シリーズ。画面の中の人間にはまさに“一寸先は死”状態が永遠続く地獄ですが、画面の外の我々観客には悪いがそんなことは一切関係ない。むしろその“強引さ”があまりに面白く観客は完全に死神側に立ちビビリまくる奴らを見て「人間ってオモロッ!」とか「お、死ぬか死ぬか……って死なないんかーい!!」総ツッコミしながら属に言う「死のピタゴラスイッチ」を楽しんごしてしまう、人間って死神より恐ろしいんじゃないか……??
そんな死ぬ予定だった人間たちによる本編開始から終演まで命がけの「迫り来る“死”からの鬼ごっこ」。この単純明快さの設定が非常に鑑賞のハードルを下げており(ゴア描写のハードルは高いが)とっつきやすい。しかも劇中その死神が“一切登場しない”見えない恐怖というホラー要素もはらんでいて、さらにストーリー自体は特段縦の繋がりがない毎回ほぼ「完全新規」でもなんら問題なく入れる座敷の低さ。これらはシリーズ通例で今作も変わらず。しかし本作はちゃっかりこれまでの「死」シリーズの「全ての元凶」が描かれるという!?「シリーズ・ゼロ」的な役割も果たしており、ファンサにもチカラが入ったシリーズ集大成にもなっているんですねー。
これまで飛行機、高速道路、ジェットコースター……様々な“事故”が発端となってきましたが、本作は先程言ったシリーズの原点とでも言える、50年以上の前にあったとある“高層タワー崩落事故”からスタート。でこのタワーが隈研吾も度肝を抜く“バエ”ばかりを狙った建築法全無視の“超絶欠陥だらけの”建築で?床は全面ガラス張りでダンスしながら皆でJUMPJUMP!フランベしまくりなコックに展望台からコイントスしようとする馬鹿ガキに嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼なんてみんな愚かなんでしょう!?ちなみにメイキングを見たことがあるのですが、床が崩壊して客が一斉に落ちるシーンはスタジオで撮影して実際に役者が落ちてるんですよね〜!バラバラになる爺さんもそれ用の模型使って本当にバラバラにして、前回どこかの記事で書きましたが“史上最高齢の女性スタントマン”による“全身火あぶり芸”が拝ます!!確かギネスに登録されたんだっけ?CG処理されたものもありますが、本作は意外にも“特撮”を使って撮影されているシーンも多く、ホラーファンのツボもしっかり押さえているのです!!

いやしかし毎度よく考えるよなー。どうキルしていくか考えるのめっちゃ楽しそうー(悦)普通にキルしちゃ芸がない。本作の死神=制作陣の頭脳が試されるわけですが、これがかなり思考を凝らされている。しかもそのギミックのどれもが“日常にあるもの”で構成されていてワンチャン本当に運が悪かったら起こり得るかもしれない!?なんて思っちゃってハハハ……(汗)また50年前に死ぬはずだった人間が長生きした結果、“親子3世代”にまで膨れ上がったターゲットに従兄弟まで入れて……長生きってするもんじゃないっすねぇ!?ちなみに息子の奥さんとか“腹違いの兄弟”は血が繋がっていないからセーフ……という“血統”で選別されるという新しい試みも面白かったですねー。
監督は過去「未体験」で上映された「フリークス」のザック・リポフスキー&アダム・B・スタイン。スティーブン・スピルバーグによるアメリカのクリエイター発掘リアリティショー「On the Lot」で決勝戦まで勝ち残った新人クリエイターだった二人が今作でも再びタッグを組み、そしてストーリー原案と製作は「スパイダーマン」のジョン・ワッツが電撃参戦!こりゃちょっと期待せずにはいられない!?海外版の予告をちチラッと見たら“ニセのシーン”まで含まれていて徹底された“死のネタバレ防止策”がとられていていや「ノーウェイホーム」かよ!!

上映後の帰り際にとあるカップルが「大事なのは“今を楽しめ”ってことだよね!」と話していていて、いやまさに撮影当時は末期がんで闘病中だったシリーズの顔とも言うべき名優トニー・トッドのお言葉が、そのまま若い世代に届いた瞬間に立ち会えた気がして勝手に目頭が……「ザ・モンキー」でもそうだったんですけど、本作も一見「死」を不謹慎でバカバカしく扱っているように見えて、避けられぬ不慮の事故にビクついて生きるよりも、今を精一杯生きようっていう、実は非常に前向きなメッセージが込められた作品でもあると思いましたね。まぁだからってやっぱり死のピタゴラスイッチには笑っちゃうんですけどね…w




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