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ファンタスティック4 ファースト・ステップ(2025)

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【原題】The Fantastic Four: First Steps

【監督】マット・シャックマン

【出演】ペドロ・パスカル ヴァネッサ・カービー エボン・モス=バクラックほか

【あらすじ】

宇宙ミッションのさなかに起きた事故で特殊能力を得た4人は、その力と正義感で人々を救うヒーローチーム「ファンタスティック4」として活躍している。世界中で愛され、固い絆で結ばれた彼らは、スーの妊娠という知らせを受けて、喜びに包まれる。しかし、リードのある行動がきっかけで、惑星を食い尽くす規格外の敵、宇宙神ギャラクタスの脅威が地球に迫る。滅亡へのカウントダウンが始まる中、ヒーローである前にひとりの人間として葛藤を抱える4人は、世界を守るために立ち上がる。(映画.COMより)



【感想(ネタバレなし)】
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『ヒーローでも苦手なもの:子育て』





イベントで上野樹里にビクつく和田唱を見て恐妻家を疑ってしまった皆さんどーもラーチャえだまめです。本日はそんな良好な関係を築く夫婦とその親戚と親戚っぽい他人……けど全員一つ屋根の下で暮らしたらドミニクもうっとり“ファミリー”じゃん…??



【ファンタスティック4:ファースト・ステップ】!!!マーベルスタジオ第37本目にしてマーベルコミックとしては初の“ヒーローチーム”それがファンタスティック……ふぉおおおおおおおおお!!!学生時代透明化するジェシカ・アルバを見て人妻のエロさを学んだティム・ストーリー版は公開当時あまり学校でも話題になってなかったんだよなー。じょ、ジョシュ・トランク版も個人的には嫌いじゃないんですけどね!マッパなシングのムッシュにムラムラはしなかったけど


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前2作の権利を有した20世紀FOXがディズニーに回収され傘下のマーベルスタジオにより3度目の正直とばかりにMCUに属されて作られたのがコレ。正直言うとあんまり期待していませんでした。主演は“メットしてんのに銀河一顔の広い”その裏で抗菌類との死闘も繰り広げた“出過ぎ俳優”ペドロ・パスカルがゴムゴムのぉおお!!!リード・リチャーズ=“ミスター・ファンタスティック”!!に「ミッションインポッシブル」の広瀬アリスが乗り移ったヴァネッサ・カービーが透明化するスー・ストーム=“インビジブル・ウーマン”その弟で「ストシン」から「クワイエット・プレイス:DAY 1」「グラディエーターII」のジョセフ・クインが全身火だるまで空も飛べるジョニー・ストーム=“ヒューマン・トーチ”そして「一流シェフのファミリーレストラン」のエボン・モス=バクラックが岩肌で怪力持ちのベン・グリム=“ザ・シング”とりあえず全員共通するのは“社会現象レベルで大ヒットした作品のキャスト”という、売れっ子だけで形成されたドリームファミリーで固めれば失敗しないだろ、という製作上層部の安易な思考がチラチラ?キャストに膨大な金かけて中身スッカラカン……そんな映画になっていないだろうか?そして監督はマット・シャックマン。ここ近年でも「ゲーム・オブ・スローンズ」「ザ・ボーイズ」「モナーク: レガシー・オブ・モンスターズ」そしてMCUの「ワンダビジョン」と冠ドラマの全てで監督を務めた凄腕の“TVドラマ監督”ですが、シネマファンにはほぼ無名というかTVドラマと映画は主戦場が違うというか、必ずしもドラマで成功した監督が映画でも成功するパターンって意外と少ないしどうかなー、そりゃ観に行くけどMCUの“いつもの使命感”でほぼ足を運ばせたのですが、、、、、











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今年のMCUで“一番”じゃね?





いやービックリ。全米批評サイトの某得点とかも、はっかり言ってアメコミ原産国と日本じゃ評価対象が違うし全然信じてなかったんですけど、これは青いってだけで京浜東北線を総ジャックしなくても日本でもヒットが期待出来るんじゃなかろうか?……という理由の一つとしてあるのが、本作のテーマが誰の身にも染みる「家族」という普遍性にあるからだと思いました。







まず良かったのが全体の“時間配分”。映画としては十分長いがMCUとしてはすっかり短く感じてしまう本釈130分内に納めるためか、いつものOPもNEWスタイルで早々にすっ飛ばし頭10分足らずで「ファンタスティックフォーのここ4年くらいの活躍」をドバッと見せて、まるでシリーズ3本くらい既に見たような錯覚にさせられるという!?いかなる危機に直面しても「いつだって彼らがいた」親愛なるファンタスティック感をこの10分足らずで覚えさせる手際の良さにまず唸らされたな〜。


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これまで何度もやり直されたとはいえ4本作られて「スパイダーマン」並に「もうクモに噛まれるシーンはいいよ」的な周知の事実の爆誕秘話はすっ飛ばせても、いきなり馴染みのない顔ぶれのキャスト(それも4人)が突然スクリーンで当たり前のように活躍させるのはなかなか難しいと思うのですが、しかし本作では4人の違和感が最初からあまりない。ずっと前から4人で世界(主に米国)を救ってきた、その原動力は宇宙嵐によって得た特殊なパワーでもない「抜群のコンビネーション」にあるというのがもうわかるんですよね。だからスッとファンタスティック御新規様でもこの4人を中心としたストーリーにすんなり入っていける。そして劇中何度か彼らを題材にしたTVアニメが出てくるのですが(本編オリジナルで「宇宙忍者ゴームズ」の引用ではないが)こうした彼らのいる世界でアニメ化にグッズ展開もされている設定も、既に彼らが認知され認められた存在であることを伺わせる上でいい演出だなと思いました。



しかも途中5人目のファンタスティック・ベイビーも生まれるわ宇宙から突然波乗りしてきた“シルバー・サーファー”のバックストーリーまで盛り込んでくるという!?全体的に駆け足ながら編集のウマさが光ってましたねー。



その彼らの住む世界は「アース828」……つまり我々が住むアースの並行世界に存在する架空の1960年代の地球。この世界は我々の住む世界よりずっと科学が進歩していて、巨大な高層ビルに空飛ぶ車、無数の電光掲示板などなど……多分元ネタは60年代に人々が考えた「未来像」からインスパイアされたのかな?ここまで科学を急成長させたのがミスター・ファンタスティックことリード・リチャーズただ一人……この時点でもう彼はゴム人間ではなく太陽神ニカですハイ。また4人の居住地兼基地のハウスの美術。60年代風の丸みを帯びた形に色彩豊かなレトロデザインがちょっとアメコミ映画と侮れないほどよく出来ていて、製作陣のこだわりを感じる。


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あとVFXも最近のMCUの“ショボいCG”で期待していなかったのですが、ノーランもビックリな「宇宙空間」のシーンがめっちゃイイ!!表現とかカメラアングルとか明らかに参考図書としてモロに「インターステラってる」んだけど、そこに様々なピンチ要素も盛り込んであのチェイスシーンの緊迫感はなかなかでした(汗)勝手な想像だけど移籍タイプの監督(ドラマばかり撮ってきた監督が突然SF映画任されてCGの知識がなくてクリエイターに無茶振りして困らせるパターン)かと思われたシャックマン監督も、これまでドラマと言っても“規模感”はシネマサイズでCGもバリバリ使っていたドラマシリーズだったからCG起用にも特段不慣れ感がなかったのかな??と思うくらい手慣れている感があって、これはIMAXとかでも充分見栄えする映画かもしれません!!



ティム・ストーリー版「銀河の危機」で実はCGではなく「ヘルボーイ」のダグ・ジョーンズが銀色に塗りたくられたアナログ手法を用いた宇宙人“シルバー・サーファー”は立派なMENでありましたが、今回「性別変更」(原作にも一応女性版は登場する)した理由、単にポリコレを意識しただけかと思いきや「ちゃんと意味があった!」そしてちょっと今回のサーファーはその無機質な見た目とは裏腹に“情に流されやすいタイプ”というギャップ萌かよ!?演じるは「ウルフマン」「ウエポンズ」といずれも新作ホラーが未だ日本公開未定なのが悲しいジュリア・ガーナー。ファンには嬉しいギンギラギンだけじゃなく“素顔”もちょっとだけ拝めるぞ!!


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そして今作のヴィラン、ティザー映像ではその全貌まではわからなかった長らくアメコミファンに待ち望まれてきた宇宙最強のフードファイターこと“ギャラクタス”。ビーファイターみたいなダサいヘルメット姿も侮るなかれまず普通に“デカい”。高層ビル並の超大型巨人で物理的にも強い。演じるはA24常連俳優ラルフ・アイネソン。もう“声採用”なんじゃないかってくらいその独特なボイスだけで圧倒されちゃうよ!!ついにアイネソンまでMCUデビューですか。実際にダサいスーツを着て出てくるわけじゃないけど顔のモデリングは完全にアイネソンで目がビカーン!!って光るのがちょっとネタにされそうなくらい面白い



そんな宇宙サイズのヴィランから突然「地球を喰っちまうだ」と地球を捕食宣言されてしまい相手をしなければいけなくなるフォー。…ご愁傷さまです!!いやどー見ても勝てるわけないじゃないですか。とりあえず4人は真っ向勝負より人類の英知“説得”という手で自前のエクセルシオール……いきなりカフェ出てきちゃった!?エクセルシオール号に乗り込み彼の待つ宇宙に飛び立つのですが結果交渉は決裂して真っ向勝負する羽目に……









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意外と“五分五分”かよ




4人が強すぎるのかギャラクタスが弱いのか!?もっと圧倒的な「絶対に超えられない壁」感に絶望しかないかと思いきや、あれ意外と良い勝負を繰り広げてしまう!?この4人が次回で今ガタガタのアベンジャーズと合流したらとんでもない即戦力になるんではなかろうかと期待せずにはいられない程の強さを見せてくれるフォー。まぁその強さがさっきから何度も申しておりますが“チームワーク”にあるってことなんですけどね……



シングが料理家なのは中の人ネタなのか?一人だけ見た目が変わっちゃったシングの葛藤とか恋バナがサラッと終わっちゃうのもちょっと勿体なかったけど尺を考えたら致し方なしか。ジョシュ・トランク版はこの一人だけ見た目が変わり人格まで変わってダークサイドに落ちたシング(最終的に誰が作ったかわからん映画だが)4人も終盤までバラバラ……からのチームアップも盛り上がりますが、本作は最初から最後までこれと言った仲間割れもなく4人の仲は良好。ベンとジョニーもたぶん能力が入れ替わってもこの2人なら喧嘩せず即元の姿に戻りそうってくらい仲良いし。てかみんな歴代一性格いいんじゃないか??ジョニーもイケメンで発火できて頭脳もいいってチート級。みんな能力だけじゃなく中身も有能すぎて逆に欠点がない。この辺を緩急がないと見るかチーム系のお決まり展開はもう飽飽きだよと見るか評価が分かれるかも。


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あとちょっと疑問なのは彼らの政策が全て“一任されている”ように見えるというか、大統領とか全然出てこないのがちょっと不自然。特にギャラクタスの襲来に備えて全世界の力を借りて打倒案を計画するんだけど、国連とか大統領がそこに一切関わってこない(まるで存在しないかのように)全部彼らの独断で地球の未来が決められているような感じがして、世界背景がよくわからない部分もあったりしましたがお久しブリーフに「ヒーローらしいテーマ曲」が聴けて良かった!!マイケル・ジアッキーノのTHE王道を狙った感じの聴いてすぐ口ずさめるようなわかりやすさ。ちょっとダサさまであるんだけどそれが逆に60年代のレトロ調の本作の舞台にピッタリハマっているというか、やっぱりヒーローチームにはアガるテーマソングは必須ですよね!!“ヒーロー疲れ”が囁かれる昨今、“親愛なる隣人”と似たような感覚、“家族のようなヒーロー”いや、子供にとっては“家族こそがヒーロー”とでも言うべきでしょうか!?タイトルの“ファースト・ステップ”とは、4年前から活躍しているフォーたちの“はじめての「子育て」”という意味だったという、ファンタスティックなファミリードラマですね〜。






【感想(ネタバレ)】




「サンダーボルツ*」のポストクレジットでエクセルシオール号が世界線を超えて登場したのは強大すぎて勝てなかったギャラクタスから逃げてきたからだとずっと思ってたけど全然違ったね。本作は1本の映画としても成立させたかったらしい。とはいえポストクレジットでDr.ドゥームに息子誘拐された?どうやら息子の能力が「アベンジャーズ」の鍵になりそうな予感??とはいえアベンジャーズと合流するのは決定事項でもまだその脚本は未完成ゆえのとりあえずのサプライズ演出でしょうか。









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いや“銀河一”のナンパ師かよ





「やっと面白い子と会えたのに…」って最初からずっと宇宙人ではなく“女”として見ていたジョニーの範囲の広さよ。まぁ全身火だるまなら水以外苦手なのなさそうだし(?)まじで最後シルバー・サーファーとくっつくのかと……ギャラクタスの呪縛から解放されて素顔のジュリア・ガーナーになればありえそうな話だよね??



でもやっぱり何度考えてもそのギャラクタスと押し相撲で勝ったスーさんが異常に強い!?まさかシングよりパワーキャラだとは思いませんでした……(汗)そりゃ愛する息子が誘拐されそうになってんだもんあの力はそのまま“母性”の2文字で科学的に解明できそう……しかしティム・ストーリー版もジェシカ・アルバがポスターで一番メイン張ってたし、なんやかんや夫のリードよりスーが一番主人公感あったなーと。


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シャックマン監督の長編デビュー作「カットバンク」に出演した縁で実は出演してたけど丸々カットされてしまった名優ジョン・マルコヴィッチの役は劇中一瞬登場したサル?使いの“レッド・ゴースト”というヴィランで、ポストクレジットのアニメにも彼の顔に似たキャラクターが登場しました。もう一人の小物ヴィラン、ポール・ウォルター・ハウザー演じる“モールマン”もきっと大分カットされた感は歪めないような登場の仕方。2人とも次回作で登場する可能性はゼロではないけどアースも違うし絶望的か……

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