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ハウス・オブ・ザ・デビル(2009)

  • 48 分前
  • 読了時間: 6分

【原題】The House of the Devil

【監督】タイ・ウェスト

【出演】ジョスリン・ドナヒュー グレタ・ガーウィグ トム・ヌーナンほか

【あらすじ】

1983年、アメリカ・コネチカット州の田舎町。だらしないルームメイトとの同居生活に嫌気がさしたサマンサは、小さなアパートに部屋を借りることにする。初月の家賃300ドルを急いで用意しなければならない彼女は、条件の良いベビーシッター募集の広告に応募する。電話で話した広告主のウルマン氏はどこか奇妙な様子だったが、依頼を受けることにしたサマンサは、森の中にあるウルマン氏の家を訪ねる。(映画.COMより)





【感想(ネタバレなし)】

『結論:80年代アメリカのピザはク◯不味い』





どーもどーもラーチャえだまめです。早速ですが本日はコチラの映画を拝見させて頂きました



【ハウス・オブ・ザ・デビル】!!!「レトロホラー」というNEWジャンルを確立させた風雲児、A24ではじめてシリーズ化された「エックス」シリーズがまだ記憶に新しいタイ・ウェスト。次回作はジョニー・デップ主演による「クリスマス・キャロル」と、今やハリウッドからも太鼓判な彼の、「エックス」シリーズで見せた異常なほどの“レトロ愛”をこの頃から既に実行していたという!?彼の作家性がとことん詰まったデビュー作が、17年の時を経ていまさら劇場公開。実はメジャーデビューした「キャビンフーバー2」製作時に大手スタジオと折りが合わず一度商業映画から降りた経緯があったんですねぇ。決して順風満帆とは言えない彼の代表作がレトロホラーで統一されるなんて、この人どんだけレトロ好きだよ!?とさっきからレトロレトロ……って彼のフィルモグラフィを知らない方にはご説明いたしますと



Cノーランの「フォロウィング」が90年代後半に作られた作品ながら全編モノクロにして「時」を感じさせない創りなのに対し、本作は逆に80年代の「時」を、これでもかと我々観客に意識させる、否「あの頃」の世界観に豪快にダイブさせるかの如く











徹底的に作られた「あの頃」の再現




全編16mmフィルムによる撮影にBGM、フォントは勿論、画面上に映る全てが?レトロアイテムで埋め尽くされた「ストシン」の80年代バイアスを彷彿とさせる。衣装、ヘアスタイル、乗用車、電話ボックス、ウォークマン、街中、室内、ありとあらゆるアイテムが「THE昭和」。レトロオタクにはもう“エモさ”全開の涙チョチョ切れ案件すぎる。しかも再現は美術だけではない。カメラがズームして学校のチャイムがリンゴーン♪ドアノブの固定カメラに背後からキャストが近づくショット……“カメラアングル”まで古い、古臭ああああああああああ!!!トイレの手洗い場の水全部流してさ、個室の中で聞こえないようにしてすすり泣くシーンとか、そういえば最近の映画で観ないような……??“懐かしい”と思えるアクションも多数存在。いやーもうこの技術だけでも観る価値があると言いたい。ミレニアム後の2009年に作られた作品とは到底思えないエンドクレジットまで忠実……の中で“2008”の数字を見つけた時の多大なる違和感よ?80年代の雰囲気を感じたい方には文句ナシでぶっ刺さること間違いなしの、究極の“雰囲気”映画なんですねー。



でもでも?ただ再現にこだわったわけじゃあないんです。重要なのは「何故こだわるのか」そこですよね。以前「サタンはお前を待っている」というドキュメンタリーをご紹介しましたが、80年代に全米で社会現象となり“実害”も発生して警察沙汰にもなった悪魔崇拝による集団ヒステリック「サタニック・パニック」を題材にした映画で、あの頃の禍々しい空気感、混沌とした社会で生きる当時の人々が感じていた恐怖を、ホラー映画というフィクションの中で再起させ、最高のスパイスとして利用したかったから、とでも言いましょうか??



そんなわけで80年代の“良いところ”を踏襲しつつ、同時に“悪いところ”も引き継いていると言いますか、まず映画として“新しいことは何一つしていない”。おおよそ予想の域を出ない展開(オチはキレイに終わるが)、恐怖シーンも新しい発見などはおそらくないと思います。本作はラスト10分当たりに全てを集約させパーンとはじけ飛ぶびっくり箱的映画でして、逆にそれまでの90分間はびっくり箱のヒモを引く作業なので実に何も起きない。私も前半〜中盤までは食い入るように観ておりましたが、流石に中盤からはちょっとダレました。しかし途中「眠くなる」のも再現の内?それすら「意図的」なのではないかと……。確かに70〜80年代のレトロホラーはクライマックスの“オチ”までひたすら引っ張るパターンだし、焦らずゆっくりと、ジリジリと徐々に恐怖を増幅させていく。ファスト映画が流行る今では嫌われるこのやり口もまた、昭和ホラーの再現なのではないかと。また前半の一連の流れから「家ホラー」としてのイロハがはじまる件も実に丁寧に描いている。つまるところ本作はレトロオタクならば「愛でる箇所しかない」と言っても過言ではないのではないか__!?



どことなく「サスペリア」のジェシカ・パーカーに似てる(髪型?)ジョスリン・ドナヒューに今や売れっ子映画監督グレタ・ガーウィグの俳優時代が拝める1本としてもオヌヌメしたい。ジョスリン演じる主人公に過保護すぎる姉御肌の親友役が似合っていた。そして不味いピザに文句言う!?



なんかよくわからんけど劇中2度も登場するピザが「激マズ」て!?愛してんだかけなしてんだかわからない謎ムーブ。しかしデリバリーした激マズピザ片手にソーダ水(劇中では水道水だったが)チューチューしながらB級ホラーを観るという行為。今でも十分“至福の時間”として通用する、この頃から根付いた文化なのだろうか。あるいは激マズピザも“いい思い出”なのかしら??(この時代に生まれてないからわからんが)ベビーシッターのアルバイトって今もあるんですかね??公衆電話で応募して、その後相手から指定された待ち合わせ場所で待てど待てども現れず、ウォークマン聴きながら寝そべって待つ無駄な時間。今ならスマホですぐ相手と連絡つけれるし、他のことして時間を潰したりして、なるべく無駄な時間を作らないように作らないようにと、なんでも“効率化”される時代。スマートに生きられるようになった一方で、みんなどこか忙しなく生きていないか?あの頃体験した無駄な時間や無駄な動作、しかしゆっくりと“時”を感じることが出来ていたのかもしれない。それは今や絶滅した「愛すべき無駄時間」として、決して“無駄な体験ではなかった”んだと。そんなことも想起させるような、ホラー映画だけど究極の昭和愛が爆発した、そんな映画でしたねー。

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