YOUNG&FINE(2025)
- ラーチャえだまめ

- 8月22日
- 読了時間: 4分

【原題】YOUNG&FINE
【監督】小南敏也
【出演】新原泰佑 向里祐香 新帆ゆきほか
【あらすじ】
海沿いの町に暮らす高校生・灰野勝彦は同級生の玲子と付き合っているが、なかなか一線を越えさせてもらえない。そんなある時、どこかがさつな雰囲気の女性高校教師・伊沢学が、灰野の家に下宿することになり、灰野と伊沢はひとつ屋根の下で暮らすことになる。伊沢と仲良くなっていく灰野と、そんな2人の様子に嫉妬する玲子。3人は次第に奇妙な三角関係となっていくが……。(映画.COMより)
【感想(ネタバレなし)】

『結論:短小は損』
どーも脳内メーカーで脳内全部がHで埋め尽くされていたラーチャえだまめです。そんな学生時代に流行った思い出以上に男子高校生の脳内なんて所詮は皆「せくぅーす。」のことしかないんだろぉー!?がまたしても証明されてしまった
【YOUNG&FINE】!!!「ビリーバーズ」「BLUE」「レッド」などで知られる山本直樹による青春漫画原作、脚本はその実写化した「ビリーバーズ」の城定秀夫。そして監督はその城定監督作で助監督を勤めた小南敏也……という見事な数珠繋ぎで成立した本作。ピンク映画も多数手がける城定監督の下で“イズム”を継承した小南監督だからか開始早々親の顔より妄想した同じクラスの彼女のヌーデを余すことなく堪能するこんな爽やかイケメン俳優新原泰佑が「ヤりたいだけのお盛んサル」こと“灰野”を大胆不敵に演じ……こちとら毎秒5センチメートルすら女子に近づけないチェリーボーイ性春時代を歩んでしまった弊害により全てが“ファンタジー”にか見えませんでしたが?律儀な彼女ゆえになかなか“本”の番をヤらせてくれないもどかしさ。あともう一歩のところで拒否られ不完全燃焼で無事暴発。わかるわ〜、ラブホ行って部屋入ってから「今日できないんだよね」って言われたあの感じでしょう!?本作の舞台は今より“ちょっと昔”のスマホやSwitchといったデジタル機器が登場しない田舎町。灰野にとって“部活と彼女の二択”くらいしか楽しみがないという田舎の閉鎖感やコミュニティの狭さも相まって余計にシモのことしか脳内にないのも無理もない。

そんな灰野の家に下宿人で東大王みたいな“伊沢学”という人物がやって来るのですが、これがまたあろうことか自分とこの新しい担任でしかも「若い女教師」という全男子が夢見る!?同級生の玲子と下宿人の担任・伊沢の恋はバミューダ海より深し?な「三角関係」がここに成立!!全体的にコメディ色強めの漫画的エロファンタジーが爆裂してしまうのですが
しかし伊沢は学校以外ではほぼずっと酔っ払いのアル中で、、、、演じる向里祐香はあの「SHOGUN」の遊女役とは打って変わって酒癖の悪いスキだらけのメガネ先生という!?名前を言われないと同一人物には見えない全く違う役をやっててビックリ。わざとらしくなりやすい酔っ払い演技で呂律も回らないセリフ回しも聞こえる塩梅で上手い。酔った勢いですぐにこの2人も裸でドッキングするのかと思いきや「教師と生徒」の禁断関係は守ろうとする映画的な節度??“想像と絶対領域”というロマンを持たせたまま進んでいく憎いぜぇ〜!!(彼女役の新人・新帆ゆきはバンバン脱いでいるのですが……)
それどころか「飲まなきゃやってられん」と酒に逃げる社会人(彼女の場合遺伝もあるが)と目先のことだけ謳歌しようと生きる高校生。どちらも理解できるしただ確実に生きる世界が違う、交わることのないファンタジー要素の中に潜む「リアル」な心情が時よりチラリズムして心を針でちょいと突かれる。伊沢と接するうちに徐々に灰野が下半身ではなく“心”で恋愛しようと成長していく姿も描かれ、ときより登場する伊沢が山から拾ってきたヘビは、まさに「少年よ、人生を脱皮せよ」の象徴でもありそのまま“全力少年”してくのかと思いきや

……夢見る男子の夢をぶち壊す「はぁ?」なビター展開。“純愛”を追い求める思春期男子にまるで「カラダの相性が全て」だと言わんばかりの残酷さ?結局は男も女もホルモンに流されて生きるだけの下半身生物ですぅ!?「恋愛なんてキラキラしてないんだぞ」バチーン!!とビンタされるような……恋愛の苦しさを描きつつ、前半の恋愛のことしか脳内になかった灰野と後半の成長した灰野の対比をここで見せてくる。本作が決してエロいだけの性春映画ではないリアルな青春映画として成立しているわけなんですね〜!
それにしても学生時代に年上のお姉さんに異常に憧れるの、あれホントにホルモンの暴走としか言えないよな……




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