TOURISM(2019)
- ラーチャえだまめ

- 2019年10月15日
- 読了時間: 6分

【原題】TOURISM
【監督】宮崎大祐
【出演】遠藤新菜 SUMIRE 柳喬之ほか
【あらすじ】
東京からほど近い地方都市・神奈川県大和市に暮らすフリーターのニーナは、スー、ケンジの3人でシェアハウスをして暮らしている。ある日、ニーナは世界中どこにでも行けるペア旅行券の抽選に当たり、スーと2人でくじ引きで決めたシンガポールへと旅に出る。初の海外旅行ではあったが、日本とそれほど代わり映えのしないシンガポールの町並みに2人は軽い失望感を覚えていた。そんな中、ニーナはチャイナタウンで携帯電話を紛失し、さらにスーともはぐれてしまい……。
【感想(ネタバレなし)】

『え、シンガポールってディズニーランドなんですか?』
どーもどーもLAに一人旅して20ドルぶん取られましたラーチャえだまめですッ!!いやー今世紀最大級の悪やらアクションやらワニやら大作映画もいいですがたまーにインディーズ系の映画も観てみたくなるわけです。「そうだ、ミニシアターに行こう。」今日はちょっとテイストを変えてみよう……スマホで座席予約が当たり前の時代、特にスケジュールも見ずに一番近い時間帯の作品でいいや〜、みたいな感じで地元のミニシアターへ

Tシャツにして着るぞこの野郎!!!(笑)
写真といい色合いといいフォントといいシックスセンスの塊かよ!!完全にジャケ買いです笑【TOURISM】!!なんてマジ卍に(死語)センスの塊のようなポスターでしょうか!?邦画のインディーズはまぁキライじゃないけど見ないなぁ〜、食わず嫌いなんだよな〜、故に結果的にトンデモクライシスに新鮮味しかない、いやーこれまたゴイスーな映画引いちゃったな〜!!いやこれ10代20代の俗に言う「ヤング」と呼ばれる世代とナウい40、50代の「ノット・ペヤング」世代とまるで印象が違う作品なんじゃないか!?人によってはエルビスプレスリーのTシャツしかずっと目が向かないかもしれない??私は一応まだ20代全般(全般ってなんぞ)しかし昨今のヤング事情にジョジョに出遅れ気味になって参りましたが……。イマドキ女の子2人がただシンガポールを旅する映画、と言ってしまえばそれまでなんだけども

「“若者流”トラベル事情」
爺さん婆さんには悪いが何ヶ月も前から計画して旅行会社のツアー予約して地図買って前日までホテル周辺とかメトロの路線図ガン見して丸暗記して現地でタクシー拾う時とかに必要あらば現地の言葉とか覚えたり必要あらば事前に金券ショップで現地のお金手に入れたり……なんてしねーんだよ今の若者わあああああ!!!!!ス・マ・ホ。スマホ1つで航空券にホテルポチッと予約しちゃうんだよぉー!!!!“自撮り棒”って知ってっか!?“SNOW”って知ってっか!?“UBER”って知ってっかぁ!?ワールドの方じゃねえぞ!?今は旅先で“実況配信”するのがベタあああああ!!!!下調べなんてしねぇ「オッケーGoogleココから一番近い観光地はー?」グーグルさん大活躍ですよぉぉぉー!!!

わかりみが深い。
い、いや、私は、、、一応“世界の歩き方”とか買って、、、地下鉄の路線図紙に印刷して持ってたとかっ、、、行く前に日常英会話の本買って勉強したとかっ、、、、あ、アナログなんて言わせないんだからぁぁぁあぁー!!!いやしかし世の中ホントに便利になりましたよ。私もホテルと旅行券と現地ツアーは全てスマホこれ1台!!今の若者は楽ーにお金と時間さえあれば海外なんてスーイスイと行っちゃっているのです!!そんなスマホ1つで無限の彼方へ〜さぁ行くz……あやっべスマホ失くしたどーしよどーしよ…!!?…ってなるお話(笑)それまでシンガポールの世界3代ガッカリスポットと呼ばれるマーライ……“THE観光地”所だけ巡っていた若者が、予期せぬアクシデントにより観光マップや紹介VTRでは決して出てこないシンガポールの“本当の姿”を目の当たりにする……これは観光PVではございません。そこに住む現地の人々の姿というか、ありのぉ〜ままのぉ〜♪姿見せるのよぉ〜♫しちゃっているのです!!ハイというわけで2つ目のテーマは(1つ目は?)ズバリこの作品全体を通して流れる「THE自然体」!!そう

“フェイクドキュメンタリーチックな演出”
【感想(ネタバレ)】
監督は「大和(カリフォルニア)」が国際映画祭で注目を浴びた横浜市出身の宮崎大祐のいう方。今作でもニーナとスーらの住む家が神奈川県大和市という同じ神奈川出身としてはこのコアなチョイスに県民愛を感じずにはいられないのですが(笑)現地でのゲリラ撮影、撮影用カメラだけではなく演者たちが自ら自撮り映像をそのまま採用したり、スマホで撮影する「タンジェリン」のショーン・ベイカー監督のようなスタイル。ちなみに空港での撮影時監督は不在だったようで…wそれによりグッと我々視聴者もつい一緒に同行している気分にさせてくれる。中には幻想的なシーン(“キラキラの間”と勝手に呼んでみる笑)カメラのアングルとか撮り方もそうなんだけど、へぇ〜シンガポールにあんな場所あるんだね〜今度行ってみよ〜(・∀・)そういえば英語字幕が出てくるのはシンガポールでも上映するのを前提にしているからかしら?さらにキャストの会話劇。これがまたいいんですわぁ〜。あまりに脈絡のない会話。「え、マーライオンちっちゃくね?写真どうする?」「あー写真は…いいや」決してマーライオンをディスっているわけではございません!!(笑)主演2人の演技が“演技?”となってしまう程の主演は“ニーナ”こと遠藤新菜という若手女優と“スー”ことSUMIRE……ちなみに浅野忠信と歌手のCHARAの娘さんだったんですね!!プライベートでも仲がいいらしい、ホントにいい意味で素人なんじゃないかってくらい自然な演技で良かったですね〜。スーとはぐれてからのニーナの、セリフを入れずただトボトボ夜道を歩いてく光景?あの寂しさわかるな〜。しかもよりによって“楽しいはず”の海外旅行中だからね。そりゃ一服したくもなりますわ!!!

でそこからシンガポールのある家族に出会うのだけれども、いやホントにアンタ親切な人たちで良かったよねッ!!シンガポールだって危ない所もあるんだから!!帰ってこれないよ
?(笑)あのみんなで食卓を囲んで食べるシーン?なんてことないようなシーンではあるのだけれどもやっぱり現地の人の温かさがダイレクトに伝わってくる、ベタな演出ではあるけれどもイイシーンだよね〜。フェイクドキュメンタリー、仮にドキュメンタリーだとしてもなんだろう、現実世界でも旅先では“ドラマティックな出会い”があるというか……そーゆーのあるじゃん!!映画やドラマの中の話じゃなくて、まるでドラマみたいな展開って現実の旅先でも起きたりするじゃん!?そんな“現実に起こるファンタジー”ってあるよね〜、というのを再確認させられたというか、“旅あるある”だよね〜、特に少人数ないしは一人旅だとその連続じゃない??監督の実体験も元になっているらしい、旅は終わってみればそんなアクシデントも含めて“行ってよかった”と思えるからいいですよねッ!!それがたとえカツアゲされて20ドル奪わたとしてm……
ちなみに幽霊の件と“Googleルーレット”の件がサイコーでしt…て両方飛び立つ前じゃねえかよ!!(笑)あとケンジ、、、、TSUTAYAとブックオフの掛け持ち大変だなッ!!(OPで3人一緒にベッドで寝てる時は絶倫なのかと疑っちゃっt…)

自己紹介的にインタビューに答えるシーンで、特にニーナかなぁ…「“とりあえず海外行きたい”」っていうあのセリフ?あの彼女のセリフにさ、イマドキ若者の“すべて”がぎゅっと凝縮されているというか、勿論全ての若者が〜とかが言いたいのではなくて「人生の“とりあえず設計”」がチョー理解出来るっていうか、なんとなくやりたいこと“夢”とかあるけどお金ないし、一般世間的に結婚して〜の“落ち着いた”生き方はまだしたくないって言うか……嗚呼わかりみが深い(ソレいたいだけだろ!!笑)
いやこれ是非とも“シリーズ化”して欲しいわぁ〜。監督的にも既に次の構成だけはあるようなのですが。少なくとも“NY編”だけでもまた見てみたいですね〜!!ナレーションの子供との関係性も気になりますし…て何回スマホ失くすんだよ!!(笑)




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