【原題】Mortal Kombat
【監督】サイモン・マッコイド
【出演】ルイス・タン ジェシカ・マクナミー ジョシュ・ローソンほか
【あらすじ】
胸にドラゴンの形のアザがある総合格闘家のコール・ヤング(ルイス・タン)は、魔界の皇帝シャン・ツンからの刺客サブ・ゼロに狙われる。その後彼は、特殊部隊少佐のジャックス(メカッド・ブルックス)の指示で地球の守護者であるライデン(浅野忠信)の寺院を訪れる。そこで太古より続く格闘トーナメント「モータルコンバット」の存在と、自身が世界の命運を懸けて魔界の敵と戦うために選ばれた戦士だということをコールは知る。(Yahoo!映画より)
【感想】
『結論：格ゲーは“キャラ選び”が最も重要』
どーもどーも先日後ろから来た自転車の前カゴに座っていた赤ん坊に去り際に中指を立てられましたラーチャえだまめです。ファイッ！！！！
モータルコンヴァアア○%×$☆♭#▲※%△#?%◎&@□……！！！！途中から何言ってるか聞き取れないで馴染み“洋格ゲー”ファンの皆さま、たいへんおまんたせ致しましたとばかりに先日日本でもついに公開された【モータルコンバット】！！！いやー皆さんモーコンですよモーコン！！！「毛…根？byT1000」92年にアメリカで発売された大人気“残虐格闘ゲーム”、つい最近まで11作目が発売されるなど(ゲストキャラでシュワちゃんやスタローンも参戦)ナンバリングの多さからも格ゲーファンの間で今なお愛されているのが伺える日本では93年にアーケード版が発売されるもそれ以降“フェイタリティが過ぎる”空いた口が塞がらねえショッキング表現が問題視され日本では“発禁”状態……ゆえに洋ゲーファンや格ゲーファン以外にはスマブラで参戦でもしてくれない限り茶の間の知名度はあまり……と言った感じでしょうか？？ちなみに私はゲームは持っていないのですがYouTubeで映画のグロ動画ばかり見ていたらいつの間にかオヌヌメ動画にプレイ動画があってそれを見ていたくらいです(一体何を見てたんだ)
そんな日本では“モーコン”の愛称で叫ばれている本作、映画ファンの皆さま的には過去に“実写映画化”されておりそっち方が知っているよという方もいるかもしれません。95年に制作された実写版はのちに「バイオ」を撮ることになるゲーマーのポール・W・S・アンダーソン監督により映像化されその後続編も作られました。しかし映画版は“表現規制”が入り原作特有のグロ表現がカットされファンの間では賛否両論あったそうで。今作はその続編……ではなく“リヴ−ト”として改めて作られたわけなんですが最新作でようやく“R15”の規定に則って？どうやら壮大にフェイタリティしちゃってるらしいとのウワサを聞きつけ残虐表現愛好家の一人として今回劇場に参戦したのですが
ピザハットはトマトソースの量が多いようで
■ストーリーサブゼロの“キャラゲー”ならぬ「キャラエー」
おーっとOPから忍野しのびの里で撮影されたとは思えない「ハリウッドが好きな日本のそれっぽい風景」が早速登場して参りましたよ〜？山奥の村で“ハサシ・ハンゾウ”と聞き慣れない忍者は妻子と幸せに暮らしていたんですね。そこへ中国語を話す暗殺者たちが突然奇襲してきて妻子は犠牲に。ブチギレたハンゾウは変幻自在に“氷”を扱う暗殺者のボスと一戦交えるもチカラの差を見せつけられて絶命。倒れた亡骸がシュバアアッ！！と炎に包まれ消滅したあと空から雷に打たれたお遍路さんがやってきて……タイトルが出てきた瞬間我に返る
「ん？どこのジャンプ漫画ですか？」いやーもうはじめに言います「ストーリーなんてもの存在しなかったんですね。」太古の昔より異世界で流行っている神々の道楽「モータルコンバット」と呼ばれる異種格闘技戦、魔界と人間界から選ばれし“戦士”たちが臓器が飛び散るまで命の限り戦い、そして人間界の戦士が全て倒されると魔界の住人が人間界を征服することが出来るというオリンピックIOCも流石に思いつかない鬼畜ルールすぎるこの競技。人間的にはまさに“絶対に負けられない戦い”がそこにありすぎる胸アツ展開……ちなみに人間界が勝利したら魔界は頂けるという条件じゃないとフェアじゃなくないですか？
そして戦士として選ばれた人間には“ドラゴンのマーク”が肌のどこかに露出して戦闘を有利にする“何かしらの特殊能力”を授かる
どういう原理かは一切不明
手から氷を出すヤツに炎を出す者もいれば目からレーザービームに高速移動……能力は無限大の超人・魔物・クリーチャーなんでもござれなまさにキャラゲーならぬ“キャラエー”としての素質が高すぎる映画となっているんですねー。無論原作ゲームを知っている方にはストーリーもさぞわかっているだろうしゲームに登場するキャラクターたちが比較的“そのまんまのビジュアル”で再現されているらしく満足度的には高いかもしれません。いやいやゲーム知らねえしこの映画から入っても大丈夫…？とご心配されている方にもですね、ゲームを全く知らない私の個人的意見としては「ゲームを知らなくても問題ナシ」だと思いました。詳しいストーリーやキャラクターの背景などは尺の都合かワリと省かれている方でよくわかりませんでしたが、代わりに“アクション”比率が非常に高く先に言った“キャラエー”としての強みを存分に発揮していると思いました。個性的なキャラクターたちが沢山登場してしかも皆それぞれがカッコいい異能力を持ち、時にアクロバティックなバトルを繰り広げてくれる視覚的に非常に楽しめる作品なんですね。同じく一人一人はよくわからねえ、でも個性豊かなキャラが登場する「スーサイドスクワッド」みたいな映画が好きならかなりハマるのではないでしょうか？？
原作で人気のキャラクター、どんなウイルスも凍結させマスクもしっかり装備という感染対策も完璧な“サブ・ゼロ”を演じるのは「ザ・レイド」ネトフリ映画「シャドー・オブ・ナイト」のジョー・タスリム。2009年まで元インドネシアの柔道代表選手で活躍していたというバリバリにアクションが出来る俳優を起用……ほかにもキャスティング的に知名度よりアクション優先で選抜されたような俳優が起用されている気がします。
“リュー・カン”という炎の使い手を演じるルディ・リン、童顔なのに筋肉バッキバキ……リヴ−ト版「パワーレンジャー」でブラックを演じた人だったとは。ほかにも「ダークナイト」のチン・ハンはロン毛大魔王を「怒りのデスロード」のおしゃぶり大男を演じた格闘家ネイサン・ジョーンズも出演。個人的にはマックス・ハンという俳優が演じる“ピザハット”がよかったですね～。ゲーム買ったらオラこいつ使おうーっと。ちなみに劇中彼が繰り出す“奥義”は原作にも登場する超必殺技らしいのですが……グロファンには歓喜すぎますが劇中イチを誇るグロテスクシーンなので苦手な人はちょっとキツいかもしれません。
■こんな所になぜ日本人？＆1対1に持ち込んだら逆転する謎理論
お前どう見ても“悪役”の風貌だろ
世界のヒロユキ・サナダ演じる“ハサシ・ハンゾウ”またの名を「スコーピオン」！！……ハンゾウからせめてさそり座の男くらいに留めて欲しかったいやなんで急にスコーピオンて……まぁそれはそれとして、御年60歳とは思えないキレッキレのアクションを披露しているんですねー。いやー動けますねこの御方は……本当にカッコいい。おまけに60代でゴテゴテの忍者コスプレも着こなせちゃうんですから。あとコチラも原作で人気キャラだという「ライデン」を演じるのは浅野忠信さんですよ。もうずっと目が光ってんだもん流石に充電しすぎじゃね？彼は“神さま”で戦闘には参加しない(しちゃいけない)らしく主人公たちを雷のポータルで移動させるくらいにか見せ場はありません(しかもヒョロっとしているからあんまし強そうにも見え…)しかし重要なキャラクターとして堂々たる存在感。この本作における2人の役どころが中身サブゼロなアクション映画とはいえ日本人俳優がハリウッドでようやく“美味しい役”を掴めるようになったことを証明しているかのような？ご活躍でなんだか日本人として非常に嬉しくなりましたね〜。
原作を知らない人には気になりませんが本作の主人公が原作には登場しない“オリキャラ”であるというところが深堀り必須の主人公枠をオリキャラで使っちゃうなんて勿体ないなというファンもいるかもしれませんね。監督はこれまでゲームや日産の広告CMなどで活躍し本作で監督デビューのサイモン・マッコイド。“原作愛”はかなりのものだと海外で話題になっている反面、アクションシーンで繰り出される多彩な“技”自体は見応えがあるものの、カットの切り替わり方やアングルと言った“見せ方”に関しては、決して見づらくはないのですがやはり若干の“不慣れ”は歪めませんでしたね。
人間界の戦士たちが“対戦相手”を吟味した途端に形勢逆転満塁ホームランラッシュという笑っちゃうような展開は格ゲーはキャラ選びが最も重要である裏メッセージなのか？？“フェイタリティ”のシーンが魔界組しかない、もうちょっとグロくしろー！！という声もあるかもしれません。まぁ人間でやったらそれこそ18禁になっちゃうから流石に出来なかったのかな。原作ファン以外で「ストーリー？ナニソレ？」で気にならない方、ひたすらカッコいい漫画的キャラによる異種格闘戦をこの目に焼け付けたい方には？これはオヌヌメ出来るんじゃないかなー。ちなみに何度も言うようですがそれなりにグロいのでマーベル系と期待して見に行くカップルはちゃんと事前確認してから行きましょう！！(実体験)
