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マザー!(2017)


【原題】mother!

【監督】ダーレン・アロノフスキー

【出演】ジェニファー・ローレンス ハビエル・バルデム エド・ハリスほか

【あらすじ】

郊外の一軒家に暮らす一組の夫婦のもとに、ある夜、不審な訪問者が現れたことから、夫婦の穏やかな生活は一変。翌日以降も次々と謎の訪問者が現れるが、夫は招かれざる客たちを拒む素振りも見せず、受け入れていく。そんな夫の行動に妻は不安と恐怖を募らせていき、やがてエスカレートしていく訪問者たちの行動によって事件が相次ぐ。そんな中でも妊娠し、やがて出産して母親になった妻だったが、そんな彼女を想像もしない出来事が待ち受ける。




【感想(ネタバレなし)】

『密です。』






どーもどーも先日母親が観たことがないからと一緒に「ジョーカー」を観たら「意外と真面目な映画なのね」と本気でコメディ映画と思っていたことがショックでしたラーチャえだまめです。今年はコロナの影響で“月間母の日”と題し5月いっぱいまで“母の日”にしちゃおうというママさん贅沢の極み、そのまま6月の“父の日”を控える全国のお父さんもウォーミングアップし始めそうな事態でありますが皆さんは何か贈り物などしましたか?ちなみに私はまだしておりませんが



そんなプレゼント・フォーユーどころか「ギブ・ミー・母なる愛」まで要求しまくっちゃう今宵はこんな映画を拝見させて頂きました、皆さん長引く自粛生活で少なからず「ストレス」溜まっておられるのではないでしょうか、私もその一人です。しかし逆にこう考えてみるのはどうでしょう「人混みから開放される」と。たくさんの人に囲まれる事に“幸福”を覚える通称“パリピ”と呼ばれる人種の方にはこれ以上ない苦痛かもしれませんが、そうではない人には案外一人ないしは出会ったとしても家族という数人規模でのセッションに抑えるのも案外悪くないんじゃないか___そんな事に共感してくれた方にはこの映画は

















他人にズカズカ自宅に入られるこの上ない“地獄”






を感じてしまうかもしれない??ソーシャルディスタンスが騒がれる今、自宅でパーリナイする輩も少なからずおるやもしれませんが必ずしも“誰もが”そうしたいワケではございません。そう例えばパーティ大好きハビエル・バルデムと結婚した若妻ジェニファー・ローレンスもその例外ではありませんでして、いくら多少ボロくても夫婦2人暮らしにはあまりも勿体ない敷地面積を誇る豪邸だろうがある日俳優仲間のエド・ハリスがいきなり押しかけてくるなり「家、泊まってもイイですか?」のAV企画みたいな話を快く承諾したのを皮切りにミシェルファイファーにドーナル・グリーソンといった名だたる俳優陣が次から次へと自宅に押しかける事態に一体なにがドーナルグリーソンしているんだとツッコむ暇も与えぬ流石に苛立ちを覚えずにはいられない、今日はそんな「他人にズカズカ自宅に入られる」ことこそが、アナタが思う以上に「ク◯ほど腹立たしい」ことだということを痛感する2時間、【マザー!】をご紹介したいのでありますが



監督は「レクイエム・フォー・ドリーム」、ナタリー・ポートマンが主演女優賞を受賞した「ブラック・スワン」などで知られるまだまだ映画館にはだーれもいないよフスキーことダーレン・アロノフスキー。なんとなく“難解”な作風が多いアロノフスキーの新作ということで前田前田から気になってはいたのではありますが今作“も”また難解といいますか、なんでも2017年公開当時にアメリカで一部のサイドからコテンパンに叩かれまくった“賛否両論”映画として名だたる功績を残したそうな、かくいう私も「まぁそーだろうね。」という感想では合意してしまったのですがそれは少し置いといて____



ぶっちゃけよくわからなくても先に言った「他人に自宅を荒らされる“ホラー映画”」としてチョー単調な思想でも見れなくはないのが唯一の救い、と言ったところでしょうか……



この映画とにかく観ていて「不快」です。夫の大事な“クリスタル”を破壊するわ図々しくも人様の洗濯機を使うわ中に入った洗濯物を勝手に地面にぶちまけるくらいにはやる事なす事ク◯過ぎるけど御年62歳とは到底思えぬ色気ムンムンなミシェル・ファイファーはギリギリ許せるとして見ず知らずの故人の告別式の会場になるわ作業途中の壁のペンキ塗りを勝手にやられるわ寝室でイチャツカれるわ……そして皆必ず口を揃えて言うのは


















「え、ダメなの?」
















ダメに決まってるだろがク◯がああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!








というマインドの叫びも届かず??どんどこどん家に押し寄せる「人」。でもそもそも何故人が集まってくるのでしょうか??「作詩に刺激が欲しい」とか何ほざいてんだよと言いたくなる旦那も何故彼らをそうヤスヤスと自宅に招き入れるのか??それが「最大の謎」なんでございまして、他にも「?」となるようなものがチラホラ垣間見れる……そもそもずっと家の中の日々を描いているのに生活感、現実味が一切ない。これは一体どういう意味なのか??現実なのか“非”現実なのかわからなくなる“トリップ”体験、不思議ですねー。カメラはほぼずっとジェニファー・ローレンスを正面だけで基本的に“彼女の視点”で描かれ、後半になるにつれ倍増する人の波に一歩間違えればドリフのコントになってしまう所を状況がまるで掴めず混乱する彼女と同じ“感覚”に我々視聴者もなってしまうのだから余計に不愉快な気分に浸れる。



しかもこの映画日本では“公開中止”となった代物で確か18禁とかだったような…(間違ってたらすいません)それもずっと気になっていたんですよね(不順な動機200%)








【感想(ネタバレ)】






とか思ったら……ふ〜ん、「で?」っていう!?これまた最後まで一切“説明のない”映画で終わってしまいましたねぇ…。いや説明する気がない、といったところでしょうか。これには各レビューサイトでも様々な憶測が飛んでおりまして“キリスト教への強烈な皮肉”だとか最初にやってきたエド・ハリスとミシェル・ファイファーが“アダムとイブ”だとか色々あったんですけども……個人的にはかなり「不親切」な映画だなと、予備知識無しには到底理解出来ない映画というのは私はあまり好きくないですね。世に蔓延る“難解”映画には2パターンあると思っていて、作者の伝えたいメッセージを“映画”という媒体で沢山の人に知ってもらう、“伝えよう”とする我々視聴者にギブするタイプと、作者自身があとで自分で見返してみて“伝われば”いいとする映画。それは“一般的映画”とは呼べず、ある意味では全て己の“自己満”のみで完結させている、いわば自分でネットから異性の画像を引っ張りだしてそれを自分好みで編集してオナニーするような話……ごめんない全然違いました



ファンの“こうありたい”を描く「二次創作」の方がまだ優しいですよ?結局ハビエル・バルデムの存在自体最後まで不明だし、まぁ彼が魔術師か死神だったとしましょう、彼は“人間の愛”にいつまでも固執し、そしていつまでも満たされていたい、彼がずっと詩を書けなかったのはそんな人からの愛が足りなかったから。そしてそれはジェニファー・ローレンス演じる“妻の愛”だけでも足りなかったんですね。だからどんどん人を呼びわけです。“絶対に自分を愛してくれる”人だけを。でもいくら呼んでも愛は足らず、それどころか愛を呼び込み過ぎて彼自身でも抑えることが出来ないほど制御不能に陥る愛。そして妻の生んだ“赤子を食べられる”という最悪の結末を迎えます(これが公開中止になった所以でしょう)



当然怒り狂う妻。その“怒り”はとてつもないパワーを生み出し、最終的に自らも犠牲にして火に油をかけ自宅を爆破。では全てを無にするほどのパワーの根源は一体なにか?それは紛れもない“母の愛”ではないでしょうか?タイトルの「マザー!」とはまさにこの事すなわち「母の愛は偉大である」という意味だと私は解釈しました。夫が詩を書けるようになったのも妻が妊娠して“母”になってからですし、夫が一番欲していたのは“妻としての愛”ではなく、“母としての愛”だったのでは??



しかし妻に「子どもを抱かせてくれ」と執拗に迫る夫に対し妻は拒絶します。何故抱かしてくれないのか?それは母の愛は夫に向けられるものではないからです。子どもが産まれた瞬間、妻の愛の対象は夫から子どもへと変わってしまう。しかしそれに夫は気づけない。そして「アナタに愛を捧げるわ…」妻の最期の言葉。これは子どもを失い再び愛の対象が夫へと変わったことを表し、微笑む夫。そしてまた悲劇は繰り返されるのです。この夫→妻→子どもの交わらない“愛”。まるで家族間を皮肉っているようにも思えてしまいますね。以上が私の個人的な見解であります。他にも違った意見、見方はあるかもしれません。少なくともルカ・グァダニーノの「サスペリア」が受け付けない人にはかなり難色を示すかもしれない、そんな映画です…。





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