マニアック・コップ(1988)
- ラーチャえだまめ
- 2020年4月3日
- 読了時間: 5分

【原題】Maniac Cop
【監督】ウィリアム・ラスティグ
【出演】ロバート・ツダール ブルース・キャンベル ローレン・ランドンほか
【あらすじ】
突如、ニューヨークに出現した警官の姿をした殺人鬼は次々と人を襲い、血祭りに上げていく。濡れ衣をかけられ事件の容疑者となった警官は必死に調査を続け、かつて刑務所に入れられ囚人たちから半殺しにされたひとりの警官の名に行きあたる……。(Yahoo!映画より)
【感想(ネタバレなし)】

『目の付け所がマニアック過ぎる件』
どーもどーも犬のケツの匂いを嗅ぐのが趣味ですラーチャえだまめです。今日紹介する映画は_??
ブログを初めて早2年、ふと気がつけば今年の「未体験ゾーン」を皮切りに最近B級C級Z級ゲテモノレベルのタイトルばかりが並ぶようになり個人的にゾッとしておりますが特にそれが“マニアックなホラー”となるとこれがどーしても見過ごすわけにはいかないのです。こればっかりはもう止められないのでありますこれまで数々の映画を視聴して参りました

これは酷い
左の明らかに異物と化した愛すべきネズミーアトラクションを題材にした「カントリーベア」が1本だけ浮いてるよおおおお!!!!……え奥さん「“喋る人型クマ”が楽器を演奏するB級クリーチャー」映画の見間違いでは?……ということで本日はこれまた何の因果か中古で買ったのにその棚に置型ファブリーズならぬ“置型マニアック”と化していた大変“マニアック”な映画をご紹介したいのです、言いたいことはもうお分かりですね?そう【マニアック・コップ】をね!!!
……早くも言いたいことが言えたのでこれにてポイズn、、、、、なワケッ!!(・∀・)80年台ホラーブームに爆誕しこれまでシリーズ3作まで作られた知る人ぞ知る?小学校の授業でも習えるレベルのタイトルのそのまんま過ぎて東超えて西“マニアック(狂った)なコップ(警官)が人を襲う”という!?この見る前からドB級級臭がぷんすかぷんしておりますコチラのホラー映画、ライアン・ゴズリングに「喋れよ!!」のツッコミを入れずにはいられない【ドライヴ】や【ネオンデーモン】などで知られる鬼才ニコラス・ウィンディング・レフン
監督によって近年ドラマリメイクされTV公開も秒読み開始状態に入っていると言うのです!?

ええ…こんなドB級ホラーをレフン監督がァ・・・?などと見てもいないのに目の付け所がシャープ過ぎて屈折して鋭角と言いたいところがどっこい翔一蓋を開けてみたらギンギラギンになんとなく「レフン監督好みの題材ではないか?」などと勝手に思えてしまうほどにただのB映画級ホラーかと思いきや“ホラーよりサスペンス寄り”のタイトルからは想像もつかない“意表を突いた展開”で魅せてくる映画、だったんですねー。
身長180cm超えの大柄のポリスメンに「お巡りさん〜お巡りさん〜お腰につけた警棒でぇ〜一つ暴漢殴ってさ♫」と助けを呼んだら逆に首をヘシ折られる事件が発生。一人の刑事が事件を追いますが警察署の上のお偉いさん共はなかなか捜査に動いてくれません。「市民の命を守る警官が逆に市民の命を狩る」という警察内部と市民の“警察に対する信用”を根底から揺るがしかねない、あまりに大胆不敵で悪質な事件をマスコミに広められるのを恐れたからなんですねー。ねぇーどこの国にもいるんですねー。でチンタラしているうちに第2、第3の被害者が出てきて……これ公開当時どんな宣伝されてかはわかりませんが前半で「結構騙される方が多いのではないか?」警察だけではなく我々視聴者も“ミスリード”させようと企む連続殺人鬼がが意外と賢い野郎だったわけなんですね。

しかし「ヒロインばかり活躍して全然役に立たない〜」のホラー映画あるあるの代名詞“渋いおっさん刑事”が、今作では殺人鬼に負けず劣らずな推理力を発揮。“先読みの力”であれよあれよと“真犯人”を特定して次に犯人がどんな手を打ってくるのか、まで推理する抜群に“使える”デカという、そんな殺人鬼と刑事の推理戦みたいなものが実はメインデッシュなのではないか?とも思えてくるのです。また「死霊のはらわた」シリーズの“Mrチェーンソー”ことブルース・キャンベルが今流行の不倫男として登場。やたらキーキー叫び声がちょっとウザいバービー人形みたいなローレン・ランドンの余裕でアウトな私服警官姿も見ものですが…。
DVDのコメンタリーでマニアックコップは殺人鬼でありながら巷の現役警官からは“ヒーロー”呼ばわりされているらしい?彼を見るとストレス発散になる(そりゃ溜まってるんだろうけど)確かに彼はある“復讐に燃える殺人鬼”として、その為には無差別殺人も厭わないマニアックさを持ちつつも“警察組織に裏切られた”という哀しき過去が観るものに同情心を抱かせ、そしてたとえそれが国の最高行政機関であろうとウラのウラまで“腐りきった組織に復讐する”姿が現役警官にはどうやらスカッとするらしいのですよ。あーなんとなく前回の「華麗なる覚醒」しかり“アンチヒーロー”っぽい所があるかもしれませんね。

監督はリメイク版はイライジャ・ウッドのイライラが止まらなかった「マニアック」のウィリアム・ラスティグ……よほどのマニアック好きかよ!?でも確かにその「マニアック」に出て来るサイコパスも幼いころに母親の家庭内暴力が原因でマネキンに取り憑かれた変態野郎になっちゃうお話で、“狂者も元は我々と同じ人間だった”という衝撃、そして哀しき過去を背負う“一人の人間”として描いている所が今作と非情に通じる所があるというか、妙に親近感湧くんだよな〜。
その辺りをレフン監督が描くとどうなるんでしょうかね〜さらに悲劇的な作品になりそうな予感も致しますが(レフン監督曰く一応“エンタメ寄り”らしいが俺は信用しない笑)
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