21ブリッジ(2019)
- ラーチャえだまめ

- 2021年4月18日
- 読了時間: 7分

【原題】21 Bridges
【監督】ブライアン・カーク
【出演】チャドウィック・ボーズマン シエナ・ミラー ステファン・ジェームスほか
【あらすじ】
マンハッタン島で、8人の警察官が殺害される事件が発生する。かつて警察官だった父親を殺害されたデイビス刑事(チャドウィック・ボーズマン)は、全面封鎖されたマンハッタンで調べを進めていくうちに、思いがけない事件の真実にぶち当たる。窮地に立たされた彼は、たった1人で事件の背後に隠されたニューヨークの闇と向き合うことになる。(Yahoo!映画より)
【感想】

『21コもブリッジ封鎖出来ましぇ〜ん!?』
どーもどーも学生時代に学校の門の前の交差点で夜中友達とバトミントンをして警察に補導されましたラーチャえだまめです。早速ですが本日はコチラの映画を拝見させて頂きました
【21ブリッジ】!!!いやー“THEクライムサスペンス”映画でございまするかぁ…去年8月に43才という若さでこの世を去ったチャドウィック・ボーズマン“最後の主演作”として日本でも大々的に宣伝されているコチラの作品、気になっている方も多いのではないでしょうか??かくいう私も闘病生活を送りながら最後の最後まで俳優として第一線で活躍したボーズマンの栄光を、スクリーンで目に焼き付けたいという想いで本作に惹かれ映画館に馳せ参じたワケでありますが____

今作では主演のほか制作としても名を連ねているボーズマン✕「エンドゲーム」でアントマンが食べようとしたタコスを強風で吹き飛ばした罪に問われている「アベンジャーズ」シリーズを完結へと導いたアンソニー&ジョー・ルッソ兄弟も制作に参加……という全くカンケーないのになんとなく背後に“赤いロゴ”が見え隠れしそうな、そんな「ブラックパンサーの中の人最新作」「アベンジャーズの監督最新作」となれば?普段あまり映画を観ないライト層にも、今作は非常に注目の的になっているかもしれません。
でもって本作はそんなライトな客層をむしろメインターゲットに据えているのか?とある強盗が30トンと300トンを聞き間違えて予想を超える大量のコカインを強奪し警察官7人を銃殺するという大胆不敵な大事件が勃発した真夜中のNYはマンハッタン島を?ZIPの放送開始まで……あいや朝方5時まで「完全封鎖」して強盗を捕まえちゃおうという!?これまた大胆不敵かつ単純明快な作戦に打って出た警察官たちの熱き死闘を描いた「クライムサスペンス入門編」として??あまりハードルを高く設定せずとも楽しめるエンタメ映画、だったんですねー。
■チャドウィック・ボーズマンが走る!!&徹底リサーチした“リアリティ”への追求
ボーズマン演じるのはニューヨーク市警殺人課に所属するアンドレというデカであります。幼い頃に同じく警察官だった父を犯人に殺され、さらに“警察官殺しの犯人”を射殺した過去からポリ公の間では英雄視され凄腕のデカとして認知されるように。しかし本人的にはそれをあまり良く思っていないようで?現在独身貴族まっしぐら、今日もクスリをいつ飲んだか定かではない母の看病をしながら仕事に明け暮れる日々を送っていた彼に突如入ってきた1本の無線。深夜のワイナリーに押し入った2人組のマスク姿の男が現場に駆けつけた85分署の警察官たちと激しい銃撃戦を繰り広げ警察官を全滅した後逃走を図ったという…?実はそのワイナリーは大量のコカインの隠し場所で2人はそれを強奪したのだった。アンドレは警察官を全滅させるだけの銃の使い手であるプロの犯行だと確信し、逃走車を何度も乗り換え捜査の撹乱を狙う彼らをマンハッタンの街の外からなんとしても出すわけにはいかん!!とマンハッタン島にある“24の橋”をすべて完全封鎖する計画を思いつくのであります。こうしてマンハッタンを巻き込んだ大捜査線の幕が上がってしまうわけなんでありますが

まず特筆すべきはアンソニー&ジョー・ルッソ兄弟の18番「ウィンターソルジャー」「タイラーレイク」でも見せた“カメラワーク✕アクション”の匠な技が本作でもこれまた遺憾なく発揮している所でしょうか!?犯人と警察との壮絶な追撃戦が行われちゃうんですよね。この兄弟は元々この手の犯罪ものが好きなのでしょうか「ウィンターソルジャー」でも充分クライムサスペンス風に仕上げておりましたが「エンドゲーム」後はこういった作品をメインにお作りになるのかしらー?刑事モノと言えばやはり「走る」シーンがなきゃ刑事モノじゃねえ!!…という恭兵柴田スタイルの走りを極めた方にも朗報な本作でボーズマンは犯人と壮絶な追いかけっ子を披露しているんですが、えコレ闘病中ですよね?この頃だいぶ痩せ気味だったんじゃなかろうか、しかし闘病を全く感じさせないこの動き。いやスゴ過ぎる。なんかもう、俳優としての意地みたいなのを感じちゃいました。この時だいぶ無理していたんだろうけど。病気に負けてたまるかっていう意地?本当に偉大なスターだったんだなぁ、と死去したあともこうやって彼の俳優としての凄さをマジマジと見せつけられてしまうから余計に悲しい。
そんな激しいアクションに加えボーズマンは本作をフィクションに見えすぎるを避け、あくまで“リアル刑事もの”にしたいという思惑があったそうで?NY市全面協力の元、実際のマンハッタンの街でアクションシーンを撮ることにこだわり、退職した元警察官から銃の持ち方から歩き方、実際の走査線がはられた場合どう動くのかなども徹底的にリサーチし忠実に再現しているんですよね。そんなリアルな世界観も本作の魅力かもしれません(マンハッタンの空撮シーンがやたらあって観光気分さえ味わえるかも?)
■脇を固める超豪華キャスト&腐敗した社会に“正義の鉄槌”を下すボースマンのカッコよさ
85分署の所長にH・I・J・K・シモンズを筆頭に?アンドレの相棒はE・F「G.I.ジョー」のシエナ・ミラー、さらに逃走した2人組は「ビール・ストリートの恋人たち」であんなにいい人だったステファン・ジェームスにMrブリトーことテイラー・キッシュ?ほかにもグラサン掛けない派のキース・デイヴィッドという!?いやいや主演の脇を固めるなんと豪華絢爛な出演者の数々〜♫じゃあないですかい?

アンドレの敵は犯人だけではなく同業者も?仲間を殺され犯人に激しい怒りのあまり暴走する85分署の警察官たち。気持ちはわかるんですが、なんでもかんでもすぐそうやって“ぶっ放したくなる”現代アメリカンポリ公へのアンチテーゼなのか?反対に「曲がったことが大嫌い〜♫」なまさに絵に書いたような“THE刑事”といった真面目な性格のアンドレですが「己の復讐心で犯人を殺さない」をモットーにしており、アベンジャーズ時代に緑の巨人から教わったのでしょうかほかの連中とは違い怒りに任せた行動は控え、たとえかつてのアカデミーで共に汗水垂らした仲間を殺した犯人だとしても中立的な態度で犯人から“事件の真相”を掴もうとする、優秀すぎるキャラクターを主人公にすることでそれを浮き彫りにしているかのよう。そして本作が

「ジャスティス」とは何か
腐敗した社会を描いた「お金は何かと大事だよ〜」を痛感させられてしまう??そんな映画でもあるんですねー。これ以上はネタバレになるので言えませんが、そんな濃くなりそうな内容を見応えあるアクションやカメラアングルのスタイリッシュな映像で全体的に「見やすく」した感じ、と言ったら聞こえが良さそうですが悪く言えば全体的に横に伸ばして“薄く”したような?単純な作品か難しい作品かで好みが別れそうな映画かもしれません。
アクションはいいのですがどうしてもソレ以外の要素の「物足りなさ」を感じてしまいます。先ほどあげた豪華なキャストが演じるキャラクターたちも、作中上手く作用していたかと正直なところどれも薄味なような気が。本作が作品の内容よりもTVでもバンバンそうやって宣伝しているから余計になのかもしれませんが、ボーズマンの「遺作」としての意味合いの方が強いんですよね。この「作品の内容よりも」が果たして良いものなのかどうか非常に迷いどころなのです。もし主演が亡くなったボーズマンじゃなかったら?本作の評価はもっと平凡なものになっていたかもしれません。主演と制作陣の話題性だけが先行して内容自体はぶっちゃけそこまで……あまり過度な期待はしないほうが得、と言ったところでしょうか…。
PS:私事ですが今週からちょっと忙しくなる予定で、これまでのような頻度でブログが更新出来なくなります。更新自体は時間が取れ次第行っていきますので、今後とも宜しくお願いします!!




コメント