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視える(2024)

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【原題】Oddity

【監督】ダミアン・マッカーシー

【出演】グウィリム・リー キャロリン・ブラッケン タイグ・マーフィーほか

【あらすじ】

ある夜、郊外の屋敷で女性ダニーが惨殺される。容疑者は現場に現れた精神科病院の患者とされたが、事件は多くの謎を残したまま幕を閉じた。1年後、ダニーの双子の妹で盲目の霊能力者ダーシーは、不気味な木製マネキンを携えて、ダニーが殺された屋敷を訪れる。そこには、ダニーの元夫テッドと、その恋人ヤナが暮らしていた。ダーシーは姉の死の真相を探ろうとするが、そんな彼女を待ち受けていたのは、思いもよらぬ真実と恐怖だった。(映画.COMより)




【感想(ネタバレなし)】
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『穴があったら突っ込みたい。』





どーもどーもラーチャえだまめです。最近メガネを買い替えましてねー、いやーこれはまためちゃくちゃよく


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【視える】……!!!ハズキルーペの回し者じゃないですよ?(いやそっちじゃない?)個人的に楽しみにしていたホラー映画がいよいよ日本凱旋。もうそろそろガチで“Shudder”日本でも観れるようにしてくれぇ〜!!(泣)米のホラー映画専門サブスク、日本では小分けにして劇場公開されるものもありますが(最近だと復活した「V/H/S」シリーズとか)本作もそこで配信中の映画でホラー映画ファンの間で密かに話題になっておりました。この何を隠そう木製の“ハリウッドザコシショウの「ヴァアアアアアア!!!」顔の人形”のインパクト!!これ作ったヤツ趣味悪すぎんだろ!!ヤラせすぎる顔面凶器、しかし見方によっては“勢いよくうがいするオッサン”にも見えなくも……そんな人形パニックホラーなのかな、と思っていたけどこれが全然「思ってたのと違う」不思議な映画だったんですねー。








例えるならアリ・アスターの「ヘレディタリー」「ミッドサマー」のような北欧風+まさかの「Jホラー」をぶっ込んできた的な?オカルト要素もありながら根底は“ヒトコワ”なホラー映画でした!!



今作はストーリーはあまり調べずに見た方が絶対にいい。中盤までどう転ぶか“視えない”ストーリーとミステリアスな雰囲気を堪能して頂きたい。監督はアイルランドの超新星ダミアン・マッカーシー。長編2作目にして本作でトマトメーター96フレッシュを獲得、各メディアからも今注目されている監督らしいのですが?いや先ほどの独特な世界観といい恐怖演出の「質が高い」。我々観客の視線を操るのがうまくて「イヤでも視線を向けさせる」意図した場所に目を向けさせるタイミングがもう計算されつくされていて、ジャンプスケアも使ってはいるけども、すこぶる丁寧にネチネチと嫌な雰囲気を醸し出す。そして誰もいないのにまるでそこに誰かが立っているように“視せる”、“視せない”恐怖演出はまさにJホラーを彷彿とさせる。舞台となる石と木造の家のジメジメ感なんて完全にJホラーのそれだし(ちなみに家の空間表現はポン・ジュノの「パラサイト」を参考にしたとか)その家で最愛の妻が殺されたってのにそのまま住み続けるダンナもダンナだが突然人ん家に気色悪い人形送りつける妻の妹も妹だよぉー!!


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少しあらすじの触りだけお話しますが“全盲”の“ダーシー”はアイルランドで死霊館を営み実害ありまくりな呪物たちに触れることで目が視えなくてもその持ち主の感情や魂を“視る”ことができるって!?ダーシーは人形とその超能力で殺された姉“ダニー”の真相を解いていく。主役なのに彼女もまた人形と同様に怪しくてなんだか信用出来ない存在なのが、先が読めないストーリーと相まって次に何を仕出かすかわからない、そんな怖さを秘めているキャラクターで面白かったです。



そんな「双子」のダニー&ダーシーを演じたキャロリン・ブラッケンは過去に福祉の仕事に関わった経験があり視覚障害者との交流もあったようで。だからなのか彼女の演じる全盲のダーシーの演技がとても自然な感じがして。私自身視覚障害者の知識は浅いですが、たとえば必要以上に杖を持たなかったり自宅など知っている場所でフラフラと手で探る……なんてことはしない。全盲のなんとなくのイメージで作っていないというか、理解しているからこそ説得力があった。ほかにも片目が義眼の人物も演じる俳優が本当に義眼で役に自身の特徴を活かして演じていたり俳優の経歴もなかなか興味深かったですね。



で個人的に最後の最後まで普通にガチホラーだと思いながら見ていたんですが、エンドロールに入るラストで「おま、それは流石に…」オズグッド・パーキンスの「ザ・モンキー」にも似た、いやこれ以外とブラックコメディ要素あるよな?と思ったら監督インタビューでも狙ってコメディ要素を含んでいるということで。いやそれでもしっかり怖いところは怖いしストーリーも笑えないんですけどね!?人形も見ようによって恐ろしくもおかしくも目に映る、その絶妙なラインでやってるのも上手いなと。


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途中からなんとなく事件の真相がわかってくるのに多少引っ張りすぎなところや、人形もぶっちゃけ最初のインパクトだけで出オチ感はあるもののインディーズながら硬派なミステリーホラーとして「視っけもん」感で満足度は高かったです!!



ちなみに日本配給会社がかなりチカラを入れているようで、だいたい原題“Oddity”(奇妙・異形)を拡大翻訳な日本タイトルでしかも視の見から目玉が覗いてる細かなディテールの日本オリジナルポスターをしかも複数用意するこだわりよう。そして一番驚いたのが



劇場用パンフレットが5、500円!?物価高でチケット代すらバカにならないこの時代に!?あえて値段を極限まで落とした(なのに中身は監督インタビューやキャスト等知りたい情報がズラリ)思わず買っちゃったもんなー。鑑賞後少しでも気になった方は購入を強くオヌヌメします!!



すでに次なる長編3作目の脚本に取りかかっているらしいダミアン・マッカーシー……その名前、近いうちまたどこかの劇場で、この目で「視る」かもしれません…。

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