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バケモノ(2023)

  • 5月3日
  • 読了時間: 6分

【原題】Bakemono

【監督】ダグ・ルース

【出演】入江崇史 夏目ユリカ 川上マリリンほか

【あらすじ】

東京の片隅にある、一泊数千円の安民泊。サラリーマンや学生、外国人教師など、さまざまな事情を抱えたゲストたちが、入れ替わり立ち替わりこの部屋を訪れる。彼らはそれぞれの時間軸の中で不可解な出来事に直面し、やがて断片的に描かれていた出来事がひとつの恐怖へと収束していく。(映画.COMより)








【感想(ネタバレなし)】

『高円寺からの「マジックリンX」』





どーも社会のバケモノです。ばばばばばばば



【バケモノ】!!??一般化物法人「物体を愛でる会」の皆さま大変おまんたせ致しました。これまたとんでもクライシスなグチョグチョブフぇぇぇ〜!!な「自主規制18禁」の正真正銘「バケモノ」映画が!?日本凱旋でございます。しかも本作は「クリーチャーにCG?舐めとんのかワレ」と美意識過剰な無添加クリーチャーヲタの大好物、全編「CGなし」のフルスロットル「物理的特撮」による撮影……これだけでも観に行く価値がオオアリクイでチューチューしちゃうぜぇぇ〜!?



……そんな特撮クリーチャー愛に満ち満ち溢れたゲテモノが、何をトチ狂ったか東京杉並の若者と古着の街「高円寺」に爆誕させるという「聖☆おにいさん」臭が凄い親日からの物体Xなんでありますが……(汗)5月1日からモノ好きシネマート新宿で「1週間限定」上映されるという、まさにゴールデンすぎるウィークに!?先日初回参戦せざるを得ず……。なお劇場に入るなり撮影に使用された「バケモノ」マスクの展示の横で何やら監督っぽいお人が自ら本作のBlu-rayを手渡し販売しているではないか…!?本作はインディーズのさらにインディーズの超絶アングラ低予算映画みたいですが、開始前から観客との距離が近い、なんとも「アナログ」感たっぷり……なのは本編もまさにそうでして










見ろやこのバケモノー!!グッチョグッチョやぞ!!グッチョグッチョやぞ!!ゾッックゾクするやろ……!?









監督は日本来訪8年目のアメリカ人ダグ・ルース。本作では監督のほか脚本・撮影・編集・音楽・特殊効果のすべてを、たった一人で手掛けるという!?とんだドM野郎の彼が、そもそも何故日本という異国の地でクリーチャー映画を撮ろうと思い立ったのかしら?と購入したパンフレットを読むにもともと日本のアニメや漫画が好きで日本に興味を持ち、いつか日本で映画を撮りたいと思っていたそうなのですが、日本のある製作会社に打診したら「日本で安価なインディーズ映画は撮れない」と一刀両断。だったら逆にやってやろうと、そんな反骨精神から生まれたのが本作ということらしいんですねー。そんなルース監督が一番こだわったのはナニを隠そう「日本産エログロクリーチャー」。今や絶版で(Youtubeに転がっているを観た程度だが)日本エログロ特撮を語る上で必須科目な「GUZOO」や「キクロプス」等、SFエログロVシネを「国宝」と敬愛するルース監督の「和製特撮」への愛。これがもう爆発しておりまして



先述したCGを一切使わず粘土と赤いゼラチン、そして“世界のダイソー”恐るべし!?低予算の枠内で納める上で100均商品をも応用して製作。バケモノは人型ながら無数に伸びる触手に種のようなものまで産む“クトゥルフ”系。ちなみにスーツアクターはルース監督の奥さんで叫びはしない(そのほうが不気味とのこと)ショボいCGで安っぽくなるなら“実物”のほうが数段リアルでクオリティが高いのは周知の事実。本作はまさにそのお手本のような、低予算でも一切妥協しない不純物(CG)なしの“お手製バケモノ”が拝めてしまう。まぁ本作を自発的にご鑑賞された方の大半は熱烈なクリーチャー愛好家というとんでもなく狭い層かとは思いますが、そんな方々にバケモノのクオリティ“は”申し分ないと言ってよいでしょう!!



また出し惜しみしない「ヴァイオレンス」描写もかなり頑張っていて、レバー、砂肝、やげん軟骨、手羽中、、、、焼き鳥で例えれば美味しそうだが残念ながらゼラチンたっぷりの人間の部位という設定で見た目の気持ち悪さと生臭さまで画面から感じることが出来る“処理後”の残物のほか、血みどろの“捕食”シーンや惨殺シーンも気合が入っていて大変喜ばしい限り。皆さんはフォークで目玉をえぐられた経験ありますか?



そんなわけでオレはただ実写でエロ!グロ!!クリーチャー!!!を撮りたいだけなんだよぉー!!という「半分自主製作」のような映画。という捉え方を「大前提」として!?持っていただく必要があります。はっきり言って全体的な「映画のクオリティは低い」です。画面は真っ暗で半分以上判別不能(せっかくバケモノマスクを4種類くらい製作しているのにそれが判別できない)だし、音声が悪すぎて「七人の侍」かよってくらい出演者のセリフは聞き取りづらいし、本編101分の70分くらいは余裕でカットできるほど無駄も多い。あと前後時系列をグチャグチャにした“なんちゃってノーラン節”×登場人物の多さ、これを雑にやってるからストーリーがかなり難解の極みで、「実は画面に映る◯◯が時系列を読み解くカギで〜」……いやいやまず“それ以前”に真っ暗で何も見えんのよ……(汗)



ただ「面白いor面白くない」の単純批評には個人的にちょっと愛着が邪魔をするというか、「努力は買いたい」そんな気持ちにさせられてしまう。ルース監督がたった一人で何役もジョブをこなし流石にキャパオーバーしている気がして。逆にもう少し、例えばバケモノのエフェクトだけでもスタッフ増員して後ろで何人かのスタッフが手足を動かしてくれたら?ちゃんと撮影監督を雇ってその道のプロにカメラを託していたら?とかもう少し予算があれば、かなりいい出来に仕上がったのではないかと思えてしまう勿体なさ。そう思わせられるだけの作り手の「愛情」は、確実に画面上に育まれているのがわかるからで。



それにこのバケモノの正体も明確にはわからずじまいなのだが、ルース監督が日本に来て感じた、日本独自の「負の要素」の象徴として捉えているのもまた斬新で。日本が抱える社会の闇、混沌さ、居心地の悪さ……それは決して日本に来た観光客目線ではなく、日本という土地に実際に移り住み、日本の空気を吸い、日本の文化に触れて生きている……上での日本人にはない肌感覚を持つ“外国人から見たJAPAN”、という切り口で描かれるのも、日本人からすればあまりに身に染みすぎて気づかない要素で逆に新鮮味を感じる。さらに「民泊」という設定にも他とは違う独自性があって、ホテルより生活感がある「仮宿」、直前まで全く知らない人が住んでいた、その人の生活の臭いの名残がホテルよりこびりついているような(清掃が行き届いてないとかじゃないぞ)独特な世界というか。バケモノが出る前から宿泊者は既にその民泊の“呪い”にかかるなんて、Jホラーの代表格“家ホラー”の「呪怨」を彷彿とさせるし。いやーな気持ち悪さと、そこを“巣”とするバケモノは唯一無二の組み合わせだなと。



上映終了後のトークイベントで先述したルース監督のほか出演者たちが続々壇上に……あれこの人さっき売店の前にいた人じゃん?座席の斜め前に座ってた人だったんか…!?出演者たちも実は観客と距離が近かったことにビックリ(帰りのエレベーター前でも逆出待ちして下さいました)既に新作2本が発表予定の(うち1本はまた日本で撮影されたものらしい)これから日本でインディーズの特撮エログロクリーチャー映画を量産する予定のダグ・ルース監督を、ぜひとも応援せざるを得ませんね〜!

 
 
 

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