top of page

V/H/S 85(2023)


ree

【原題】V/H/S 85

【監督】マイク・P・ネルソン ジジ・ソール・ゲレロ ナターシャ・ケルマーニ ほか

【出演】イーヴィー・ベア ジジ・ソール・ゲレロ ジェームズ・ランソンほか

【あらすじ】

1985年、ビデオテープ全盛の時代。あらゆる形状に変身できる謎の生物の正体を明らかにするための実験が、秘密裏に行われていた。その記録に連なるように、殺人ファミリー、邪神の復活、サイバー空間に潜む悪魔、死を予知する青年など、人知を超えた映像が次々と映し出されていく。日本では2025年11月に劇場初公開。(映画.COMより)





【感想(ネタバレなし)】
ree

『つまりこういうこと。』





どーもどーもブラックフライデーでBOSEスピーカーを買ったもののクソデカ重低音すぎて賃貸だから断念しましたラーチャえだまめです。早速ですが本日もコチラの映画を拝見させていただきました



【V/H/S 85】ぉぉぉぉー!!!ついに「VHS」マラソンも最終レーンに突入してしまいましたとさぁ!?なんとか年内に完走ありがとうございマース。…とは言え正直前作「99」が個人的にヤヤウケで煮え切らなくて、続くマンネリ化した「85」かとハードルを下げたのが良かったのか、いや立て直したねぇー!!個人的に「ビヨンド」の次に面白かったです!!相変わらず「ソウハナラヘンヤロ。」ありえ値ぇー展開は御愛嬌、今回は娯楽ホラー全盛期の“85年”……のエフェクトもそこまで感じませんが、今作もかなり“カルト”度が高くて楽しませて頂きました〜。


ree

にもかかわらず前作の反省も踏まえてか?これまで良くも悪くも若手クリエイターを中心に揃えていた布陣を、今回はあの現在新作も公開中名匠スコット・デリクソンやこれまで「VHS」シリーズを牽引してきたエリック・ブルックナーといった既にハリウッドで存分に腕を触れる料理長の導入、さらにジャンルもSFや魔術等一つに固定せず“手広く”やった結果かなり“手堅く”成立させた感!?安定感。これ大事ですよ〜。純粋に楽しめる1本となっております。



1本目は若者✕湖+殺人鬼=デス!!の方程式に則った70〜80年代お得意のホラー…かと思いきや、実は“予想外”の方向に舵を取る先の読めない展開、かつこれまでのシリーズの“ルール”からも逸脱した新しい試みが非常に面白い。初見で最も“戸惑う”そんな作品かもしれません!!キャンピングカーに乗ってどこぞの無人森林公園にやってきたナウい御一行。ただの楽しいおバカンス記録映像になるはずが突然地獄に突き落とされる。この日常から“非”日常に変わる瞬間がファウンド・フッテージの醍醐味といいますか被害者には同情しますがワクワク感が止まらない。監督はリメイク版「クライモリ」マイク・P・ネルソン。舞台や不条理な展開が“「クライモリ」イズム”を継承している??



2本目はスペイン人監督で俳優としても活躍するジジ・ソール・ゲレロによる85年にスペインで実際に起こった大地震を元ネタにした(こんなドB級映画で不謹慎極まりないが)スペインのSCチャンネル?TV局を突如襲った大地震。天井も崩落したスタジオで唯一生き残ったキャラメランと救助部隊が崩壊寸前のビルから地上へ脱出を試みますが……


ree

何度も起こる余震で全員パニックになりながらもキャメラマンが向けるそのカメラには、悲惨なビル内部だけでなく崩壊したビルや黒い煙、空を飛ぶ複数のヘリコプター等、被災した“外”の情報も映し出しより緊迫感を煽る(ちなみに制作スタッフの中に実際に被災した人もいるらしい)正直ただのディザスターパニックだけで勝負しても面白かったような気もするのだが、、、、ギャフウウウウウン!!!……まぁそうなりますよね?地下から聞こえる謎の叫び声。そう“生き物系”なんですよねー。しかもこれがまたスペインのご当地グルメならぬ“ご当地邪神”!?デパ地下もびっくりビルの地下から突然“古代アステカ文明”がご開帳〜!?スペイン出身のゲレロ監督だから活かせる古のメキシコ伝統とオカルトを上手くミックスさせて、これがなかなか我がオカルト神を呼び覚ますレベルで楽しめましたね〜。こういうローカルなバケモノって好物すぎるわ〜。単純に勉強になる(?)最後もなんかよくわかんなかったけどとりあえず心臓を捧げよ!“ミクトランテクートリ”万歳!?














ree

「テクノロジーの神」ってそういうこと?





怪しい白装飾の女が観客の前で手にするのは85年に存在したかどうかさえ怪しいVRゴーグルやマジックハンド、それらを総評して“アイフォン”て……て思うじゃん?実はこの本家じゃないこのアイフォンも実は実在していたってホントかよぉー!?な3本目。



本作に登場するなんちゃってデジタル世界もやたらクオリティ高くて85年にはこんなものないだろと思ってたけど、デジタル世界を描いた先駆者「トロン」は82年に公開されているしそれを踏まえるとあり得なくはないのか……とここまでギリ説得力を持たせられても、その後の“デジタル神”のあのパチ台の演出に出てきそうなチャチ……ソンゲバソナな展開には笑うしかない。ただあまりにその嘘っぽさが、観客たちが何かのパフォーマンスかと思って楽しむ様子がなんとも狂気じみている。


ree

もう観た瞬間に「あ、これはデリクソンだな。」わかりやすッ!!てかあまりに「ブラックフォン」過ぎるだろぉ!?タイトルもズバリ「DREAMKILL」。なんならスピンオフと言っても差し控えな……と思ったらこれゴリゴリの「精神的続編」でヒャッハー!!!



前作「99」で奥さんが参戦していたスコット・デリクソンが4本目でついに降臨。シリアルキラーによる凄惨な殺人事件を捜査する刑事。その犯行は警察署に届いたスナッフフィルムとそっくりだった。しかしスナッフフィルムが届くのは“事件前”というから「予言のフィルム」だと……!?プロットからして面白くスナッフフィルムの映像はまんま「ブラックフォン」すぎるのだが、ジャッロにも通じるシリアルキラー目線の殺戮シーンは時短ながら古典的かつ目を背けたくなるグロさでデリクソンのホラー愛が炸裂。そして劇中「いとこがある誘拐事件を解決した」というセリフが「ブラックフォン」の兄妹のことを指している(時代的にもピッタリ)らしく、キャストも「ブラックフォン」のジェームズ・ランソンを起用、というファウンド・フッテージホラーにしてはあまりに豪華な仕様に。



後半のストンと落ちるキレイなオチ、もはや誰目線?な、しかしあのクライマックスの銃撃戦の映像は80年に夢見たデリクソン“少年”のビデオ映像にしか見えなくてなんかエモかったな〜。ちなみに今回はデリクソン監督の2人の息子が参加。事件の鍵を握るKISSメイクのパンク青年のダシール・デリクソン、音楽を担当したアティカス・デリクソン……と何家族でコンプしてんだよ!?「ブラックフォン」ファン、並びにデリクソンファンとしては是非とも押さえておきたい1本になっております!!



いっけぇー忘れるところだった(汗)今回のフレームストーリー。「ザ・リチュアル」でシシ神様を生み出したクリーチャー愛好家エリック・ブルックナーによる、ファウンド・フッテージ版SFパニック「物体X」もの……これも最高だろ!?これまでシリーズをプロデュースしてきたブルックナーも満を持して(シリーズ2作目となる)監督に着座。大学に運ばれた謎の生命体“ローリー”と科学者たちとの未知との遭遇を紹介する実録ドキュメンタリー番組。ダニエル・エスピノーサの「LIFE」を彷彿とさせる“腕に引っ付く系”(てなんだよ)の不思議ちゃんに人間はどうして“意思疎通”ができると錯覚しちゃうんですかね〜。管理もガバガバですが研究所内で繰り広げられる後半の“お決まりの脱走”からの……「ハイローリー、ボクはキミのパパだよ……」……なんて知ったこっちゃねえわ!!とイワンコフばかりの暴れっぷり。からのラストカットの“死体蹴り”なんてサイコーのショーとは思わんかね…?



これにて日本劇場公開は全てカンストしてしまいましたが今年10月には「V/H/S/Halloween」も米配信されましたし今後も「V/H/S/Christmas」とか「V/H/S/Black Friday」……いける!まだまだ行けるでぇ〜!?四季シリーズでもなんでもいいから新作がジャンジャン作られて日本でもバンバン公開(あるいは配信)されることを願うばかりでございます(ネタが枯渇するまでね!!)このシリーズはまさに日本の「ミッシング・チャイルド・ビデオテープ」やその元祖とも言うべき「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」と同じ“アナログホラー”のDNAを10年以上経った今にも継承し続ける、ファウンド・フッテージホラーの代表格として大事に育てていきたいコンテンツだと思うんだよな〜。

コメント


bottom of page