コンパニオン(2025)
- ラーチャえだまめ
- 13 分前
- 読了時間: 6分

【原題】Companion
【監督】ドリュー・ハンコック
【出演】ソフィー・サッチャー ジャック・クエイド ルーカス・ゲイジほか
【あらすじ】
人里離れた山小屋で静かな週末を過ごすはずだった4人の男女。だが、その中のひとりが“人間”ではなかったと明かされた瞬間、空気は一変する。彼女は人間のために作られた従順なアンドロイドだったのだ。しかし、ある過去の記憶と感情に支配され、彼女の“プログラム”は暴走を始める。
【感想(ネタバレなし)】

『結論:男は知能40%の女性を好む』
どーもどーもラーチャえだまめです。早速ですが本日はコチラの映画を拝見させていただきました。
【コンパニオン】!!!……社員旅行で昔呼んでたアレ、、、ではなくまさかの日本では劇場公開スルー案件となってしまった今年1月に米で公開されロッテントマト94フレッシュ&批評家からも高評価をもたらしたSFスリラー、凱旋するのを心待ちにしていたのですが、、、、、
オスメントくんもビックリな人工頭脳搭載の近未来型「ラブドール」が「使用者」で「恋人」の男性に反旗を翻すSFサスペンス……ざっと公式のあらすじはこう。もうこの内容すら公式でネタバレしちゃってるんじゃないかとイワンコフばかりの!?公開前はもうすぐやる「ミーガン2」のスピンオフなのでは??なんてウワサまであった(ホントのスピンオフは来年公開予定らしい)実は本作に登場する主人公、“アイリス”が「アンドロイドである」という設定自体ティザー映像公開までずっと伏せられていたくらい本作は予告や映画冒頭から予想の斜め上をいく「仕掛け満載」な映画だったんですねー。ゆえに出来ればこれ以上何も情報を入れずに見て欲しい!!

ここでは内容の確信は伏せますが、当初隠されていたSF要素すらさりげなく世界観に忍び込ませてるのが上手いなーと。映画冒頭から「あれこの子ホントにアンドロイド?」え普通にシャワー浴びてるやん??アナタ電化製品でしょう!?そんなとある美少女の脳内お花畑なOPに一緒見る映画を間違えたかと思うくらい!?SFというジャンルを「意図的に感じさせない」ようにしているんですよね。それは何故かと言うと、ネタバレを避けて濁して言うならば本作はAIの暴走、という使い古された今更感野村萬斎なSFネタを使っていますが、描かれるのは実は「人対AI」じゃないんです「人対人」。つまりアンドロイドのアイリスを「女性」として描く必要があったからなんですねー。
故に似たようなSF作品と本作を比べるのは実はちょっと違うんじゃないかな、と個人的に思います。
以前ご紹介した「サブスタンス」とテーマ性は似ているかもしれません。男性優位の社会でルッキズムを描いた「サブスタンス」。対してコチラはズバリ「セクシャル」。ここでも女性の扱い、立場とは?〝「アンドロイド」のように扱われる女性を、ホントにアンドロイドにしてしまった〟そんな超絶ブラックコメディ映画なのです!?そもそも「コンパニオン」ってタイトルからしてね?女性に対する差別用語としての意味もありますからね。

そんな同時期に偶然似た風刺的な作品が登場したわけですが、しっかり「コメディ」に仕上げているので内容自体は重くなく、非常に楽しく見れるといいますか、下隠しにしていたSF要素も良いクッション材になっているような気がしました。ネトフリの「ブラック・ミラー」なんかが好きな人なら沼るかもしれません??
主演は「異端者の家」で異端者に信仰を完全論破されたシスターの一人ソフィー・サッチャー。「プロスペクト」でペドロ・パスカルと対峙する勇気ある子役から最近では「マンダロリアン」、もうすぐ公開ミア・ゴス顔面劇場の最終章「マキシーン」にも出演する徐々に大作映画にもシーンが増えてきている若手大注目株の一人。アーティストとしても活躍しスモーキングウーメンである素顔とは180度違う「着せられた」バービー人形のようなピンクな服も難なく着こなし一途にカレシを愛する純粋なアンドロイド……かと思いきや、裸足で森林の中を駆け巡るわ泥だらけ血だらけになるわ瞬時にロシア語やドイツ語に変換するわ投げ飛ばされるわ過酷なシーンにも果敢に挑んでおります。そしてもう……これ以上は言えません

この表情がめちゃめちゃ良かった(胸糞なシーンではあるが)
共演はこちらも今人気爆発中の2世俳優「ザ・ボーイズ」のヒューイでおなじみ「オッペンハイマー」で太鼓をポカポカ叩いているイメージしかありませんでしたがもうすぐ日本でも公開される〝ローガン泣かせ〟な「MR.ノボカイン」で主演を務めるジャック・クエイドほか、以前ご紹介した「イット・リヴズ・インサイド “それ”が巣食う場所」のミーガン・スリなどキャストはすべて若手で固めている印象。
製作はもうすぐ新作を控えるホラー界に今ジワジワと名を染み込ませている「バーバリアン」のザック・クレガー。先の読めない展開に定評があるクレガー氏が今回も「予想外」な展開で楽しませてくれる。監督・脚本はドラマ「フェイキング・イット」のドリュー・ハンコック。監督いわく本作が「2001」のハルや「ターミネーター」のスカイネット、これまでのAI暴走映画と一味違うのは、これまで映画の中で「間違った進化」を遂げてきたAIが?ついに「正しい進化」を遂げた結果を描きたかった___ある意味ハッピーパターンと言っても過言ではない!?だってもう完全に誰が見ても

AIしか勝たん
【感想(ネタバレ)】
まさか同じタイミングで“親子揃って「ゴミクソ男子」”を演じるなんて……「サブスタンス」で父デニス・クエイドのエビっぷ…クソっぷりも素晴らしいが息子も負けじと「この世の男という最も下等な生き物を全て圧縮して一つにまとめたような」情状酌量の余地ゼロなダメンズを見事に体現しているといいますか「ザ・ボーイズ」をご存知の方ならば、彼の“ひ弱な善人”のイメージを180度反転させ何一つ善の要素がない最強のソシオパス野郎を演じていたのはビックリしましたねー。

もう女性とLGBT以外の男は全てクソですッ!!ってこれくらいハッキリいちゃってんだよね??アイリスと夜ヤッたあとにすぐ「いいからはよ寝ろ」ってシャットダウンさせるあの急に冷酷な態度をとる所とか最高だよね~!!アイリスの知能設定を40%に抑えていたのも要は“オレより賢くなるな”っていう男の支配指数は100%ですね!?プログラムとはいえ自分の私欲のために愛を弄び、利用する。もう被害者の実体験か何かですか!?ロボット映画そっちのけで展開される「ドス黒い恋愛模様」が、逆に普通の人間同士でやってたらそれはそれで地味すぎてここまで集中して見れなかったかもしれないな、と思いましたね!!

それにやっぱりみんな一度はT1000のマネしたくなるのかい??もう一人のラブロボット〝パトリック〟ってもう名前からしてロバート・パトリックですか??遠くからぼんやりシルエットだけ映ってこっちに歩いてくる姿はもうターミネーターなんよ!?終いには保安官のコスプレまでしちゃって演じるルーカス・ゲイジの無表情な顔がもうデデンデンデデン……アイリスも負けじと最後のシャワーシーンで焼け焦げた手の皮を自ら剥いで金属の骨組みが……どーかそのまま車で向かった先でミーガンとバッティングしますよーに!!「T2」では人間にロボットであることを伝える為にやったシーンでも、本作ではそれが身ぐるみを剥がす=ありのままの自分を受け入れる、自立するっていう意味で使われているのもまたいいですね~。最後の“コルクドリルすんのかーい”も、あーコルクってそんな使い方できるんだねー。なんでも利便性を追求したらあかんぜよという機械の復讐にうってつけの一撃でしたね!!
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