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デューン 砂の惑星 PART2(2024)


【原題】Dune: Part Two

【監督】ドゥニ・ヴィルヌーヴ

【出演】ティモシー・シャラメ ゼンデイヤ レベッカ・ファーガソンほか

【あらすじ】

その惑星を制する者が全宇宙を制すると言われる砂の惑星デューンで繰り広げられたアトレイデス家とハルコンネン家の戦い。ハルコンネン家の陰謀により一族を滅ぼされたアトレイデス家の後継者ポールは、ついに反撃の狼煙を上げる。砂漠の民フレメンのチャニと心を通わせながら、救世主として民を率いていくポールだったが、宿敵ハルコンネン家の次期男爵フェイド=ラウサがデューンの新たな支配者として送り込まれてくる。(映画.COMより)




 
【感想(ネタバレなし)】

『彼女が爆発しないか不安な166分』

 




どーもどーも漫才とコントを戦わせる意味を見いだせないラーチャえだまめです。ドューンッ!!!!……そんなついに長年敵対関係にあった大領家争いに終止符が打たれるかもしれない?きな粉をずっと砂だと思って食わず嫌いしていたあの頃の自分に伝えたい「20年後、お前はきな粉をわざわざIMAXで拝むことになるぞ…?」



【デューン 砂の惑星 PART2】!!!出たよエンディングで「実は2部作のPART1でしたマフディーッ!!!」の「イット」方式に当時愕然とした稲村ジェーン!!!…間違えた「デューン 砂の惑星」!!!今やハリウッドのトップオブクリエイターの一人ドゥニ・ヴィルヌーヴが?賛否両論な「ブレラン2049」でSF監督として確固たる地位を築いた勢い止まらず今度は過去2度に渡り映像化されたアメリカのSF小説家フランク・ハーバートの同名小説を再構築して挑んだ“もう一つの遥か彼方の銀河系映画”。原作小説のほぼ“前半戦”である前作は全世界で大ヒットを記録、第94回アカデミー賞で最多6部門を受賞するなど名実ともに評価され結果続編である本作へのGOサインが無事になされt……いや前作のその後のスカッと逆転劇を描く上での壮大な下準備という名の“前フリ”でしかなかった“俺たちの戦いはこれからだぜ!END”で締めちゃってさ、もう続編がなかったらホント悲惨だったよ……(汗)



全編IMAXカメラによる“圧倒的な映像美”が当時日本でも話題になりました。しかし映像だけでも充分観る価値はオオアリクイでありながら、物語は155分という長尺でも容量ギツギツなほど遥か彼方の銀河系で起こる“歴史”そのものであり、結果序盤から“まあまあな知識量”と引き換え見せ場のアクションシーンが少ないことが仇となり“しきりの高いSW”、やたら豪華なトップスター大集結して155分でまとめたNHK「大河砂漠ドラマ」という!?初見さんには少し好みが分かれそうな1本のようにも感じました。そんな前作がイケメンマザコ……「大河砂漠ドラマ」だとしたら??今作は前作以上にアクションパートの大幅増加&新要素としてキュンキュンな“恋愛要素”を新たにブチ込み年の若い層にも受け入れ易くなった??国営から民放へハードルが下がった













「日曜“砂漠”劇場」ヴィヴァ……





 




時は10190年、惑星カラダンを統治する大領家連合アトレイデス家は同じく大領家のハルコンネン家がかつて治めた惑星アラキスこと“砂の惑星”に宇宙皇帝シャッダム4世の命により移住、アトレイデス家の領主レト・アトレイデス公爵の息子ポール・アトレイデスは未来予知の能力を授かったことによりベネ・ゲセリットから“クウィサッツ・ハデラック”を覚醒させようt……



読める、読めるぞぉー!?前作を視聴した後ならば今作の“おおよその世界観”は理解出来ると思います。しかも今回は前作で語られるだけだった、やたら横文字の“キーワード”や“宇宙皇帝シャッダム4世”がついに登場。惑星デューンの文化、そして“相関図”も“前作よりかは”わかりやすいゆえに100%映像に集中することが出来ました!!その映像は当然のことながら今作も“全編IMAXカメラ”で撮影、繰り返します












飛行機のジェットエンジンの音……“それ以上”。






劇場で惑星デューンの“没入体験”が出来てしまうんですねー。何もない一面ただの砂漠じゃねえか!!……とサイバーパンクとは真逆の、一見変わり映えしないような光景に思えるかもしれません、しかも前作と同じ舞台。正直観る前は早々に“飽き”が来ないか心配でした。しかし前作と同じ舞台だからと言って前作同様ただ海砂漠を垂れ流せば我々視聴者に“飽き”が来ることをおおかた予測していたヴィルヌーヴは?“前作に登場した場所を登場させない”という掟を自ら課す縛りプレイにより??前作にはないNEWステージを我々にご提供して下さっているのです!!



そして砂の惑星と言えば“サンドワーム”と呼ばれる巨大なモンゴリアンデスワーム……砂漠の全てを飲み込み先住民“フレメン”が古代より神聖な存在として崇め、そして広大な砂漠を移動する際の“足”としての役割も担う、本作のアイコン的存在であるコイツの“騎乗体験が出来る”としたら……??最高の映像と最高の“重低音”。これは是非とも劇場で体験して下さいとしか言いようがないかもしれません!?ここまでで既に原作小説を読んでいない全くの“新参者”にも?映像だけで楽しめるような工夫がなされているのがおわかりいただけるかと思います。これは間違いなく“IMAX案件”であることは言うまでもない、IMAXをジャック中の今の内の鑑賞をオヌヌメしたい…!!



前作に引き続き今作もまた「ヴィルヌーヴズ11」並みに“全員主役級のキャスト”がカラッカラの砂の惑星に降臨し画面を麗してくれる。前作から引き続きゼンデイア、ジョシュ・ブローリン、デイヴ・バウティスタ、ステラン・スカルスガルド、ハビエル・バルデム……そして今作から新たに「エルヴィス」でエルヴィス・プレスリーを演じたことでも話題になったオースティン・バトラーがデヴィッド・リンチ版でアーティストのスティングが演じたフェイド=ラウサ・ハルコンネンという最凶の敵を見事に演じ他にもフローレンス・ピュー、レア・セドゥ、そして御年80歳の大御所“ヒトラーを殺し、その後ビッグフットを殺し損ねた男”クリストファー・ウォーケンまで!?いやーキャストに金掛けすぎでしょ…(汗)そんなあまりに贅沢なキャストをまとめる座長が











ポール・“大谷サーン・”アトレイデス





いや“全能力値高すぎくん”な前作で尊敬するパパ諸共一族を一夜にして失ったポール・アトレイデス公爵演じるティモシー・シャラメ!!何チョコ食べまくったらそんな強くなれんの(いや人肉か…)前作でフレメンの一員となりアトレイデス家領主としてなんとか首が繋がったかと思えば?フレメンの救世主伝説に登場する“リサーン・アル=ガイブ”と呼ばれる預言者だと勝手に認識されはじめ?当の本人は「自分、そんな器じゃないっすよ」……そんな謙遜する器の広さまで大谷サーン。容姿端麗、性格もめちゃいい運動神経もバツグン、判断力も戦術も“何をやってもうまくいく”まさに“全知万能タイプ”で見ていて面白くないッ!!(泣)がしかしティモシー・シャラメだから不思議と“嫌味がない”。そんな綺麗な顔でジッと見られたら……ひ、日焼けだけ気にしいや……?



そんな彼に徐々に惹かれるフレメンの長スティルガーの娘で戦士の“チャニ”を演じるゼンデイア。前作では全体で5分くらいしか登場しなかった彼女でしたが今作ではバリバリ出演時間が伸びました。しかもポールに対してずっとツンツンしてんのに、ふとした瞬間ポールの吸い込まれるような瞳に一撃ノックアウトした次のシーンで“急に落ちる”のがまたいいんですよね〜。こんな異世界砂漠じゃなくて生まれる世界が違ったらきっと青春ラブコメの初々しいカップルになれたものを













“守りたい、この笑顔……(泣)”





“とにかく可哀想過ぎる”いや〜後半はもうずっとチャニのムスッとした顔がいつ爆発してしまわないかそればかり気にしてしまいました……(汗)ヴィルヌーヴ作品に登場する女性はなんでいつも救われないのでしょう!?












“北条政子レベッカ・ファーガソン”爆誕





ジョシュ・ブローリンの髪の毛をオスカー・アイザックの口髭に植毛した前作の撮影秘話が仇となり出家したんですか?レベッカ・ファーガソン演じる“レディ・ジェシカ”さんがいよいよ教母様になってちょっとアタマがやべえ方向に…。自慢の可愛い息子ポールを救世主だとフレメンの間で言いふらす姿は狂言師みたいで若干恐怖を感じるし、天才子役で一儲けしようとする悪親のソレだよぉー!?前作からまた親子の関係が変化するのもポイントです。そんな「宗教」と前作のオスカー・アイザック親父とステラン・スカルスガルド演じるウラディミール・ハルコンネン男爵イモ……と宇宙皇帝並びに腹話術アマさん集団“ベネ・ゲセリット”各々の思惑が交差する「政治」……この2つが大きな背景にあるのが本シリーズだと思うのです??そしてそれが日本人が海外勢より“刺さりにくい”理由の一つになっているのではないかと……



前作も日本でまずまずの興行成績だったらしいですが、今作は前作以上に宣伝費をかけて大小様々なメディアでバンバン宣伝されてません??なんなら前作の“おさらい上映会”や“先行上映”もされました。ただその池袋サンシャインで先行上映された回は全回ほぼ満席御礼でありながら同時に鑑賞マナーの悪さがSNSで話題にもなりました。私は先行上映には行っていないのですが、劇場内でマナーの悪い客層の大半は“普段あまり劇場に行かない層”だと思うんですよ。で思ったのがこのシリーズってそもそも“そういう層向きじゃない”というか、そういう人って“説明がない映画”って苦手じゃないですか?確かに先程も申したように原作小説を読んでいない“新参者”にも見やすい配慮、映像美だけでも見に来てラッシャイ♪そんなライト層にも刺さるような映画にはなっております。ただ本作にはある程度の“感受性”みたいなものが必要で(映画には基本必要ですが)「考えるな、感じろ」タイプの雰囲気映画としての側面があると思うのです。そしてそれにプラスして日本人には馴染みの薄い「宗教」と「政治」というテーマ性……。



何が言いたいかと言うと、過剰な宣伝と周りの集団行動に釣られ「みんなが見に行ってるから普段映画館なんて行かないけど、なんとなく楽しそうだから見に行こう」レベルの層には166分はかなりの“苦痛”であり、VFXを使った派手な爆発シーンはあれど対人戦での極力無駄を廃したアクションや砂漠の表現は、芸術点としては100点でも“さっぱりし過ぎ”でアメコミ映画のようなコテコテのアクションではない所が“よそ見”を促す可能性は、否定出来ないのではないかと……。



PART1ではまだ不透明だった、それがこのPART2でミレニアム以降のSFファンタジー史にまたしても“名作”として確実に以後語り継がれる作品であることがこれで“証明”されてしまったと言っても過言ではないかもしれない……と言って食いつく人だけハマればいい、そんなシリーズだと思います……。






 
【感想(ネタバレ)】












何故スペースファミリーは“いつも仲が悪い”のか





広大な宇宙をかき乱すのはいつだって“家族”……乾いた砂漠にときめく恋物語なんかより前作以上に結局は“身内ネタ”なのか!?「SWっぽさ」が色濃くなって参りましたッ!!ついに銀河の皇帝をも跪けさせることに成功し宇宙権力を手にしたポール。黒フード被って歩いてくるショットが完全にシスに堕ちたアナキンに見えたのは気のせいだろうか、なんだかいやーな「闇堕ちフラグ」と裏切りにとうとう愛想をつかせたチャニが明後日の方向を向いて今まさに動き出そうとした所でザ・エンド……??いやいやまた「続編ありき」の終わり方してませんヴィルヌーヴさん??PART3作る気満々じゃない……(汗)てかもうはっきりと「やります。」宣言して欲しいいいいいいー!?



万能の救世主が調子乗った結果闇堕ちしてかつての恋人に討たれる……そんな未来まで想像してしまいそうですが、原作ではその後ポールがモモアマンみたく政治を上手くコントロール出来ない苦悩が描かれるらしい。原作はポールからその息子、さらには前作で戦死したモモアマン演じるダンカンこの野郎!!アイダホのクローンと主人公が交代していくらしいがどこまで実写化する気なのか気になるところですねー。そういえばスペシャルシークレットゲストの2024年は“砂漠の女”確定のアニャ・テイラー=ジョイ演じるポールの妹がジェダイマスターの下で修行してライトセーバーで兄だとは知らないポールと………それこそSWじゃねえか!!ただのカメオ出演とは考えづらい、フローレンス・ピューやレア・セドゥ等の活躍もまだまだ見れそうですし??これとは別に“前日譚”のドラマ化も始動するらしい。終わりそうにない砂場ブームにまだまだライド出来そうですね…!!

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