F1 エフワン(2025)
- ラーチャえだまめ
- 8 時間前
- 読了時間: 9分

【原題】F1
【監督】ジョセフ・コシンスキー
【出演】ブラッド・ピット ダムソン・イドリス ケリー・コンドンほか
【あらすじ】
かつて世界にその名をとどろかせた伝説的なカリスマF1(R)ドライバーのソニーは、最下位に沈むF1(R)チーム「エイペックス」の代表であり、かつてのチームメイトでもあるルーベンの誘いを受け、現役復帰を果たす。常識破りなソニーの振る舞いに、チームメイトである新人ドライバーのジョシュアやチームメンバーは困惑し、たびたび衝突を繰り返すが、次第にソニーの圧倒的な才能と実力に導かれていく。ソニーはチームとともに過酷な試練を乗り越え、並み居る強敵を相手に命懸けで頂点を目指していく。(映画.COMより)
【感想(ネタバレなし)】

『戦闘機の次はF1カーに“乗せられる”』
どーもどーも昔「ブラット・ピットがCMで履いてる」という理由だけでEDWINのジーンズを履いていたラーチャえだまめです。本日はそんなF1を知っている人もまるで知らぬ存ぜぬな初心者さんにも「イイダロ。コレコレぇ〜。」とオヌヌメしたい
【F1 エフワン】!!!いやー私自身「F1」と聞いて原口あきまさの音速モノマネくらいしかわからないニワカでありますが、でも中学の運動会でF1のテーマソングが流れた時は何故だか「早く走れる気がした。」……そんな誰もが躍動する(…ん?)世界最高峰のモータースポーツF1。それを今回「トップガン・マーベリック」で散々「ホンモノですよ〜」と謳っておきながら実際には結構CG使ってるっちゅうアルフォンソ・キュアロンの長回しみたいなセコい手でしかし世界的に大ヒットを記録して勢いつけたスタッフ陣が?陸地で自走するトム・クルーズに代わり世界のブラット・ピット様を主演に迎えて「新たなるリアル体験」をまたしても我々にもたらしたかもしれない??こりゃーどげんとせんといかんとIMAXで拝見させて頂きましたが……
この前「これは絶対IMAXじゃなきゃダメでーす」と言い切った「罪人たち」に続いて!?またしても開花宣言ならぬ「IMAX宣言」ー!!!するしかない映画、だったんですよ!!実際見てどうだったか。これはもう



って映画。(伝わった?)
そうだよコレコレ

ついに「やっちゃったぜIMAX」。
そう!!この画が観たかったのよ!?桁違いの「ハイカロリー」なレース映画。終わったあとはル・マンの24時間耐久レース並みのもうグッタリ……!?思った以上に肝腎要のレースシーンが多くてもう、ずっとその度に画面を食い入るように観ますから?いやーでも嫌な疲れじゃない。何故なら「本当にレースしたみたい」な爽快感すら感じたから。
“F1全面協力”これがホントに凄いことみたいなんです!?まず映画のタイトルがそのまんますぎる「F1」!!ってつけちゃってるもの凄いしフォント(?)も本家と全く同じですからね?F1を舞台にしたホニャララ映画〜は数多あれども“F1 THE MOVIE”って、F1そのものをタイトルにした映画は今作が初、というこの提供力の強さ。そして共に築き上げたから実現した「リアルのそのさらにリアルの追求。」フルCGで描かれたゲーセン世界「トロン・レガシー」で長編映画デビュー、続く「オブリビオン」でもSFファンタジー色を強めたジョセフ・コシンスキー監督が「トップガン・マーヴェリック」でトム・クルーズに“洗脳”されたかはさておき今やすっかり「実物史上主義」になった彼が、今回数十台の本物のF1カーとそれを操る現役のF1ドライバー、数万人のエキストラを総動員し日本の“鈴鹿サーキット”を含めた世界の名だたるサーキットの中でレース……ここまで「全てホンモノ」。レジェンド松下も度肝を抜く全てが「実演」という!?これが本作最大の「強み」。そして驚くなかれ「マーヴェリック」でノリノリのトムに引き換え若手陣の肝っ玉をヒュン死しかけた「俳優を実機に乗せる」これにも今回またしても(同じスタッフだからね…)トライ

しかもただ乗れればOKではない今度は替え玉不使用の俳優に「レーシングカーを操縦させながら演技させる」という!?無茶苦茶なことをやらせているんですねー!!そしてそれを可能にした「マーヴェリック」でも実装した「内部カメラ」を本作も起用。しかも軽量コンパクトなiPhoneカメラの性能を活用した新技術の活用により外だけではないF1カーを操縦する「中」の臨場感や緊迫感を?見事カメラに納めている。近年シネマ界に進出する本作を製作したApple社の「強み」とうまく結びついた感じですかね!CGはあくまで「消しゴムマジックで消す」に留めた実は最小規模。決して臨場感を増幅させる為のエフェクトや「無いものをゼロから作り出す」などの使用は極力控えられている。つまり劇場内の臨場感は全てCG加工していないまごうことなき「ホンモノ」ということになるのです!?
ほかにも先程言及した現役のレーサーたちのカメオ出演。中でも7度のF1ワールドチャンピオンを制したルイス・ハミルトンがカメオ出演では飽き足らずプロデューサーとしても参加し脚本にも関与しているという!?まさに本作は“生の声”が反映させたリアリティ映画、モータースポーツ映画にまた新たな「革命」をもたらしたと言っても過言ではないかもしれません!!

この時点でもう既にお分かりかと思いますが「それがTVやスマホ画面で体験できると?」大は小を兼ねるではないが単純に全てのスケールがデカい=それだけ臨場感もデカい、ということに繋がるのです!!たった2500円ちょっとでF1カーに同乗してる気分(しかも運転はブラピ)にさせてくるならむしろ安く思えてきませんか!?
そのブラピ演じるかつてF1で名を轟かせていた凄腕レーサー“ソニー”はある事故がきっかけでF1界から足を洗い今はオンボロなトレーラーハウスを寝床に各地の「レース」と名のつく会場に飛び入り参加する日々をおくるサスライの風来坊。そんなある日“かつて共に走った親友”ハビエル・バルデム演じる“ルーベン”から自身がオーナーを務める弱小チームの存亡をかけチームに加わりもう一度F1で走って欲しいと懇願され……。

レベッカ・ファーガソン似のケリー・コンドン演じる“ケイト”がレーサーとは絶対恋仲になるまいと確固たる決意をも見事撃沈してメロメロにさせるソニー=ブラピの60代なのにレベチすぎる色気にもはや笑ってしまう日本でやればキャスト的にも「キムタクの日曜劇場」なんだけれども、チームからすればいい年こいたオッサンがヘラヘラしながら突然チームの要のドライバーとして参加、しかも初陣からチームにあれこれ口を出してくれば当然反発ありまくりなわけです。特にチームの若手ホープ、“ジョシュア”は許せなかった。新人ダムソン・イドリスのフレッシュさがめちゃくちゃキャラに浸透しているこのジュシュアの危なっかしい「典型的なアオニサイ」感がまたいいんですよねー。ソニーのやり方は時代遅れで心身共に「老朽化」したお荷物から「アドバイス」を受けるなど、決して推薦入試ではない地道に努力してきたジョシュアにとっての「プライド」が許さなかった。しかしソニーのニヤケ顔からは想像もつかない「策士家」としての一面、そして未だ現役で走り続ける「プライド」。2つのプライドがぶつかり合いながらも次第に関係が変わっていく。「マーヴェリック」にも通じるベテランと若手の友情が熱いのです!!
てかソニーのルールのキワキワを攻めた“走り”にビックリというか、そんな奥の手あんの!?単純に速さやテクニックだけじゃない、F1がこれほど「タイミングゲー」だとはねぇー。タイヤを変えるタイミング、ピットに入るタイミング、ここにも0.1秒のズレも許されない完璧なタイミングを要する=レースを制すると言っても過言ではないことが“初心者”の私でも理解できるくらいに!?本作はF1の知識がなくてもレース中の「実況」というカタチでちゃんと解説してくれる、この配慮も素晴らしかった!!
レースで1位を獲ることより、ただ純粋に「レースがしたい」生粋の走り屋体質のソニーが、かつてのチームメイトの頼みで弱小チームを勝たせる為に「それとは反した」行いをするというのがまた感慨深いというか。でも彼は知っている。「レースは個人だけで出来るものではない」と。それは再び自分に走る機会を与えてくれた親友への恩返しでもあり、そこがソニーの人間力というか。だからあのラストは、たとえブラピに花を持たせる裏事情だったとしても非常に納得のいくシーンだと思いましたねー。

確かにストーリーはやや単調でF1に詳しい人だと色々ツッコミたくなる部分は多少はあるのかもしれません。しかし単調と言ってもこれくらい単純じゃないと目の前のレースに全集中できなかったとも。「考えるな、感じろ。」映画でこれはむしろベストな脚本だったんじゃないかなー。それに本作にはレースの域を超えた「人間ひとりだけでは、決して“走れない”」という誰の心にも響くテーマがあります。
実際にレースをするのはF1カーに乗るドライバーですが、そのF1カーにはデザインするメカニカルディレクターがいて、チームの代表がいて、エンジニアがいてピットクルーがいて……彼ら「チーム」がいて、初めてドライバーは走れるのです。これはF1の世界だけの話ではありません。社会はすべて「チーム」で成り立ってはいないか。誰かが「走る」為にそのコースを作る人が必ずいる。独りよがりな走りはいつか必ず挫折する。人生とはまさに“レースそのもの”じゃないかと!?
サウンドは「F1」テーマソングとしては意外にもエレクトリック。「トロンレガシー」「オブリビオン」とデビューからSF好きなコシンスキーらしい??今作も熱きレース映画で「サイエンス」風のスコアが、でもこれもめちゃくちゃ合う。しかも楽曲はシネマスコア界の神ハンス・ジマー。間違いない。でもエンドロールのギタギタギターってる曲もまたサイコー。「マーベリック」ではエンディング曲はガガ様でしたが今作はエド・シーランですよ!!これまたビッグスターが今作のための新曲「drive」をエンディングで披露。かっこよすぎて只今YouTubeで連続ループ再生しております。。。。。。
いやー本当にレースシーンにここまでこだわりを持つコシンスキー監督ですが、デビュー作「トロン・レガシー」で既に電脳バイクレースやってたし我々は彼の素質をチラ見してたわけですね!?トム・クルーズからしたら「トップガン」の次にトニー・スコットと組んだ現在こちらも続編が噂される「デイズ・オブ・サンダー」よりもブラピに先を越された感じでしょうか??(てことはもう相方クリストファー・マッカリーくらいしか……)
Comentários