イット・フォローズ(2014)
- 4 時間前
- 読了時間: 6分

【原題】It Follows
【監督】デヴィッド・ロバート・ミッチェル
【出演】マイカ・モンロー キーア・ギルクリスト ダニエル・ゾヴァットほか
【あらすじ】
ある男と一夜を共にした19歳の女子大生ジェイ。しかしその男が豹変し、ジェイは椅子に縛り付けられてしまう。男はジェイに「それ」をうつしたこと、そして「それ」に捕まったら必ず死ぬことを彼女に告げる。「それ」は人にうつすことができるが、うつした相手が死んだら自分に戻ってくるという。ジェイは刻一刻と迫ってくる「それ」から逃げ延びようとするが……。(映画.COMより)
【感想(ネタバレなし)】

『「ソレ」が見えたら最期。』
楽しみにとっておいた1ヶ月前に買った雪見だいふくが生雪見だいふくでショックを隠しきれないどーもラーチャえだまめです。そんな本日は低予算かつ“単純なのに”ショッキング”な私の至極の一皿

【イット・フォローズ】!!もうー何度観たことか。人生で初めて「真面目にビビった」洋ホラーとでも言おうか!?2016年1月に劇場で鑑賞。あーあったコレコレ。当時興奮気味にブログにしてらぁ〜。てか10年前とほぼ文体が変わってないのがショックショックオイルショッ、、、、そんな大好きな映画が、先日近所のミニシアターで特集上映されているじゃないですか〜♪
もうOPがまず天才的に怖すぎる。しかも「何も映っていない」ってんだから異常ですよ!?戦慄めいたBGMだけでも心臓に悪い。画面上に“映らない”「ソレ」の存在にひたすら怯え続けるひとりの若い女性。隣人が彼女の“異変”に気づいて「ねえ大丈夫?」と声をかけるも「ソレ」は彼女“にしか”見えないから隣人には一体何が起きているのかわからないし、彼女も“見えない”隣人に状況を説明できず助けを呼ぶことも出来ない。日常の中に突如「異質」なものが入り込む恐怖。周りは(我々視聴者も)ただ傍観するしか出来ない孤立無援状。恐怖×孤立状態をこのたった数秒の冒頭で見せてくる。OPの掴みは本当に神がかってるよな〜。

否“映っていない”から、己が想像しうる最も「恐ろしい」ものを勝手に我々視聴者が想像して補完する。そこには何も映っていないのではなく、見る側の「最も恐れるもの」が映り込んでいる、とも言える。恐ろしいものを「加える」のではなく「引く」という「引き算」方式。たとえ予算的な都合の過程で生まれたとしても、本当に上手く作用していると思いますねー。
監督はデヴィッド・ロバート・ミッチェル。今年JJエイブラムとタッグを組みまさかの恐竜映画?「オークストリートの異変」の公開が日本でも確定済み。またしても彼の名をスクリーンで拝めるとは……ほか本作公開後に話題となり一部劇場公開された商業デビュー作でエモさ爆発映画「アメリカン・スリープオーバー」、関暁夫みたいなアンドリュー・ガーフィールドが拝める「アンダー・ザ・シルバーレイク」など。

そこから別の10代の女性(マイカ・モンロー演じる“ジェイ”)に切り替わり、次の“ターゲット”にされてしまう。今度はこのジェイの“視点”で物語が語られることで、それまで我々が“見えなかった”「ソレ」の存在を捉えることができるようになり、「ソレ」のルールなど新事実もわかってくる。と同時に「ソレ」の恐怖を追体験する。「ソレ」の姿は実にシンプル。「ただの人」。「他人がこっちに向かって歩いてくる」___これがこんなにも恐ろしいことなのかと!?つまり我々は無意識的に他人に対して何かしら恐怖を感じている、ということにもなるわけです。夜道で後ろから不審者が歩いて来たら……フィクションの「ソレ」は、まさに我々の住む世界の“延長上”に存在する。だから本作は“リアルガチに怖い”。
ジェイはなんとか「ソレ」から助かる方法を仲間たちと模索する。「ソレ」=「性病」のまんまメタファー過ぎるのもポイントで、「ソレ」から助かる唯一の方法は、他の誰かと性交して「移す」しかない。こうしてジェイは「助かる手段」として不特定多数とヤり始め、「キミのことを守りたい」口ではそう言いつつ、本心は半分“ヤリモク”な男友達も寄ってくる。今観るとなんかトー横みたいなぁ。ジェイのことを一途に想い続ける童、、幼なじみ。幼なじみは“好き”という感情で性交を望むがジェイは……この感情のすれ違いがなんとも切ない。2人が手を繋いで歩く。またすぐ後ろに見える人影。純粋な愛をも邪魔をする、若者の幸福と危うさは紙一重であることの暗示。愛で性病は潰せない。
またこの一連の惨劇に「大人が一切絡まない」というのもポイント。いや彼らの怯える「ソレ」のことなど「興味がない」かのようにも見えてくる。「どうせ大人に言った所で信じてもらえない」、10代のティーンで構成されたジェイたちもはじめから大人に頼らない。「大人が守ってくれる」という考えがそもそもない。いや実際そうでしょ?「もう少し大人を頼りなさい。」と言う前に、大人の「若者への感心の薄さ」もあるのではないか?だから若者たちは自分たちで問題を解決せざるを得ない状況に陥る。その結果が「他人に移す」という解決法なのかもしれない。

そんな若者たちが抱える問題や危うさ、社会から受ける抑圧のようなものが、実は根本のテーマといいますか。けどそんな深刻な問題にも大人のチカラを借りず自分たちで解決していこうとする姿はたくましく、「ソレ」からの逃避行なのにどこか夏休みのお泊り会的な緩い雰囲気になったりするのは、ミッチェル監督の前作「アメリカン〜」のようなエモさがあって何故か愛おしい日々に見える不思議。そして本作はサントラが「ソレ」ともう一つの「顔」と言ってもいいくらい、これまでゲーム音楽を手がけた“ディザスターピース”が、今回はじめて長編映画のサントラを担当。ピコピコ2Dゲームのような電子音楽は、これまたどこかレトロで懐かしい。時代設定的には現代であるにも関わらず、このBGMが昭和にタイムスリップさせ、そして劇中ジェイたちも現代っ子なのにスマホを見たりするシーンが登場しない。外でトランプしたり湖で泳いだり____今どきの若者のような雰囲気ではない、先述した過去ブログでも書いておりますがジョン・カーペンターの「ハロウィン」等、7〜80年代ホラーへのオマージュがたっぷりと込められている。
とあるシーンが完全に「初見殺し」で。初めて観た時は「ヒエッ」と声が出てしまった。「ヌゥッ」って出るのはマジでトラウマ級よね……(汗)とってもおヌゥッヌメ出来るホラー映画、再び劇場で拝めるこの機会に是非堪能して頂きたいところ……なのですが。実はミッチェル監督の「オークストリートの異変」の次に撮る新作が決まっておりましてタイトルは「They Follow」。そうです本作の「続編」を撮る予定なんですってぇ!?(しかもマイカ・モンローも続投予定!)ちょっと期待半分不安半分……な気も致しますが、故に本作を再熱させる価値は大いにあるかと!?




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