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マーターズ(2008)

  • 11 分前
  • 読了時間: 7分

【原題】Martyrs

【監督】パスカル・ロジェ

【出演】ミレーヌ・ジャンパノイ モルジャーナ・アラウィ カトリーヌ・ベジャンほか

【あらすじ】

1970年代初頭のフランス。長く行方不明だった少女リュシーが、傷だらけで衰弱した姿で発見される。何者かに監禁・虐待されていた彼女は、自力で脱出したのだった。それから15年後、平穏な一家の屋敷に、猟銃を構えたリュシーが現れる。自分を苦しめた犯人を見つけたと確信した彼女は、引き金を引く。成すべきことを終えたリュシーから連絡を受けて屋敷に駆けつけた親友アンナは、その惨状に思わず目を背ける。死体を処理し、立ち去ろうとした2人だったが、その先で予測もしなかった真実を突きつけられる。(映画.COMより)


【感想(ネタバレなし)】

『映画館は“エグさ10割増し”だった件』





どーもどーもラーチャえだまめです。早速ですが本日はコチラの映画を拝見させていただきました。



【マーターズ】!!!「ハイテンション」「屋敷女」に次ぐ“フランス3大グログロホラー”の代表作。バイオレンス学部エログロ学科のえだは当然履修済み(視聴済み)以前別のブログでも紹介したことがある(もうすこぶる前でその記事どっか行った…)大学時代だったか思い返せばあの頃は病み気だったのか「ひたすら最悪な映画を観る」のにハマった時期があって。学校近くのGEOでとにかくグロくて胸糞悪くて……で行き着いたのが本作でした。ストーリーは全然覚えてないんだけどゴア描写はそこまで期待するほどじゃなかったかな、それでも「最後まで胸糞は胸糞だった」記憶だけは残っていたんですよねー。



監督は本作が長編デビュー2作目のパスカル・ロジェ。そういえば今は無きシネマカリテで観た「ゴーストランドの惨劇」もタイトルのゴシックさとは裏腹にコチラも全くもって救いがないあまりの惨劇っぷりに言葉を失ったな……。本作は公開当時から賛否両論あったらしいい(そりゃそうだ)後のホラー映画にも多大なる影響を与えたことでも知られ、ノオミ・ラパスの「ラプチャー」っていう監禁映画もモロ影響受けてそうだし、ザック・グレッガーの「バーバリアン」の元ネタなんじゃないかと個人的には思っているのですが______



でですよ、そんな鬼畜&鬼畜すぎるフランスが産んだ胸糞映画の傑作が今4Kデジタルリマスター版でリバイバル上映されているですね。劇場で観たことがなかったのですが











劇場版は「エグさ10割増し」だった




とにかくOPからハイテンション、いや「カロリー消費がエゲツナイ」泣き叫ぶ声、血のり、痛々しいシーンの連続。見終わったらドッと疲れてしまいました。スマホやTV画面では体験できない、劇場だからこそ得られる「エグみ」と言いますか、4K(とは言ってもフィルム特有のザラザラした質感は変わらず)で画質も音質もブラッシュアップされて、より画面から直で浴びるダメージが倍増していて、だからこそ感情も突き動かされてしまったのですが



数年経ち今回改めて鑑賞してみて、本作はそんな残虐非道なシーンばかりを売りにした「ビジュアル重視」の映画ではなかったということ。なんなら鑑賞後にジワジワと「あんな地獄味わいたくない…」と思うような、そう「精神的エグさ」を全面に押し出した!?映画なんじゃないかと……









本作は「動」の「復讐劇」の前半戦と「静」の「拷問」の後半戦と、前後で大きくテイストが異なる作風になっていて面白い。「〇す以外の選択肢がない」日曜日のありふれた家族団らんのモーニングを襲う衝撃的なシーン。その中にまだ売れる前のグザヴィエ・ドランがいようがそんなもの知らん(普通なら)見逃されたりカメラがパンして直接的な描写がなかったりするが本作は違う。「抜かりなき暴力描写」。それは襲撃した謎の女“リュシー”の激しい「怒り」を表現する上で非常に効果を発揮する。暴力には暴力を。〇れ〇っちまええー!!!と見ながらどこか彼女を応援してしまう自分もいる。しかしところどころで「なぜ?」が脳裏を過る。何故幸せそうな家族は襲われなければならないのか?彼女は何者なのか?それが次第に明かされていくミステリー要素もある。



そして地下に監禁されたバケモノのような「人」。いっそ人ならざるクリーチャーならどれだけ観ているコチラも救われるか。それまで監禁されるまでは普通の人だった、それが長きに渡る監禁地獄を骨の髄まで味わい人の器をしたナニカのような物体になっちまうのが末永く恐ろしい。そしてその業を同じ人間がやっているという事実。エイリアンやクリーチャーより人間が一番醜くて恐ろしい生き物であることを痛感させられる。



彼女の恋人で追ってきた“アンナ”。はじめに言う「お前は優しすぎる。」何故もっと早く逃げなかったのか、家の中でゆったりしすぎだろ!!まるでエサにかかるのを待っているかのような時間潰しがちょっとナンセンスだが(いやじゃないと後半の物語繋がらないし…)そしてこのアンナが後半の主人公なのですが、先に監禁された被害者の痛々しい姿を見せることで、今度は「お前がその苦痛を味わう番やで」という!?ロジェ監督性格悪いですね〜。これから自分の身に何が起きて、どうなってしまうのか、知っているのはあまりに惨すぎる。



自ら快楽の為に人肌剥ぐ「ヘルレイザー」とはワケが違いますから?しかも極悪非道な犯罪者ならばまだ良かったものを、アンナのバックグラウンドはそこまで描かれないが少なくとも「善」とする精神を持っているのは確実であって、だからこそ、何故彼女がこのような地獄を全身で浴び続けられなけばならないのか、何故ここまで暴力を振るわれ続けなければならないのか、全く理由などないから胸糞。後半戦はもはや「人にあらず」非情さの塊のような!?地獄絵図が展開される。



本作は痛々しいシーンのてんこ盛りで、ナイフで背中をきり刻まれたり、額にボルト締めされたヘルメットを脱がすのにボルトを1本1本抜くぐぬぬぬぬぬぬぬ…!!いやああああー!!!ボルトの悲鳴すら聞こえてきそうな!?また巨漢男にひたすら殴られ続けるアンナの光景は、今ではコンプラ的にもアウト過ぎる胸糞悪い描写の一つだったり、2008年作ですが割とやれる範囲での「表現の限界」を追求していると思います。「屋敷女」「セルビアンフィルム」に並ぶ「容赦ない暴力」に初見は絶句するかもしれません。



ただ私も初見時に肩抜かしを食らったが、確かに「激しい拷問シーン」を期待すると、本作には「SAW」みたいな多彩なギミックや駆け引きといったものはなく、ただひたすらに地味で面白みに欠ける、と感じる方もいるかもしれない。しかしこの拷問の痛み、辛さは実は直接的な描写で見せるのではなく、まるで無限に続いているワンシーンを切り取ったかのような「拷問の長さ=無限地獄」これを我々に感じさせることを第一に考えられたのでは??拷問シーンに「楽しさ」を求める人に本作は向かない。なぜなら本作にはそういった「遊び」要素がないからです。また直接的に見せない→優しいとはならず、見せないけど「こういうことを思いつき、やろうとしている」その「魂胆」みたいなものがグロい。こんな映画作ろうとする人間がグロい。「精神が腐ってる」と言うか。正直に「なんでこんな酷い映画を作ったのか」純粋に知りたくなる。ただ怖がらせよう、で作ったホラーにしてはあまりに惨すぎるというか、ロジェ監督の個人的な社会的怨みでもあったんか?(人間の怨みほど酷いものはないから)じゃなきゃここまで容赦なく作れないよ……汗



全く「死後の世界」が拝みたいなら自分のカラダで試せよバ〇チン!!だからいくら魂の救済やら大層な格言を語ろうがあのターバンババア改め“マドモアゼル”を筆頭にしたカルト教団は皆ただの変態野郎です以上!もうそれくらいしか「価値を与えたくない」くらい胸糞権化過ぎてね……。ラストも「救い」なのか「んなもんねーよバーカ!」と嘲笑っているのか(個人的には後者かな)宗教の「穴」を壮大にほじ繰り返すような、これまたチャレンジングなオチ。最終的に「全てを受け入れる」ことで正気を保……てずに昇天ガラガラ、パァ!!出たぁッ!!タイトルの「マーターズ」とは"殉教"という意味が一般的ですが、ロジェ監督曰くもう一つの「証人」という意味の方を強く推している。本作は宗教的な側面からも感じ取れるような、ビジュアルだけが売りの映画ではない所も魅力だと思いました。


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