V/H/S 99(2022)
- ラーチャえだまめ

- 4 日前
- 読了時間: 6分

【原題】V/H/S 99
【監督】ヨハネス・ロバーツ バネッサ&ジョゼフ・ウィンター フライング・ロータスほか
【出演】スティーブン・オッグ アリー・ヨアニデス メラニー・ストーンほか
【あらすじ】
終末感が漂う1999年、衝撃的な映像を収めたビデオが発見される。ガールズバンドの幽霊ゾンビ、郊外に潜む怪物、子ども向け極悪テレビ番組、地獄へのデストリップなど、目を疑うほどのショッキングな映像の果てに最大の恐怖が待ち受ける。(映画.COMより)
【感想(ネタバレなし)】

『ビッチバンドが泥まみれでレッドソニアがライダーと地獄旅行?』
どーもどーもウカボン!!ラーチャえだまめです!!早速ですが今宵もコチラの映画を堪能させて頂きました
【V/H/S 99】!!!7月に前作「V/H/S 94」が公開された後、また突然公開時期が発表されず一瞬ヒヤリましたが先日10月の31日という世は大ハロウィン時期にワザとはめ込んできたなあああー!?母国アメリカではちょうど最新作「V/H/S/Halloween」も配信中の大人気「V/H/S」シリーズ第……5作目まで日本でも突入して参りました!(「V/H/S」シリーズとは?…という方は先にコチラとかコチラを拝読していただけると幸いです。)そんなわけで当然公開初日にチケットをポチりしたわけなんですけども、はい無謀にも。31日のハロウィンに。ヒュートラ渋谷で(今ならスズキタゴサクの気持ちがよーくわかっt)
…まぁ結局大雨で人少なくて帰りの電車も全然空いててラッキーだったのですが、いやいや今宵も地獄の黙示録の如く奇想天外な魑魅魍魎・怪異ハルウララなソンゲバソナな現象を!?でぃぶいでぇーに主導権を奪われつつあるVHSテープがミレニアム前の最後のあがきとばかりに見せてくれる極上の5本。今回もスタッフ陣がなかなかエロいんですわ。「ブラック・フォン」のスコット・デリクソンの妻で自身もディレクションを務めたマギー・レヴィンに過去「未体験ゾーンの映画たち(2018)」でブリアナ・ヒルデブランドとアレクサンドラ・シップのXコンビJKがヒャッハーするホラーコメディ「トラジディ・ガールズ」(コレ面白いよ)のタイラー・マッキンタイア、アーティストのほか映画製作にもKUSO、間違えた精を出すフライング・ロータス、日本でも劇場公開された低予算POVホラー「デットストリーム」のヴァネッサ&ジョゼフ・ウィンター、そして「海底47」のウェルカム・トゥ・ヨハネス・ロバーツ!?という大御所監督まで参戦してしまったという、毎度シリーズを追うごとに監督のチョイスも絶妙なんですよね〜!そんなプロアマチュア問わず15〜20分の短編で紡ぐ怒涛の恐怖アンソロジー。「ビヨンド」がSF縛りなら逆に今回はSF系はゼロ。儀式系や青春もの?のラインナップとなっておりまして〜。では早速内容の方をざっくりとご紹介。

今回のフレームストーリーはストップモーションアニメ??そのまま4話目に繋がるのですが、まずはじめに実質的な1話目にあたる1本目から「不謹慎もの」マザーファッカーバンドで開幕だぁ〜!?数年前に地下演奏中の事故でメンバー全員亡くなったとあるガールズバンドへお清め演奏会?と題した悪徳非道の数々。もう清々しいくらい「◯んでまえ」と100対0で化けて出るガールズバンド側を応援したくなる仕様に、ついに「幽霊側がカメラを回し始める」加害者側のバンドメンバーが逃げ惑う姿をもう少し焦らして欲しかったけど尺の都合か。非道には非道をもって粛清!お逝きなさい!キリッ!あそこまでバカだといくらキッズだろうと手の施しようがありません……。
2話目は女学院の寮でとある社交グループに入りたいと懇願する一人の女学生が社交グループが提示する“加入条件”をクリアするべく奮闘するストーリー。君たち全員魔女なん?なくらいセクシーな社交グループメンバーに誘われるようにやってきたのは深夜の墓地!?そこの棺に入り一夜だけ無事に過ごせればクリアって……お前ら絶対「そのまま埋める気だろ!!」しかし「男に媚びる学園生活なんて嫌!勝ち組グループに加入してやるわ!」どーしても加入したい女学生は勢い任せにお題に挑戦してしまう。果たして彼女の運命は…。
ヨハネス・ロバーツよ、“まだゾンビに名残惜しさでもあるんか?”今作のディレクター陣で最年長&大御所でありながら意外にも捻りもなく結構どストレートに打ってきたなーという印象。しかし閉じ込め系はロバーツ監督の棺ならぬ“オハコ”だし今回は棺の中で生き埋めにされるという想像しただけで閉鎖感や息苦しさが伝わってくるのに、小型カメラ映像でさらにそれが倍増している。そして案の定用意された“ライフライン”も全く機能せず前世で何したんだよってくらいあれよあれよと最悪の状況に落ちていく女学生。キラキラした学園生活よ、アディオス!

3話目は90年代に流行った少しアングラな“筋肉へし折れ番付”ならぬキッズ参加型のバラエティ・ショー。バカバカしいけど昔はこんな番組あったな感が懐かしい??ズラ確定の人気司会者(?)と出場者のいざこざから、後半の斜め上を行くオカルティンティンな展開が見もの。幼少期に見た番組からヒントを得たというフライング・ロータスの作品は、楽しそうに足の骨が折れるシーンを何度も再生したり拷問するシーンは「KUSO」で見せたブラックコメディ感あり、反対にSFホラー「アッシュ」で見せた色彩尾崎豊な世界観も今作でも拝見できて彼らしさが際立つ1本になっていると思いましたしねー。
4話目はイカ臭いティーンボーイズたちが隣に住むパツキン美女を盗撮する話。「スパイウェアってなんそれ?」日々女子のスカートの下かスケボーにしか目がいかない彼らの脳内メーカーはきっと「H・スケート・バカ」の3つで形成されていよう。まぁ思春期男子の日常ってこんなもんですよね??フレームストーリーのストップモーションアニメもボーイズの一人が撮影した設定で、この時代からインターネットとか普及しはじめて家庭用カメラとテープさえあれば“誰でも映像作品を作りそれを世界に発信できる”そんな時代の先駆けのような時代がこの99年なのかもしれないなーと思ったり。CGがちょっと安っぽくてリアリティに欠けるところはあるものの、やんちゃボーイズたちの“性春”を抑えたジュブナイル的1本。

ほぼ「デッドストリーム1.5」じゃん!!
5話目でラストは今回も監督&主演のジョセフ・ウィンターがカメラ持って女子みたく「キャー!」って叫びながらなんやかんや敵を“シバき倒していく”ホラーコメディ。しかし今回はいきなり“地獄”に転送され、その地獄の世界観がなかなか素晴らしいのです。ツバサの生えた悪魔(並・大盛り)に一瞬でもなんだコイツぅ〜!!?なバケモノたちを拝めます。そして“アンディ・サーキスの女版”みたいなゴラムが地獄の道案内人として?意外にも優しいってなんだよ!?最後はバッドエンドですが「デットストリーム」で見せたおもしろ要素を今回は幕の内弁当のように短時間にギュッと詰め込んだ「デットストリーム」で監督のファンになった方にはかなりオヌヌメしたい!?

意外にもどの回も直接的に“ノストラダムスの大予言”や“2000年問題”といったありがちなネタに走っていないのがエラいというか。逆に99年の意味が薄い気もしますが、先述した“誰でも映像作品が撮れる”時代のほかにもロックバンド、スケボー、TV番組、マックPC、、、、今回は各話これといった繋がりがない代わりに「90年代後半のカルチャー」という文化圏を堪能できる作品として単純に懐かしい!となる人もいるかもしれませんねー。早いところで次回作が日本公開ラスト。最後まで完走したいと思います!それでは次の「85」でお会いしましょう〜!!




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