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ワン・バトル・アフター・アナザー(2025)

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【原題】One Battle After Another

【監督】ポール・トーマス・アンダーソン

【出演】レオナルド・ディカプリオ ショーン・ペン ベニチオ・デル・トロほか

【あらすじ】

かつては世を騒がせた革命家だったが、いまは平凡で冴えない日々を過ごすボブ。そんな彼の大切なひとり娘ウィラが、とある理由から命を狙われることとなってしまう。娘を守るため、次から次へと現れる刺客たちとの戦いに身を投じるボブだが、無慈悲な軍人のロックジョーが異常な執着心でウィラを狙い、父娘を追い詰めていく。(映画.COMより)







【感想(ネタバレなし)】

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『小難しさはゼロ!極上の“一流エンタメ”に拍手!』





この前久しぶりにアプリで新幹線のチケットを購入したのですが、パスワード忘れてたのに顔認証機能でアプリ開いて買ってたもんだから当日顔認証できなくてログインできなくなってチケット確認出来んくてテンパりなくって駅員に事情説明したのに全然わかってもらえんで










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誰かパスワード教えてれえええええええ(泣)





…そんな「パスワードの重要性」をこれでもかと痛感させられる本日はコチラ【ワン・バトル・アフター・アナザー】ああああー!!!いやーこれまた“IMAX案件”な映画が公開されてしまいましたよ皆さん!?まず本筋に入る前にIMAX大好き映画ファンの方に向けて、本作は“ビスタビジョン撮影”と呼ばれる1950年代にパラマウントで開発された35mmフィルムを横送りにして通常の倍のフィルム面積で撮影、より横長で情報量&解像度の高い高クオリティな映像体験可能な撮影技法を使っているというのです!?そのアスペクト比1.85:1サイズは日本では残念ながら拝めませんがここで登場するのが1.43:1サイズのIMAX!!本作は劇中一切画角が切れない“全編1.43:1サイズフル上映”を可能にしているということですから!?これは全国のIMAXファンの方は飛びつかないわけが(ちなみに日本でこの1.43:1サイズのスクリーンを持っているのが今回私がお邪魔したグランドシネマサンシャイン池袋と大阪の109シネマズ大阪エクスポシティの2箇所のみぐぬぬ泣)ない!?そんなわけで公開前から見る予定であったものの____



主演はなんだかジャック・ニコルソン化したレオナルド・ディカプリオ。監督は数々の賞レースの常連“PTA”ことポール・トーマス・アンダーソン。「“バイオ”じゃないほう」の「ブギーナイツ」とか「リコリス・ピザ」とかドラマ系ばっか撮ってる人だよな〜、くらいのイメージしかこのポンコツ脳みそは持ち合わせておらず(汗)個人的にはこれまで好みのジャンル外ばかりで正直あまり知らないこともあり、さらにパットモリタもビックリなディカプリオが予告で「センセイ!!」連呼してましたが?なんとなくアンチ革命大国の我が国ジャポンでは刺さらなさそうだな〜、米国問題ぐ〜るぐる♪なお硬い社会派ドラマなんじゃないかとさえ鑑賞前は思っておりました。ところがどっこい











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なんだ「ショーン・ペンを愛でる映画」か。









「革命万歳」をテーマにした極右or極左の仁義なきバトルロワイヤル的な?正直アメリカの歴史や社会問題とか未知だととっつきにくそうな映画かなと、若干身構えていたんですけども蓋を開けたら「ノンストップ・アクション・サスペンス(+コメディ)」という、非常にエンタメ全フリしていてですね、実際はそこまで「クセは強くねえ」誰でもご安心して観れる映画だと思いました〜。



口酸っぱく言って申し訳ない前述したIMAXでのみ体験可能な1.43:1サイズの驚異の映像による「没入感」は控えめに言って「凄すぎる。」の一言につき。「テネット」の冒頭を彷彿とさせる“フレンチ75”を名乗るレジスタンスによる大胆不敵な作戦で幕が上がる本作は、162分という長編ながら先っぽから穴のケツまで“戦闘また戦闘”のタイトル通り、鳴り止まぬBGMに止まらない足、ずっとずっと追われ続ける緊迫感と同時に“戦闘モード”全開でひたすら突き進む展開に全く飽きる暇を与えない。派手なワイヤーアクションやVFXなどは出てこないけど「ドタバタ劇」としてこれは間違いなく「アクション映画」。それに没入感MAXな映像で挑まれちゃあ、アクション映画好きならまず見て損はない。


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そんな本格アクションは初らしいポール・トーマス・アンダーソン監督作品はおそらく1作も見たことがないのですが(汗)いやーCノーランやヴィルヌーヴ、今年台頭したライアン・クーグラー、ジョセフ・コシンスキーに次ぐ“IMAX賢者”として!?初とは思えないと言いますか、アクション面でおそらく皆が口を揃えて答えるでろう特筆すべきは没入感が凄すぎてGを感じる「F1」とはまた違う「車酔い注意」すぎる!?横だけじゃなくIMAXの縦長スクリーンだからこそ表現できたアメリカ大陸のうねりまくった国道シーン!!カリフォルニア州のハイウェイ78付近で撮影された“リバー・オブ・ヒルズ”と呼ばれるトンデモクライシスな山あり谷ありのグワングワン!?あれは酔う人は酔っちまうだぁ〜!!!「IMAXまだまだ売れるでぇ〜!!」IMAXの凄みをこれでもかと体験できる嗚呼通年で上映してくれ〜!(泣)



またキャスト陣も“ほぼスタントなし”で実際にアクションを演じる気合の入れよう。予告にもあるディカプリオが車から飛び降りるシーンも本人が実際に飛び降りてます。ほか街道全力疾走シーンやドライブシーンもキャスト自ら操縦していたんですと!?


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…とここまで映像とアクションのマリアージュだけをお伝えしましたが!?キャスト陣による「超個性的なキャラクター」、これがまた良すぎるのです。かつて革命家の嫁と一緒に活動していたものの今はぐうたらしながら家でヤクをキメるだけのヒッピー同然の生活をおくるレオ様演じる主人公“ボブ”。活動当時から嫁にただくっついて動いていただけで実は意思も弱く迷いもある、非常に不完全でナヨナヨなディカプリオが拝めるだけでなく!?今はシングルファーザーとしてティーンの娘と“どう向き合ったらいいかわからない”複雑な父親像を見事に演じているんですね〜。本作で長編初主演の新人チェイス・インフィニティ演じる娘の“ウィラ”は、そんな父親を“革命”という名の時代遅れの古時計でも眺めるような目で見つめ壁を作っていたが、ある時ウィラがかつて活動で目をつけられていた軍人の“ロックジョー”の手に捕まりボブの平和な日常が一変。愛する娘を救うため次々とかつての“同士”たちが幽閉・殺害される中、ボブの内なる“父親”としての、そして“革命家”としての「闘争心」がメラメラとたぎり始める……



で、“問題”なのはレオ様……ではなくてこれまでサプライズで史上最悪の誕プレを用意するわリチャードニクソン暗殺を企てるわダコタファニングと泣かせにくるわ数々のキャラを演じてきた名優ショーン・ペンの火喰い鳥もビックリの主演を喰う勢いの「怪演」。予告では“悪役という配役の一人”くらいのイメージでしかなかったけど、もうね彼は








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「白人のチン◯ス」なんですよね。





ハーフのことを「この雑種がぁー!!」って呼ぶの流石に草。御年65歳とは思えぬ血管浮き出まくりのゴリゴリの肉体アーミーメンで超絶白人至上主義を掲げるゴリゴリの差別野郎なのに、これがまたまたどーして何故か許せないのに可笑しく愛おしいヤツなんだよな〜。下アゴをクチャクチャ(?)する謎の癖に歩き方一つにしても面白い。なんだコイツ〜!!と初登場時の衝撃を是非スクリーンで味わってほしい、またしても「愛すべきク◯野郎」が爆誕してしまった瞬間に立ち会おう!!(?)ほかにもウィラが通う空手道場のベニチオ・デル・トロ演じる“センセイ”も個性爆発してて面白いヤツなんだけど、ボブにとってあまりに頼りになりまくる助っ人すぎて街の全てを牛耳るフィクサー的なカッコよさがキレのあるお顔にマッチしまくり。


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ボブの妻でウィラの母親、そして“革命家”としての3つの顔を持つテヤナ・テイラー演じる“ペルフィディア”も、後半はほぼ姿を現さないんですよ?幼いウィラを「革命の“妨げ”」とボブに放り投げて自らは去り、そのことが成長したウィラの喉にずっと引っかかる“見えない存在としての脅威”として、スクリーンから出てこないのにずっと存在し続けるという、難民の為としはいえ過激な犯罪活動をし続ける彼女の“行き過ぎた感”もなかなか痛いのですが、そんなハリウッドザコシショウも絶句の「誇張された」アメリカ式三国志と言うべき?「フレンチ75(革命軍)」vs「警察」vs「クリスマスの冒険者(白人以外人じゃありません)」。確かに本作に登場するのは“いかにも”な、映画的に誇張された3組織なんだけど現実問題これに似た組織、似た活動は行われてますよね?という話なんですよね。そんな社会派サスペンスでありながら「根底的には父娘の物語」という、共感しやすさが抜群に本作の難易度を下げ、誰が見ても楽しめるエンタメに仕上げている。いやー大変見応えあって面白かったですね〜。



ちなみに購入させていただいた公式パンフレットですが、A5サイズのコンパクトにしてはかなり分厚くPTA監督のこれまでのフィルモグラフィーの解説まで掲載する太っ腹仕様。いやこれで1100円は安すぎるだろ!!そんなPTA入門にもってこいかもしれない??1本、IMAX終演の前に是非気になった方はチェックしてみては??

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