リターン・トゥ・サイレントヒル(2026)
- 35 分前
- 読了時間: 12分

【原題】Return to Silent Hill
【監督】クリストフ・ガンズ
【出演】ジェレミー・アーバイン ハンナ・エミリー・アンダーソン イービー・テンプルトンほか
【あらすじ】
最愛の妻メアリーを失ったジェイムス・サンダーランドは失意の底にあり、酒に溺れる日々を送っていた。そんなある日、失ったはずの妻から一通の手紙が届く。その手紙には、メアリーが助けを求め、「サイレントヒル」で待っていると記されていた。ジェイムスは、かつてメアリーと2人で過ごした町「サイレントヒル」へと向かう。しかし、思い出の場所だった町は、不気味な霧が立ち込めるゴーストタウンと化していた。(映画.COMより)
【感想(ネタバレなし)】

『原作ファンほど「初見時の拒否反応」は凄いが、見終わった後の考察や独自解釈で楽しませる感覚は「原作」に近く、「雰囲気」は出せている。』
スタバでブレンドコーヒーと言うとブリューコーヒーが出てくるのを知ったラーチャえだまめです。早速ですが本日はコチラの映画を拝見させて頂きました
【リターン・トゥ・サイレントヒル】…!!!いやーついに、ついに待ちに待った大人気ホラーゲームの実写版「サイレントヒル」の最新作!!そして私が最もプレイに時間のかかった(鬱になりすぎて長時間プレイ出来なかった汗)マスター・オブ・ホラー、PS2版ならびに去年発売されたPS5リメイク版もクリア済みの「サイレントヒル2」信者の待ちに待った「実写化」……が何故か劇場スルーされたアマプラで5月15日独占配信されるア、アレ、アレレレ〜おっかしいなぁ〜??(汗)

……とまあ海外ではどういうワケか“すこぶる低評価”だというコチラ。でも監督は“史上最も成功した実写化”とも呼び声高い2006年の「サイレントヒル」を手掛けた「ジェヴォーダンの獣」「美女と野獣(仏)」の巨匠クリストフ・ガンズですよ!?……そもそもガンズ監督は原作でいう「1」をベースにした実写版を担当した際、最も実写化したかったのは、シリーズで最もファンが多く“世界で最も優れたホラー”にも殿堂入りした「サイレントヒル2」だったと公言していて、1作目がヒットした後、続編「サイレントヒル: リベレーション」が製作されるのですが、「2」を実写化したいガンズ監督はスケジュールも合わなかったため監督を退き、「ローグ」「レッドソニア」のマイケル・J・バセット監督にバトンタッチ。奇遇にもコチラは原作でいう「3」の実写化だったため、ガンズ監督の為に「2」の実写化を保留にされた、みたいな状態になっていたんですねー。
それから20年。長い。長すぎる!?もう企画自体頓挫していたと思われていた一昨年コナミが「サイレントヒルf」などシリーズ最新作の発表と共に、ちゃっかり「2」の実写化も発表されたんですね〜!しかも監督はガンズ監督。これはもう間違いないなと。最も原作を愛している人がその愛したゲームを実写化する……これ以上の適任はいない。まさしくガンズ監督がサイレントヒルに“リターン”して作られた本作、当然期待して観てしまうじゃないですか?それがどっこいダレノガレ明美も驚愕の

「ダレ」と「ダレ」〜!?
OPで“ジェームズ・サンダーランド”(と思しき人)がグラサンしてオープンカーでブイブイいわしてる時点でこりゃダメだと思いましたよ!?“メアリー”も原作とかけ離れた「垢抜けた」雰囲気だし、反対の“マリア”も雰囲気的にはいいんだけど、いかんせんアタマの“被り物”感が……と原作ファンであればあるほど「初見時の拒否反応」はものすごいと思われ……
しかし思いの外ただ原作を薄っぺらくして実写化した……わけではない「原作愛」があまりに強すぎる故に??起こった弊害に思えるくらい、決して悪い映画ではないと感じました!!(ただ今日はちょっと辛口評価になってしまうかもしれませんが…)
失った最愛の妻“メアリー”から突然届いた一通の手紙。「思い出のあの場所であなたを待っている……」そんなバカな。妻から手紙が届くはずがない。“ジェームズ”は半信半疑ながら、それでも“メアリーに会いたい”ただその一心で、妻との思い出の街“サイレントヒル”へ単身赴く‥…。

まず先に、実写映画版はおろか、原作ゲームすら手を付けたことがないという方に。今作はこれまでの実写版とは、同じ「サイレントヒル」という街を舞台にしておきながら“解釈が違うの”でシリーズ3作目にあたるものの、ストーリー上の繋がりはおろか、過去2作とは全くの“別物”。完全に“独立”した1本と言っていい(言うなればシリーズでもない)ゆえにこれまでの実写シリーズ未見の方でも問題はありません。但し全体的に“駆け足”展開で若干の説明不足感は歪めず、また先述した「原作愛」が強すぎるあまり「説明のない原作再現」も多々みられ、したがって“原作ゲームを知っているか否か”では、だいぶ理解度が変わってくると思います(ここがまず評価の別れ目)私は原作をやり込んだ勢なので今回はどうしても“原作と比較してどうだったか”をメインで書かせて頂くことをご了承下さい!

パツキンを脱色して黒で落ち着いたのは髪型だけでむしろジェームズがイケイケの画家の兄ちゃんに転生してしまうという?なんかジェームズ役の吹き替え声優もちょっと若者っぽく話してるし、同じ声優なのに明らかに「キャラ」が違う……そうそう今作の日本語吹き替え版は、原作リメイク版と同じ声優が吹き替えを担当……と言う事でイコール「原作キャラは全員出ます」。一人だけオリジナルキャラに変更、もしくは二人一役に掛け合わすなんて邪道なことはせず、ちゃんと一人も欠けることなく登場させたのはエラい!!ただ今回キャラクターたちの「設定」が大きく違いました。いやコレは正直個人的には「この改変はアリ!」(ちょっと無理あるけど…)まさかみんな◯◯だったとは(詳しくはネタバレの方で解説します)でもその弊害もまたあって

いやなんでローラも病んでんのよ……
原作では唯一の“じゃない側”人間のローラも実写版は皆と同じ見事に青白い顔……一応リメイク版でローラを演じたイーヴィー・テンプルトンという子役が同役を演じているらしいのだが?役回りが大きく変わってコチラも原作にあったイタズラはするけど健気さが薄れてまるで別人。でさ、これ日本ではアッチでの評価が低くてビビって配信スルーにした、が大まかな理由なんだろうけど、もし本作が仮に大ヒットしていたら、ゲーム版と同じ声優を起用、てことで吹き替え版も同時公開する計画だったとか?劇場の枠を設けるコストとかも関係してたんじゃないかなーと。
あと新キャラの精神科医が「完全にいらない」んだよな〜。結果的にサイレントヒルの裏世界でも普通にスマホが使えるなんてちょっと冷めるし、ジェームズの背景を語るだけに作ったようなキャラで、しかも現実なのか否か、話自体ややこしくしてる気がして。その精神科医が「前に軍人も見たことがある〜」……一瞬「ホームカミング」の主人公アレックス・シェパード……いやそれは違うか

それと原作にない要素ではないけれど、オカルトな悪魔の秘密結社も蛇足だったかなと。しかも直接ジェームズのストーリーに絡まないのが……なんで出したっていう?(1作目でも出てきたしガンズ監督が好きなだけなのかも)それにどうせ出すなら「4」のヴィクター・サリバンもついでに出してくれたらまだ唸ったのだけれども…。
ウッドサイドアパート、ローズウォーター公園、ブルックヘイブン病院、そしてレイクビューホテル……ジェームズがサイレントヒルの裏世界を一度体験したあとは、原作と同じ順番でおなじみのステージを訪れる。(ヘブンズナイトだけ一番最初ですが)ただ違うのは「謎解きゼロ」の「超ダイジェスト版」という!?サイレントヒルシリーズと言えば、時に高難易度な謎解き(レベルを変更できるのはホントありがたい)も重要な要素ですが、本作は超高速クリアタイムでも狙ってんのかってレベルでスラスラと進んでいく。まぁ原作同様の謎解きに時間を割く余裕は1時間46分の尺では一瞬たりともなかったのかもしれませんが……。

また明らかCGだな〜という背景とか、VFXはたぶんそこまでカネかかってない……(汗)大半は暗がりのシーンだからそこまで気にはなりませんでしたが。なんかよくわからんオリキャラのスパイダーはいますが、原作デザインを踏襲したクリーチャーたちは概ね満足!!1作目にも(何故か)登場したシリーズの“顔”(顔ないけど)“レッドピラミッドシング”が「ゔおおおー!!」って雄叫び挙げながらやってくるとか同じく実写シリーズのマドンナ的存在の“バブルヘッドナース”の「光がないと固まる」性質を全部無視してジェームズが棒でタコ殴りにする所とかちょっと雑な所はありますが(汗)
後半ジェームズが「めっちゃ悪い顔」になって完全に“悪人”と化すなど、最後までジェームズには感情移入しずらかったものの、やっぱりわかっていても最後はズーン……まるで深い深い海の底に堕ちていくかのような原作と同じ“救われなさ”にはやはり同情してしまい心が締め付けられる。あの原作のクライマックスのオチで当時「比類なき神ゲー」を確信したと同時に「なんて映画的なシナリオなんだ」と衝撃を受けたのを覚えております。これを実写化したら面白いだろうな〜!……“そのまま”実写化したら。でも現にほら、レオナルドのアレとか……似たような映画も作られたりしてますからねー。「ジェイコブス・ラダー」「エンゼル・ハート」あたりが好きな方には、もうどストライクで◯ねますハイ。
…とここまで原作ファンゆえにどうしても辛口レビューになってしまいましたが、それでも憎いのが所々で原作ファンをニヤつかせるような要素が差し込まれる所。ゲーム序盤、サイレントヒルに入る前の公衆トイレの鏡を見ながらジェームズが顔を触るシーン、小便器を映すアングルまで完全に「一致」する再現度には流石に唸るしかない

そこに作曲家:山岡晃で味付けされちゃあ、どんなに不味くても「サイレントヒル」になるのはズルい。
ホントに偉大な作曲家だよな〜!!原作と同様、本作の劇中音楽も山岡氏が担当していて、原作のテーマ曲がそのまま流れてきた時は鳥肌ものでした。なんとも言えない唯一無二の“サイレントヒル”という音楽。全体的に物悲しさを感じる、そうそうこのBGMが恐ろしくも悲しくて長時間プレイ出来なかったんだよ!?
あとこれだけは言わせてくれ。実写2作目の「リベレーション」よりは断然面白いと。ガンズ監督的に「どこまでを原作通りにして、どこまでをオリジナルにするか」出来れば全部原作の再現レベルで同じにしたかったのではなかろうか。実写化にあたりスタジオやプロデューサーから映画版しかない独自解釈やオリジナリティを強要されたんじゃないか(めっちゃ擁護するじゃんワレ)いやだって「再現度」で言えば、実写1作目同様に、今作も非常にクオリティは高いと思うのです??
あとはやっぱり、この機会に是非原作をプレイして欲しいのよ!?ホラーゲームが苦手な人には酷かもしれないけど、本当に、本当にシナリオが良すぎて、これぞ「プレイする映画」だと思います!!
【感想(ネタバレ・考察)】

田中マルクス闘莉王より長えじゃねえかああああ!!!
まあー原作キャラをうまーく新解釈してくっつけましたねーという感想。そりゃメアリーとマリアは同じ人物、当然演じる役者も同じ。ですがアンジェラまで同じ役者が演じていたとは気が付きませんでした。マリアは明らかにわかりやすくして、反対にアンジェラは気づかれないようにがっつりメイクとカツラで誤魔化してたんですね。それに元々アンジェラは父親から性被害に遭った被害者、そこに今回悪魔崇拝の教祖的立場で、実の娘に長年毒を飲ませ街で神格化していた父を持つ、という設定のメアリーを上手く被せられたと……あとローラはメアリーの幼少期時代の設定?それなら一層、メアリーとジェームズの未来の娘、とかの設定でも良かったような気も。
で、そうなって来ますと?はいピザ男、エディも?本編では語られませんが、アイツは明らかにジェームズ?メアリーと別れた後、自暴自棄になったジェームズのひげ面がエディと一致するし、先述したメアリー=アンジェラ=ローラなら、ジェームズ=エディと見るのが正確か?(でもそうなると便器で吐きまくるおなじみのシーンの意味が…)

あとなんであんな分かりづらいエンドにするかな〜とはやっぱり思ってしまう。クライマックスに入る前に一度現実世界のサイレントヒルの病院で目覚めたジェームズ。そこでこれまでのサイレントヒルで起きた数々の出来事が全てジェームズの「脳内世界」で起きていたことが明かされるという、ちょっと早いネタバレだな〜と思いましたが。でもその後主治医の精神科医から語られる「メアリーの死」を受け入れきれないジェームズは再び脳内世界に没入してしまう。でラスト。原作の「入水自殺」エンドを彷彿とさせる、トルーア湖に車ごと飛び込んだ後、精神科医の声が聞こえて……そこから映画冒頭のメアリーとの出会いのシーンへタイムリープ。何かを悟ったジェームズは今度はメアリーを悲劇が繰り返されるサイレントヒルから遠ざけるために別の街へ送って映画は終わる。残念ながらあれも現実世界の話ではないのだが、では現実世界でのジェームズはどうなったの?精神科医の声にも耳を傾けず、別の街という「もう一段階深い夢」に入ったまま植物人間にでもなったのだろうか……?まあその夢ではメアリーと幸せになれたのかもね。
また本作が原作リメイク版にも示唆されている「ループもの」ということは、実は映画冒頭の前にも既にこれまでジェームズは何度も、まるで別エンディングを見るように何度もループを繰り返している可能性もある。(サイレントヒルで一番はじめに出会うホームレスが過去ジェームズの成れの果て……は流石に難しいか??)

一つ疑問なのが、原作ではメアリーが不治の病という、誰も責められないどうしようもなさ、からのメアリーの「介護疲れ」と「早く楽にしてあげたい」という想いからメアリーを手にかけてしまう絶望感。ゆえに責める相手は自分自身で、それが処刑人であるレッドピラミッドシングを生むことになるのですが、今作では「父を含む悪魔崇拝者たち」と明確にメアリーが病に侵される原因を作った「犯人」がいるわけですよ。だったらなぜジェームズはメアリーを殺す前に、その悪魔崇拝者たちに復讐しなかったのか?それか復讐「出来なかった」理由とでも?例えば悪魔崇拝者たちもジェームズの脳内妄想の一つだった、とか?もうジェームズって自分の都合のいい方向にどんどん改変する都合のいい人だからもうわかりません!!
……と見終わったあとに考察してみると、意外と本作は原作同様に深掘りできる要素を残していることに気づく。ただ原作を薄っぺらくなぞっただけの映画ではない、ちゃんと作り手の原作愛を感じられるから嫌いになれないというか。再び「サイレントヒル2」をプレイしたくなる、くらいには成功しているのではないだろうか?




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