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シェルビー・オークス(2024)

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【原題】Shelby Oaks

【監督】クリス・スタックマン

【出演】カミール・サリヴァン ブレンダン・セクストン三世 キース・デヴィッドほか

【あらすじ】

オハイオ州の廃墟と化した町シェルビー・オークスで、人気ホラー実況チャンネル「パラノーマル・パラノイド」のメンバーであるライリー・ブレナンがこつ然と姿を消した。事件が未解決のまま12年が過ぎたある日、ライリーの行方を捜し続けてきた姉ミアのもとに、失踪の瞬間をとらえた1本のビデオテープが届く。映像を手がかりに真相を追うミアは、事件と町の過去にまつわる恐ろしい事実にたどり着く。(映画.COMより)




【感想(ネタバレなし)】
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『「ミッシング・チャイルド・ビデオテープ」inアメリカンor「シェルビー・オークス」という名の「サイレントヒル」』




続編増える度にロゴがクソダサくなるスパイダーマンに恐怖を覚えるラーチャえだまめです。早速ですが本日はコチラの映画を拝見させて頂きました



【シェルビー・オークス】マ・ドンソクがアップをはじめましt……いやー本当に本当に今年は良作ホラー出血大サービス年月だったことが判明してしまった??またしてもオソレゾーンすぎる“リアリズム”ホラーが凱旋。製作はブラムハウス、A24と肩を並べる「ロングレッグス」「THE MONKEY/ザ・モンキー」のスタジオ“NEON”。プロデュースは「ジェラルドのゲーム」「ドクター・スリープ」でSキングに認められしミスター・ホラーマンマイク・フラナガン。と聞けば期待しちゃうわけですが、現在も絶賛公開中の「ウェポンズ」が気に入らなかった方にこそオヌヌメしたい、これがモノホンの「ガチ怖」系“考察”映画だったんですねー。


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アメリカ・メイン州……ではなくオハイオ州の廃墟“シェルビー・オークス”という街で「パラノーマル・パラノイド」というホラーチャンネルを運営するYouTuber集団全員が謎の失踪を遂げる。メンバーのうち3人はその後無惨な死体となって発見され、残る1人でMC担当“ライリー・ブレナン”は見つからぬまま12年の月日が経ったある日、ライリーの姉“ミア・ブレナン”の元に不審な男が突然訪問してミアの目の前で拳銃自殺を計る。奇しくも血塗られた男の手には1本のビデオテープが握りしめられていた……。



……ゾゾゾ!!OPの掴みはマジで完璧でしたねー!!面白いのが冒頭はフェイクドキュメンタリー調のファウンドフッテージから始まりそのまま行くのかと思ったらタイトルが出てそっから「よくあるシネマティック」に切り替わる二段階設計という?謎多き失踪事件の特集VTRに“実際の映像”とされる記録映像。「実は映像の端っこに映ってる系」で思い出した「レイク・マンゴー」と似た「目を背けたくなる恐怖」を感じました……(汗)



そんなOPでガッチリとホラーファンの心を鷲掴みにしてからいざ本編開始、このスライドが上手く“現実の恐怖を引きずったまま本編に入る”ことになる、この手法はまさに邦画の「ミッシング・チャイルド〜」のそれでリアルと創作の境目を曖昧にさせてくる気持ち悪さ。さらに本編開始後も姉のミアが妹のライリー失踪事件の鍵となるビデオテープを見るシーンでは、ビデオテープの映像だけでなく“ビデオテープを流して観るミア”の視点で映すことで、今度はミアの視点と我々観客の視点を同化させ、さらに没入感を作り出している。


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そんな創作とリアルの境界線が曖昧な前半戦から後半に進むにつれ既視感のある「よくある」オカルトに着地するのはちょっと残念。それでも本作の魅力は本編だけにあらず??私は鑑賞後に知ったのですが失踪事件を取り上げた架空の掲示板サイトが今現在稼働中(しかもちゃんと日本語訳されてるぞ!)本編では見れないライリーのインタビュー動画など本編の謎を解き明かす「アーカイブ」が目白押し、“伏線”が忍ばせてあったりもしてこれがまたかなり作り込まれているんですよねー。鑑賞後に見ればまた本作の世界観がぐっと現実に近づいてきて前半で感じたリアルなゾゾゾ感を2度味わうことができる!?これ作ったヤツSDKかよ!他にも情報提供はコチラ、の架空の電話番号に実際に電話すると(私は怖いのでかけてません…汗)これまた「何か」が起きるらしい……。



映せないものにはちゃんとモザイクをかけるというグロテスクなシーンはないものの何度かビクっとなるシーンがあったり「犬」がキーパー犬になってて遠吠えが「何か」の到来を告げる非常にブキミーな演出など、ホラー映画のイロハも丁寧に守りアトラクション的な面白さもある。上映中隣の中高生たちがうるさかったけど上映終わって明るくなった途端「えめっちゃ面白くない!?」ってキャッキャッしたらこっちまで嬉しくなっちまうじゃねーか!!


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監督は本作が長編映画&監督デビュー作のクリス・スタックマン。なんとこの人Youtubeで映画批評する人気YouTuber!?「トーク・トゥ・ミー」のフィリッポウ兄弟といい最近はYouTuberも映画監督になれる時代なんですね〜。しかも本作爆誕のきっかけとなったのがスタックマンがマイク・フラナガンが監督した「オキュラス/怨霊鏡」のレビュー動画を挙げて、それを見たフラナガンと親しくなったのがきっかけって!今やすっかり売れっ子監督の「スパイダーマン」のジョン・ワッツがかつてお遊び半分でフェイクホラー映画の予告のクレジットに勝手にイーライ・ロスの名前を載せてYoutubeに挙げたらそれを見たロス本人がその予告を気に入り本当に1本の長編映画(それがイーライ・ロス製作、ジョン・ワッツのデビュー作「クラウン」)になったって逸話に似てますね!!ちなみに来年は当時16歳のケイン・パーソンズ少年がyoutubeにあげたネット都市伝説の「Backrooms」をパーソンズ自ら長編化してA24スタジオで公開予定という、今後は動画制作の無料公開場であるYoutubeで次世代監督の卵を探すのが主流になってくるかも??



欲を言うならせっかくタイトルにまでなっているシェルビー・オークスの街をもう少し拝みたかったかなー。実際シェルビーオークスに行くのは後半に入ってからだし、むしろ尺を長くしてでも見せるべきだったと思う。シェルビーオークスという「特異な街」で起きる「怪異」が見たかった。ただ最後まで「真面目に怖がらせる」姿勢を貫いてくれたのは良かったし、内容的に「サイレントヒル」の影響受けてんじゃね?ってくらい似てて、だから好きな人は絶対に「刺さる」と思います!!

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