タイガー・ストライプス(2023)
- 13 分前
- 読了時間: 4分

【原題】Tiger Stripes
【監督】アマンダ・ネル・ユー
【出演】ザフリーン・ザイリザル ジューン・ロージョン ディーナ・エズラルほか
【あらすじ】
イスラム教の女子学校に通う12歳のザファンは、伝統的な規範に縛られながらも、時に羽目を外した言動で無邪気に日々を過ごしていた。しかし、友人たちの中で誰よりも早く初潮を迎えたことをきっかけに、周囲から遠ざけられ孤立を深めてしまう。戸惑う彼女に追いうちをかけるように、その身体は異様な姿へと変貌していく。大人たちはザファンの暴走を抑え込もうとするが、彼女の狂気は増大の一途をたどる。やがて彼女は自分自身を受け入れ、そのすべてを解き放っていく。(映画.COMより)
【感想(ネタバレなし)】

『マレーシア産“ホディホラー”』
久しぶりに実家に帰るも「VIVAN観るから早く帰って」と言われたラーチャえだまめです。早速ですが本日はコチラの映画を拝見させて頂きました
【タイガー・ストライプス】…!!??ナニになるかな♪ナニになるかな♪……みんな大好き「ボディホラー」映画のお時間がやってきてしまいましたぁー。とは言っても“トラの縞模様”のド直球タイトルの通りTORATORATORAああああ!!!に変身するのですが…。
キングの「キャリー」、これまでオオカミやら人魚やら思春期ガールの心とカラダの“認知のズレ”や“恐怖”を時にクローネンバーグ的グロテスクな“変身”を通して描く映画も数多くありますが、本日はマレーシア産ボディホラー??いやー気になりますなぁ!なんでもマレーシア代表として出展されたカンヌ映画、ということでゲテモノ枠ではなく文化人が集うシアター・イメージフォーラムで上映中(いや前に「kfc」っていうカニバル映画もやったし…)という事でお邪魔したのですが____

「心とカラダ」の乖離による「恐怖」×マレーシアの古い習わし、成長を「妨げる」文化の「悪しき要素」を壮大に「ディスる」という!?二刀流で挑んだ映画、だったんですねぇ。
中休み中にみんなスマホをポチポチ。TikTokで踊ってみた動画撮ったりシール貼りが流行していたり?街中にトラ(まぁクマみたいなもんか)が現れれば、すかさず通行人たちはスマホ片手に動画を回す。ジャングルに囲まれた小さな村の中でも当たり前のようにスマホ中心の生活が根づいている光景がなんとも新鮮というか(マレーシアという国自体あまり詳しくはないのですが)日本と全然変わらないじゃ〜んと。

なのに女性の「生理用品は洗って使い回す」のが常識みたいなことになっているのがちょっとビックリしてしまいまして。近代化の象徴=スマホがやたら登場するから余計にザファンの住む村、彼女を取り巻く環境、大人たちの「文化」が時代に追いついていないように、これはワザと我々視聴者側の目にそう映るように仕向けているような、そんな感じもしました。
でザファンはその生理用品を一度は洗うもののそのあとトイレに流す。スマホで繰り返し使うものではないという“常識”もすぐにわかりますからね。そしてザファンは“窮屈”な世界から「ワタシを解放しろ」と“吠える”。彼女を縛り付けようとする“全てのしがらみ”から、彼女は力強いトラに“成長”して力ずくで解き放とうとする。この力強さ、ポスターは画ですがザファンを演じた子役の顔面強度、カラダの芯から叫び続けるような恐ろしさまで感じる。(あとダンスがめっちゃ上手い。)
またカラダの成長に伴って身の回りの“ルール”(それも縛られたものですが)の変化や、いつメングループのひとりだった子がザファンが初潮を迎えた途端“バケモノ”扱いしてクラスメイト何人か従えてザファンを虐める掌返しっぷりは立派な“バケモノ”ですな?周りの変化に戸惑い、脅され、自分の変化は“正常”ではないのでは?と自らの自信も失っていく。その心の不安をトラのバケモノとして表現するという所は、非常にかわりやすいというか小難しさは排して比較的誰の目にも意図が伝わるような作りをしている。

肝心要の“変身”シーンは、ザファンの内面だけの抽象的なものかと思ったら現実世界でガッツリ変身!するんですね…(何故そうなったのかの説明は一切ないけど)とってもアナログで手作り感が愛らしい。トラの髭が生えたり爪が剥がれる(お決まりの)毛が抜け落ちた頭頂部の見えるカツラやゴム製の大きな猛獣のように変化した手など特殊メイクも頑張っていたと思う。巨木を登るシーンで急にストップモーション風になるのは笑ってしまったが。反面、正直なところ「マレーシア版」というくらいしか新鮮さはないというか、先述したこれまでもこの手の変化映画は存在するし、しかも女性の開放とか自己の許容などテーマもほぼ同じだから既視感しかないのがちょっと残念でした。マレーシア映画に馴染みはないし文化や歴史にも疎い自分には、その国の“今”を垣間見れた、という意味で興味深く観ることは出来たのですが……。




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