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Vermines(原題)(2023)


【原題】Vermines

【監督】セバスチャン・ヴァニセック

【出演】テオ・クリスティーヌ ソフィア・レサフル ジェローム・ニールほか

【あらすじ】

爬虫類を愛する主人公カレブは見たこともない毒グモを手に入れた。室内でカエルや蛇など飼っている彼の夢は部屋の中に小さな動物園を作ることだった。珍しい種類のクモを手に入れた彼は、自分の部屋で飼おうとするがよいサイズのケースが無く、一時的に靴の空き箱に入れておくことに。しかしクモは逃げ出してしまう。古いマンションの建物内に侵入し隠れた毒グモは、驚異的な速度で繁殖し巨大化していく。狂暴化した無数の毒グモは神出鬼没に現れてやがて人間たちを襲うようになる・・・。


 
【感想(ネタバレなし)】

『結論:ナイキの箱を過信してはダメ。』

 





どーもどーもラーチャえだまめです。いやー先日偶然なんですがコチラにお邪魔させて頂きました



「横浜フランス映画祭2024」。へぇー横浜でこんなのやってたんですねー。さすがシャレ乙の水の都。1993年から始まった同企画は今年で31回目。日本“未凱旋”の最新フランス映画を中心に今年は今月20日から24日までの5日間、会場はいつもお世話になっております桜木町駅から徒歩5分の駅チカ好立地シネコン横浜ブルク13。今年の開花宣言にはそのままゴーストもスイーパーして欲しい世界の役所広司が来て結構盛り上がったらしい?でも私って好みがだいぶ偏ってるじゃあないですか?フランス映画と言えばリュック・ベッソンとリュック・ベッソンとたまに「ポンヌフの恋人」挟んで……アンフェタミンッ!!!レベルの人間でっせ?フランス映画の祭典って……今年のラインナップを見ても、ふむふむジャンルはどれもやはりドラマ系ばかり……そんな縁の無さそうな私が何故今回この祭典に足を運んだのか。













あったんですねー“モンスター”枠が。





【Vermines(原題)】!!!日本タイトル未定のコチラの映画、本国フランスで予想を超えるヒットを記録したらしい!?フランス映画でモンスターMOVIE??ちょっとイメージありませんよね??てかそもそも“フランス産のモンスター”なんていましたっけ……??ってそっからしてまず珍しい&「Vermines」=“害虫”のタイトル通り、近年マスクの下がイケメンだからってスカヨハもビックリな今やすっかり親愛なる隣人化して現に見た目に反して家の害虫とか食べてくれて実はスゴイいい奴感醸し出しまくりの“嫌悪感ゼロ”のイメージがついた“スパイダー”が?お久ブリーフに「俺も害虫だぁあー!!!」とイワンコフばかりに嫌悪感フルボッコで観客を恐怖と悲鳴のどん底に突き落としてくれたらしい“パニックもの”の代表格として再び返り咲いたかもしれない最新蜘蛛映画が?予想外のフランスで孵化してしまっただなんて聞いちまったらさ?



先日新作「エイリアン」の予告が解禁されぴょんぴょん跳ねるイキのいいフェイスハガーを見て無性に8本脚映画を欲していた私にとってこれはタイムリー過ぎだろ、ということで観てみたのですが……いやー














早くも2024年度「最優秀モンスター賞」が確定してしまいました…






 




めちゃくちゃ面白いじゃんかコイツぅぅ!??これは今年とんでもクライシスなB級モンスターホラー界の(世界狭ッ)ダークホースならぬダークスパイダーの凱旋じゃああああああー!!!!いやーもう何から褒めてよいのやらあばばばあばばばば…(汗)まずモンスターMOVIEという“ジャンル”映画の“大前提”として!?本作を観たら100%














絶対に「クモ嫌いになる」ことをお約束します。





コレなんですよ!!!本作を観たら「クモに噛まれたらヒーローになれないかなハハハ!」なんて“もう笑えない”「生理的に無理度200%」のクモ地獄を味わうことが出来てしまう!?もう明日からクモの見る目変わるわ!!(泣)“ホンモノのクモ”とVFXを使ってその数“200匹”!?クモ嫌いの方はご遠慮した方が身の為かもしれませんザワザワザワ……劇場に響き渡る“最悪な足音”。カーテンの裏、換気口、買ったばかりのナイキのシューズの中……あばばばばばばばばそんな所に潜んでたのかぉおおおおーー!!!(泣)“いかにも”な場所に“ヤツ”は潜みそして見つかりそうになるとヒョイッと突然飛んできたり“腕にはってきたり”……ぎゃああああああああーーーー!!!何度悲鳴を上げそうになったことか。人間が最も嫌悪感を抱くシチュエーションでも研究したのか、そんなヤツらの恐怖をさらに倍増させるために用意された、前半にそれとなく見せていた“ギミック”を……おおーそう来るか!!ただの暗がりの廊下がカップルに是非ともオヌヌメしたいインスタばえする水族館トンネルを凌駕する“キショさMAX地獄のデス・クモトンネル”に早変わりだぁーーー!!!いやー本当に恐ろしかった。こんなにクモってキモかったんだなぁ……



だからこそまず本作が「モンスターMOVIEとして優れている」と言えるのです!!スパイダー・パニックものと言えばかつて「アラクノフォビア」「スパイダー・パニック」……どちらかと言うとハリウッドのお家芸ジャンルの一つでした。それが今回フランスでですよ??今挙げたソレらの“インスパイア”版と言っても過言ではない強烈なモンスターを爆誕させてしまったんですねぇ。しかも地味そうじゃん?いやいやダーウィンの進化論もクソもないありえねぇサイズの“ジャンボスパイダー”も登場!?(しかも死体から出てくる!?)これはもう「エイリアン」「ミスト」と同列のSFクリーチャーものとしても優秀だと思いましたね!!そうです面白ければデカくなっていいんです!?また光を当てると動きが止まるリアルな演出が実は“予算を抑えるための工夫”という、決して大作ではない限られた予算内でいかに面白く見せるかの“アイデア”も随所に感じることも出来る。



その一つに本作の舞台がフランス郊外のスラム街に実在するアートみたいなカッチョいい古団地内限定、という予算を抑えるだけでなく「REC」のような閉鎖された空間内とホラーは大変相性が良いのは周知の事実かと思いますが?団地に住む住民VSクモの死闘。これも素晴らしいのなんの。団地に閉じ込められた住人たちが生き残りをかけたサバイバルを余儀なくされる展開はまさに「アタック・ザ・ブロック」のフランス版と言ったところですし、人物描写がまた素晴らしく皆キャラ立ちが良く魅力的に描かれているのです。だからこそ一人また一人とクモの餌食になっていく悲しみったらありゃしない。クライマックスでまさか“泣かされそうになる”とは思いませんでした…。



そして本作が“ただのモンスターMOVIE”だけに留まらない、現フランス郊外の置かれた現状を描いた社会問題をテーマとした、否むしろコッチがメインと言っても過言ではないところ!?様々な理由で団地に集められ、そこで過酷に生きることを余儀なくされた子どもたちが、住人たちと時に助け合いながら、たくましく生きている姿も描いている。そしてそれはクモに対しても同様では?様々な理由で団地に集められ、そこで過酷に生きることを余儀なくされた“クモ”たちが、増殖した“仲間”たちと時に助け合いながら、たくましく生きていく姿……実はこれクモもまた子どもたち同様“被害者”として描いているのもポイント。クモに嫌悪感を抱くと同時に“生き物を大事にしよう”という動物愛護の感情まで芽生えてしまうかもしれません!?自然をないがしろにするニンゲン様こそ“Vermines”なんじゃないか。クモを団地に持ち込み「箱に閉じ込めた」のが紛れもない団地の子どもで、その結果彼もまた「“箱”に閉じ込められる」のはもう皮肉としか言いようがない。



監督は本作が長編デビュー作のセバスチャン・ヴァニセック。本作上映後のトークイベントにご登場なさいまして。これまで数々の短編を撮ってきた&大の“生き物好き”という新人監督さんですが実はホラーも本作が初めてで?そもそもホラー映画をあまり観ないだって……の割にはホラーのセオリーをしっかり抑えてるんだよなー(汗)監督自身も郊外出身という所で、先ほど述べた社会問題をまずテーマとして描こうとした、そこに大好きなクモをはめ込んだら奇跡的に最凶モンスターホラーが爆誕したのでしょうか。とにかく本国のみならず海外でも評価されている本作、次回作はまだ未定らしいですが、ハリウッドにも売り込みに成功し早くもサム・ライミの目に止まり「死霊のはわらた」新作監督にオファーがかかっているだとぉ!?セバスチャン・ヴァニセック……今後もフランスで映画を撮りたいと仰っておりましたが、次はどんなジャンルであれ、また彼の名を聞く機会はそう遠くないかもしれません!!製作にNetflixが絡んでいそうなのですが日本での公開は……いやこんなに面白いんだから絶対あるでしょう!?全国のクリーチャーマニアの方々の為にも、どこかしらの配給会社がやってくれることを切に、切に願うために今からお遍路の準備を……

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