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Swallow/スワロウ(2019)


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【原題】Swallow

【監督】カーロ・ミラベラ=デイヴィス

【出演】ヘイリー・ベネット オースティン・ストウェル エリザベス・マーヴェルほか

【あらすじ】

結婚してニューヨーク郊外の屋敷で暮らすハンター(ヘイリー・ベネット)は、誰もがうらやむ生活を送っているように見えるが、夫には話を真面目に聞いてもらえず、義父母にはないがしろにされて孤独な日々を送っていた。そんな時、ハンターは子供を授かる。喜ぶ夫と義父母とは対照的に孤独を深めていく彼女は、ある日、ふとしたことからガラス玉を飲み込みたいという衝動を感じる。(Yahoo!映画より)




【感想(ネタバレなし)】
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『結論:ク◯して寝ろ』






どーもどーも先日道を歩いていたら電柱にハンガーにかかった誰かさんのパジャマが挟まっているのを発見しましたラーチャえだまめです。はいと言うわけで今日は新年1発目の劇場映画……と言いたいところなのですが、私は数日前お正月にホウキも放棄して映画館へおジャ魔女どれみさせて頂きましたがいやー全くバカみたいに増えちゃいましたね。映画館は自粛規制の対象外、ということみたいですが午後8時以降の上映中止?(1/7現在)になるとかなんとか、、、、時短要請もかかるみたいでとにかく観に行きたくても観に行けない、観に行きづらいという状況になって参りました。そんな中今回うかつにご紹介していいのだろうか?そんなことも頭をよぎりました。



上映中のマスク着用に会話は避ける、当日体調不良があれば無理をして観に行かない、その他感染予防を徹底的に行い劇場内感染を防ぐことが我々映画ファンができるコロナから「映画館を守る」唯一の方法です。やりましょうよ。守らないたった一人のせいですべての映画館が困ります。今こそ全ての映画ファンのモラルが試されている……








とポエムはこれくらいにして、本日ご紹介する映画は〜キミだぁ〜!!ぴっぴかちゅー


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【Swallow/スワロウ】!!ジャック……それスパロウ!!!日清……それスパ王〜!!相変わらずウチのガヤがすみませ……いやー見たかった映画です「ガールズオンザトレイン」で勝手に“団地妻にしたい女優No1”に選ばせて頂きました「ハードコア」でアナタのためなら一生機械人間でもいいと心底思ってしまったヘイリー・ベネットが主演、というならこれはもう問答無用で観たいなーと思っていた映画でしてね。そんな彼女ですが去年「ヒルビリー・エレジー 郷愁の哀歌」で10代から子持ちのママンという幅広な演技を見事に披露してくれたその美貌をそのままに、何を思ったのか突然赤いスイートピーならまだしも赤いビー玉に画鋲をパクンとゴックンちょでガ、ガビョォ〜ン!?な衝撃的な行動を取ってしまうと言うのです??こーれーはまたまたお腹が痛くなりそうな映画が爆誕してしまいました。しかもそれに「快、、、、感」を覚え次から次へといろんなものを“飲み込んでしまう”衝動にかられ……なぜ彼女はそのような行動をとってしまうのか!?そこにはまたしても庶民派の皆さまにはおわかり頂けるかもしれない高級ステーキ食ってる場合ではない























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“上流国民はク◯に流しちゃえ”









…論がまたしても浮き彫りになってしまったのd、








金髪の草間彌生ヘアーが似合っているかは別としてヘンリー・ベネット演じるハンターは夢のまた夢の御曹司とご結婚された完全なる“勝ち組”の美しき人妻であります。専業主婦の彼女は夫が帰ってくるまではいつも同情するならせめて3LDKをくれとせがむ人妻にもオヌヌメすぎる豪邸でパスドラをしたりパスドラをしたりパスドラをしたり……それはそれは退屈、いや自由な生活を桜花しておりました。「何不自由ない生活」……我々庶民の目からすればそう見えて仕方がありマンボウ……しかしそんな完璧な人生を送っているように見える彼女にも最近ある切実な“悩み”


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仕事が忙しい夫。いつも夫が好みそうなドレスを身にまといタタミ1畳分ある長さの長テーブルの端と端に座ったソーシャルディスタンス!!……しながら手料理を振る舞いニコニコしながら「今度プールに花を飾りたいんだけどどうかな?」と素敵な提案



仕事のメールに夢中な夫。あーあ!!やっちゃったよ!!やっちゃってるよコイツぅー!!!ハンターの最近の悩み「最近夫が冷たい」。仕事が忙しいのもわかるんですよー、でもちょっとくらいは奥さんの相手くらいしておかないとぉ〜、離婚ってのはそーゆーとっから始まっちゃうんだよぉ!!!(貴様が言うな)そんなことなど麺つゆ知らずにそのまま放置プレイされ続けるハンター。そんな毎日不安ばかりが募る中での“妊娠”発覚。舞い上がる夫、喜びきれないハンター。ある日夫の母親(つまりは姑)から“妊娠中に読んでおいた方が良い自己啓発本”という名の姑から貰ったら即便器に流したいプレゼントランキング1位の品を頂戴したハンターはその本に書かれていた1文「毎日が楽しくなるような驚くようなことをしよう」を“実践”してみようと試みるのでした……























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「異食症」






本作ではあまり聞き慣れない病気の名前が出てきます「異食症」という病気を皆さんご存知でしょうか??読んで字の如く“異”を“食”べる“症”という“栄養のないものを無性に食べたくなる病気”らしいのですが、大人から子どもまで誰でも発病する可能性がある、栄養失調や精神的ストレスが主な原因としてあげられるんだそうで。そして妊娠中の妊婦さんが不足しがちな鉄分で起こる貧血でも発病するケースもあるんだそうです。まさにハンターは精神的ストレスと妊娠のダブルパンチでこの病気を発病してしまったんですねぇ。



さらに言えば先に言った自己啓発本もその一因となってしまったのかもしれません。夫のいない時間、たった一人で退屈と不安にかられる毎日。ハンターの精神状態はとっくに参ってしまっていたのです。はじめは小さなビー玉からはじまりました。それから徐々にいろんな“モノ”を飲み込み始めるハンター。彼女曰く「飲み込んだ時の快感」が忘れられないのだそう……うわうわうわうわうわ!!!それ飲むん!?飲み込んじゃうのぉー!!!??と思わず目を背けたくなるような、いやそこまで過激なシーンはないのですが。なんていうか単に映像というより「異物を飲み込む」という行動そのものに本能的な危機感というか嫌悪感を感じちゃうというか……そんなの飲み込むなら























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とりあえずビッグマック食おうぜ







おっとり系に見えて心の奥底にストレスを抱えているハンターを本作で製作総指揮も務めるヘンリー・ベネットが好演。そこまでセリフ量はないのに“問題を抱えるている女性”を見事に演じております。一見イケてる愛妻家な夫はハンターを自分の「ジュニア製造機」くらいにしか見ていないとにかくク◯を貫き通すテメェの顔面舐めるくらいなら便器舐めたほうがまだマシだわああああ!!その両親も両親で結局は“息子が愛したアクセサリーか何か”程度にしかヘンリーを見ていない。そんな“上流国民”たちの“華麗なるク◯族”が徹底的に描かれる故あまりいい気分にはならないかもしれません。しかも後半ハンターをさらなる“悲劇”が襲う……



ハンターはそれらを「すべて一人で解決しようと奮闘」するのです。これは“運命から逃れようとする一人の女性の物語”。異食症に悩まされ、自らの“知られざる過去”とどう向き合い、どう前に進んでいくのか。「ラストの彼女の決断」。これは真っ二つに意見が別れそうな“賛否両論”ありそうなラストだと思います。これは日本でも例外ではない話なんじゃないかなー。ちょうどタイムリー……と言っていいのか、この問題がニュースで取り上げられていましたし。色々考えさせられる映画でもありますね。








【感想(ネタバレ)】






ハンターが最後に選んだ“妊娠中絶”という手段。日本では去年ピルの普及率が極端に低い問題を受け処方の在り方が議論されました。より身近にピルを使えるようにすべきか、賛成派と反対派意見が別れたらしい。アメリカでは日本と違ってかかりつけ医でもなく飛び込みで行ってあんなすぐ薬貰えるんですねー。しかも1回の使用で終わってしまうなんて実にカンタンだ



その“カンタンさ”が日本では問題になったわけです。本作のラストで誰でも使う公衆トイレで“片付いてしまう”その手軽さに違和感を覚えた方もいるかもしれません。そんなカンタンな話でいいの?それこそ本作が賛否両論起きそうだなと感じた点。そこで少し彼女のことについて考えてみましょう。


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ハンターは“望まない妊娠”を断ち切ろうとしました。それは自身も望まない妊娠により生まれ、同じ想いをこれから生まれくる赤ちゃんにも背負わせたくない……そう思っていたんですね。そして母親をレイプした犯人である“男”の元を訪れます。憎き男も今では新たな家庭を築き幸せに暮らしていました。見ていて非常に腹立たしいシーンではありましたが、ハンターは男に“自分は恥べき人間なのか?”と聞きます。自分は間違った選択により生まれた存在なのか、レイプされ生まれた恥ずべき人間なのかと。返ってきた男の答えは「お前の存在は“恥”ではない」でした。私は恥ずべき人間だ、ただお前にはそれは全く関係がないことだ、お前はお前という“ひとりの人間”であれ___。と



これまでハンターは結婚して“夫のための人生”を歩んできました。異食症になってからも“用心棒”から監視され家の中での行動も制限された



























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てかおま天使かよ









なんなんだよキン肉マン消しゴムみたいな図体しやがってチキショー!!!……自分で選択する自由すら彼女には与えられていなかった“自由なのに自由ではなかった”んですよね。それに疑問をずっと感じていた。けどそれは“贅沢な悩み”だと思った「私は幸せ」この言葉をハンターはずっと口にして自分自身に暗示のようなものをかけようとした。けど出来なかった。何故ならもう既に自分の中で“答え”は出ていたから。



そして最後に“男”の元を訪れその“わかりきった答え”を再度得ようとしたのです。第三者からの意見として“確信”したかったのです。してその“答え”とは、自分は夫のモノでも過ちから生まれたモノでもない「私は私なのだ」という事。だから「子どもをどうするか」自分自身で決めてもいいのだ、と。そして決めたのです。その結果がラストだったわけです。ただそれだけの話























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彼女の選択に“正解”も“不正解”もない








これは彼女の物語。私の物語でも、アナタの物語でもありません。彼女の選択に我々“部外者”がとやかく言うことなど出来ないのです。本作を見て“望まない妊娠には全てにおいてすぐ手に入るピルを使おう”なんていうメッセージだったり“望まない妊娠だろうが責任ある行動を。社会は安易にピルを広めている”などと皮肉ったメッセージもありません。これは一人の女性が、一人で考え、一人で選択をした。それを否定も肯定も出来ますか?という話なんじゃないかと。



異食症という聞き慣れない病気の恐怖などを描いている以上に、夫婦生活で悩まされる女性、そこからさらにさらに深堀りして“命の選択”のようなとっても大きな話を描いた、とっても考えさせられる映画だなーと思いましたね。本作にはR15指定がつけられていますね、中絶という行為が日本ではタブー視されているから?それをタブー視する時点で、日本はまだまだ色んな意味で“遅れている”な、私にはそう感じてしまいました……。





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