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アダムズ・アップル(2005)


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【原題】Adam's Apples

【監督】アナス・トーマス・イェンセン

【出演】マッツ・ミケルセン ウルリッヒ・トムセン パプリカ・スティーンほか

【あらすじ】

ネオナチに傾倒するアダム(ウルリク・トムセン)は仮釈放の日を迎え、更生施設でもある田舎の教会へ送られる。彼の指導者であり聖職者のイヴァン(マッツ・ミケルセン)の温かい歓迎も、人の情けや神を全く信じていないアダムには届かない。イヴァンがアダムに目標を尋ねると、庭のリンゴでアップルケーキを作るなどといいかげんな答えが返ってくる。(Yahoo!映画より)





【感想(ネタバレなし)】

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『マッツの鼻ばかり気になって会話が全く入ってこない』





どーもどーも「アタマが悪い人は嫌い」と言えると言う事は、少なくとも自分の事はアタマがいいと思っている人であって、私はそんな人とはお友達にはなれませんッ!!何故なら私はアタマが悪いからですッ!!ラーチャえだまめですッ!!いやーアタマが嫌いんじゃなくて鼻が悪なったと言えば交通事故で(タイトル忘れた)チャームポイントのエイドリアンブロディのお鼻がブロディしちゃっただけではなかったんですねッ!!“カリコレ”ッ!!……今日紹介するのはコチラ!!【アダムス・アップル】!!!



今年のカリコレで個人的に一番の目玉だと思っていたのですがどーやらカリコレで先行公開されるってだけで10月から一般公開される映画だったんですねッ!!いやー知らなかったなーそしたら別に急いで観なくてもよかったんじゃないの?なんて思ったのですが



3日前の午前00時からネット予約が開始されその00時ピッタで予約画面にアクセスした所もう時既に遅し8割型座席が埋まっているじゃない!!う、ウソつけ!!絶対株主優待とかやってるんじゃn



…まそんなことはどーでもよくってとりあえず「すげーイイ映画だった。」って事が言いたいのですよ。いやこれは是非とも3つ、4つ、5つ、マッツこと“マッツファン”にオヌヌメしたい、そんな映画だったんですね〜。


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「遊星からの物体X」でノルウェー観測隊のウルリク・トムセン演じるネオナチの元犯罪者の“アダム”がやってきたのは大きな庭にこのぉーき何の木“りんごの木”がある協会であります。そこへ短パンサンダル姿のちょっとラフなラフ・ミケルセン演じる神父のイヴァンがやってきます。てかミケルセン脚細っそ……本作は今から14年も前の2005年製作、オリンピック3回分寝かせられたってワケですね。同じく罪人で協会に住む“同居人”たちと共に生活をはじめるアダム。イヴァンは言う。「キミは何がしたいんだ?」するとアダムは答えた「オレはココでアップルケーキを作る」と___



ゆる〜い感じですね。ええ。こーしてアップルケーキを通じて次第に人として更生していく人の姿を描いたハートフルドラ……と言いたい所ではありますが、本作がソンジャソコラの映画と違うのは、この“アップルケーキを作る”というふとただ思いついただけの、この“行為”が















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“恐ろしく上手くいかない”!!!?





カラスに食われるわ害虫の被害にあうわ終いには落雷で“リンゴの木”ごとドカーン!!!……ナゼだ!?どーしてこんなにも上手くいかないのだ!?…ただの偶然だと考えるアダムとは打って変わりイヴァンは既に悟っていた。「これは“悪魔の仕業”だ。我々に“試練”を与えているのだ」と_______



















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おーーーっとコイツはなかなかめんどくさいヤツだぞ?






癖が強すぎるよミケルセン!?「失敬だな!」が何かと口癖な、いやー「ドクターストレンジ」の目の下のクマの濃さ以上にキャラが濃いぶっ飛んだ役を演じております。そしてあのお美しいお顔がどんどん破壊されていきます(笑)しかもぶっ飛んでいるのは彼だけに留まらず、同居人のアル中の巨漢野郎に武器の売人並の重火器を操るパキスタン人、に胸を撃たれても死なないチンピラなどなど……マッツの顔をタコ殴りにする狂犬アダムがまさかの“ツッコミ役”になるという「“まっとうな人間ゼロ”」な世界!!でもそこから生まれる“感動巨編”って何…!?(笑)



ちょいちょい宗教絡みで割と残酷描写もある、ブラックユーモアたっぷりの決して万人向けとは言えない作品ではございますが、いやー観終わった後うまく言葉には出来ないけどラストは「なんかイイ映画観たな」と思えてしまうこのアンビリバボーな“奇跡”!?これはトンデモクライシスな魅力の詰まった、“深イイ”映画でございますッ!!








【感想(ネタバレ)】






ホント、観終わった後“どう言葉にしたらいいか困る”なんとも不思議な映画だな〜と思いましたね。宗教の知識が思いっきり必要な映画なんじゃないかって。ですが上映後の北欧ジャーナリスト森さんのトークショーがヒジョーに参考になりましてですねーいやー本当に勉強になりました。この映画はまさに














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“何事も受け入れて前に進む物語”





なんだな、と。いやー歯に詰まったニラが取れた思いでございます。イヴァンは過去に壮絶な“人生の苦悩”を体験し、自分にこれほどまでの不幸が訪れるのは偶然ではなく全て悪魔の仕業だ、と思い込む事で自分を保ってきたんですよね。そこへそういった類の話に懐疑的なアダムがやってきて、現実から目を背け続けるイヴァンに“悪党ばり”なやり方で目を覚ませようとする。しかしアダムも次第に偶然とは思えない出来事に気づき始め、イヴァンを苦しめるのは悪魔ではなく彼が信仰する“神自身”だ、とイヴァンこそ“ヨブ記”のヨブそのものじゃないか!!と言いさらに絶望するイヴァン……



その劇中何度も出てくる“ヨブ記”。森さん曰くあまりカンタンに言っちゃいけない話(笑)らしいけど、絶望するほど人生が“ドイヒー”状態のヨブという人が出てきて、「ナゼ神は私をここまで苦しめるのだ」というテーマを扱った旧約聖書に出てくる話みたいです。イヴァンがまさにこの状態に陥っていますよね。では本作はそんな神は救ってくれない、「神など信じるな」というメッセージなのか?



というとそーでもない。最終的に彼は脳腫瘍が銃弾で吹き飛んで助かるという神がかったとしか言えない奇跡(笑)を起こします。つまり最終的には神に救われるのです。この映画は、確かに宗教的な見方やテーマを扱ってはおりますが、大事なのは実はそこではないと思います。













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“不幸な事が起きました、でも神は守っちゃくれねえよ?神や悪魔のせいにしたって何も変わらないじゃん?だったら不幸全てを受け入れて前向いて歩くしかないじゃん?でもそしたら神が奇跡を起こしてくれるかもよ?”





っていう事が言いたいのではないか。物凄く深い話だな〜と思いません?思い返せば、この映画は色んな所が“おかしすぎる”物語だな、と感じた方も多いはず。でもそんなのかんけえねーの小島よしお精神の全部引っくるめて「気にすんな。」という、もしかしたらそんな細かい事にいちいちツッコミたくなる我々視聴者の映画の見方に対しての「寛大さ」にも訴えかけているのでは?ここまで深いテーマ性を入れてくる監督で、そのようなミスとも取れる行為をするだろうか?それはつまりあえてツッコミを入れたくなるようなシーンに意図的にしてんじゃね?とも考えられちゃうのです。



そーいえばアダムもイヴァンを殴り続けて彼を“変えようとした”、でも結局本当に変わったのはアダムの方ですよね?変人イヴァンという男を“受け入れた”のはアダムですよ。パキスタン人のガソスタ襲撃も力づくで彼を止めようとしないで、彼の行動そのものは変えなかった所も、アダムが次第に“寛大な心を持ち始めた”事がわかりますよね。


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寛大な心か……確かに辛い現実と向き合うのは物凄い大変。私はまさにイヴァンのような人間ですよ。誰のせいにも出来ない時は神や世の中を恨んだり……


いやーこの映画にはヒジョーに考えさせられましたね〜。同居人が全く更生してないじゃないのとかカラスや飼い猫が平然と殺されたりマッツの脳ミソが飛び出ちゃったりなかなか万人向けの映画ではない事は確か(笑)ちなみにトークショーで“映倫のウラ話”がメチャクチャ面白かったです。映画にレイティング審査をつける映倫の基準って、銃撃戦→血が出る→そして“死ぬ”までいったらR15、銃撃戦→血が出る→復活したらR12止まりという、まさかのグロさで審査していないとかビックリだよッ!!(笑)



ブラックユーモアの先には何か人生に行き詰まった時とか、元気が欲しい時、後ろからポンと背中を押してくれるような、そんな映画だと思いますねッ!!








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