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アド・アストラ(2019)


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【原題】Ad Astra

【監督】ジェームズ・グレイ

【出演】ブラッド・ピット ドナルド・サザーランド トミー・リー・ジョーンズほか

【あらすじ】

地球外知的生命体探求に尽力した父(トミー・リー・ジョーンズ)の背中を見て育ったロイ・マクブライド(ブラッド・ピット)は、父と同じ宇宙飛行士の道に進むが、尊敬する父は地球外生命体の探索船に乗り込んだ16年後に消息を絶つ。あるとき、父は生きていると告げられ、父が太陽系を滅亡させる力がある実験“リマ計画”に関係していたことも知る。(Yahoo!映画より)





【感想(ネタバレなし)】

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『知的生命体を探しに……いや知的生命体はたまに日本で缶コーヒー飲みに来るアンタだy、』






センセェー!!我々ワァー!!今日を持ちましてェー!「並中大どちらに致しますか?」の大盛り無料のつけ麺屋さんで並以上頼まない事をここに誓いまァース!!どーもどーもラーチャえだまめです。……と言うわけで先週仕事終わりに寄ったらたまたまやっていたらしいはいドーン!!


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タッチの差でジャパンプレミア逃したぁ〜!!ブラピぃー!!!!……けど10分後に到着したという事はまだブラピが吐いた二酸化炭素がその辺に浮いている可能性もクンカカンk、



【アド・アストラ】!!いやー先日観て参りました、宇宙服×ブラピ……55歳にして本格宇宙進出!?正直ブラピにSFのイメージは微塵もありませんでしたねー。SF映画でも「12モンキーズ」のキチガイ役はちょっと違うしな〜、とにかくキャリアを重ねてきた後も「ワールドウォーZ」のゾンビ映画だったり「新境地」を怠らない世界のブラッド・ピット!!今回またしても宇宙…という新しいフィールドで!?いやいや彼の役柄としても!?まだまだ挑戦し続けているんですね〜!!



いやーそれにしても私2019年度、正直な話この映画全くもって「ノーマーク」でございました。。。。いや公開前に急に「早くもアカデミー賞候補!?」なんて宣伝され始めてさ、日本でも急に番宣し始めたやん?でもさ、いくらブラピが出てるからって……どーなんかなー、監督あんまり知らんしなー、CMで“月面でカーチェイス”なんか見せられちゃったらさ、物凄い“安っぽい”ゴテゴテの「エンタメ」よりなんじゃないかなー、そんな不安があったのですよ。あ、わかった















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これ「観た後」評価が上がるパティーンですわ






いやいやいや!?こーれーはまた……見終わった後両隣に座っていたご夫婦で「全く意見が食い違う」のを耳にしてしまいました、評価が真っ二つに分かれますねーこれは!!まぁそれもわかるのよ、だって地球からはるばる43億キロ離れた海王星で父と子の“親子喧嘩”なんて見せられちゃあ……エピソード7より前にハンソロとカイロレンに見せてやりたかったですよ!!本作がスゴイのは「未知との遭遇」的知的生命体とのコンタクトMOVIE、あるいは超人気俳優を使ったエンタメ ポップコーンMOVIEのなりを潜めて実はルーカスフィルム顔負けな贅沢にも壮大な銀河系を使って非常にミニマムな「親子」の話をやっちゃう「ドラマMOVIE」だといういう事なのです!!ここが評価の大きな分かれ目であり「えぇ〜宇宙人ジョーンズは?」とかSF=「ゼログラビティ」を想像する人にはちょっと辛口評価になるかもしれません!!



反対にもう実家を離れてかれこれ数十年、そういや最近父さんに会ってないなー、どうしてんのかなー、相変わらず仕事熱心なのかなー、なんかご近所さんとトラブル発生だって?ちょっと実家帰って様子みようかなー、そんな人には“めちゃマインドに響く”映画なのでは!?それはつまり

















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“親子とは(この場合)最も近くて最も遠い存在である。”









が、言いたいんじゃないか。






まさにこの惑星には、全世界を巻き込みわりかし大量の死人まで出して描き出す親子の物語があった……BOSS







【感想(ネタバレ)】





いやあのOPでタイトル横にスーっと流れていった時確信したよね「あ、これは期待出来るヤツだ。」ってよ!!!美術、サントラ、そしてカメラワーク……サイコー過ぎです特にカメラワーク!!!「ダンケルク」でアカデミー撮影賞受賞、「ファーストマン」でモロパ◯リされた「インターステラー」の画期的な撮影方法を生み出した撮影監督、ほんで?ホイテ?ヴァン・ホイテマ氏によってリアルな宇宙空間を作り出していましたよねー。またOPでブラピが空から落下するシーンや月面でのカーチェイスシーンなど登場人物の“視点”で見せてくるまるでVRばりの臨場感もIMAXスクリーンで堪能出来ました。



その月面カーチェイスが全然“B級っぽくない”、SF映画特有の“進化しすぎた”世界線ではない月面や火星などロケット一つで誰でも簡単に行けてしまう近未来を描いているはずなのに“今そこにある未来感”。リアルティを追求する為NASAの関係者などを呼び会食をしながら徹底的にリサーチしたようで、そこには派手な演出やSFロマン、ユートピアなど存在しない、寒々しく実に機械的でディストピア寄りの“必要最低限なSF”しか出てこないに徹底的にこだわり抜かれたシャトルや宇宙基地の美術が素晴らかったですね〜!!


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「キャリア最高の演技」とも言われちゃってるブラピの“感情を殺す”演技。ブラピ演じる宇宙軍のロイは長年の訓練で感情をコントロール=内に押し殺す事を強制し続けた結果いつしか“他人に感情を見せるのが下手”というブラック企業に務め続けて超内向的な性格になった俺かよ!!職業病ですねー完全に。おかげで恋人のリヴ・タイラーとは全然絡みなくて結局また地球から“アルマゲドンビデオレター”を送る大したこと無い役でしかなかったのが残念でしたが。常に感情の中心にあるのは“孤独感”。この孤独さを持つ影のある役もまた上手かったですね〜



なんかずっと悪役ズラで最後まで信用出来なかった名優ドナルド・サザーランドにトミー・リー・ジョーンズ……ジョーンズさん何十年も海王星に一人引きこもって、、、飯とかどうしてたのでしょう。ちょっと我々の想像以上にヒゲモジャでかつ“理解できない”それはきっと“息子”のロイも同じこと。。。。。



御年55歳になったブラピが“息子役”という_____最初はちょっと「えっ」ってなりません?でもねー見終わった後から考えると、この55歳のブラピが息子役をやることにこそ“大きな意味”があるのではないか



彼は宇宙で行方不明になった親父を“死んだ”ともう完全に自己完結しちゃっているんですよ。勿論亡骸すらない父の死を受け入れるのは相当な時間と苦労があったはず。それから数十年経って子供はいませんが恋人が出来て別れて様々な経験をして自立した大人として生きてきた55歳になってですよ?いきなり「お前の親父は生きている」なんて言われてもさ、、、、、って話じゃあないですか?
















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“「僕は本当に親父に会いたいのだろうか?」”







火星で親父にメッセージを送るシーンでロイが言うセリフ。親父を救出するのは“ミッション”であって本当に心の底から自分は親父が生きていると信じているのか?信じたいのか?広大な宇宙にいるかもしれない知的生命体の研究に取り憑かれ、家族を犠牲にして宇宙に飛び立った親父を。“親父に会いたい”、この感情は本当に自分のものなのか?自問自答するこの迷いというか、これがもし20代の若者が親父を探しに行く物語だったらフレッシュさが勝ってここまでの“深み”は出ないと思うのです。人生を“熟成”し続けたからこそ生まれるそう一筋縄ではいかない複雑な感情。また“人殺し”となった親父に徐々に自分が重なって見えてくる事に、ロイは必死に抵抗します。自分は親父のようには決してならない、クルーや家族を犠牲にして自分自身の人生さえ犠牲にして研究に没頭する親父には決して……


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それがクライマックスでロイが“地球に帰る”という選択を選ばせたんだと思います。それまで生きることに充実感を感じられずOPの落下シーンや海王星の基地に入るのに帰還するのに必要なシャトルを平気で捨てちゃったり生に執着しなかった彼が、最後地球に戻り“自分の人生を再び生かす”事に取り組むラスト。まるで親父が“反面教師”のような“悪いお手本”となった結果彼は“救われた”ようにも見えます。



前半で話した“最も近い存在であり最も遠い存在でもある”と言ったのは、親はいつまでも“理解している”ようでいて実は理解できない“他人”でもある、というまさにこの親子がそうでしたよね。わかるなーこの感じ。勿論仲がいいことに越したことはありませんけど(笑)ずっと離れ離れになるといつの日か家族を見失う、そうまるで宇宙の彼方に消えていったこの親父のように・・・・・と思ったら日本で缶コーヒー飲んでたってオチですね









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