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ガンパウダー・ミルクシェイク(2022)


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【原題】Gunpowder Milkshake

【監督】 ナヴォット・パプシャド

【出演】 カレン・ギラン レナ・ヘディ アンジェラ・バセットほか

【あらすじ】

暗殺組織に所属する凄腕の殺し屋サムは、ターゲットの娘エミリーを匿ったせいで組織を追われ、命を狙われてしまう。次々と送り込まれる刺客たちを蹴散らしながら夜の街を駆け抜けるサムは、かつて殺し屋だった3人の女たちが仕切る図書館に飛び込む。女たちはジェーン・オースティンやバージニア・ウルフの名を冠した武器を手に、激しい戦いへと身を投じていく。(映画.COMより)






【感想】
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『※こんなウエイターは嫌だ』





どーもどーもラーチャえだまめです。早速ですが本日はコチラの映画を拝見させて頂きました



【ガンパウダー・ミルクシェイク】!!!なんだかこれまた物騒なタイトルが飛び込んで参りましたアメリカでミルクシェイクとハンバーガーをセットにして出すお店は知ってますが(んな高カロリーなもん2つも食えるかとハンバーガーだけチョイスした思い出)ミルクシェイクの上に“ガンパウダー=火薬”でもトッピングしちまったってかぁ?そんなの名古屋民でもしない組み合わせだよぉー!!そんな“危ない”と“カワイイ”が融合してしまった!?掛け合わせアウトデラックスすぎるガールズアクションMOVIEが爆誕してしまいました


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主演を務めるは「ガーディアンズ〜」の青いオナゴことネビュラじゃ素顔も見えなかった「ジュマンジ」ではボンッキュンボンッなアバターなのにこちらは青くなくていいんですねカレン・ギラン。身長180cmの高身長スタイル抜群のカレンが?オレンジのトラの印字されたスカジャン?スカジャンだよねそれ!?横須賀民もビックリ可憐に着こなして(カレン…だけにねッ!!)最強無敵の「殺し屋」を演じているという??こーれーは気になります。



しかも?彼女だけじゃないポスターに映るベテラン殺し屋勢の姿!?いやーまさに「355」が女スパイだったのに対しコチラは「全員女性の殺し屋」で集められたらしい「ガンパウダー・ミルクシェイク」!!









カレン・ギラン演じる“サム”は会社(ザ・ファーム)から殺しの依頼を受ける凄腕の殺し屋であります。今日も「しくじった。」と腕の傷を縫いながらそれでも襲ってきた軍勢を全員返り討ちにして帰宅するサムの元に会社の“雇い主”のネイサンから新たな依頼を受ける。どっからどー見ても映画スタジオっぽいダイナーでその雇い主と落ち合うことにしたサム。そのダイナーは殺し屋御用達のお店で敵味方関係なしに“一切の武器の持ち込みを禁ずる”をモットーに営業している店であった……あれ藤原竜也は?「ジョン・ウィック」で言うところのコンチネンタルホテルに当たる場所ですねハイハイつまりは「絶対安心なセーブポイント」と言った所か__?と思ったら数年前12歳だったサムは同じく殺し屋だった母親と同じ席で待ち合わせ、待ち合わせに遅れた母を咎めるも2本のストローがぶっ刺さったミルクシェイクを2人仲良く吸い込む微笑ましい姿。途中母親が席を立つと今度は見知らぬ男たちがズラズラ店にやってきて……「母親はどこだ」と脅されるサム。そこへ銃を持った母親登場「目をつぶってなさい。」母の言いつけを守り目をつぶるサム。その瞬間銃声と男の断末魔が鳴り響き……いやいや何ルール破ってんだよ早速銃だけに設定ガン無視かy……ようやく音も静まり目を開けるとそこにはもう母の姿はなくどこかへと旅立ってしまった……あれから数年。サムは今日も同じ席で2本のストローをぶっ刺したミルクシェイクを注文する。そう、そうすればいつか母が店にやってきてまた一緒にミルクシェイクを吸い込める日がやってくるんじゃないかって……う゛う゛う゛う゛……そう思いながらう゛う゛う゛う゛う゛う゛……(泣)あ、失礼致しました


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まずは「ビジュアル」っすよねぇ〜。古き良きポップで可愛らしい愛すべきアメリカンなダイナー、ネオン輝く客のいない閉店したボーリング場、拳銃を何故か本のページに忍ばせる18歳以下お断りなライブラリー……イスラエルの新税監督ナヴォット・パプシャド監督のパイプユニッシュ必須の趣味趣向が詰まりまくりの舞台でアクションを撮りたい、が先行してそこからこの映画は誕生したかのような?“リアリティはないスタジオ的だけどどこかポップでこだわり抜かれた美術”が炸裂しちゃっているんですよねー。そしてオタッキーなジャポニカ文化も大好きなようで?“シリアル”とカタカナで書かれた文字にTシャツのデザイン等にチョロチョロ日本語が混じっていたり??世界の黒澤を神と崇めるパプシャド監督の日本へのこだわりも作中随所に感じる事ができる。これは是非ともジャパニーズ向けの海外映画かもしれません??



こだわりはCGを一切使用していない無添加製法にこだわったアクションもそうで?どうやって殺そうどうやって殺そう……と一人つぶやきながら作成したかどうかは定かではありませんが例えばボーリング場でのシーンでは恐らく「どこでボーリングを武器に使おうか」と考えただろうし殺し屋のサムを数人相手にただ戦わせるのはちょっと味気が……そこで!サムの腕を使用不能にしてダラ~ンと力の入らない伸び切った腕を振り回してどう戦う?等ヒトクセもフタクセもある戦闘スタイルもきっと楽しみながら考えたことでしょう??



そして極めつけはベテラン女優による「殺し屋三賢人」の登場。「スパイキッズ」でママさんスパイや「ウォッチメン」で初代シルク・スペクターなんだからそりゃ強いよカーラ・グギーノを筆頭に「ブラックパンサー」で最強の王様のマザーを演じたアンジェラ・バセット、そして「シャンチー」の記憶が新しいまだまだ全然動けます宣言中のカンフーマスターミシェル・ヨー……この3人が今は図書館員に扮しているが実はかつて一斉を風靡した最強の殺し屋たちだった??そしてサムが助けを求めて図書館に殴り込みしたのをキッカケにサムの後を追うようにズラズラやってくる男の殺し屋集団。あ、ちなみにポスターにはこの3人がカレンと同格で写っていて同じく主人公感漂わせておりますが
















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出るのは「後半」だった〜





3人の活躍が見られるのは後半戦であります。前半はサムの個人戦だけなので三賢人のファンにはちと「勿体ぶらずに早く見せてよ〜」ってなるかも?逆にスクリーンに登場するのは結構序盤のほうだから尚更期待させちゃう所ではありますが。それよりも先にサムの母親役のレナ・ヘディがサラコナーばりのガンアクションで参戦しちゃいます!そしてようやく三賢人が重い腰をあげて「加勢」したらもう……この興奮と感動は、是非ともスクリーンで体感して下さい!!(回しもんかお前)



今作はそんなガールズ同士の愛と友情の“シスターフッド”が堪能できる近年よくあるフェミニスト映画……と思われた方もおるやもしれません。いやー最近本当に多いですよね。いや女性がスタントなしでカッコいいアクションを披露するのは個人的に見ていて非常に楽しいしもっと沢山あってもいいと思う一人ですが「プロミシング・ヤング・ウーマン」でもあった「男を“絶対悪”とする表現」が今作にも非常に色濃く反映されているといいますか、会社(ザ・ファーム)のメンバーが全員男、その下で女の殺し屋たちが時に使い捨てのような扱いを受ける……ここまでオブラートに包まないのも逆に清々しい。他にも出てくる男がみんなおバカと言うか、サムを狙うトリオを“3バカ”と字幕でもそう表記して、いや確かにバカなんだけどこの3人の風貌が会社にいそうなTHE典型的な男性上司3人組をイメージしてんじゃね?と思ってしまったり、サムに殺された息子の復讐に燃えるラルフ・アイネソン演じる裏社会のボスも「4人の娘は愛しているが時々何を考えているかわからないしコソコソ何か言うのが鬱陶しい。反対に殺された息子は同性だからめちゃくちゃ意気投合するし好きだった」みたいなこと言うんですよ。このセリフからも女性軽視が見て取れるというか、そんな奴らを「ルールを破ってでも返り討ちにする」んですよね。この“ルールを破壊する”という展開が、男社会のルールに縛られない女性の強さ、象徴を表している…?ちょっと考えすぎな気も致しますが、でも本作は“ウーマン万歳映画”であることは間違いなく、それがちょっとあまりに極端に振っている所が、見ていて少し気になってしまいました。


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あとね全体的に長い長い。少なくとも30分は削れた。決して退屈なシーンがあるわけじゃなくて、序盤から順序よく話を進めていってちゃんと後半に特大な見せ場も用意しているんだけれども、全てを丁寧に描き過ぎていて(それはアクションシーンにおいても)それがテンポを悪くしていると思いました。強者アサシン大集合映画なんてアタマ空っぽにして見たいのにスタイリッシュさが削がれてしまって、そこがちょっと残念でしたねー。



え、もう既に続編決定してんのコレ?殺し屋たちの本格アクションはそれこそ「ジョン・ウィック」を連想させる、まさに“女性版”「ジョン・ウィック」なのだけれども、カレン・ギランの新たな代表作になるかもしれませんね…!!


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