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クリーチャー・デザイナーズ ハリウッド特殊効果の魔術師たち(2015)


【原題】Le complexe de Frankenstein

【監督】ジル・パンソ アレクサンドル・ポンセ

【出演】ギレルモ・デル・トロ ジョン・ランディス ジョー・ダンテほか

【あらすじ】

「ターミネーター2」「ジュラシック・パーク」「スター・ウォーズ」など映画史に残る数々の名作に登場するクリーチャーやモンスターたちと、彼らを生み出してきたクリエイターたちの関係性に迫ったドキュメンタリー。(映画.COMより)







 
【感想】

『少年マンガなら間違いなくラスボス』

 



トイレでスマホをいじっていたら通知が来て隣のトイレからも同じタイミングで音が聞こえた時に感じるシンパシー……どーもラーチャえだまめです。本日はそんな刺さる人にはボラギノールよりも食い込む否、全国の「特撮」好きの“サイエンス・フィクション”ヲタの皆さまとシンパシーを感じたい……今日ご紹介する映画はコチラ



【クリーチャー・デザイナーズ ハリウッド特殊効果の魔術師たち】!!!ヨォー!!!特撮屋!!いやーついに見れました、なかなか観に行けなかったのですが、つい先日近所にある片桐はいりがポケモンより出没率が高いという某劇場でやることが判明し足を運んだ所存、昔はよくアップリンク渋谷で拝見したけど今では滅多に見ないドキュメンタリー映画、いやいやしかしこれは観に行かないと“義務教育”ですよ!?かつて一世を風靡セピアしたハリウッドの「特殊効果」により生まれし“大御所クリーチャー”たちの“知られざる”爆誕秘話&80〜90年代に入り“CGI”との競争の激化&“共存”を目指すも時代の流れに抗えなかった「匠」達の?華麗なる成功と衰退を御本人の口から聞ける贅沢過ぎる104分の記録……特撮好きとして、ゲテモノグチョグチョビュぇぇ〜好きとしては観に行かない理由がない






 




……とは言ってみたものの本作は2015年に作られた映画。ヌヌ今まで流れてこなかったん…??今じゃ本編に付属する映像特典で作品の裏側“制作秘話”が拝見できるのも珍しくないのでそこまで「本邦初公開!」「蔵出し映像!」みたいなものは、しょーじきなところ少なかったかなぁ。ということをはじめにお伝えしなければなりません。しかし1本の映画の特典を長々と見るより?色んな作品を交えてまとめて紹介してくれた方がとっつきやすいのは確かだと思うので、したがって本作は「特撮ってなぁーに?」と言った















“特撮入門”なドキュメント





かもしれません!!……と言うのも序盤ではず“特撮”の簡単な説明、工程からその“レキシ”などご親切に十分に尺を使って説明してくれるんですよね。製作工程の場面でまずは粘土でカンタンに全体像を……とかなんとか言ってテキトーに練ってるうちにいつの間にかバケモノを爆誕させるクリエイターの腕前におお〜!と声が出てしまいそうになりました。特殊メイクの元祖1932年の「フランケンシュタイン」やストップモーション界の神レイ・ハリーハウゼンなどの“先駆者”達の説明もあり、これが初心者にとっては非常に有意義な時間を過ごせると共に、「そんなの知ってるわい!」と詳しい方には少々長い“おさらい”感覚になるかも。まぁでも普通特撮に興味がないニンゲンがこんな映画そもそも映画館に行って観に来るかいって話なんですけどね……欲を言えばコメントの間に実際本編で使われたシーンが挟まれるんだけど、出来れば全ての作品のタイトルを字幕表示して欲しかったかなー。一部タイトルの表示がないやつがあって、本作をきっかけに本編を見てみようってなった時に何の作品かわからないのは非常に勿体ない。



そこから話はハリウッドの特撮が爆発的に進化した70年〜80年代に突入。「狼男アメリカン」で度肝を抜く特殊メイクを見せてくれたリック・ベイカー、「アビス」で深海の光るイカ星人の作製に携わったスティーヴ・ジョンソン、「スターウォーズ」シリーズで異星人たちに息吹を吹き込んだフィル・ティペットなどなど……特撮界の「元帥」たちが総出演し当時の撮影秘話を語ってくれます。ほかにも「グレムリン」のジョー・ダンテ、「狼男アメリカン」のジョン・ランディス、そして我らがギレルモ・デル・トロ監督陣たちも並々ならぬ“特撮愛”をぶっちゃけているんですねー。ちなみに個人的に「サイレントヒル」「仏版美女と野獣」のクリストフ・ガンズ監督がめっさ興奮しながら特撮愛を語っていたのが面白かった。本作がフランス産だから出たのかな?「ジェヴォーダンの獣」っていうフランスの「グエムル」みたいなバケモノ映画を爆誕させた張本人だからアツくなるのも納得ですが

















私は二度見した。





そしてそこから特撮、否洋画にあまり詳しくない方にも名前くらいは知っているであろう「ロボコップ」(メジャーだと言ってくれメジャーだと…!!)「ターミネーター2」「ジュラシックパーク」……名作映画にまつわる特撮秘話が語られてしまうんですねー。もうこっからがさらに面白い。詳しくは言いませんがザッと内容を挙げただけでも












無茶ぶりが多い監督vol1ジェームズ・キャメロン


頭でっかちが功を奏した「プレデター」


空前絶後の「狼男」vs「狼男」


特撮界のハリウッドスター、ロブ・ボッティンという男


「CGI」と「アニマトロニクス」はじめての「共闘」作品「ジュラシックパーク」


無茶ぶりが多い監督vol2サム・ライミ






…いやーどれもこれも興味深いヒストリーなんでありましてですねぇ、特撮界では今なお語り継がれる“变化対決”「ハウリング」VS「狼男アメリカン」……なぜ狼男?TVチャンピオンでも競い合わんわ。ハリウッド特撮史のターニングポイントと名高い「ジュラシックパーク」が何故そう呼ばれているのか?知ってはいたけれど改めて「ああ〜なるヘソ〜。」と。CGIスタジオとアニマトロニクスのスタジオが同時並行でそれぞれ恐竜たちを制作してTレックスは当初ストップモーションでやる予定だった……でもCGIが予想を凌ぐ技術を持ち始めたから結果CGでやることになった。ただ顔のアップや出演者と「共演」するシーンでは従来のアニマトロニクス技術を採用……一度はケンカしていた両スタジオが、最終的にタッグを組んで最高の作品を生み出すことに成功した……なに少年マンガ的展開!?まさに「適材適所」……私の好きな言葉です。



のちにそれが「スターシップトゥルーパーズ」のバグズたちにも受け継がれて……この頃がまさに特撮の黄金期、CGIとアニマトロニクス両者が健在だった時代。しかしCGの急速な進歩によって特撮が徐々に追い込まれていく……。



あんなに仲良くやってきたのに、戦友だったじゃないですかぁ〜!?CGIとアニマトロニクスはそもそも「タイプが違う」もの。競い合ったり取って代わるものではない、と。それが徐々にCGIはアニマトロニクスの「上位補正」という業界のイメージが定着し始める。「物体X」の続編が前作と同様8割アニマトロニクスでやる予定が直前で全てCGに変更になったことを嘆く場面では私も同様にうんうんと頷きながら見てしまいました。その腹いせで「Xコンタクト」作った、とまでは言わなかったけど



後半はそんな衰退の一途を辿る特撮の「映画に居場所がない」悲痛な叫びを見ているかのような……全盛期にあった特撮スタジオも次々と倒産、さらに特撮界のレジェンド、ロブ・ボッティンがハリウッドを去るというとんでもクライシスな事態にまで発展……2008年に亡くなったもうひとりのレジェンド故スタン・ウィンストンがもしまだ生きていたらどうなっていたんだろうか。彼が今の現状を見てどうコメントするか聞いてみたかったですね。(息子さんのコメントを見て思わず想像してしまった。)ちなみにスタジオがCGを多様するようになった背景には「製作費」と「制作期間」の枯渇が原因らしい。良いものを出来るだけ安く、そして早く作りたい……“伝統”ってそういう所から消滅していくんだね…。



知ってます?クリーチャーはちゃんとその造形、動き方全てに“意味がある”のですよ?特撮クリエイターたちはただ監督から指示を受けて製作しているわけじゃない。時に監督“に指示を出す”ことさえある、彼らはクリーチャーにとって“創造主”「神」なわけですから、彼らに命を吹き込むことに全力を注いでいる。たった1体を動かすのに数人を投入することだってある。彼らの動きがピタリと合わなければ命を吹き込むことは出来ない。スタッフたちをまとめ上げるのもクリエイターの仕事なのだそう。



ラストまで見てレジェンドたちはまだ諦めていない、そんな風にも見えましたね(フィル・ティペットだけなんかやさぐれてたけど…)またお声がかかればいつだってやるぜ、的なインタビュー中どこか目を輝かせているようにも見えました。先に言った「なんで今更日本で公開に踏み切った?」のウラに、未だ予想を超えるロングランヒット中の「某空想特撮映画」の公開時期に合わせたかった……なんてね!!仮説を個人的に推したいですね。いや夢あるやん?今年は「特撮の年」にしようじゃない!!あ、ちなみに日本の特撮に関しても「ゴジラ」についても言及してましたね。

 















「演技は下手だがよく出来てる」と褒められました。

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